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逃亡犯とゆびきり
逃亡犯とゆびきり
櫛木理宇/小学館
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総合評価

54件)
3.8
6
27
15
1
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    売れない物書きの未散が、高校の同級生で今は逃亡中の福子からヒントをもらいながら売れっ子ライターになる。事件一つ一つが大きすぎて今何を読んでいるのかわからなくなる。事件事故に限らず自分の見えているものと他人から視点、当事者視点というのは随分違うものだと改めて思う。

    0
    投稿日: 2025.11.12
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    逃亡犯こと福子からヒントを得て、ライターの主人公が描き出す事件の姿が興味深い。特に「円鍋市兄弟ストーカー過失致死事件」は飛び抜けて鮮やか。 どの情報をどの順で読ませるか、どこまで見せるか、そして鍵となる切り札をいつ出すのか。そのカードの切り方が素晴らしい。「は?どこに落とし所があるんだこの話?」とやきもき読み進めてきて最後に「あ、勝手に勘違いしてたの自分だ」と呻いたのちに感嘆のため息。してやられた感さえ楽しかった。この第2話部分までは星★★★★★だった。 赤羽の一件で「こんな支配欲野郎の機嫌を損ねまいと無駄に社会性を発揮する未散を見たくなかった…」と落ち込んだのと、10代の黒歴史を卑下して自分を一刀両断する件がくり返されるしつこさがひっかかった。考え方や行動など、過去の自分が恥ずかしくてのたうち回る気持ちは共感する。けれど「言うてそんなぶった斬ることか?」とも思うから。もっと大らかに子どものころの自分を見てやれるといいのに… そんな未散の自意識過剰気味な部分が、福子の淡白さを際立たせる。 終盤、ことが始まり、息もつかせぬ急展開からのラストにわけのわからない涙が出た。 環境によって学習の機会を奪われてきた人たちが、夜間学校に通って文字の読み書きができるようになり、書いた作文を読んだことがある。そこには「文字を取り戻した」とあった。 福子は、あまりに長い間ずっと、人としての尊厳を得られる環境になかった。 やっと、取り戻せたんだとわかる。 どうなったのか、どう行動したのか、その後は予測しようもないが、どうかそのままの心で生きていってほしいと祈らずにはいられなかった。 少しさみしくて、強くてあたたかいラストだった。

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    櫛木理宇さんにしては珍しく(??)グロ表現は少なめでした。 虐げられた人の哀しみは相変わらずリアルでしたが…。 福子は自分の人生を取り戻せたのかな。 逃亡生活からラストに向かうまでのエピソードに少しだけ救いがありました。

    14
    投稿日: 2025.10.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一章ごとに、古沢の一言で世良が過去に起こった事件の真相を明かしていく様がおもしろかった 本作品はフィクションだけれど、実際も報道記事などでは明かされていない真相なり動機なりあるんだろうな とくに印象深かったのは『クロゼットの骨』と『凍えて眠れ』 世良が古沢に「殺す前に、結婚前に連絡をくれたら何か月でも匿ってやったのに」って言っていたけれど、本当にそうして欲しかったな

    2
    投稿日: 2025.10.16
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    久しぶりに櫛木さんの本を読んだ。 いつもは過激だったりグロテスクな印象が強いものの今作は本格ミステリに近い感じ。 とても完成度が高くて一瞬で読み終わってしまった。

    4
    投稿日: 2025.09.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おもしろかった はまれる本が久々で、2日で一気に読んだ Netflixあたりでドラマ化希望! (地上波は内容がエグいから無理やろし) 内容そのまんまで 演技の上手い俳優さんに演じてほしい とにかく全ての事件が 想像超えていて、尚且つ納得できる (殺したくなるよなって思えてしまう事件)で リアルで、感心した (最川の事件以外) 「かわいくない子」なんて 孫を1人だけ何回も刺すなんて どんなばあちゃんよ?って 思ったら、まさかの結論 納得できてしまうわー すげーわ 共通するテーマに 「親との関係」があるよね 子供の頃は、親はなんでも 正しくて、親の意見は絶対 みたいな感じあったけど 自分が大人になったら 親も所詮、人間で、自分の感情で 生きてるんやなぁと気づき 親が絶対ではないと思った そして自分が親になったら 急にちゃんとした大人になるわけもなく 子供が成人する今も、私は全然空っぽで 子供やと思う でも親の考えや言葉や、環境って すごい子供に影響していて ある意味、恐怖だよ なんてことを、この本 読みながらあらためて感じてしまった 本の評価でも感想でもないかもやけど そんな事を考えてしまうくらい 私には刺さった本やった 櫛木さんの本 もっと読んでみよう

