
総合評価
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powered by ブクログ一部はキャラが立って良かったが、二部からキャラの個性がトーンダウンした感じ。二部はもっと、はしょれる文章に出来た印象、その上で三部くらい書いても良かったと思う。色んなキャラがあっけなくすぎるのはマイナス。
0投稿日: 2025.11.11
powered by ブクログ寺の僧侶凌玄がヤクザと手を組み、出世していく。 凌玄がどんどん闇堕ちしていく様が描かれている。最後凌玄どうなるんかな?と推測を巡らせていたが、はーん、こんな感じかってなった。
0投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログあまりに長いし、半分読んだところで、途中で図書館の本を返し、ブックオフで購入 そしてほかの本を読んでようやく読み終えた。 想像できないし、結局最後はこうなるのかと…表題通りだった。
32投稿日: 2025.09.18
powered by ブクログ千年の村社会ーまさに京都の本質 うわぁ、すごいこと書くなぁ “再開発“といえば、もう利権の取り合いで汚い金の奪い合いは当たり前と思っていたが、そこに高い志を持っていたはずの若い僧侶がずぶずぶと落ちていく 社会派かつ超エンターテイメントで面白かった この作品が高校生直木賞だなんて、自分が高校生でこんな社会派小説読んでなかった 今の高校生恐るべし!
3投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログ仏教観とエンタテインメントが見事に融合して面白かった。 登場人物が全て個性的な人物で魅力的でした。 主人公の人心掌握術やレトリックを駆使した詭弁ともとれる交渉術などなかなか興味深いものがありました。 次々難題が降りかかり、それをどうやって回避するのか、最後まで先が気になる展開で一気に読めます。
13投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログ一介の僧侶が裏社会勢力を利用して教団のトップへ上り詰めるストーリー。月村了衛の他のノアール小説のように自らの機転で事態を解決するよりも、外部勢力の力で解決する場面が多く、あまりスッキリしない。作中で沢山描かれる教団の醜聞は、実際にも似たよう事あったのかと思わせられた。
19投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
凌玄という僧侶が燈念寺派のトップを目指す物語なのだが、そんな単純なものでもない。仏教の世界の権力争いと言えばそれまでだが、ヤクザも絡んで途轍もない話になる。ヤクザの抗争、友人の裏切り、そこに女の世界の掟も加わる。えげつない世界を見せてもらった。凌玄にとっては因果応報なところもあるが、なかなか世の中は上手く回っているとも言える。それが釈迦の教えなのかもしれないが、私には分からない。京都弁のセリフは慣れていないと読みにくいかもしれないが、個人的には京都の裏っ側を見事に表現していると思う。私には馴染みの言葉なので、気持ちの強弱を含めて強く心に描写された。
5投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ主人公のお坊さんがどんどんブラックに染まっていく展開がスリルがあって この人どこまで黒くなっていくんだろうと ドキドキしました 金とヤクザが絡む組織の不正や権力闘争 それが僧侶の社会の出来事で 人間としてのいっそうの生々しさを感じました 自分の考えや行いを正当化する方法として 仏様を利用するのはとても危ういし気持ち悪い どこかで絶対に罰が当たると思ってたら 最後 ヤクザ以上にブラックになって 頂点まで上り詰めた後に それまでの自分自身を全否定し 自分自身の存在意義もなく 空っぽになってしまった 生きていても 生きていないと同じ それこそが最大の罰でした まさしく自業自得 昭和から平成にかけての時代の雰囲気も 感じることができました
23投稿日: 2025.09.03
powered by ブクログお坊さんと、ヤクザが手を組む?! どえええ、こんな世界あってたまるか!と思いますけど、だから面白んだよね( ^ω^ ) 自分の寺を建て直すとはいえ、裏の世界に通じちゃうほどだなんて、よほど行き詰まってたんだろうねぇ。 いやでも、小説の話じゃなかったら、お寺に行って、「ご縁がありますように…!」って思って入れた5円玉はどこへ行くんだ!ってどうしても思ってしまって、参拝したくなくなるし…! ちょうどいい汚れ方ってのがあるんだなあと、まあしみじみ。 めちゃおもろかった(^。^)
12投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログ政治も宗教も、資金がないとのし上がれない。人々の為と言いながら、何処を見て金集めしてるのか?がらーんとしてるのがらーんは、伽藍からきてるとか聞いた事がある。タイトルの「虚の伽藍」なかなかいいね。
1投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
