
総合評価
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powered by ブクログ三畳紀に恐竜が台頭した原因を、低酸素への適応で運動能力が格段に高かったことに起因すると説明し、ペルム紀末の大量絶滅の原因を火山活動によるものと断定的に述べているが、説得力があって分かりやすい。初期獣脚類はすでにインスリン耐性で低酸素下に対応し、早い内に気囊も備えていったとの主張。そもそもインスリンは単細胞生物に対しても複雑な脊椎動物と同じ効果があり古代からあるホルモンで、獣脚類がボディプランを変えたことは非常に革新的だった。よく分からなくなるのは獣脚類以外の恐竜について、鳥盤類などはどうなのか。鳥盤類の骨を調べると気囊がなかったようだが、スーパーミトコンドリアを完成させて気囊が進化する前に分岐したのか、それとも体を大きくするために後から気囊をやめて骨を大きくしたのか。 また、大量絶滅後の三畳紀最初に台頭したのはワニ系統である偽鰐類のはずで、獣脚類はその後に台頭しているので、本書の内容と矛盾が生じている。コエロフィシスの比較動物としてトカゲっぽい主竜類が出てくるが、それ以外にもティラノサウルスの頭骨にそっくりで食物連鎖の頂点にいた偽鰐類もいたため、そういった動物との比較も必要に思われる。低酸素への対応一本だけでは説明しきれないことも多く、植物の植生なども動物には影響が大きいはず。 また白亜紀後期の大絶滅のあと、哺乳類が台頭するが、なぜ鳥以外の恐竜は絶滅したのか。鳥盤類の小型が生き残っていてもよさそうなものだが… いろいろ分かって面白い本だが、同じくらい謎も生じてしまった。何回も引用されているとおりピーター・ウォードの影響をとても感じる内容でもあった。
1投稿日: 2025.04.23
powered by ブクログタイトルに魅かれ購入。 鳥の何がすごいのか? それは高い運動能力だ。 ヒトと比較すると、ヒトは高度8,000m以上のエベレストでは酸素ボンベを必要とするが、鳥はその上空を悠々と飛ぶことができる。 これは「スーパーミトコンドリア」という哺乳類のミトコンドリアとは全く異なるものをもっているからだ。このため、鳥は酸素消費が高く、活性酸素が低く、脂肪の合成が低い。 この形質は、約2億5千万年前に起きた大絶滅後の低酸素という強力な選択圧のもとで、進化する過程で生み出された。 過酷な環境にさらされても、生物は自らボディプランを変更することにより、環境に適用することができる。それは鳥に限ったことではないが、生物の進化、恐るべき能力に圧倒される。 鳥の体温、何度くらいかご存じだろうか? それは42度。飛行する鳥は体温が40度以上ある。 飛ぶためには、エネルギー代謝を大きくしなければならない。そのために体温は高い。 体温が高い状態だと、バクテリアによる感染症にかかる可能性は極端に低い。更にがんも極端に少ない。寿命も長い。肥満もない。 いいことずくめだ。 鳥はなぜ長生きなのか。これはインスリンと関係があるらしい。インスリンの生理作用は、①血糖値を低下させる、②老化を促進する、③ミトコンドリアを抑制する。 ヒトでは、インスリンが肥満や老化を促進するらしい。 鳥はインスリンに対して感受性が低い。このため、①血糖値が高い、②老化が抑制される、③ミトコンドリアの活性が高い。 鳥の能力に改めて驚きを感じる。
3投稿日: 2025.04.13
