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サルとジェンダー――動物から考える人間の〈性差〉
サルとジェンダー――動物から考える人間の〈性差〉
フランス・ドゥ・ヴァール、柴田裕之/紀伊國屋書店
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総合評価

6件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間の性別の差。読んでいて思ったのは性欲とは?でした。 マイノリティのLGBTQに関しても、そもそもそういう行為自体が人間が宗教的に?ダメとしているだけであって、生物学的には問題ないのかなあと思いました。 結構宗教上の理由が、世界的には大きいと思うんですけど、彼らは決して劣ってるわけではない。 いつから性と言う概念が、男性と女性だけの間のものになったのかという疑問が浮かびました。 また、性差が遺伝なのか、文化的なのかって問いに対してどちらも影響してる。 男の子は車で遊びたい、女の子は結局ママごとをしたいそういう違う性質もある人たち。だからこそ、協調して一緒に生きていくっていう世界が実現できれば良いなと。

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    類人猿も比較対象に入れた性差の読み物 文化と関係ない生物としての性差に気付かされる ボノボってこうなんだという発見もあり読んでみてよかった本です。

    6
    投稿日: 2025.06.19
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    人間社会のジェンダーや「ジェンダー論/セックス論」を考える上で非常に重要な本。さすがドゥヴァール先生、おもしろい。反ジェンダー論、反フェミニズムというわけではないし、安易な生物学強調にも一定の距離を置いて落ち着いている。

    0
    投稿日: 2025.06.02
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    今、霊長類をメインとした動物の性行動についての知識を網羅した本。ひいてはヒトの性行動のアーキタイプについての示唆を(ある程度)与えてくれる。 それにしても、ヒトの性行動のアーキタイプは解明されてない気がする。この作者もヒトのアーキタイプは一夫一婦を支持しているようだが、私は眉唾だ。 育児に男の助けが必要なことは、一夫一婦の十分条件になりえない。 しかし、キリスト教史観に対する言い訳が延々続くのは、東洋人の私としては、辟易する。大変だなぁと。

    0
    投稿日: 2025.05.11
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    男女の存在価値における究極は生殖にあり、そのために女性は機能分担上も身体的に弱く(男性に比べ身長が低いとか、腕力が弱いとか)作られ、高い生殖コストを強いられている。でも、弱く作られる必要がどこにあるのか。これは合目的的なものではなく、進化の選択圧として、腕力が優れない方が子孫を残しやすかったからだと考える。 人間社会は、「多少無理して」男女平等を実現しようとしている。私は、この「多少無理する」ことこそ人間足る上で重要なのだから、必ずしもプリミティブな自然状態が良いものとは思っていない。生殖行為自体も、スタートは男性側のリビドーによるエレクトが無ければならない。故に女性性は魅惑する性となり、侵襲される性にならざるを得なかった。これを「多少無理して」女性上位概念を可能にしてきたのが現代社会だ。 人間社会ではもはや失われた「自然状態」としてのジェンダーはどのような形だったのか。これを霊長類の性差を覗く事で類推してみようというのが本書。とても原初的かつエロチック、つまり本質的な内容で面白い。 この手の本によくある役者はボノボであり、チンパンジーである。ボノボの開放的な性生活は有名だが、それには深い戦略がある。人間も大して変わりはしない。男も女もしたたかでそれなりに自由だし、野生のその世界においても決して女は支配される性ではないという事実が私たちを安心させる。ボス猿をアルファオスと呼ぶが、ボノボにはアルファメスがいるのだ。 ー 両性を一つの階層制に取り込もうとする現代社会の試みは、両性のリーダーシップ能力を拠り所としている。他の霊長類の観察から、その能力はどちらの性にも見出せることがわかっている。両性のリーダーシップ能力は、完全に同じではないかもしれないが、違う部分よりも重なり合っている部分のほうが多い。女よりも男のほうがリーダーにはふさわしいと思われることが多いが、そう考える理由はない。男は体格や力で優るからといって、女より優れたリーダーになれるわけではない。 男女ともにお互いを選ぶ。しかし、選択肢はこの人生という限られた出会いの中で決して多くはない。階層を意識しているようで、単に近場で妥協しあっているのだ。永遠の愛を結婚制度とした隠れ蓑の中、一皮剥けば誰しもがボノボかも知れない。平和ならばそれで良いのでは、とも思う。

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    投稿日: 2025.04.26
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    1. ジェンダーに関する基本的な考え方 - ジェンダーは、単なる生物学的性別ではなく、社会的・文化的に形成された役割である。 - 社会は男女に異なる期待や行動を強いることが多い。 - ジェンダーは、学習や社会化の過程で獲得されるものとして捉えられている。 2. 類人猿の研究から得られる知見 - チンパンジーとボノボの比較研究によって、ジェンダーに関する新たな視点が得られる。 - チンパンジーは男性優位の社会構造を持ち、一方でボノボは女性が優位である。 - これらの研究は、性別に基づく社会的優位性が必ずしも生物学的要因によるものではないことを示している。 3. メスの選択の重要性 - メスの行動や選好が、オスの行動や地位に大きな影響を与えることを強調。 - 生物学的な観点からも、メスの選択は進化的に重要である。 - メスがオスを選ぶ過程は、単なる受動的な行動ではなく、積極的な選択の結果である。 4. 性差と社会的役割 - 男性と女性の社会的役割は、文化や時代によって変わることがある。 - 男性は攻撃的な行動を示すことが多いが、女性は協力的な行動が強調される。 - 性別による遊びの違いが、社会的な関係性に影響を与える。 5. 医療と性差 - 医療において、性差を無視することが健康に悪影響を及ぼすことがある。 - 女性は男性と異なる体の構造や健康上のリスクを持つため、適切な診断と治療が必要。 - 研究は、性別を考慮に入れた医療の重要性を示している。 6. 社会的協力と子育て - 人間の子育ては協力的な行動に基づいており、これは他の霊長類とは異なる特徴である。 - 集団での子育てが、個体の生存率を高める要因となる。 - 女性は特に、協力的なネットワークを形成し、子育てにおいて重要な役割を果たす。 7. ジェンダーの社会的構築 - ジェンダーは、単なる生物学的特性の延長ではなく、社会的に構築されたものである。 - 社会は、性別による役割を強化する文化的なメカニズムを持つ。 - 性差に関する固定観念が、教育や社会制度に反映されている。 8. 現代社会における性差の状況 - 現代社会でも性差に基づく偏見や不平等が存在する。 - 職場や家庭における役割分担が、いまだに伝統的な性別の規範に影響されている。 - ジェンダー平等に向けた努力が続けられているが、進展には時間がかかる。

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    投稿日: 2025.03.25