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謎のチェス指し人形「ターク」
謎のチェス指し人形「ターク」
トム・スタンデージ、服部桂/早川書房
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総合評価

12件)
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    冒頭に書かれているが、いわゆるチェスをうつ自律した機械の話、ではなく、そう見せかけた機械と取り巻く人のお話。 本文に生成AIの話が登場せず、初めは違和感を覚えたが、文庫版の出版は2024年、元になった単行本は2011年ごろみたい。 タークがいわゆるAIの元祖かと言われると、そう言うものじゃないでしょと言う印象。 もっと原始的な、機械と人の関係性の話と捉えるのがただしい。人と機械の違いとは何か?知能、思考とは何か? 構成上仕方ないかもしれないが、よっぽど注意して読まないと出来事の時系列を追うのは難しかった。年号と人の名前を覚えるのが苦手で歴史を取らなかった怠慢な学生時代を送った身としては、述べられる出来事の前後関係がほぼ分からなかった。

    0
    投稿日: 2025.08.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白すぎた 引っ張って引っ張ってどん!という構成が好き なんとなく予想はついてもそれでもバレなかったというのは素晴らしい 皆がタークを通して他の何かを見る、産み出す まさしく最初の人工知能 個人的には納得

    0
    投稿日: 2025.08.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いや。そりゃまぁそういうことなんでしょうけども‥色んな推理を否定しながら延々引っ張った挙句このオチか、というのは正直ありますよね。最後のディープブルーからAIへと付会していく流れもどこか読んでいて上の空になってしまいました。

    3
    投稿日: 2025.07.26
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    17世紀にウィーンで登場したチェスを指す人形「ターク」。 果たしてこのオートマタはどのようにしてチェスを指していたのか、それが徐々に解明されていくため、自動人形の快進撃ストーリーというだけでなく、その実態にせまった謎解き本として、一種のミステリー小説のような味わいを持って読むことができる。 そしてこの謎は、人が他者に対して「知能を持っている」と感じるのはどのような瞬間なのか。あるいは「知能とはなにか」という問いへともつながっており、1770年に生まれた自動人形が、現在のAI技術へとリンクしていく過程にぞくぞくするものがあった。

    4
    投稿日: 2025.05.04
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    2025-04-15 ポーの「メルツェルのチェスプレイヤー」を読んだのは高校生の頃だったろうか。本書を読むまで、あれは事実に基づいたフィクションだと思っていた気がする。実際のタークを扱ったエッセイだったのか。 その後何かを読んでタークの存在自体は知っていたが、その誕生から、ディープブルーによる勝利までを一望できる本。思いもよらぬ偉人(バーナム、バベッジ、チューリング)が出てきて興味深い。 各章にエピグラフが添えられているが、ここには是非ともヴェルヌの「想像できるものは創造できる」を加えて欲しかった。

    0
    投稿日: 2025.04.15
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    第125回アワヒニビブリオバトル テーマ「人形」で紹介された本です。チャンプ本。ハイブリッド開催。 2025.3.7

    0
    投稿日: 2025.03.07
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    チェス指し自動人形の誕生からその真相までのノンフィクション 以下、公式のあらすじ ----------------------- 1770年、ウィーン宮廷。官吏ケンペレンによる前代未聞の発明、チェスを指す自動人形(オートマトン)がベールを脱いだ。中東風の衣装をまとい「トルコ人(ターク)」と呼ばれた彼は人の手から手に渡り、欧米各地で興行が催される。チャンピオンすら打ち負かす腕前に観客たちは驚き、困惑した。本当に機械が「思考」しているのか? ベンジャミン・フランクリンを破りナポレオンとも対局、エドガー・アラン・ポーがその秘密に挑んだ、知られざる「AIの祖先」の世にも数奇な命運と真相。『ヴィクトリア朝時代のインターネット』著者、もうひとつの傑作! ----------------------- 「猫を抱いて象と泳ぐ」(小川洋子)を読んだのと、去年末の読書会でこの本を紹介していた人がいたので読んでみた ケンペレンにより作られた自動人形 果たして本当にすべてが自動なのか、何かトリックがあるのか 机の扉を開けると歯車などが詰まっていて、向こうの蝋燭の光が感じられる 他の扉を開けても空洞があるばかり 狭い空間に入れるような子供が中にいるのか ケンペレンが怪しい動きをしている事から、何か操作しているのではという疑惑 仕掛けがあるとしたら、どんなものか 人々の反応と推測の歴史 マリア・テレジアの命で作られ 後に様々な偉人を魅了する事になる ナポレオン、ベートーヴェン、エドガー・アラン・ポー等など ケンペレン亡き後も所有者が変わりながら人々の前でパフォーマンスが続けられていた 当時、記者をしていたエドガー・アラン・ポーが、仕組みを推測し 当たっているものもあれば、外れていたものもあった その記事が後に推理小説の元祖となったらしい 中に入っていたとされる人達の変遷 そして、コンピュータが人間のチェスマスターに勝利したエピソード ディープブルーは人間のチェスのトップであったカスパロフに勝ったコンピュータ チューリングテストの基準で言えば、カスパロフも指し方を認めるところとなる 今でこそコンピュータが盤上遊戯で人間より遥か上を行くようになったけど 当時の人達もどこまでチェス指し人形を信じていたんだろ? まぁ、普通に考えれば無理な話ではあるけれども そこはタークが披露されていたのがオートマトンの発表のメインとしての流れがあったとか ケンペレンのパフォーマンスの妙があったとかのでしょうね

