
総合評価
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powered by ブクログアドラーの言葉を引用しながら、嫉妬や妬みについて分かりやすく解説している。 ・愛を確立する唯一の方法は、「他の人の人生を豊かにし、安楽にするということ」である ・自立とは他者と無関係に生きることではなく、自分の完全性を保ったつながり ・人から与えられることばかり考えず、自分が与えることができないか考える 生きているだけで、他者に与え貢献するとはどういうことかを自分の生き方に重ね合わせて考えてみようと思った。
0投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログ本書で度々引用される三木清の『人生論ノート』。三木は分かりにくい文章を書く人だと思って敬遠する所もあったのだが、著者を通じて読むと途端に分かりやすく、スーッと頭に入ってくる。先ず、その点に感動し、三木清を再読してみたくなった程。後はアドラーやエーリヒフロム。考えさせつつ、芯を食うような箴言が並ぶ。 妬みにも色々あるが、それは人間同士の競争原理故に生じる感情であり、互いの成長に繋がるものでもある。しかし、根本には、それは足の引っ張り合いのような〝平均への回帰“の動力が働いている事を看破するのが三木清。なるほど、と思う。 ー アドラーは、「まわりの世界との闘いに巻き込まれる人は、このような闘いにとって必要と見える性格を発達させる」(前掲書)といい、その性格の一つとして、嫉妬を野心、不信と並んであげています(前掲書)。この性格を、優秀でありたい、力で他者を支配したい、また認められたいという目標を達成するために必要であると考えて獲得するのです。 ー 「嫉妬がより高いものを目差しているように見えるのは表面上のことである。それは本質的には平均的なものに向かっているのである」(三木清「人生論ノート」)このような一般的な属性、また量的な属性は比べることができます。嫉妬は平均的なものに向かうというのは、皆が同じである、量的に同じであることを願うという意味です。そこで、誰かが他の人よりも抜きん出ていれば、その人を嫉妬することになります。嫉妬する人が他者を平均化しようとするのは、自分も他者と同じでありたいと願っているのであり、実は他者と違っていることを望んでいないのです。 ー 嫉妬は「量的なものの上に働く」のですが、仕事の価値は量的に測ることはできません。作家や編集者がベストセラーを出すことに汲々とするようなことです。何部売れたかという数字が本の価値を明らかに示しているように思う人は多いでしょうが、本の価値は量的に測ることはできません。売れたからといって、その本が必ずしも良書であるとはいえません。これは本に限った話ではありません。ここで三木が、嫉妬は「量的なものの上に働く」というのは、妬む人は他の人の量的な成功を見て妬むのであり、仕事の質的な面を見ていないということです。 競争原理は本能的に根付いたものだが、勝ち負けの基準は社会的な関係性や物語性によるアフォーダンスであり、量的に評価されるKPIである。つまり我々がそこに執着する感情、妬みの本源もまた、共同幻想に過ぎないのだ。
75投稿日: 2025.04.30
powered by ブクログ嫉妬について、文献や作者の考えを加えて解説されており、その上でどうしていけばいいのか綴られておりとてもためになりました。 哲学者ならではの分析のため、前半部分がとても長いです。
1投稿日: 2025.03.29
powered by ブクログ結論 第六章は、嫉妬や妬みがどのように人間関係に影響を及ぼすかを分析し、これらの感情から自由になるための方法を提案しています。自己の価値を認識し、他者との比較をやめること、そして助け合いの精神を持つことで、より充実した人生を送ることができると強調されています。 本書の要約: 妬まずに生きる 1. はじめに 本書『妬まずに生きる』は、嫉妬という感情が私たちの人間関係や自己価値に与える影響について深く掘り下げています。著者は、嫉妬は人間関係を悪化させるだけでなく、自己の成長や幸福感を損なう要因であると述べています。 2. 嫉妬の本質 2.1 嫉妬とは 嫉妬は他者の成功や幸福を不快に感じる感情であり、他者を支配しようとする衝動を伴います。著者は、嫉妬が自己の価値を他者と比較することで生じることを指摘し、自己の価値を内面的に認識することの重要性を強調しています。 2.2 嫉妬の心理的メカニズム アドラー心理学を基に、嫉妬は「隠された目標」によって動かされていると説明されます。嫉妬する人は、自己の不安を解消するために他者を攻撃し、支配しようとしますが、これは自己の価値感を低下させる結果になります。 3. 嫉妬がもたらす影響 3.1 人間関係への影響 嫉妬は愛の関係をも破壊する要因であり、特に親密な関係においては、嫉妬が誤解や対立を生むことが多いです。著者は、嫉妬することで愛されることはなく、むしろ相手との距離を生むことを指摘しています。 3.2 自己価値感への影響 他者と比較して自分の価値を測ることは、自己評価を不安定にし、自己否定感を生む原因となります。著者は、自分自身の独自の価値を認識し、他者との比較から解放されることが重要であると述べています。 4. 嫉妬を克服する方法 4.1 自己の価値を認識する 自己の価値を外部の評価に依存せず、自分自身の存在そのものに価値を見出すことが大切です。生きていること自体が価値であるという認識が、嫉妬心を和らげることにつながります。 4.2 他者との協力 嫉妬を感じる相手との関係を改善するためには、相手を支配するのではなく、共に成長する関係を築くことが重要です。相手の成功を喜ぶことができる心の余裕を持つことで、嫉妬を克服する一歩となります。 5. 結論 本書は、嫉妬を理解し、克服するための具体的な手法を提供しています。嫉妬を手放し、自分自身の価値を認識することで、より良い人間関係を築き、充実した人生を送ることができると著者は提唱しています。
0投稿日: 2025.01.22
powered by ブクログアドラー心理学を軸に「妬み」について、述べられている。 題名になっている「妬まずに生きる」方法が具体的に書かれているわけではなく、妬みの原因や種類について触れられている。
1投稿日: 2025.01.21