    2
    投稿日: 2025.09.15
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    JCの飛び降りから、こんなラストにつながるとは思わなかった。 どの事件もえぐかった。実際の事件を連想する話もあった。 暗い二人のシスターフッドが良い。

    23
    投稿日: 2025.09.10
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    フリーライターの未散が事件の真相に迫る連作短編集 連続殺人犯として逃亡中の高校時代の親友福子からアドバイスを得て、事件の闇を暴いていく 櫛木理宇さん節炸裂で、虐げられる女性性などいまだに社会にはびこる嫌〜な部分が目白押し 考えることをやめて、心を殺したひとたちの闇が重かった

    0
    投稿日: 2025.09.06
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    残虐さが無くて私としてはそれに慣れていたし少しそこを求めて読んでいた櫛木作品なので、あれ?という感じ。内容は面白かったです。「クローゼットの中の骸骨」、見つけた時に真実が見えてくる。

    0
    投稿日: 2025.09.05
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    主人公の未散による過去の事件のルポを書くための取材と逃亡犯の古沢からの助言を通して、過去の事件の真実を明らかにしていくので、短編集を読んでいる感覚だった。 古沢の起こした事件に関してはあまり掘り下げられておらず、グロさも櫛木先生にしてはマイルド。 ただ、ひどい家庭環境で育った子供の行先の描写は相変わらず見事。読んでいてしんどくなる。 個人的に、古沢の存在が薄くなりがちで、未散の追った事件の方が印象に残った。

    0
    投稿日: 2025.08.14
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    最近どはまりしている櫛木理宇さん。かなり残虐な殺人事件の印象が強いから、ちょっと私的にはもの足りたい感じもしたけど、一つ一つの事件の真相というのが、主人公の唯一の親友であり連続殺人犯の逃亡犯の言葉から明らかになっていくところが面白かったな。最後の終わりかたもなんかかっこよかった

    0
    投稿日: 2025.07.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【収録作品】 第一話 一一七人の敵 第二話 クロゼットの骨 第三話 シリアルキラーによろしく 第四話 かわいくない子 第五話 凍えて眠れ 第六話 逃亡犯とゆびきり ライターとしてチャンスをつかみかけていた世良未散。高校時代の親友・福子からヒントをもらい、未散は事件記事でヒットを飛ばすようになる。どの事件も家庭の歪みが生んだもの。そこまで追い込まれた加害者(1人除く)の痛みがつらい。

    4
    投稿日: 2025.07.09
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    「一一七人の敵」 味方のいない世界で。 一度承認欲求を満たされてしまったからこそ、その後も中途半端に辞められず最悪の形で終わりを迎えたのだな。 「クロゼットの骨」 外面と実際の違いは。 遺産という莫大な資産があったからこそ、本来の筋書きから外れた人物像が作り上げられてしまったのだろうな。 「シリアルキラーによろしく」 何故一人残したのか。 淡々と語られることに矛盾点が見つからないのは、自分の中でストーリーが出来上がっていたからなのだろうな。 「かわいくない子」 認知症でボケる前に。 恐れているような子どもに育ってしまう可能性はあるが、親に何がダメなのか教えずに一人抱えた結果なのだろ。 「凍えて眠れ」 楽だから変わらない。 明らかに異常事態だというのに、ここまで無関心になるというのは相当心が麻痺して狂ってしまってるのだろう。 「逃亡犯とゆびきり」 逃げ場はどこなのか。 ネットで調子にのっている奴ほど、少しおだててあげれば人生が壊れるのを手助けすることなんて簡単だろうな。

