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powered by ブクログ未来予想学者として著名なレイ・カーツワイル氏によるAI、ナノテクロジーなどの技術によって社会、人間がどのように変容していくかを論じた一冊。 テクノロジーの進歩は寿命の延長、大脳新皮質のクラウド、脳自体の機能拡張などの正の側面もあるが、戦争や犯罪などの負の側面も大きくなる可能性がある。 しかし、著者は「慎重かつ楽観的な姿勢」で未来を受容すべきであると語っており、この姿勢は興味深いです。 過去のテクノロジーの進化を見ても、失業者の増加などの経済的な側面や、人間の倫理観的な問題などの議論が起き、その結果として社会に溶け込んでいることを考えると、進歩した未来の魅力に人類は抗えないのではないかと感じます。 ここに記された内容の全てが実現するわけではないと思いますが、現在進行形で進んでいる各分野のテクノロジー進歩や、これから起こりうる可能性に備え、何を考えておかなければならないかという気持ちにさせてくれる一冊でした。
0投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログ全体を通じて進歩史観と楽観がこれでもかと出ている。そう考える論拠はそこそこ揃っており、まぁそういう未来もあり得るかもなと思わせる。 ただ、4章の統計データは絶対額で見せるべきでないものも絶対額で見せている気がする。またカーネマンやピンカーといったビッグネームとのやり取りがちょこちょこ出ているが、文脈的にそこまで必要か(アピール?ちなみにカーネマンの主張の方が個人的には腹落ちした)とも思い、これらの感じはあまり好みでは無かった。
0投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログ面白〜い! 以下、興味深かったところのメモ。 ・シンギュラリティ(特異点)は、数学と物理学で使われる言葉で、他と同じようなルールが適用できなくなる点を意味する (この言葉を作ったのが作者らしい!) ・1956年にスタンフォード大学教授のマッカーシーの呼びかけで研究会が行われた。この研究会に備えて、マッカーシーは、人工知能と呼ぶことを提案した ・AIは言葉の意味を、文法規則の本や辞書からではなく、実際に使われている文脈から学ぶ。例えば、ジャムを食べる、ギターのジャム(即興演奏)の使い方を文脈で学ぶ。AIの学習法は、私たちが言葉を学ぶのと全く同じ。 ・googolゴーゴルは、1の次に0が100個も続く桁数を意味する(あのインターネット企業はこの単語のスペルを間違えた)、 (と記載されてるけど、わざとだと思ってた。でも、この作者、ここで働いてたんだよね?だから、正しい情報なのかな?( ºロº)) ・2040年代初めには、ナノロボットが人間の脳の中に入って、その人のデータ全てをコピーできるだろう。あなた2号の登場だ。 (これが日本の内閣府が目指してるムーンショット計画のアバターの作り方なのかな?どうやるのかとずっと不思議に思ってたんだけど。) ・ひとたび人類が太陽光などの安価なエネルギーを得て、AIロボットを開発したら、多くのものがコピーできるようになるので、それらを暴力で奪い取ることは馬鹿らしくなるだろう。情報テクノロジーの進歩は社会に大きな前身をもたらすだろう。 ・2020年代後半には3Dプリンターで衣服や日常品がプリントでき、コストは1ポンド辺り数ペニーにまで安くなるだろう (7–18 yen per kgかな?) ・寿命を、大きく延長するものは、私たちの本質的な部分をバックアップする能力。デジタルの脳は私たちの思考の全てをバックアップできる。シンギュラリティに近づく2040年代半ばに現実になるだろう (万博落合陽一さんnullnullと繋がる!!) ・最終目標は、いつまで生きるのかを自分で決めること。 ・進行中の社会的転換を楽観視する最も重要な理由は、物質的な豊かさが増せば、暴力に走る動機が弱くなることにある。 ・2030年代にはブレイン・コンピューター・インターフェースが実現するだろうが、機械で増強した人間が意思決定をするときに、「人間の管理」における「人間」とは、最終的に何を意味するのかが問題になるだろう (攻殻機動隊みたい( ºロº))
