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経済学者のすごい思考法 子育て、投資から臓器移植、紛争解決まで
経済学者のすごい思考法 子育て、投資から臓器移植、紛争解決まで
エリック・アングナー、遠藤真美/早川書房
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総合評価

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    このレビューはネタバレを含みます。

    経済学初心者向けの経済学がどんな問題を解決できるかを例示した啓蒙書です。以下は私向けの備忘録です。ーーーーーーー ★貧困について:貧乏な人に条件をつけずに(生活保護ではなく)一定のお金を配ることで、人々の生活は良くなり、健康を維持できる(平均的に)お金の欠乏から救って処理能力を上げてやることで貧困の罠から抜け出せる。  ・人は同じものとして扱うべきという考え方は、アダム・スミス、ジョン・シュツ  ワート・ミルの時代の経済学の考えの要である。 ★育児について:「添い寝」が乳幼児突然死症候群のリスクを少し上げる。喫煙と飲酒は絶対に避けるべき。 ★気候変動を食い止めるには:うまく設計されたピグー税(負の外部性を生みだす対象に課す税金)を課すことにより」、税収入を負の外部性を与えていない人に配ることで世の中の効率が上がる。 ★悪い行動を変えるには(児童婚、女性器の切除、野外での排泄):変化の4原則が必要①メッセージを共通の知識にする(みんなに一斉に話す) ②新しい解決策が自分たちのためになると知ってもらう ③規範的期待に働きかける。行動をいままでと変えても罰がないことを知ってもらう。 ④トレンドセッターを利用する。ほかのすべての人に従うのではなく、自分が正しいと思う行動で示して、それを他の人達がまねしたくなるようにする。 ★必要なものを必要な人に届けるには:欲しがっている人とあげたい人の情報をクリアリングハウスで得て、その情報を元にトレーディング・サイクルを作り欲しがっている人、あげたい人の輪を作る(例:腎臓の臓器移植) ★謙虚になるには:自身過剰にならないこと。①私たちが良く間違うということをエビデンスと突き合わせることでよく理解しておく ②間違っているかもしれない理由をじっくりと考えるようにして、他人にもそうさせる。 ③意思決定する環境を変えて、自信過剰に陥りにくくする。 ★お金持ちになるには:①できるときに貯金をする ②個別の資産ではなくインデックスファンドに投資する。 ③借り入れは慎重にする ④スキルを磨く ★コミュニティを作るには:共に暮らす人が直面している問題がまだ解決していないときは「制度」を作るのが解決策になる可能性が高い。  ・コミュニティの制度の8つの要素:①明確な境界 ②ルールと地域の条件との調和 ③集合的選択の取り決め ④監視 ⑤段階的な制裁 ⑥紛争解決のメカニズム ⑦制度をつくる権利の最小限の承認 ⑧入れ子構造

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    投稿日: 2025.05.17
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    たぶん普通のひとの経済学のイメージが変わる本です。 経済学は「世界をよりよいところにし、人間の繁栄を促進する」学問で、そのために実証的なエビデンスに基づいてベターな(唯一の、でも、必ず成功する、でもない)方法を提示します。 本の目次の一部ですが、「しあわせになるには」「謙虚になるには」「貧困をなくすには」(政策的なアプローチ)「お金持ちになるには」(個人としてのアプローチ)、そして「世界を救うには」という章のタイトルは、経済学がエビデンスに基づいてどれほど幅広い提案ができるか、そして、私たちがどれほどいろいろなことに活用できるかを示していると思います。 目からウロコの一冊でした。

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    投稿日: 2025.04.27
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    配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01436922

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    投稿日: 2025.03.24
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    本書では、経済学の本質、経済学の利用方法がエビデンスと共に描かれていた。世の中の限界と平均を考えながら社会問題を解決するためにツールが経済学なのかもしれない。ぜひマスターしたい

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    投稿日: 2025.03.03
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    経済学は科学であり、アートである。 道徳に深く根ざしていて、厚生、ウェルビーイングを研究する。悲惨や窮乏に憤る人々によって推進されてきた。世界をより良くすることを目指しているそうだ。 現実に役立っている例がいくつも挙げられる。例えばマッチング理論とマーケットデザインは実際の公共政策に使われている。行動経済学の知見はより良い選択や行動に役立つ。コモンズの悲劇を避ける制度的条件も分かってきている。 経済学から導かれる幸せになる戦略が3つある。(1)適応できそうにないことに時間とお金を使う。安楽よりも快楽に、モノよりもコトを優先する。(2)期待と願望が上がりすぎないようにする。(3)むやみに自分を他人と比べない。 経済学の哲学の本だが、経済学の解説本でもある。 インセンティブ、選好,限界効用、限界効果、ゲーム理論、ナッシュ均衡、パレート最適など、一度は聞いたことがあるけど理解してなかった用語や概念が簡潔に説明されていて、お得だった。

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    投稿日: 2025.02.19
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    (帯より) その難題、経済学者にお任せください! 寝つきの悪い子をどう寝かしつける?/貧しい人にはお金を配るべき?/気候変動を食い止めるには?/お金で幸福は買える? 経済学が陰気で役立たずの学問だなんてとんでもない! データ分析の強力な武器・計量経済学や、社会課題解決の切り札・マーケットデザインなど、経済学者の頭の中には世界をより良くするための知恵が詰まっているのだ。経済学に新たな光を当てる、「哲学的経済学者」会心の一冊。 こんな大上段に構えて、めっちゃ胡散臭い、だって、「経済学」だよ?!「経済学」!!?? 、、、と思いつつ、やっぱり手にとって読んでみた。 、、、ほんとに、経済学が、いろんな社会的難題を解決できると、筆者は思っているのだろうことは、よくわかった。 「最大多数の最大幸福」古典経済学は、絶対王1人の幸福よりも、多数の幸福が望ましいと考えた平等主義者で、貧困の解決に向かうもの、だったらしい。 子育てもよくわからん経験ではなく、エビデンスから考える。 経済合理性(と公徳心?)でドナー不足を解決できる、とか。 経済学の考え方で、コミュニティ問題の解決を紹介したエリノア・オストロム氏(2009年、女性で初めてノーベル経済学賞受賞)の話。 なるほど、経済学に対するイメージが少し変わったかも。

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    投稿日: 2024.12.25