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powered by ブクログ○『偽りの花嫁~虐げられた無能な姉が愛を知るまで~』 ○著者名 中小路かほ(なかこうじかほ) ○カバーイラスト 神無月なな ○カバーデザイン 北國ヤヨイ(ucai) ○スターツ出版 ○ライトノベル・和風ファンタジー ○図書館 異能が開花しない孤独な姉が、強大な呪術師と出会い、真実の愛から自己成長を遂げる感動的な和風ファンタジー。 ――――――――――――― (あらすじ) 黒百合和葉(くろゆりかずは)は、呪術師最強の証である“神導位”を代々受け継ぐ黒百合家の家系に生まれたが、呪術の才能がない“無能”として悩んでいた。 能力が開花した妹の乙葉と常に比べられる日々に、和葉は孤独を抱えていた。 そんなある日、黒百合家は最強の呪術師・東雲玻玖(しののめはく)に神導位の座を奪われ、そのうえ、彼から「嫁にしたい」という申し出があった。 無愛情な結婚を余儀なくされるが、次第に彼の優しさに触れ、和葉の運命は大きく変わっていく… ――――――――――――― (主な登場人物の魅力と特徴) 主人公・黒百合和葉(くろゆりかずは) 呪術師の家系に生まれた。 ひかえめで素直な女性。 和葉は、呪術が扱えないことで家族から見放されて孤独な日々を送り、心の中で愛を強く求めている。 東雲玻玖(しののめはく) 代々受け継いできた黒百合家に代わって選ばれた、神秘的な魅力を持つ呪術師。 彼は長身で美しい銀色の長髪、白い狐の面をつねに被っている。 神導位に自分が選ばれることを実は望んでいない。 黒百合家の娘に縁談を申し込む。 黒百合乙葉(くろゆりおとは) 和葉の双子の妹で、明るく自信に満ちた性格。 彼女は姉の和葉とは正反対の性格。 この乙葉の存在が和葉の心の中に葛藤を生むことになる。 黒百合貴一(くろゆりきいち)・八重(やえ) 和葉と乙葉の両親。 名誉に執着し、大切にしすぎるため、和葉にとっては負担となる存在。 ―――――――――――――――― (舞台や世界観) 舞台は倭煌國(わこうのくに)という和風ファンタジーの世界だ。 この国では、特別な家系が代々呪術の力を受け継いでいる。 物語では、呪術師たちの戦いや、複雑な家族関係を背景に、主人公・和葉が成長していく様子が描かれている。 黒百合家やその仲間たちとの絡みもあり、物語はさまざまな波乱に満ちた展開を迎える。 ―――――――――――――――― (ページをめくりたくなる展開) 黒百合家が神導位を失う瞬間や、玻玖が和葉に縁談を申し込むシーンは思わず驚かされた。 伏線が巧みに張られていて、予想外の展開が次々と待っているので、最後まで目が離せないだろう。 長い間、その座を守ってきた黒百合家が、突然現れた謎の青年にその権威を奪われる様子は見逃せないところだ。 青年は神導位なんかに全く興味を持っていない。 その一方で、黒百合家はこの位を300年間守ってきた伝統ある家系なので、青年の無関心が逆に彼らのプライドや自信を打ち砕いてしまう。 さらに、黒百合家が必死に自分たちの地位を取り戻そうとするしつこさは、なんとも滑稽な光景を生み出し、思わずあきれて笑ってしまう瞬間もあった。 また、玻玖が無能とされている姉の和葉に縁談を持ちかける展開もなぞだ。 なぜ姉を選んだのか? その理由が気になって仕方ない。 玻玖との関わりが、孤独な和葉の運命をどう変えるのか? 果たして彼女は幸せになれるのか? 興味が尽きないところだ。 物語が進むうちに、玻玖が和葉を大切に思っている理由が明らかになり、さらに驚きの展開が待っている。 そして、切ない感情も湧き上がることだろう。 伏線がしっかり仕込まれていて、後からその意味がしっかり回収されるから、納得感や満足感を味わえるはず。 ――――――――――――― (ひとこと) 家族に虐げられながらも愛を求める和葉。本当の愛を知り、彼女の成長が心に響く作品でした。 異能を正しく使わなければ危険であり、悪巧みを考える人間も残念ながら存在するため、現実に呪術がないことに安堵を感じました。 作品が持つ構成や展開がしっかりとしていて、わたしたち読者が抱く疑問がきちんと解決されますので、満足感を得られます。 読んでよかったと心から思える内容でした。
22投稿日: 2025.06.07