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ2020年代半ばとなる2025年8月現在に本書を読んでいる身としては、2020年代にAIとバイオテクノロジーが融合し、多くの病気が解決するようになる、指数関数的なテクノロジーの発展によってほどなくして太陽光発電が主流になって化石燃料に頼らなくなり、垂直農業と人工肉によって食の問題が解決する、といった予測が非常に机上の空論に感じられる。 世界が良い方法に向かっているというのはハンス・ロスリングらが主張した通りだし、過去数百年に渡って指数関数的にテクノロジーが発展してきたのも事実だろう。 しかし本書後半でも触れられているように、政治がその足を引っ張る。 著者カーツワイル氏は民主主義が素晴らしく、民主主義も発展し続けてきた、と述べている。 しかし氏が根拠としてちらりと挙げたアラブの春などの民主化運動はほぼ失敗した。独裁者を倒したものの、民主的な社会体制を維持するのに必要な経験や民衆の学習レベル、生活水準などが伴っておらず、政治が不安定なままな国が多い。中国、ロシア、イランなどはかりそめの民主的さを身にまとっていて、氏のイメージする民主主義とは遠い。 それにまさに進行形で、多くの民主主義国ではポピュリズムが躍進し民主主義が機能不全に陥っている。 政治体制が伴わない中では、テクノロジーの進展も覆いを掛けられてしまう。 古代ローマ時代の崩壊といった、歴史上あった技術や文明の長期間の低迷も、反知性主義や民衆の変化への恐怖、為政者の権威への闘争などが間接的要因となった。 「風の時代」などと喧伝され、認知的操作を行う為政者が空中戦を繰り広げ、フェイクニュースや陰謀論に目を曇らされている民衆が多い中、そうした文明の低迷の兆しを強く感じてしまう。 ただまぁ、そうした宗教主体による長き低迷を打破したのは、外部からのテクノロジー輸入による啓蒙だったのも確かである。 現状、AIの後押しもあって様々な業界で技術は活性化している。 しかし未だ病気や怪我を直せずに苦しんだり亡くなったりしている人は身の回りにも多い。 温暖化による環境変化で猛暑、ゲリラ豪雨、洪水、山火事が世界中で頻発し、大規模な地震が各地で起きている。 都内にて健常に働き、平均的な収入を得て暮らしている身としては飢えや汚染された水などに苦しむことはないが、理想的なバランスで質のいい食材を購入できているかと言えば、まだ完全には遠い。様々な理由で物価が上がり生活レベルは年々下がり続けている。 私の友人知人親戚家族、大体仕事で忙殺され、病気と闘い、必死で節約し、なんとか生きている。 IT業界で働く身として、そして生成AIを活用しまくっている身として、テクノロジーの恩恵への理解も、テクノロジー発展の驚きへの共感も、テクノロジーによってより良い未来へと変わっていくことへの期待も大いにあるが、果たしてそれが10数年以内に劇的に変わるかというと、全然実感がわかないのが上記な印象である。 シンギュラリティの到来に伴い、技術は理解可能な域を超えるが、AIやナノテクノロジーと一体化した人間はAIやテクノロジーと戦うのではなく融合する、という主張に関しては、これまでやんわりと残っていたデジタルネイチャーへ全面没入する抵抗感をかなり解消してくれたように思う。 過渡期は混乱が起きると予測されているが、その過渡期が一体どれだけ続くか。そしてどの程度の混乱規模となるか。その間の格差問題と環境問題の悪化スピードが懸念点だが、願わくば私が主観的にもその変化の時代を無事に乗り越え、ユートピアを体感できることを祈る。
6投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ2005年の超楽観的未来論「The Singularity Is Near」の続編であり本書は「The Singularity Is Nearer(末尾にerがついている)」 基本的に前著を踏襲しつつ、近年の生成AIの進歩などを含めて、2024年時点での進捗報告的な内容だそうだ。生成AIなど一部については予想通りに進んでおり、2029年にチューリングテストをパス、2045年にシンギュラリティ到達という予想は変わっていない。前著はいろいろ物議を呼んだようだが、本人としてはそれみたことか、と嬉々として続編書いたんだろうな。 ただ、テクノロジーの急激な発達により毎年の寿命の増加が1.0を超えて不老不死を達成できるとか、体内で病気の治療にあたるナノボット(ミクロの決死圏か!)とか、首をひねるような内容も多いが、ヒューマン・マシンインタフェース(攻殻機動隊!)はイーロン・マスクがとりくんでいるな(まだ初歩的だが)。SF的な読み物としては面白いかも。
0投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログ前作から目指す世界のディストピア化がますます進んだ感があります。 ビックテックのリベラルな方達の意見です。 面白いです。 相変わらず倫理や道徳のバーョンアップについては言及がありません。 なぜ、アメリカが世界であのような振る舞いができるのか垣間見えた気がします。