    2
    投稿日: 2025.06.14
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    事件を追うルポライターになるつもりがエロ記事が収入源の30代になってしまった未散。女子大生という肩書きがなくなることで仕事が来なくなるというところがリアルで怖い。そんな未散のもとにかつての友人、古沢福子から連絡が入る。彼女は、事件の記事の元ネタを電話口で話すのみで、自身の近況は全く話さない。というのも、福子は約3年間で4人を殺したシリアルキラーであり、現在も逃亡しながら殺人を続けているからだ。福子の手の中で未散が踊らされている感じが逆に気持ちよく感じる。未散を陥れるためではなく、未散の仕事の成功をもたらす光となるのが福子だからだ。未散の出したルポは、福子との共著と言っても良いだろう。福子のおかげで、仕事が軌道に乗ってきた矢先、事件が起きた。かつての凶悪犯の信者たちが立て篭もり事件を起こした。人を殺したという自分の功績を人々の記憶に焼き付けることが最上の目的であり、人々の記憶に永久に住み続けるという点では、最上は目的を達成したと言える。しかし、福子は、自分の存在を覚えていてほしいと思う反面、同じ、殺人犯の最上のことを客観視していた。きっと、未散だけが忘れないでいてくれるという強い信頼感があったから、海外に逃亡しようと考えたのかもしれない。誰にも知られてはならない秘密の関係。歪で共依存で、美しく、儚かった。

    22
    投稿日: 2025.06.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    櫛木理宇 というと、グロ覚悟で読み始めるのだけれど、こちらはグロ度おさえめな感じ。櫛木理宇 初心者にもおすすめ。でも毒親多すぎ。 フリーライターの世良と、世良の元親友で4人殺害指名手配逃亡中の福子 の話。 福子のヒントから、事件ルポを次々書いていく。 毎日テレビのワイドショーやニュースやネット上でもいろんな事件が起こるけど、報道は表面だけだし、本当の動機や真相なんてこちらには分からないし、怖いなぁって思った。 ただ連作短編集のような形で、事件が出てくるので、どの事件も印象が薄くなってく・・・最後の頃には、最初の事件が何だったのかも思い出せない。まあ実際の事件もどんどん忘れられていくわけで、それも真なのかも。 あと取材で世良が得た真実を実際のルポにはどう書いて発表したのか?が分からなくてスッキリしないなぁ。実は、妻と弟は計画して兄である夫をひき殺したのです!とか、殺された4歳の女の子邪悪そのもので弟を殺しそうだったので祖母が自ら手を下したのです!とか、そんなことは書いてないよねぇ、きっと。

    1
    投稿日: 2025.05.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今まで読んだ櫛木理宇さんの作品と印象が違って、ちょっと友情のような爽やかさがあった。 ルポライターの主人公が、殺人で指名手配中の友達からたまにくる連絡にヒントをもらい過去に起こった事件の真相を暴いていく。 福子の過去に至っては同情してしまい、どうかこれからも逃亡がうまくいきますようにと思ってしまった。

    8
    投稿日: 2025.05.15
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    2025年5月13日 Skeleton in the closet 表には出せないものをみんな抱えているのか… シリアルキラーがいけないのか、シリアルキラーにさせてしまった環境、境遇がいけないのか、何か一ついい方にずれていたら。 物事に対する新たな価値観を得られた気がした。

    0
    投稿日: 2025.05.13
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    フリーライターの世良未散の高校の同級生である、古沢福子は桂井男女四人連続殺人事件をおこし逃亡中。その福子から掛かってきた電話にヒントを得て、過去の事件の真相に迫ると言う内容で、なかなか読み応えがありました。