powered by ブクログ「鳥は恐竜である」 いやいやいやいや何を言うてるますのん?じゃないですか、わいら世代としては でもね、どうやらそうなのよ いやー、面白かった うん、本当に学問の世界は日清ラ王よね!間違えた日進月歩よね! あらゆる分野でわいたちが子供の頃「常識」とされていたことが、覆されている そしていつの間にか置いてかれていたことに気付く ショック!ショックミー! はい、恐竜です 日本男児を構成する重要な要件のひとつが「恐竜好き」であることに異論はないと思います そんな日本男児の多くは恐竜とは爬虫類の一形態というような認識でいたと思うんですが、最近の研究では爬虫類よりも鳥類に近い、いや鳥と恐竜はほぼ一緒やんということが分かってきたんですな 詳しくはめんどくさいから書かないけど、昔学校で習った脊椎動物の分類な 「魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類」やったやん? あれ、今では「魚類、両生類、爬虫類、恐竜類(鳥含む)、哺乳類」という分類が正しい!というのが多数派らしいのよね なんでそんなことになってんのよ!って思ったら本書を読めばいいじゃない いやー「新しい世界」を知るのはいつだつて楽しいなー
70投稿日: 2025.04.13
powered by ブクログ鳥の生理学的観点から見る恐竜学! 気嚢で酸素供給量を上げたなら、酸素消費も効率良くなってるはず!というお話。とても興味深かった。
0投稿日: 2025.04.11
powered by ブクログ人間が生身で飛べない場所を鳥が平然と飛べる理由は何故か? 毎日何気なく眺めている光景だが、これを「なんで?」と思った事など欠片もなかった。本書によればそれは鳥の細胞がそれに耐えうる強さを持っているからなのだという。 地球規模の気候変動や大量絶滅、その後に発生した生物の種類からそうした謎を紐解いていくのは興味深く、面白い。厳しい環境では生物の進化は加速し、穏やかな環境ではゆっくりになる。普段知らない事を知る事ができて幸せである。
0投稿日: 2025.04.10
powered by ブクログ人生に悩んでいる人、行き詰まっている人は読んでみたら良いと思う。 恐竜の誕生、進化に関する話で、「約2千万年」を「大変短い時間」と言ったりする。何万年、何億年という単位の話なので、自分の存在や悩みなど地球や生命の壮大さに比べれば瑣末なものだな〜と感じる。 いつかまた地球に天変地異が起こって低酸素状態になってヒトは絶滅するだろうし、ひとまず鳥でも愛でておくか…という気持ちにならんでもない。 キャッチーなタイトルに反して、中身は本格的。頻回に出る用語にも脚注がついていて私のような恐竜初心者にもやさしい。 脚の構造がシンプルな方が運動能力が高いとか、トカゲは運動しながら呼吸できないとか、子どもと動物園に行った時に話題に出せそう。
0投稿日: 2025.03.25
powered by ブクログ今まで知らなかったことが次から次へと示されるのに、その全体が大きな説得力を持って迫ってくる、恐竜や鳥類の誕生についての新説。スーパーミトコンドリア、ゲノム欠損、インスリン耐性、気嚢と肺の仕組み、三畳紀の低酸素濃度、骨格の変化による呼吸と運動の分離独立etc.。恐竜好き、鳥好きならば必読の1冊。しかし鳥に比べて哺乳類の残念さと言ったら(苦笑)。
1投稿日: 2025.03.05
powered by ブクログタイトル通り、鳥とその先祖の獣脚類のすごい運動能力について、インスリン耐性、スーパーミトコンドリア、気嚢システムなどの進化から解説したもの。 【目次】 プロローグ すべては低酸素から始まった (1)ツルはエベレストを越える (2)スーパーミトコンドリアはゲームチェンジャー 第Ⅰ部 初期獣脚類のニュービジュアル 第1章 コエロフィシスのニュービジュアル 第2章 三畳紀のチャンピオン、コエロフィシスの実態 第3章 鳥が恐竜になる日 第Ⅱ部 インスリンが織りなす新しい生物進化 第4章 インスリンで低酸素を生き残る 第5章 低酸素がボディプランを決める 第6章 空気が一方向に流れる肺 第7章 獣脚類への進化はゲノム欠損から始まった 第Ⅲ部 スーパーミトコンドリアが創った鳥と獣脚類 第8章 スーパーミトコンドリアが創った獣脚類 第9章 獣脚類の卓越した運動能力 第10章 鳥はもっとすごい! あとがき 恐竜ルネッサンスから生命科学へ 【参考資料】 【コエロフィシスの復元画と伊藤丙雄氏について】
0投稿日: 2025.02.22