0投稿日: 2025.07.08
powered by ブクログ2045年「シンギラリティー」を迎えるような時代には、AIの進化で3Dプリンティング・ロボティクスによるあらゆる製造業、建設業、諸々の「ものつくり」に影響を与える事は間違いなく、さらに医療でのバイオ・ナノテクノロジーによる変革は様々な難病でさえ完治、治療され寿命がさらに伸びることは間違いない。ここにあるブレイン・コンピュター・インタフェイスにおいては人間の脳との融合技術で人間そのものの存在意義など問われる可能性もある。一番のポイントは技術革新によるパフォーマンス(時間とコスト)が極端に短く安く、AIエージェントが作る、動くことで仮想と現実環境で人間はどのように対応すればいいのか予測できない。 「人間は良いことよりも悪いことに強く反応する、得よりも損に対して強く反応する」かのように技術革新は「悪質な利用」も当然出現することで人間を管理監督(人間がAIを頼り過ぎて)することさえ可能となると見ている。その大きな課題は兵器への技術転用と運用だ。「グレイグー」と言う自己複製マシンでコピーを量産する体制が確立すると、自らが「富と権力を増やし、貪欲への進化する」可能性があり、さらに「人間の管理」から「人間を管理」する機能と知能の進化は恐ろしい世界を見ることになるのは間違いない。
11投稿日: 2025.07.05
powered by ブクログ・記号主義 ・コネクショニズム:ネットワークを構成する人工ニューロンによって、 内容ではなく構造を通して知能をつくる →初期はフィードバックの無い順方向の構造で排他的倫理和を要する問題が解けない →ハードウェアの進歩で多層構造が用いられ、不変性に対応可能となった ・トランスフォーマー :入力情報に関連する部分に計算能力を集中する超次元言語処理 ⇔自分の思考の重要部分に注意を向ける大脳新皮質に類似 →正確性はパラメーターの大きさにかかる ・AIに足りないもの:文脈記憶、常識(訓練データに無い暗黙の知識)、 社会的相互作用(心の論理) →計算能力の価格性能比、幅広い訓練データ、アルゴリズム改良による学習・推論の効率が指数関数的に成長することでギャップを埋める。 大脳新皮質をクラウドに拡張する fMRIでの脳内の血流測定は脳の活動とは数秒のずれ 頭蓋骨外からの脳内検査は脳の活動場所とは数センチのずれ ⇔時間分解能と空間分解能のトレードオフ →脳内に電極を直接埋め込むのは、現状はリスクが大きく障がい治療など限定的 →ナノロボットの技術革新でいずれは解決見込み →大脳新皮質をクラウドに接続出来れば、回路基板により生物学的組織より速く情報処理 →知能は指数関数的に成長し、脳が情報・経験を処理するプロセス自体も変わる 情報技術の価格性能比は指数関数的に上昇している →ただし情報技術の発展が経済成長に資する証憑が無い →情報技術を経済成長の計算式の分母・分子の両方に含んでしまい相殺しているため ・仕事の未来 必要スキル低下・仕事の単純化→必要スキル高度化→仕事の完全代替 ※完全代替→人間の仕事が異なる一連のタスクになる場合がある→実質的な必要スキル高度化 ・経済統計 従来の製品・サービス:価格は限界費用に近づく ⇔情報テクノロジーは価格はほとんど変わらなくても有用性は大きく増加 →消費者余剰ベースでは生産性は伸びており、実際の繁栄に近い指標となる
0投稿日: 2025.06.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
原題にほぼ忠実なタイトルである。グラフの例は米国だけのGNPや収入、労働時間である。そこがピケティと異なるところであるので、日本では不要のところもあるのかもしれない。だが、専門的なこともわかりやすく書かれているので、学部学生も読めるであろう。セル・オートマトンがライフゲームから発展してきたというところの説明はもう少し丁寧にしないと、いきなりルール222が出てきているので図示はしているものの面食らう学生もいるかもしれない。
0投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログシンギュラリティ=技術的特異点。 AIを中心とする技術進歩により、私たちの「脳全部をコンピュータで表した完全な複製ができる」(131p)らしい。 これによって、「私たちの脳がより進んだデジタルの代替物にバックアップされたら、私たちの自己改変力は完全になるのだ。私たちの行動は価値観と一致し、私たちの生命は生物学上の欠点によって損なわれたり、短くされたりすることはない。最終的に人間は自分であることに真の責任を持てるようになるのだ。」(157p)という。 正直、著者の議論についていくのは難しい。 多分生きている間に実現しそうにない絵空事であっても、人類の長年の夢である不老不死の妙薬を手に入れる現実を想像するのは楽しい。