    0
    投稿日: 2025.05.12
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    不思議な読後感。いずれは社会派のルポをと願っていたフリーライターの未散にある事件の執筆依頼があり記事の前編が雑誌に掲載された後に高校時代の親友で殺人容疑で指名手配中の福子から連絡が。彼女の助言により事件の真相を追い求めていく。そしてどの事件にも家族の秘密と裏があった。福子が何故的確な助言を出来るのか最後まで謎だった。ただ殺人に至った理由も、まさに不幸の連鎖といった境遇で許されることではないけれど理解できてしまう。

    8
    投稿日: 2025.05.11
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    過去に起きた事件の真相を探っていきながら、主人公と指名手配犯の友情を描く短編集のような感じだった。福子の壮絶な生い立ちを知ると殺人を犯してしまったことにも同情してしまう。陰謀論に煽動されて暴れまわる死刑囚の信者と、未散に寄りついた赤羽とかいうプライドの塊みたいな糞男にイラついた。福子はなぜ未散にルポのネタをあんなに提供出来たんだろう。福子と未散の方は綺麗に終わったけどMアノンはその後どうなったんだろう。

    0
    投稿日: 2025.05.10
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    ※ 物語の中に何度か出てくるフレーズ 『skeleton in the closet/ クローゼットの中の骸骨』 公にできない秘密や隠し事 家庭内の暗黙のルールや外に出さない話は、 どの家庭にも多少はあるだろう。 でも各々に秘密の重さや深刻さは違っていて、 それが一人の人間の人格を歪ませたり、 壊してしまった結果、他人の人生までも 狂わせる凄惨な事件が起きたら。 押入れの再奥に隠した死体を見た時、 殺人に至った理由が分かるのだろうか。 それとも、理解できないことが不安だから 自分に都合がよくて納得できる理屈を見つけて 分かった気になってしまうのか。

    10
    投稿日: 2025.05.01
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    高校時代の親友がシリアルキラーになったフリーライターが、親友と連絡取りながらルポを書くサスペンス。櫛木理宇で1番好きかもしれない。『ダブルミンツ』好きな人は絶対好き。

    1
    投稿日: 2025.04.29
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    面白かった。 赤羽 最低。(本筋には関係ないけれど) 福子 あんなに頭いいのに本当に残念。 家庭環境の悪さって、人の一生を左右する。辛かったね。高校時代を共に過ごしても、なかなかその後まで一緒に過ごせないんだよね、寂しいけれど。

    1
    投稿日: 2025.04.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一見ふつうに見えても、その内面まではわからない。はたまた異常にみえても、紐解くと何か原因があり壊れてしまっているだけかもしれない。 人間の気味悪さが全開で、すごい!面白い!という気持ちと、ぞわぞわとする不愉快な気持ちが共存しながら読んでいました。 これはあくまで物語だけど、現実にもきっとあるのだろうと思うからです。 現実でも何かしらの事件を起こしている人には、紐解いていくとそれぞれ歪な過去を持っていることが多いと聞く。 彼らが幸せを与えられなかったが故に、他人を不幸に陥れてしまう負の連鎖だなと思いました。 福子もそのひとりで、特にその母親は自分がされたことをそのまま福子にもしているところが負の連鎖だ…と。しかし彼女には未散がいたから、母親とは違う未来になったのかなと。 それでも決して幸福といえるものではないが、 未散の存在は多少なりとも彼女をかえたのだと思います。そう思いたいです。

    0
    投稿日: 2025.04.20
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    丁寧に見ていけば、新たな事実が浮かび上がるのかも。世間の意見に惑わされずコツコツ調べ上げるってなかなかできないだろうな。友人からの電話があったから?

