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日本史 敗者の条件
日本史 敗者の条件
呉座勇一/PHP研究所
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総合評価

11件)
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    ポートスタディ
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    とても読みやすかった。 西郷隆盛は心身ともにかなり疲れていて、それが判断を謝らしめたのだなということがわかった。

    0
    投稿日: 2025.06.18
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    晴川雨読
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    キャンセルカルチャーの被害者ということしか知らなかったが日本中世史が専門とのこと。 ラピダスも田沼意次と同じ轍を踏まないか注視すべきと著者は言う。どうなるかな? https://seisenudoku.seesaa.net/article/514487005.html

    6
    投稿日: 2025.05.01
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    雷竜
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     成功者についてそこから学ぶ類いの本は多いが、失敗にこそより多くの学びがあるというのは本当にその通りだと思う。境遇や幸運に恵まれていたため、それほどの才がなくても成功している人はたくさんいるけれども、単なる偶然だけで失敗した人はそれほど多くない。失敗には必ずその理由があるものだ。  本書はそんな観点から日本史上有名な失敗者についてそれぞれの属性ごとにセグメントしてその失敗の理由を考察している。まあ、特別に新しい見解ではないのだが、失敗から学ぶという意味ではとてもいい本だと思う。「失敗の本質」は重いですが、これはオーディブルでも十分理解できます。

    58
    投稿日: 2025.04.24
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    dm8774
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    読むたびに通説と歴史の真実の差を思い知らされ歴史のロマンを減らされてしまう、それが呉座勇一。でもまあ何が真実なのかとか、どこまでわかっていて、どれが例えば江戸期以降の創作かとか知ると、歴史に対する客観性が増して良いのだけれど。本書は日本史上の偉人や最近評価を上げた8人(源義経、西郷隆盛、山本五十六、明智光秀、石田三成、田沼意次、後鳥羽上皇、織田信長)を取り上げて、その敗者たる所以を語り、現代に活かす知恵をそこから得るという構造。改めて知るとことも多いとはいえ、これまでの呉座氏の本を読んでいるとそこまで新しくはないかな。現代にどう活かすかという点はほとんど一言で終わっているし。大体呉座氏の本を読む層はそもそも通説的な歴史感に染まっていないと思うんですよ。むしろ呉座さんが、意外にも、とか通説ではこうだが、と語る前段階の話はもう今は否定されているのがデフォルト状態の者にとっては新鮮味がないのよね。。とはいえ、田沼意次が再評価されているが、彼の政策も結局は幕府の利益を近視眼的に求めたに過ぎなかったという見方は勉強になりました。おかげでこれからのべらぼうでもそんなに田沼に肩入れしなくていいのねと。これまで小説を中心に歴史が好きだった人が初めて呉座氏の本に触れると結構衝撃とは思う。

    2
    投稿日: 2025.04.12
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    tamasukebiron
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    一部には従来の通説から変わり、現在の新しい解釈も散りばめられているが、全体的にはこれまでの一般的なものから目新しい内容を記したものではなかった。 個人的には、この作品で取り上げられている人物は、歴史に燦々と登場する勝者、権力者として一度は地位を築いた者たちであり、そういう観点からは敗者ではなく失敗者であると思う。ただ、その勝者(成功者)から、時間が流れ、取り巻く周囲や立ち位置が変化するに合わせて勝者のままでいることに失敗した者達と思った。この点、芸能界、テレビをはじめとするとマスメディア業界の昨今の有様に重なるところと感じた。