《あらすじ》 時はバブル前夜。日本最大宗派燈念寺宗系末寺の跡取り息子凌玄は、実家の寺を立て直すために総本山の宗務を司る総局部門に入職し、幹部僧侶になるべく日々職務に励んでいた。 ある日、文部部長の空善から「売却予定の夜久野の整地現場に顔を出してこい」と立会を命じられた凌玄は、そこで地元の老人が、厳斗上人所縁のものであるからと仏堂の取り壊しに強く反対している姿を目撃する。 帰社後、凌玄はこの件を調べて空善や室長の潮寛に報告するが、実はこの2人は黒幕である統合役員暁常の元、お山の土地売却によって利鞘を得ようと企んでいた張本人たちであった。 2人は凌玄を懲罰にかけ宗門から追い出そうと画策するが、凌玄のバックに扇羽組若頭の最上と京都闇社会のフィクサー和久良がついたことにより、逆に悪事を暴かれ破門となる。 その後、一躍宗門のヒーロー的存在となった凌玄は同期の海照と共に順調に出世していくが、それを後押しし大掛かりな人事異動を決行したのが先の汚職事件の黒幕暁常であった。暁常は役職についた2人に責任を負わせて失墜させようと裏工作を企てる。別荘地開拓事業の株主に燈念寺役員幹部が名を連ねていることを逆手にとり、その別荘地山崩れの対応を怠った件で2人を追い込みにかかったのだ。 進退極まった凌玄は和久良に相談。最上の組の京大出身ヤクザ氷室が対応策をねり、凌玄は役員幹部を味方につけることに成功。逆に暁常がメキシコへと左遷されてしまう。 その後も凌玄は「御仏の心にかなうよう」「仏教のため」にも自身が出世すべく、闇社会の人脈を駆使して燈念寺の膿を出すという大義名分の元、着々と悪事に身を染めていくのだった…。 その後どんどん話と登場人物が入り乱れていくので、このあらすじはほんの序盤です。 《感想》 京都最大のアンタッチャブルともいうべき仏教界を題材にしたノワール小説。自身の大義名分の元、どんどん倫理観を失い悪事に身を染め大物になっていくという展開は『騙す衆生』と全く同じではあるが、どちらもハラハラドキドキ興奮しっぱなしで一気読みできる! 小説そのもののおもしろさとしては断然『騙す衆生』に軍配が上がるのだが、如何せん自分自身が京都出身であることや仏教・暴力団界隈にかなり関心が高いという個人的理由から、この『虚の伽藍』にはひとかたならぬ愛着を感じずにはおれなかった。 登場人物たちが京都市役所を「御池」と呼んでいることや、「京大人脈」がいかに京都の闇社会と深く結びついてるかという話、洛中では地元信用金庫シェア率が異常に高い話などにはついニヤニヤしてしまった。 あと、昭和60年代、「古都税」を巡って京都市役所と仏教界に確執が生まれたという話は初耳で、興味深かった。
4投稿日: 2025.08.25
powered by ブクログピカレスクやノワール小説をよく読む人にとってはわりと王道の内容かも。ヤクザやフィクサー、政治家(政治屋?)が企業を舞台に暗躍する話を宗教界で繰り広げるような話。ただこの主人公が小賢しいというか、言い訳ばかりで嫌な感じ。なので破滅を期待するのだが、なぜか憎めないのだ。個人的には冷徹なインテリが好みなのでヤクザの氷室がドンピシャなのだけれど、妖怪じみていながら人間くさい主人公凌玄にハラハラさせられ話にひきこまれる。凌玄と同じ滋賀の生まれで京都にも馴染みがある身としてはフィクションとはいえリアリティのある部分もあり、しかしリアルな故に魔界のような扱いの京の宗教界が可哀想でもあり……まあ大企業や大病院のトップ争いの亜種と思えばこれぐらい派手な事件がある方が面白いわけで、あくまで娯楽作品として読むものなのだろう。
9投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログ面白かったー。これぞ、痛快ノワール小説。 主人公の凌玄は最初信心深く善良な僧侶なのだけど、少しずつ悪に染まっていく。 この悪に染まっていく度合いが半端じゃなくて、本当にもうただの悪なんですよね…人もバンバン殺すし。 良心に苦しむ場面は最初の方だけで、あとはもう一気に悪の道をひた走っていくのだけど、悪すぎてむしろ爽快感すらある。 正しいことをするには力が必要で、力を得るためには正義に相反する汚いこともしなければならない…というのは、この世界の偽らざる真実なのかもしれないけど、権力と金を手に入れると人は堕落するんですよね…。こういうのは仏教界に限らず、政治の世界でも同じだよなぁと思ったり。
11投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ月村了衛・・・面白い。そういえばだいぶ前に土獏の花を読んで面白かった。 オーディブルできいたが了玄のいつも仏を信じて、そして力でねじ伏せていくのが痛快。僕は2/3くらいのところまででよかったようにも思う。後半は少し行き過ぎ。 京都の地上げの更地で地上げのひどさをみつつ、御仏のためには・・・と祥子にいう了玄がいい。
3投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ仏教の蘊蓄のところは読み飛ばして、神聖な宗教世界の裏に蠢くドロドロしたところを中心に読んだ。いいヤツだったのにどのタイミングで踏み外してしまったのか見破れなかった
9投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ宗教界もヤクザも公務員も政治家も、みんな同じ穴のムジナ?若いときの理想や正義は、歳を重ねるごとに色褪せて、あげくの果てが、これなんて!