    3
    投稿日: 2025.04.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    フリーライターの世良未散は「女子中学生墜落死事件」の記事を書かせてもらったことをきっかけに、いろんな事件記事を書くようになった。すると中学時代の友人であり、殺人で指名手配中の古沢福子から連絡がくるようになり……。 未散のあつかう事件はどれも裏があるものばかりで、出てくる人たちも歪な環境のなかで育った人ばかり。それは指名手配中の古沢も、そして主人公の未散もおなじだった。 ストーリーはおもしろかった。事件の真相もいろいろ工夫されていて、納得のできるものになっている。でもなんかスッキリしない。どの章をみても気分のいいものはなく、鬱々とした気持ちにさせられる、そんな一冊。 スッキリしないのはおそらく物語の〆かたのせいだと思う。未散の行動に文句はない、というか私もそうすると思うし。それよりもMアノンのことに終止符を打たないまま終わってしまったのがすごく気持ち悪い。古沢のほうでいい終わりかたをしたのに、なんで全部書ききらないで終わっちゃったんだろうなぁ。

    0
    投稿日: 2025.04.13
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    一つ一つの事件が、それぞれ一冊の小説にできそうなくらいの肉厚な小説でした。古沢福子という連続殺人犯のキャラクターが、とても魅力的です。サイコパスでも怪物でもなく、周りにいた人によって作り上げられた殺人鬼。 話は終始重いですが、後味は爽やかでした。

    1
    投稿日: 2025.04.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おお!と思えたのは最初の弟の彼女と結婚した兄の話だけだったかな。完全に車に轢かれたのは弟だと思ってた。あとは似たような話がプツプツと続くのでちょっと飽きてしまった。度々出てくる福子と主人公共通の友人もそんな都合よく沢山いるか?という感じ。 ただ毒親や最低な家族たちの描写は心が痛かった。体の暴力は無くても言葉の暴力で傷が増えていき、最後には感じない方が楽で幸せとまで思わせてしまうのは本当に罪深い。

    13
    投稿日: 2025.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    かつての親友がシリアルキラーで逃亡犯に。 そんな親友に導かれるように事件ルポライターとして成功していく主人公。 最初は主人公を誘導しているのかなと思ってたけど、確かに誘導しているけどそれはライターとしての実力をはかり、恩返ししているのではと思った。

    13
    投稿日: 2025.03.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    逃亡犯となった親友の福子と事件ライターの未散。ふたりの話が中心かと思ったら、福子からヒントを得て未散が事件の真相に気づいていくという展開が意外で、またその真相自体が最初の事件と印象が変わっていったのに驚いた。 でも女子中学生の亡くなるまでの心理や福子の殺人犯となるまでの環境など、胸がムカムカする人間が多すぎてしんどい。

    0
    投稿日: 2025.03.04
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    大好きな櫛木理宇さん最新作。 どちらかと言うと連作短編に近いような構成。 主人公の世良が過去に起こった事件の背景を調べ直し、なぜその事件が起こったのか真相をルポするという、これまでの櫛木理宇さん作品にはなかった構成で面白かった。 ただ、警察ってもっと優秀なんじゃないか。フリーライターでここまで分かるなら、警察なら調べつくしてこの真相に気付くんじゃないかと思ってしまったのは、この前に読んだのが姫川玲子シリーズだったから…? ラストはそうきたか。と思ったけど、自分がもし世良の立場なら、やっぱり同じ道を選んだかもと思った。

    0
    投稿日: 2025.02.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    櫛木理宇作品 初読み。 1章ずつのストーリーは完結型で とても読みやすかった。 でもラストはそういう終わり方かぁ…とちょっとモヤモヤ…。 最川は福子に利用された事に気付くのかな。 あの暴動の決着はどうつくのかな。 とか その後の事が気になってしまう…。

    2
    投稿日: 2025.02.25
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    いつもながら最後まで飽きずに一気読みさせる。いつものような残忍な直裁な描写はないが、本当に人間の嫌なところを文章に炙り出す。面白く読了。

    0
    投稿日: 2025.02.24
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    単純にレクター博士モチーフかと思いきや、色々な社会と家族と親子と男女の歪みが盛り沢山で、そのくせ爽やかな女の友情もあって、感情をかき混ぜられる