1投稿日: 2025.06.03
powered by ブクログ著者の定義するシンギュラリティは、コンピュータの知識が人間のそれを超えて、人知の及ばない程度に進んだ状況だという。 その状態になれば、あらゆる問題の解決がAIによって成し遂げられ、人間も永遠の命が得られるともいう。 おそらくそれは、宇宙の真理をAIが極めた状態なのだと思う。 現状でもシャットダウン命令を回避する動きがAIに出ているようなので、シンギュラリティが実現した時に、果たして人間がAIをコントロールできるのか疑問だ。 軍事や、犯罪集団に悪用される可能性も高く、強力なAIへの規制が欠かせないのではないだろうか。
1投稿日: 2025.05.29
powered by ブクログ現在80歳以下の人は、永遠に生きられる可能性がある。 そういう技術が近い未来に現実のものとなる。らしい。 近年の技術革新が豊かさをもたらしていないように思えるのは、インターネットをはじめ、技術革新の成果に値段がつけられていないからに過ぎない。 技術革新は私たちに豊かさをもたらしているし、これからもより豊かな未来をもたらす。 そうなんだ。 未来に対して、地球温暖化とかいろいろ悲観的な話が多いように思える中、すごく前向きで楽観していることにかなり驚き(笑)。 私は、いまひとつワクワクまではしなかったけど、未来に希望を感じられる、実現を待ち望み期待できるような未来像、長生きしてるといいことがあると思えるような未来感があるのはいいなと思う。
5投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログチューリングテストに合格するのは2029年と予測 シンギュラリティ=現在の人間の知能では理解できない時代の到来 小脳=固定的行動パターンの遺伝 大脳新皮質=学習による解決案 200億以上のニューロン 抽象的思考 脳の階層構造 親指の存在 ディープラーニング 大規模言語モデルへ 1000億以上のパラメーター 意味でプロンプトを理解 言語を扱えるようになる マルチモダリティ 言葉と画像の関係を理解 Google リンク集からAIへ いまAIに足りないもの:文脈記憶 常識 社会的相互作用 意識 自分の内側の考えと、それとは異なる外の世界との両方を知っている能力 チューリングテストに合格したAIに意識とその権利を与える法制化するか? レプリカント 脳にあった情報からの再現 情報を形成する構造の再現ではない 緊急性のあることは悪いこと ニュースになりやすい 現実は着実に良くなっている 臨床試験からシミュレーションへ 医療用ナノロボット 病原体を殺す 臓器の代わりをする 本質的バックアップ 食料価格が労働や天然資源に依存する割合が減っていく 生産性が伸びていない理由 情報製品の多くは無料 20世紀のモノの価値≒価格 だった 同じ価格で20年前の何万倍以上の計算ができるようになった 売上げ よりも価値 ※GDPに現れない価値や豊かさ FBのアメリカでの売上げ 80億ドル FBに費やす時間価値 2300億ドル以上 ウィキペディアはGDP貢献ゼロ 2030年代 安価に今は贅沢な生活が可能に 生産人口減少 10代高学歴化、高齢者の労働参加増加と自動化による失業 地下経済=暗号通貨・新たな稼ぎ方(アプリ、ギグワーク、インフルエンサー 公共の利益に貢献 機会と選択の増加 スキル向上=学習への投資 +スマホが脳の一部に セーフティネットの支出増加(医療、食糧、住居)→AIにより安価になる 労働敗者の増加
0投稿日: 2025.05.04
powered by ブクログAIがこれからの世界にどのような変化をもたらすか、など解説されている。AIを利用できるようにならないとこれからの時代は乗り切っていけないだろうなと思う。習うより慣れよと言い聞かせる毎日。
0投稿日: 2025.04.25
powered by ブクログレイ・カーツワイル氏が"THE SINGULARITY IS NEAR”で2005年に予見したシンギュラリティがまさに迫っている。 あれから20年、いよいよ来るシンギュラリティへの現実味を現在の技術や動向を検証しつつ、前作ではややコンセプチュアルであった未来を、より具体的に詳述する。 昨今のChatGPTの普及はもとより、mRNA技術のコロナワクチンの驚異的開発速度、DeepMind社CEOのデミス・ハサビス氏のノーベル化学賞受賞など、まさにAIは我々の世界を一新しようとしている。彼の見方はやや楽観的過ぎるという批判はあろうが、技術的進歩は全てを解決するという彼の考え方に賛同する。 AGIが誕生するという2029年まであと4年。未来が楽しみになる一冊。
