漱石先生の作品は、『坊ちゃん』、『吾輩は猫である』、『こころ』しか読んだことがなかったが、妻が本書を購入していたため、手に取ってみた本。 元の作品を読んでいないと内容が十分に理解できない(当たり前か、)箇所もあったが、西欧的近代という大きな波に巻き込まれた一人の青年がその本質を見抜き、それを文学を通じて表現しようとしていたということは理解できた。 それであるがゆえに、彼の作品の多くが、どろどろした人間関係を描いたものが多いことも納得できた。