    0
    投稿日: 2025.02.18
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    ライターの世良未散が「女子中学生墜落死事件」の取材をしているときに何故か疑問に思うことが多く筆が進まないなか、一本の電話が入る。 それは高校時代の親友、古沢福子からで彼女の短い言葉に事件の真相を暴くヒントを見つける。 福子は、4人を殺害し指名手配中の逃亡犯であり、未散は彼女が何故殺人を犯し逃げているのかわからないままだった。 未散が書いた記事は好評で、次の依頼も舞い込む。 世の中には知らない事件が多くあるということや、それがどういうふうに記事になり伝わっているのかで、世間の目が違うことに気づくとともに怖さを感じた。 そして、逃亡している福子やライターの未散のことを知るうちにこの2人の奇妙な関係と深層に言葉を無くす。

    59
    投稿日: 2025.02.14
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    フリーライターの主人公が、連続殺人犯の親友からかかってくる電話の言葉をヒントに、過去の事件の裏に隠された真相を炙り出していく。 一話ごとに完結して読みやすく面白かった。 福子の生い立ちや境遇は、人格に歪みが生じてもおかしくないくらい酷いものだったけど、シリアルキラーと謳うほどサイコパスでも極悪人でもなく、その辺りはちょっと物足りなさを感じた。

    0
    投稿日: 2025.02.12
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    各章で一つずつ事件を紐解いていく形式でテンポがよく、全体の根幹となる話が進んでいく。 「親友はシリアルキラー」という刺激的な謳い文句は読み終えると少し違和感を感じたが、事件として今のマスコミが捉えるとそういう表現になるんだろうなとも思った。 どの事件も今の時代の人の心の病みたいなものを反映したもので、目をつむりたくなるようなものばかりだったが、ライター目線で淡々と描かれていく。 全部を読み終えて、改めて頭から再読したいと思える本だった。

    0
    投稿日: 2025.02.12
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    「女子中学生墜落死事件」「ストーカー過失致死事件」「弁護士一家心中事件」「4歳孫殺人事件」「強盗未遂事件」「男女4人連続殺人事件」という事件をテーマにした6つの章立てで構成された小説。 それぞれの事件について週刊誌に記事を書くフリーのルポライター・世良未散目線で話は進む。そして、かつて彼女の親友で今はシリアルキラーとして指名手配犯となり、3年間逃亡中の古沢福子の事件が間に挟まれる。 6つの事件それぞれの動機に深く関わる“スケルトン・イン・ザ・クロゼット”(家庭内の秘密)。 無視され、虐げられ、束縛された結果、あきらめ、感情を殺して無になるしかなかった者たちの悲劇。4人を殺した福子にさえ感情移入しそうになるほどの理不尽な過去。 そして、ネットを通じて無責任に先導される愚かなものどもによるムーブメント。昨今、取り沙汰されるエコーチェンバー現象の危うさが描かれる。 櫛木作品にありがちなグロテスクさはなりをひそめたものの、いつも通りの社会の歪みと、危うさを警告する社会派のミステリー。 そして、みちると福子のシスターフッドを描いたある意味爽やかな物語でした。

    0
    投稿日: 2025.02.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生まれた親と育った環境でその後の人生は大きく左右されることを改めて感じる作品だった。どの犯人も周りの人に人生を狂わされていた。表面上は犯人の性格が悪く見えても、きっかけから辿ると実は...というストーリーが面白かった。学生時代の友情も良かった。親ガチャはある。育てられ方や親、今までの自分の人生を振り返って、自分がどうしてこうなっているか、本当はどうやって生きたいかとよく考えたいと思った。最近増えている強盗などの犯人がどうしてそのようになったのか興味が湧いた。

    0
    投稿日: 2025.02.07
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    全然グロくない櫛木さんでびっくり。 週刊誌やワイドショーで報道されることなんて、本当に表皮にしかすぎなくて皮下組織の部分は当事者にしか分からない。メディアに鵜呑みにされすぎないようにしなきゃとしみじみ。 繋がってはいるものの一話読み切り風で、表皮からめくれる新事実が分かる瞬間は気持ちよかったです。

    10
    投稿日: 2025.01.30
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    デビュー作の赤と白からずっと追いかけてる作家さんですが 今回の作品はその赤と白に似た空気を感じ取って最後まで面白く読ませてもらった。最近の櫛木さんの作品は残忍すぎて読むのきつかったので…個人的にはこの程度がちょうど良いです。