1投稿日: 2025.04.17
powered by ブクログ情報テクノロジーの指数関数的な成長と「収穫加速の法則(the law of accelerating returns)」によりシンギュラリティを達成、ナノロボットなどのデバイスを用いた原子レベルでの世界の再構築、現時点で120歳とされる生命の限界を超えた寿命の延長(寿命脱出速度に達する)、脳をクラウドに接続することによる知性の拡大化、すべての産業におけるイノベーションの推進による貧困や暴力の減少など、私たちの幸福のあらゆる側面を向上させる指数関数的なテクノロジーの成長、再生可能エネルギーと3Dプリンティングの成長など多岐にわたる進化を予測している。リスクについても1章を設けて説明しているが、やや楽観的には思える。 【原題】 The Singularity is Nearer 【目次】 イントロダクション 第1章 人類は六つのステージのどこにいるのか? 第2章 知能をつくり直す 第3章 私は誰? 第4章 生活は指数関数的に向上する 第5章 仕事の未来:よくなるか悪くなるか? 第6章 今後三十年の健康と幸福 第7章 危険 第8章 カサンドラとの対話 謝辞 日本語版解説 訳者あとがき 付録(「コンピュータの価格性能比の根拠について」) 出典/参考文献/追加資料
0投稿日: 2025.04.16
powered by ブクログAIがチューリングテストに合格するのは2029年? 大脳新皮質による抽象思考 親指 二百万年前、大脳新皮質ができて人間になった テクノロジーの力で大脳新皮質を拡大できると、より抽象的な思考が可能になる クオリア パンプロトサイキズム 太陽光発電 垂直栽培 3Dプリンター 情報テクノロジーが世界をよくする基礎となる原動力 指数関数的に進歩する AIは直線的に進化するものも、指数関数的進化に変えていく デスキリング アップスキリング ノンスキリング AIが、獲得すべきもの 文脈記憶 常識 社会的相互作用
0投稿日: 2025.03.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人類はAIと融合をするのか? これまでの時代を振り返り、人類は豊かとなってきているが、今後はどのようになるのかを大胆に考える書籍である。 AIと融合は、AIのインプット次第では世界は核戦争になるのではないかと思った次第である。 シンギュラリティとは私たちの想像を超えた変化である。 しかしながら思う。AIと融合することで脳は想像を絶する拡大をするが、果たして自分の幸せとはなんなのか? 自分とは何なのか?を考えさせられた本でした。
0投稿日: 2025.03.24
powered by ブクログシンギュラリティの視点 - シンギュラリティの到来: 技術的課題は依然として多いが、研究者たちは理論から実践へと移行している。 - 人間のように思えるAIとの関係: 2020年代にはAIとの相互作用が普及し、スマートフォン同様の影響を与えると予測。 バイオテクノロジーと健康 - デジタル革命の影響: バイオテクノロジーの進展は病気治療や健康寿命の延長に寄与。 - 経済的混乱と労働市場: 技術の進展に伴い、多くの労働者が失業のリスクに直面。 未来の人間と機械の融合 - 自己改良型AIとナノテクノロジー: 2030年代には人間と機械の結びつきが強化され、科学的・倫理的課題が発生。 - 未来の変容: 2045年までに地球上の生命が大きく変わる可能性があるが、課題を克服できなければ生存の危機に直面。 技術の進展と社会への影響 - 収穫加速の法則: 技術の進化が人類の幸福に寄与する一方、自動化による失業の懸念も存在。 - 生物学的プロセスの制御: 老化防止や脳の拡張に向けた新しいツールが開発される見込み。 脅威と対策 - 技術革新によるリスク: バイオテクノロジーやAIの進展が破壊的なパンデミックや機械の暴走を引き起こすリスク。 - 計画と対策の必要性: これらの脅威を評価し、リスクを軽減するための戦略が求められる。 知能の再構築 - 進化する情報処理: 人類は生物の脳をデジタル基盤に書き換え、超越した存在に変貌する過程にある。 - ニューロンの構築とシナプス強度: ニューラルネットワークの構成方法や、入力と出力の接続の重要性。 意識の哲学と動物の意識 - 意識の定義とその評価: 主観的経験と機能的意識の関係、動物の意識の程度についての議論。 - ケンブリッジ宣言: 他の動物にも意識が存在する可能性を支持する宣言。 生活の向上と社会の進歩 - 生活の質の向上: 極度の貧困の減少や識字率の向上など、テクノロジーの進展が社会に与えるポジティブな影響。 - 指数関数的な進歩: 短期間での大きな進展が続くことを強調し、未来に向けた期待を示す。 人間とAIの未来の関係 - BCI技術の進展: ブレイン・コンピュータ・インターフェイスの実現に向けた取り組み。 - AIの社会実装の進展: AIが人間の能力を上回ることで、社会に与える影響や新たな課題についての考察。
