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資本主義再興 危機の解決策と新しいかたち
資本主義再興 危機の解決策と新しいかたち
コリン・メイヤー、宮島英昭、清水真人、馬場晋一/日経BP
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総合評価

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    内容は悪くないと思うが、同じ事を何度も主張しているように思える。翻訳はとてもこなれているが、原文に問題があるのだろう。パーパスの重要性は分かるが、それがなぜ強い規範のように書かれているのかが分からない。今よく言われているパーパスとは意味が違う気がするが。はっきりとは分からない。

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    投稿日: 2025.05.06
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    『#資本主義再興』

ほぼ日書評 Day872

“コリン・メイヤー教授の資本主義システム三部作の最終作…というご大層な触れ込み” で手に取ってみたが、まあ、詰まらない。 他に読んだ人はどんな感想を持つのかな?...とAmazonレビューや「ブクログ」レビューも見てみたが、評点は4.0がついているもののレビュー・感想はゼロ件。 ほんとにみんな読んでるんかいな?という感じ。   本書の印象をひとことで示せば、全編にわたって “薬は善だが、麻薬は悪” 的なナイーブな二元論に終始するということになろうか。 パーパスとかインテグリティというような(多少手垢の付きつつある)流行り言葉がちりばめられているが、突き詰めて言うと近江商人の “三方よし” みたいな話。
 たとえば、「他者に問題を引き起こすのではなく、他者の抱える問題を解決することで利益を得る」という道徳律が信頼性を高め、信頼に基づく関係を強化する。この道徳律が適用されれば、企業のパーパスは社会の利益に適合するはずだが、米国の会社法には、こうした道徳律の考え方が抜け落ちている」という一文などだ。
 本書からのネタではないが、トヨタの祖業である自動織機の由来は、創業者の父、豊田佐吉氏が毎晩夜なべして布を織っている母親を楽にしてあげたいと発明したもの。
「誰か(の仕事)を楽にしてあげたい」という気持ちが発明につながり、これをビジネス化することで利益が生み出されるという話と何が違うのか?
 利益のみを追求し、社会に対する害毒を生じさせてはいけない。公害などは最も目に見えて分かりやすい例、最近では不透明な資金の流れ等が例として挙げられるが、世界が間違っているのは「非道徳的」だから、企業のパーパスを世界各国の会社法の中心にすえるべきだ等と言われても、まったく現実味を持たない。
 とどのつまりは、自分がして欲しいことを相手にもしてやる論の続き。 最高レベルは「彼らが自由な状態でしてほしいと望むことを彼らにする」(前後の文脈より、奴隷ではなく "自由" 人として…という意味)だそうだが、その発現例として挙げられたケーキの切り分け方が爆笑ものだ。 “彼らがしてほしいことを彼らにする“ ことを優先するあまり、徐々に相手に与えるケーキが多くなって行き、最終的には "相手に全部あげてしまう" ことがその最高レベルなのだとか。
「あなたが私に対して、私が自分にしてほしいと望んでいることをしてくれるなら、私も同じことをするだろう」
これなどはまさに、憲法9条最強論者の言説ではないだろうか?
 とまれ、筆者は1953年生まれ、執筆は2022年頃とのことなので、その時点ではまだ70歳手前、耄碌する歳でもないと思うのだが。 https://amzn.to/3R8mXRM

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    投稿日: 2025.04.07
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    この本が唱えることは、 「他者を犠牲にして利益を得るという無責任な行動を抑えることができれば、厳格な規制を設ける必要がなくなり、起業は自分たちで自由に意思決定を下せるようになり、その結果、自由市場や競争が効果的に機能する」(P378より) なんだとおもう。 個人的にはここまで理解するのに少し時間がかかった。 前半はやや冗長的で読みづらかった印象。 もう1回読んだら印象が変わるかも。

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    投稿日: 2025.03.23
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    序章 - 市場と政府の限界 - 企業の役割と政府の期待: 企業は成長と繁栄を促進し、雇用機会を提供することが期待されているが、企業が影響力を持つと政府に抑制を求める期待もある。 - 機能不全の理由: 市場の失敗、政府の失敗、規制の失敗、人間の失敗の4つの理由により、企業と政府の組み合わせはうまく機能しない。 - 市場の失敗: 企業が成長するにつれて市場が失敗することがある。特に、企業は独占的な地位に進化し、顧客やサプライヤーとの関係を強化する。 - 例 - フェイスブックとグーグル: 物理的な工場を持たずとも、データ利活用によって市場を支配するグローバル独占企業。 規制とその課題 - 規制の複雑性: 規制は「公正な価格」でのアクセスを目指すが、実施が難しい。支配的企業のシステムへのアクセスコストを正確に評価することが困難。 - 規制の国際性: 企業は国際的に活動するため、規制が国ごとに異なることが問題。これが「規制のアービトラージ」を引き起こす。 - 政治的影響力: 企業は規制を回避するために、政治的影響力や財力を利用していることがある。 企業のパーパスと利益 - 利益の再定義: 利益は単なる経済的な剰余ではなく、他者に問題を引き起こさない形で得るべきである。企業は問題解決を通じて利益を上げるべき。 - パーパスの重要性: 企業のパーパスは、他者の問題を解決することで利益を得ることに一致させる必要がある。 - 利益の源泉: 利益は他者を犠牲にすることで得るべきではなく、社会全体の利益に寄与するものである。 現代の資本主義とその課題 - 現在のシステムの問題: 利益追求が最優先される企業は、他者を犠牲にした結果として問題を生み出しているとの批判がある。 - 企業の道徳的責任: 企業は道徳律に基づいて行動する必要があり、他者に害を及ぼさないようなビジネスを展開すべき。 - 新たなパーパスの必要性: 企業は自身の利益を追求するだけでなく、社会全体の繁栄に寄与するパーパスを持つべきである。 企業と政府の関係 - 協力関係の構築: 企業と政府の目的が一致することで、協力関係が生まれ、社会全体の問題解決につながる。 - 公共政策の役割: 政府は企業の活動を支援し、社会課題に取り組むための政策を実施すべき。

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    投稿日: 2025.01.29
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    マルクス・ガブリエル氏が新しい資本主義を説く「倫理資本主義の時代」のなかでコリン・メイヤー氏の著作を参照していたことからメイヤー氏の考えや取り組みに興味を抱き、メイヤー氏の最新作である本書を読んでみました。本書はメイヤー氏の資本主義3部作の最終作に相当するもので、資本主義を再構築するための基本原則と具体策が提示されています。新しい資本主義の世界は、問題解決型資本主義と呼ばれています。他者に問題を引き起こしてではなく他者の抱える問題を解決して利益を得るという世界です。現在の資本主義から新しい資本主義へ進んでいく上での具体策を様々な取り組みを示しながら丹念に説いている。読み込むのに骨が折れたが仕事の指針となる力作と思います。

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    投稿日: 2025.01.26