    4
    投稿日: 2025.01.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私はルポルタージュというものをちゃんと読んだことが無かったので この物語りに触れて、読んでみたいと強く思いました。 (ノンフィクションでくらってしまう辛さに対する耐性が足りればよいのですが) またルポライターという職業にも興味が湧きました。 なんて大変な作業なんだろうと。 そんなルポライターをしている未散について回ったかのような気持ちになった今作、 とても楽しい時間でした。 〝ゆびきり〟の後の二人の行動が気になります。福子はどこへ行きどう過ごすのか、 未散が書く福子の記事。しばらくこの二つに思いを馳せたいと思います。

    2
    投稿日: 2025.01.27
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    終わり方が爽快、世良と古沢の絆 一つひとつの明かされていく真相が心地よかった 途中出てくる代理店の嫌なところを詰め込んだ男嫌だったな^_^

    1
    投稿日: 2025.01.27
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    「一一七人の敵」 「クロゼットの骨」 「シリアルキラーによろしく」 「かわいくない子」 「凍えて眠れ」 「逃亡犯とゆびきり」 六話収録の連作短編集。 『虎を追う』で心を鷲掴みにされて以来、追い続けている櫛木作品。 本作は今までの作風とは趣が異なり若干ソフトな印象を受けた。 フリーライターの世良未散と連続殺人犯で指名手配中の古沢福子。 高校の同級生だった二人がタッグを組み、過去の難事件の真相に迫る。 視点を変え、様々な角度から物事をみる事で反転する真実に驚愕。 グロテスクな場面もあるが、爽快な読後感を得られるシスターフッド小説。

    4
    投稿日: 2025.01.26
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    面白かった!続いているようで一章完結っぽいのも読みやすい。ミステリーを読み始めるとっかかりにもなりそうな本。

    1
    投稿日: 2025.01.22
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    残酷で陰惨なくせに面白いと思わせるのホント何なの。 周りの雑音が気にならないくらい没頭したわ。 ライターの未散と指名手配犯の福子は、かつて親友だった。 複数の事件を取材する未散に、福子がヒントを与えることで思いもよらない真相が炙り出される。 不快感と驚きが同時に味わえるの、ちょっと癖になりそうで嫌だな。 それでも面白さが勝って一気読みだった。 この人の作品何冊か読んできたけど、こんなに読後が爽やかだったのは今回が初めてだ。

    1
    投稿日: 2025.01.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公未散と逃亡犯の友達福子との2人で記事を書いていく過程は面白かった。 最後が最川関連の事件はどうなるの?というキレの悪さが残ってしまいました…。 福子が連続殺人を犯してしまった経緯も納得できるもので、いつ自分の周りで起きてもおかしくない、そんな話だと思いました。

    0
    投稿日: 2025.01.18
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    面白かった! エロ記事で食い繋いでいたフリーライターの未散のもとに、かつての同級生、連続殺人犯となり逃げている福子から連絡。福子からのヒントを元に過去の事件の実録ルポの真相を書いていくというストーリー。 いやぁ、なんか違う角度からみるというか、きちんと取材し背景をみることによって、こんなにも様相の違う事件となるのかと驚いた。 どの事件も関係者の背景が辛すぎるんだけど、最川だけはひどい。 ほんとにサイコパスじゃんという感じ。 彼がどー関わってくるのかと思ったけど、そーきたか!という思いだった。 福子の背景もしんどかったなぁ。 男だけが悪いわけじゃないんだけど、それでもやっぱり男が!男性優位の社会が!も思ってしまう。

    12
    投稿日: 2025.01.14
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    ★3.5 櫛木さんの割にすっきり感あり 主人公はライター 親友は指名手配犯 親友からの15年ぶりの電話。親友のおかげで諦めかけてたライターへの夢を再び追いかけるとともに、親友の想いに辿り着こうと足掻く主人公。 良かった