    0
    投稿日: 2025.04.06
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    ctake102
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    しくじり先生日本史編。 歴史上で敗者として語られることの多い人たちにスポットを当て、彼らの失敗から学ぼうという趣旨の本。 現場監督編、雇われ社長編、オーナー社長編という3項目に、8人の敗北者を振り分けたうえで、1人1人丁寧に解説されています。 歴史学者の著書だけあって、失敗までの過程がかなり詳しく書かれていて、知らなかったことも多くて勉強になりました。 通説では評価されてるけど実際はそんなに凄くなかったから失敗した、という論調が多いです。 私が一番面白かったのは田沼意次の章。 私自身もメディア等の影響で、彼には汚職政治家というイメージよりも、斬新な改革者という印象を持つようになってました。 が、本著では田沼はけっこうこき下ろされているし、田沼礼賛者の学者や作家方々に対しても中々辛辣。 要するに田沼の政策は幕府のことしか考えてなくて、民衆を切り捨てているし、彼の政策には経済を停滞させる要素しかないと、著者はそう断じています。 まぁ、いまの某政党と某省庁みたいなもんです。 激アツな理想を掲げて個人プレーに走りがちな現場プレーヤー、管理者になったとたんに迷走しはじめる元平社員オーナー、自分のカリスマ性を信じて疑わず周りが見えていない創業社長。 成功者の輝かしいエピソードよりも、身に沁みることが多かったです。

    0
    投稿日: 2025.03.22
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    Go Extreme
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    1. 概要 本書は、源義経、西郷隆盛、山本五十六を中心に、現場主義やプレーヤー型のリーダーシップについて考察しています。それぞれの人物の歴史的な背景や行動が、時代や状況にどのように影響を与えたかを分析しています。 2. 源義経のケーススタディ - 独立性と武士の関係: 義経は頼朝との関係において、自立した意図はなかったが、頼朝が朝廷との直接的な結びつきを断つ体制を築いていたことが強調されている。 - 戦功の独占: 義経の軍は主に畿内・西国の武士で構成されており、戦功を独占したことで東国武士との関係が悪化した。 - 反発の声: 義経の成功により、東国武士たちが反発し、内部分裂を引き起こした。このような状況は、義経が彼らの支持を失う結果となった。 3. 西郷隆盛の外交政策 - 朝鮮への使節派遣: 西郷は朝鮮に自ら出向くことを希望し、戦争の大義名分を立てるために行動したが、事前の準備不足が問題視されている。 - 強硬外交の背景: 明治政府が朝鮮との国交樹立を重視した背景には、木戸孝允の強硬な外交方針があった。 - 西郷の誤算: 自身の戦略が思い通りに運ばない中で、特に朝鮮問題に対する関心が薄かったことが失敗の要因とされている。 4. 山本五十六の軍事戦略 - ハワイ作戦の計画: 山本は日米戦争における戦略としてハワイ攻撃を提案し、その成功が日本の初期の勝利に繋がったが、後の失敗をも招く要因ともなった。 - 政治と軍事の関係: 山本は軍人として政治に介入しない姿勢を貫いたが、戦争の運命を決定する政治的判断が重要であることを認識していた。 - 構造的な欠陥: 日本海軍の指揮組織の不明瞭さや、山本一人の判断に依存する構造が、後のミッドウェー作戦の失敗に繋がった。 5. 共通テーマ - リーダーシップの重要性: それぞれの人物が直面した状況において、リーダーシップのスタイルや判断が成否を分けた。 - 現場主義の実践: 現場での判断が経営や戦略において重要であることが強調され、特に義経や山本の実践的アプローチが評価されている。 - 歴史的教訓: 各時代の指導者たちの行動は、現代においてもリーダーシップや戦略に関する教訓を提供している。