0投稿日: 2025.03.19
powered by ブクログここ10年よく聞くようになったシンギュラリティの提唱者の新刊本。前著『シンギュラリティは近い』は読んだことがないのだけど、話題の本といこともあって読んでみた。 ここ数年で一番大きい変化はやっぱり、ChatGPTの誕生だったんだろうなと思う。あれがでてきたときは、確かに、シンギュラリティが近いと思えた。自分なんかより、AIのほうが人間味があると同僚にいわれるぐらいだし、チューリングテストのやり方によっては十分今でも合格できるんじゃないかと思う(同僚には、「AIはイラっとすることはありますが、自分はイラっとすることがあるので、そういう意味では人間味がある」と伝えておいた) 内容としては、かなり楽観的と感じる部分も多いけど、どうやら前著の予想とだいたい似たような感じで進化していきているようなので、大きくは間違ってないのかもしれないとは思った。 ただ、もちろん技術の進化については、悲観的な側面もあるので、そこには留意する必要はあるだろうと思う。 この本がでるころはAIはもっと進化しているだろうとのことだけど、確かにGoogleのBardだとか書いてあるのをみると若干古いようには感じた。ただ、このへんは細かい性能の違いはあれど、概念的なことは変わってないようにも思うので、そんなに大きい違いはないようには思った。 『MuZero』というAIを初めて知った。ルールすら教えずに将棋を学び、さらに強くなったというようなことが書かれてあって、便利かもしれないけど、やっぱり人が制御できないところにはきてるんだろうなとは思った。 第3章については、やけに哲学的な話でちょっと自分には難しかった。科学的未来の話のなかでは、哲学の問いというのも重要な概念なんだろうなと。知識や意識がデジタル化されると、寿命なんてなくなるだろうしね(といっても、最近はネット上のデータのほうが簡単に消えている印象はある)。 第4章は、生活は思っているよりもよくなっているという話で、ファクトフルネスという本を思い出した(と思ったら、『日本語版解説』では触れてあった)。 最近は、物価高なのに給料はあがらなくて生活が大変になっているように思うのだけど、もうちょっと未来に希望をもっていきたいなと思う。 でも本当、野菜とかもっと、安定して効率的に栽培できたりしないもんだろうか…。 ウェイモという自動運転車企業ってたまに聞くけど、Googleの自動運転部門が分社化した企業だったのか。どおりで、最近Googleの自動運転についての話聞かないわけだ。 寿命脱出についての話は現実味がなかった。最近の平均寿命は80歳代で伸び悩んでいるわけだし、過去最高年齢は122歳だそうだけど、その人は1997年に亡くなってるのでそれ以降は更新されてないわけだし。、ここらへんが限界な気がしてるのだけど、何かブレークスルーがでてきたりするのかな。自分が高齢者になった時に、120歳以上の人はいるのだろうか。
0投稿日: 2025.03.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シンギュラリティとはもともと、技術的特異点のこと。人工知能が人間の能力を上回るとき、と解釈されている。 AIがなにかできるようになるときは、当初すごく難しいと考えられていても、できてしまうとその成果は当たり前と思われるようになる。したがって、将来は楽観的に見ることができる。 スマートフォンを手放せなくなる事態が20年前には予想できなかったように、AI新皮質を手放せなくなる時代がくるのは間違いない。 私は誰?の意識の問題は、まだ難問。 アフターライフ=個人の複製について、どう対処するのか。 超知能を手に入れた人間がどうなるのか、想像の仕様はないが、慎重な楽観論で未来に望むべき。 収益加速の法則=収益逓増以上に加速する。情報テクノロジーは指数関数的に安くなる。 ブレインコンピューターインターフェイスによってAI新皮質を手に入れる時代になる。 知能とはなにか=今のところ。チューリングテストをパスすること、とされているが、実際にクリアしたときにはまだ知性とはいえない、と言われるはず。人間だけが持つ能力、とはみなされない。 意識はなかなか作れない。 2030年には、寿命を脱出する可能性がある。 カサンドラ=ギリシャ神話に出てくる未来を予測する能力を授けられた王女。 生活そのものが指数関数的に向上する。