    1
    投稿日: 2025.01.11
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    フリーライター未散は念願の社会派ルポを任される。そんな矢先、連続殺人で指名手配犯となっている高校の時の友達である福子から連絡が入る。いくつかの事件の背景を探りながら福子の生涯を辿っていく。心が闇に入り込んでいてもがくことも出来ない子供たちや女たち。扇動や洗脳そして虐待。ひっそりと壊されていく。面白かった。

    0
    投稿日: 2025.01.05
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    帯コメのキャッチフレーズに惹かれ、本作を購入しました。長編ものを想像していただけに、本作が連作短編となっていることに驚きがあったとともに、こういう形のミステリーもあるのだなと思いました。 本作の主人公はフリーライター。彼女はひょんなことから、15歳の少女が起こした不審な死について記事を書くことになる。その記事の前編を書き上げ掲載したところで、逃亡犯である親友から連絡が届く。その親友からの連絡によりヒントを得た主人公は自己の真相に気づく。そして、次第にその親友からの連絡を待つというストーリー。 連続殺人鬼とのストーリーが中心になるかと思いきや、殺人鬼が安楽椅子探偵のようなポジションになるのが正直意外でした。1つ1つの短編自体は読んでて楽しかったのですが、肝心の殺人鬼との関係性や深い展開を期待していただけに評価は普通になりました。

    57
    投稿日: 2025.01.02
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    32歳独身のフリーライター世良未散はエロやお笑いネタで細々と食いつないでいたが、いつか社会性の強い記事を書きたいと願っていたところ女子中学生墜落死事件の実録ルポの依頼が舞い込む。取材を経るうちに自信をなくした未散に、4人を殺害して逃亡を続けるかつての親友・古沢福子から連絡が。古沢の助言を受けて仕事が軌道に乗るが…。実録ルポの話が何件か続き最初は面白く読んでいたが中盤辺りで気が滅入ってくるのを感じた。人が死に過ぎるのと身勝手なシリアルキラーや女性を搾取する事への嫌悪感が強かったからかも。面白かったけれども。

    1
    投稿日: 2024.12.29
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    判例に照らして犯罪を裁くのは、正しいようで正しくない。何しろ前例と現在とは社会背景が異なるのだから。 この小説には、鏡写しのような連続殺人犯が出てくる。やったことはそっくりなのに、共鳴する部分があるのに、どこかが決定的に異なる。 それは一体どこなのか。色んなケースをコツコツと積み重ねて、「犯罪には、そこに至らざるを得なかった道筋がある」ことが描かれていく。 怒り、不安、踏みつけられ続けた自尊心、肉体を殺すことと精神を殺すこと、法律では必ず肉体を殺した罪のほうが重く扱われる。特に性犯罪で、日本の司法は絶望的に被害者を踏みつける。 この頃、立て続く苛立ちや絶望しかない司法判断に、どうしようもない思いを抱えている人に、強く支持される小説だと思う。

    0
    投稿日: 2024.12.27
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    社会派のライターを目指しつつ思うような依頼を得られずにいた未散に舞い込んだチャンス。 墜落死した女子高生の、その死の謎についての全編がWEBに掲載されてすぐにかかってきた高校時代の親友からの電話。 4人を殺し逃亡犯となっている高校時代の親友福子が告げたたった一言のヒントをもとに未散が迫る死の謎。チャンスをつかんだ未散は次々とヒットを飛ばす。 警察に追われながら、なぜ福子は未散にヒントを与え続けるのか。 過去だけでなく、現在進行形の事件まで手掛ける未散、今、ここで何が起こっているのか。そして福子自身の犯した罪とは、その真相とは。 キャリアを積んでいく未散と、そこに大きな手掛かりを落とし続ける福子。 それぞれの過去と今が絡み合い、一つの大きな波の中に飲み込まれていく。 犯罪小説という枠からあふれ出す社会的問題とねじれたまま強く引き合う友情の行きつく先。ノンストップサスペンスシスターフッドノベル。

    4
    投稿日: 2024.12.17