    1
    投稿日: 2025.03.13
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    DJ Charlie
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    上手く事が運び、類似事案に直面して「あの時に上手く運んだ」と繰り返して成功する場合が在る。他方に上手く事が運ばず、類似事案に直面して「あの時はうまく運ばなかったから少し考える」ということをして成功に到る場合が在る。 その後者の考え方で、史上の知られるような実績を上げた人物が「敗者」になって行ってしまった経過を考えるのが本書であると思う。 「敗者」とは言え、その名や事績が伝わる成功はしている。それが何故上手く事が運べなかったのだろうかと考えるのが本書だ。非常に興味深い。 本書では源義経、西郷隆盛、山本五十六、明智光秀、石田三成、田沼意次、後鳥羽上皇、織田信長という史上の人物達に纏わる話題を取上げている。何れも「敗者」というイメージが強いということでもない人物達であると見受けられる。一定以上の活躍を知られている。が、最終的に巧く行かなかった面がある。そういう失敗に到った経過を考えるというのが本書なのだ。 「失敗に到る」ということ、「敗者」になって行くことに関して、3つの型を設定している。「現場主義・プレーヤー型」、「サラリーマン社長型」、「オーナー社長型」である。 源義経、西郷隆盛、山本五十六、明智光秀、石田三成、田沼意次、後鳥羽上皇、織田信長という史上の人物達の名を挙げれば、小説やドラマの作中人物として親しんでいようと、何かの本で色々と語られているのを読んでいようと、「昔の偉い人」というような「遠い存在」であることに変わりは無い。が、「現場主義・プレーヤー型」、「サラリーマン社長型」、「オーナー社長型」となると、急に何十倍も身近になる。こういうような類型ということなら、手近に幾らでも居そうで、場合によっては自身が該当する可能性さえ在る。「現場主義・プレーヤー型」、「サラリーマン社長型」、「オーナー社長型」ということで、何かが巧く行く例、巧く行かない例は非常に身近で、著名な史上の人物達が俄かに手近な存在になるかもしれない。 本書で取上げられている様々な時代の多彩な人達を巡る挿話等は本書を是非御覧頂きたい。「現場主義・プレーヤー型」、「サラリーマン社長型」、「オーナー社長型」と類型が設定されているのだが、何れにしても「リーダーシップを取る。または発揮する」ということの難しさは、時代を超えて人のテーマかもしれない。そして色々な意味合いが在るであろうが、「中途半端」では何かが破綻してしまう。そういうような共通項に気付かされる。 歴史というのは、用語や年号を強いられて記憶するという、学校での苦行の類ではない。本書のように、人生の色々を考える材料となるような話しを知って行く「学び」ということなのだと思う。そんなことにも思い至らせてくれる本書は素晴らしいと思う。

    11
    投稿日: 2025.02.21
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    tagutti
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    <目次> 第1章  現場主義・プレーヤー型(源義経・西郷隆盛・山本五十六) 第2章  サラリーマン社長型(明智光秀・石田三成・田沼意次) 第3章  オーナー社長型(後鳥羽上皇・織田信長) <内容> どうも著者の経歴が気になるし、登場人物をこき下ろすような筆致が気になるし、事実的にはそうなのかもしれないが、賛同できないというか…。巻末も一般読者が手に入れやすい本を並べたのだろうけど、これしか参考にしてませんならば、歴史学者として失格だよね…

    0
    投稿日: 2025.02.11
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    nyankoteacher
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    呉座の一般向け著作として、最近の『頼朝と義時』(講談社)は、複雑な状況展開の様子を見通しよく整理分析して提示してくれて、歴史の転換点でのダイナミズムを素人の読者にも面白く味合わせるような仕掛けになっていたと思う。 だが、本書の場合は、『Voice』連載が元ということもあり、内容が薄すぎる。別に歴史のプロが記述する必要もない程度にまでアク抜きされてしまっており、別に呉座が書かなくても・・という内容になってしまっているように感じる。

    15
    投稿日: 2025.02.02
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    ようこう
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日本史の中で一度成功を収めたものの最後には失脚し敗者となった者達を、失敗の原因を考察しつつ教訓を得ようとする書籍。  山本五十六の失敗には納得できないことがかなりあった。現場主義として取り上げるのなら実際に部隊の司令官として戦った南雲忠一を取り上げるべきであると考える。山本は作戦方針を上手く伝えなかったとあるが、南雲が上手く山本の意思を読み取らなかったことが原因であるとも言えるし、軍令部と連合艦隊の関係は山本五十六が問題の原因ではなく、連合艦隊司令長官の立場をうまく利用して作戦を遂行した山本を称賛すべきだと考える。山本五十六の欠点を粗探しし、敗戦の責任を押し付けている様に見えた。本来なら南雲をこの枠に持ってくるべきであったのだろうが、ネームバリューに欠けるので山本五十六を持ってきたのだろうか?他の人物はよく考察されているだけに、残念である。よって星は3とする。

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    投稿日: 2025.01.24