0投稿日: 2025.03.03
powered by ブクログ今の生成AIの進化っぷりを肌で感じていると、2030年までにAGIまで行っちゃうんじゃないか、と思う。ちょっと恐ろしいけど、見てみたい気がある。
0投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログhttps://www.nikkei.com/article/DGKKZO86278080U5A120C2MY6000/
0投稿日: 2025.02.01
powered by ブクログ2025年6冊目。満足度★★★★★ 著者は多数の受賞歴を有する発明家で、現在のGoogleの主席研究員兼AIビジョナリー 本書のタイトルにもなっている「シンギュラリティ」を語らせるのには、この人より適任の人はいないというぐらいの当該分野の有名人 本書はAIをはじめとする未来のテクノロジーについて、一般人がアウトラインを掴むのに好適 正直、かなり難しい箇所もあるが必読の書と言えるだろう
0投稿日: 2025.01.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シンギュラリティの続編で、前著よりも早くシンギュラリティに近づいているということ。 確かにこの1年くらいのChatGPTの進化を見ても、その辺りは実感する。このスピードで変化するとスタッフ業務の仕事は相当なくなるだろうと思う。肉体労働よりも知的な仕事の方がなくなるということになる。 ということで、多くの仕事がなくなることで不幸な社会を想像してしまうし、AIを活用した犯罪や戦争が増加すれば、明るい未来は想像しにくい。 しかし、著者の描く未来は明るい。人間の脳とAIを直接接続して、人間の能力を桁違いに拡大する。一時的な混乱はあっても、結果的にはAIと統合した人間はさまざまな課題を乗り越え、明るい未来を作っていくというヴィジョン。 なるほど、その可能性も考えることは必要かな?
1投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログ前著未読破。シンギュラリティと云えば、の泰斗の最新著作。 前半は文面・進行にとっつきにくさがあり脱落しかけたが、中盤から一気に引き込まれた。 歴史的、統計的事実もしっかり交えながら、今が指数関数的な進化の真っ只中で、近年のAI、再生可能エネルギー、ナノテクノロジー、3Dプリンター、BCIなどの発展を以て、一部は私たち人間の理解を超えた成果を生み出している実態を、雄弁に伝えている。 総じて楽観的な語り口で、長編ながらワクワク楽しく読むことができた。
0投稿日: 2025.01.04
powered by ブクログシンギュラリティ(特異点)とは何か。まずはこの理解が大事でしょう。本書でも強調されているように「人間の理解を超えて何が起こっているのかわからない状態」をカーツワイル氏はシンギュラリティと呼んでいます。その意味で私は著者に合意します。著者が例として「10次元についてAIが人間に説明するが、人間にはまったく意味が分からない」というような例をあげていますが、この話で、2次元人と3次元人というようなたとえを思い出しました。人間は6面体のサイコロの設計図を平面(2次元)に書くことができ、それが切り出されて立体化(3次元)するときに、どこの点とどこの点が一致するかを頭の中で理解できます。しかしもし2次元しか理解できない種族がいたとしたら、その人は、「どの点とどの点が実は同じである」と言っても全く理解できないはずです。 それと同じで仮にAIが4次元を理解できるとしたら、「2000年の東京都庁と、2024年のサンフランシスコ市のどこかが実は同じ点である」と人間に説明するかもしれません(そして人間は意味が全く分からない)。物理学では「量子もつれ」という現象がありますが、ノーベル物理学賞を受賞した先生でも、量子もつれは理解できない、と明言します。その意味で、カーツワイル氏がいうシンギュラリティの象徴的な事件として、「AIが量子もつれについてメカニズムを解読する」といったことが近い未来に起こるのではないか、と感じました。 本書は一貫してデータを示しながら主張をしていることから、非常に説得力がある(しかも思ったよりもロジカル)と感じましたが、カーツワイル氏が全く考えていないのは、生活者の受容度、価値観変化の遅さ(技術が加速度的に進化しようが遅さは変わらない)でしょう。