    1
    投稿日: 2025.02.26
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    AI全盛の昨今、約250年前に作られた、チェスを指す自動機械のお話。オチは読んでもらうとして、ここからチャールズ・バベッジの解析機関や、エドガー・アラン・ポーのミステリーの元祖に繋がるとは思いませんでした。ただ、昨今のAIも、返ってくる結果が、専門家が見ると的外れなので、そういうフェイク情報をいかに排除するかが、課題だと思います。

    0
    投稿日: 2025.02.12
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    1770年に作られた、チェスを指す人形「ターク」。 彼の謎をめぐるノンフィクション。 こんな魅力的な人形が、マリアテレジアの時代にあったなんてなー。当時の人たちは未来を感じたんだろう。 今やコンピューターを相手にゲームをするのは当たり前になってしまったけれど、これからは機械がプログラムの範囲を超え、自分の思考でチェスを指す日が来るのかも。

    0
    投稿日: 2025.02.03
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    トム・スタンデージ「謎のチェス指し人形「ターク」」読了。凡そ70年もの間にナポレオンらを魅了したチェス人形の数奇な運命に引き込まれた。その中で技術革新が進む上での幻影の重要性に気付かされた。生成AIにもそれを感じるが長い目で見れば必然なのかもしれない。あと服部桂さんの解説も素晴らしい

    6
    投稿日: 2024.11.10
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    トム・スタンデージ『謎のチェス指し人形「ターク」』ハヤカワ文庫。 2011年12月にNTT出版から単行本として刊行された作品の文庫化。 なかなか面白いノンフィクションであった。現代でこそ、スーパーコンピュータやAIといった情報技術が進歩し、チェスや将棋といった分野で機械が人間を打ち負かすのは当たり前になっているが、1770年にチェス指し人形という物が創られていたとは驚いた。 勿論、チェス指し人形にはトリックがあるのだが、当時の機械制御の技術が垣間見ることが出来、それが後のスーパーコンピュータやAIなどにつながっていくという点が面白い。 1770年、ウィーン宮廷の官吏ケンペルはチェスを指す自動人形、オートマトンを創り出した。中東風の衣装を身に纏った自動人形は『ターク』と呼ばれ、欧米各地で興行を行ない、チェスのチャンピオンでさえも打ち負かした。 人びとが驚愕した『ターク』は本当に思考し、チェスを指す自動人形なのか。創造主であるケンペルの手を離れた『ターク』は、ベンジャミン・フランクリンを破り、ナポレオンとも対局し、エドガー・アラン・ポーがその秘密に挑む。 そして、『ターク』の系譜は1990年代の『ディープ・ブルー』、現代のAIへと受け継がれていくのだ。 本体価格1,200円 ★★★★★

    57
    投稿日: 2024.11.07
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    タークが単なる興行の出し物を超えて、現代のAIに繋がる壮大な旅を送っていたというのは、制作者の意図を超えたのだろうか、産業革命による機械の自動化と同時代を生きた人達にとって、タークは単なる見せ物から未来を予見させる、おっかない人造物に見えたのだろう。

    0
    投稿日: 2024.10.28