
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
銀座の有名カッフェー「ドンフワン」でトップをはる女給・君江はうぶで素人のような雰囲気ながら二股三股も平気な女。そんな彼女の周囲でストーカーのような出来事が…。しかし君江は相も変わらず天性のあざとさで男たちを翻弄していく。「つゆのあとさき」。 永井荷風が女給・お蔦の身の上話を聞き取った小品。「カッフェー一夕話」。 永井荷風ははじめて読んだ。『つゆのあとさき』って題名のイメージとは違う作品。とても面白かった。男たちを翻弄する君江が良い。昭和6年にこんな作品があった事もビックリ。
0投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログ今年の梅雨はいったいどこへ行ってしまったのか。 真夏日ばかりが続く……と思っていた矢先の、心地よい涼風が立つ日にようやく読了。『つゆのあとさき』ってタイトルは、爽やかなのになんとも艶やかだなぁ。 〈あざとく、かしこく、したたかに。愛も俗世も軽々と飛び越えた銀座の女給・君江を描く、キレッキレの悪女小説!!〉と帯に書いてあったけど、"悪女"という言葉から連想されるような妖艶な感じはなかった。 銀座の有名カッフェー「DONJUAN(ドンフワン)」に在籍しているようで、当時のカッフェーとは今でいうキャバクラとかラウンジに似たところのよう。 百戦錬磨でも、いまだにうぶで素人っぽくて可憐で小生意気な感じがするところがウケるのかな。 君江の振る舞いや恋の駆け引きのほか、ときおり書かれる情景描写の美しさなどが個人的には印象に残る。君江の客である清岡進の内縁の妻・鶴子と、進の父親とのあいだには、やけにゆっくりした時間が流れているようで、そのやや妙な関係のおだやかさが好ましかった。 巻末には、川端康成と谷崎潤一郎による書評まで収録されていて豪華。けっこう辛辣なことが書かれていて笑ってしまった。
8投稿日: 2025.07.12
powered by ブクログ後記で谷崎の言っている「書き方に愛想がない」「いまだかつて東京の地方色を意識的に描いたものを見たことがない」という指摘がまさにこの小説の新鮮で面白い要素を現していると思う。三人称で語られるから登場人物に共感する間もなくストーリーに集中出来て読みやすい。
5投稿日: 2025.06.08
powered by ブクログ「つゆのあとさき」というと さだまさしの歌を思い出す それだけに惹かれて手にしてみた 永井荷風という作家には今まで触れたこともなく はっきりいって知らなかった お恥ずかしい限り 昭和初期の女給のお話し お金のためではなく、 そもそもが女給である彼女 モテるのは良いが、 なかなかのトラブルも抱えてしまう いつの世も同じようなことが繰り返されているのかもしれないと思える なんだか昭和初期の方の小説のような気がしない かえって新しい そして、あとがきを読んで“ほ〜“とおもう 川端康成と、谷崎潤一郎が書いている! そしてそして、なんだか厳しいご意見を‥ こっちの方が興味深い
79投稿日: 2025.05.29
powered by ブクログ三田文學創刊者の永井荷風作品をまだ読んだことがなかったので、すぐに読めそうだったこちらを手にしてみた。 女給君江を主人公に、その周辺の人々や出来事について書かれている。人物について深く掘り下げられることなく、物語もさまざまな出来事が発生して進んでいくので、さらっと面白く読めたが、どうにも浅い印象を受けた。 が、巻末の谷崎潤一郎による解説を読んで、なるほど、と思うことが多くあった。この小説について「純客観的描写をもって一貫された、何の主張もそれ自身に含んでいない冷たい写実作品」と書いた。(カミュの『異邦人』の描き方と同じということか。)さまざまな人が出てきてさまざまな事件が起きる様に浅い印象を受けたのも、これが絵巻物や江戸時代の戯曲のような古い時代を懐古した芸術性なのだと思った。 物語本文に物足りなさを感じた人は、谷崎潤一郎の解説も必読。印象が変わった。
11投稿日: 2025.04.29