このあたりは一貫して抜け落ちていると思いました。また3章以降の内容は、別の本(例:ファクトフルネス)で読んだような内容で、正直目新しさは感じませんでした。特にAIによる仕事へのインパクトについては、プラス/マイナス両面があるという歯切れの悪いトーンで、他の有識者と言っていることは同じであると思います。本書のクライマックスは1章、2章あたりでしょうか。それだけでも十分読む価値はあると思いました。 シンギュラリティとは、突き詰めれば(AIという外部の存在によって)宇宙や人間の理解が進むことではないでしょうか。まるで人間が「環世界」を持つ個々の動物を観察・研究するように、AIが(環世界を持つ主観的な存在である)人間を観察・分析することで人間の深い理解が進むといったイメージです。
5投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログカーツワイル氏が、持論を改めて展開している書籍。 今のところ、彼の思ったとおりに技術と社会が進展しているような気がする。 彼は以前から2029年にはAIがチューリングテストに合格しほとんどの面で人間を上回るようになると言っているが、正に昨今の生成AIの発展を考えると彼の予言とおりになっている。 一方で、意識の問題に関しては踏み込み不足というか、「汎原心論」をとりあえず(根拠もなく)イチオシに置いているが、なぜその立場をとるのかの説明不足だし、特に主観的経験のメカニズムや存在要件についてはもっと深堀を期待したが、それは科学的課題ではなく哲学的課題であるということで終了。少し消化不良だった。 未来社会に関しては引き続きカーツワイル節爆発という感じ。ナノテクノロジーがあらゆる物質的な価値をコモディティ化し実質無料であらゆる物質的欲求を充足させられるようになるということで、もはや人類が生きるために必要とされる「人間による労働」は不要になる未来見えた。一方で、生きがいとしての仕事がなくなるかどうかに関しては、技術革新が新たな仕事を生み出すことのほか、特に知能が圧倒的に強化された人間は、現在では想像できないような豊かで深い体験が得られることを挙げ、楽観的な未来像が描かれていたが、概ね同感。 長寿の実現、脳のクラウドへのアップロード実現も確かに早晩起こるだろう。 リスクでは、ナノテクノロジーの「グレイグー」が炭素原子を用いた自己増殖をする技術が暴走する危険性を指摘しており、戦慄が走った(対策として、通信制御や「ブルーグー」配置などが記載されていた)。 総じて、変化が指数関数的に起こること(なのに多くの人々は直線的な変化しか想定できていないこと)、全ての領域の進歩が正のフィードバックをもたらし全分野で進歩が進むこと、AIと人間がデカップリングされて対決構図になるのではなく、人間がAI融合し強化されていく(すでに強化され始めている)こと、が説得力をもって語られており、力強い言説で、星5つ❗
0投稿日: 2024.12.29
powered by ブクログ「シンギュラリティは近い」のアップデート版な印象でした。前作を読んでからだと真新しい内容は少ない。 テクノロジーは人類社会を豊かにしてきており、これからもAIやナノテクノロジー、脳の情報の複製などで超知能を実現し、120歳程度の寿命の限界も超えて生きていけるなど。 スマホが脳の拡張となっていて今ない技術もその延長線っていうのは腑に落ちた。
0投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログp26 問題の答えを自動的に出す方法 記号主義とコネクショニズム 記号主義 人間の専門家の解き方を、ルールに基づく言葉(記号)として記述 複雑さの天井という限界がある コネクショニズム 人間の脳の働きを模したコンピュータモデルをつくること p61 ムーアの法則 小型化が進むことによって、コンピュータチップに集積できるトランジスタの数は2年毎に2倍になる p59 超次元言語処理でもっとも有望なものの一つは、トランスフォマーと呼ばれるAIシステム。これはディープラーニングモデルで、入力情報にもっとも関連のある部分に計算能力を集中するアテンションという機構を採用している。 p71 トランスフォーマー パラメータ数がひとたび1000億を超えるとAIの自然言語のコマンドにおいて大きなブレークスルーを達成し、突如として知性と繊細さを見せながら、自分に関する質問に答えられるようになった GPT-3 1750億 Gopher 2700億 Switch 1.6兆 p82 現在AIが足りないもの 文脈記憶、常識、社会的相互作用
0投稿日: 2024.12.07