9投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログ月村ワールド全開!! 凌玄が大妖怪に変貌していく様をおどろおどろしい仏教界の中で圧倒的な存在感として描いている。 政敵を喰らうだけでは飽き足らず、凌玄を引き入れてくれた和久良やヤクザまで喰らい利用するとは、、、 でも凌玄が一番凄いのは仏教を自分をマインドコントロールするように自分自身に酔いしれることができることではないかなと思ったりして恐ろしかった。 他の登場人物も和久良や氷室・地下二階など曲者ばかりだし、宗教の醜さをこれでもかと描いていて震えたね。 実際、今の坊主なんて職業坊主しかいないだろうから清廉さなんか必要ないんでしょう。 個人的には一番欲深い人種がなる職業だと思う。 地獄の沙汰も金次第とはよく言ったものとこの作品を読んでつくづく思う。
36投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログ上層部の腐敗に義憤を抱き、自らが権力者に上り詰めることにより組織の浄化を図ろうとする理想を描く若い仏僧が、清濁併せ呑む中でいつしか権勢欲に執着し、理想を見失う。 社会のどこでも起こりそうな話だが、宗教界を舞台としているせいか余計に生臭さを感じる。 後半の主人公が俗物すぎて、やや興醒めする。 親友である海照との決別は序盤から予感があった。
5投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログ京都の坊さん達が繰り広げる、仁義なきコンクラーベ 最高位を目指すライバル同士の奥さんが、この女狐、なんやとこの仏敵、と罵り合うシーンがありますが、"仏敵"って新鮮! Kyoto’s monks stage a no-holds-barred conclave. There’s a scene where the wives of two rival contenders for the top rank hurl barbed insults at each other—“You vixen!”, “What the heck are you?!”, even “You enemy of Buddha!”—and I thought “enemy of Buddha” was so fresh!
79投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログ仏教・ヤクザ・京都・地上げ。 登場人物の漢字が難しい(浅学ゆえ読めませんでした)けど、文章は読みやすくてするする読めた。 人が闇落ちしていく部分を描いているので、読み終えた後の感情はなんとも言えない微妙なものが残りました。
2投稿日: 2025.07.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
凌玄、実家は貧しい寺の息子。 海照、凌玄の大学時代からの親友。 和久良、京都のフィクサー。 氷室、ヤクザぽくない頭脳派。 凌玄はトップに立ち、海照は妻ともに選挙に負け他界。和久良も紅林(氷室の兄貴分)に殺され、何もかも凌玄の思いのまま。 ただ、最後に凌玄は何を掴んだのか。
1投稿日: 2025.07.17
powered by ブクログ第12回高校生直木賞 「より多くの金をつかんだ者が京都を制する――最後に嗤うのは仏か鬼か」 「古都の金脈に群がる魑魅魍魎」 なんて面白そうな期待値の上がるフレーズ! 外で読むには表紙が激しくてちょっと恥ずかしいけど^^; 登場人物は曲者だらけで確かに魑魅魍魎。 凌玄の闇堕ちっぷりは途中からうんざりしてきて、面白いんだけど不快な気持ちだった。 お坊さんのイメージダウンにつながりそう。 ここまで極端ではないにしても、色んなつながりや闇取引きって一部ではあるんだろうな。 月村さんはいったいどこを取材して何を見てきたのかが気になるところ。 『虚の伽藍』ってタイトルが話の内容にぴったりで納得。
39投稿日: 2025.07.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
騙す衆生系統の月村さん作品! こんなんは大好物! 悪い奴らには京都弁が似合いますね。 表と裏を簡単に感じ取れる言葉ですよ。 読み終わったあとは京都弁使いまくりでした。 拷問に殺害に非道を尽くす主人公が 嫁と友達の奥さんとのいざこざにはタジタジで心底恐ろしいと思うところはアホっぽくて笑えました。 氷室がベストキャラクターですね、ソシオパス的な主人公を陰ながら応援し、真の理解者てきな立ち位置がめっちゃツボでした。 月村さんのこういう系統の主人公を読むと、いつもウォルターが脳裏をよぎります。 騙す衆生のアゲアゲラストより、終わりが虚しいのが少し残念ですが、これも十分面白かった!
54投稿日: 2025.07.14
powered by ブクログうーん、読み終わってスッキリはしなかった。 宗教団体も暴力団もなんだったらエラソーに怒鳴る警察も好きじゃないからかなー。最後には主人公の凌玄と同じような虚しさを感じた。 凌玄はとんとん拍子に偉くなったけど、それは背後にいる後ろ暗い人たちのおかげ。坊主の評価が声の良さや頭の形で決まる、と断言するのは面白かったけど。 こういう話はきっと現実にあるかもだけど、イマイチ入り込めなかった。
23投稿日: 2025.07.10
powered by ブクログ素晴らしい取材力と構成。いつもおもしろいテーマを深掘りして知らない世界を見せてくれふ作家さん。坊主とヤクザが平成の終わりの裏でも表でも大暴れする話。
3投稿日: 2025.07.08
powered by ブクログAmazonオーディブルで聴いた。 面白くないわけじゃないんだけど、登場人物に魅力がないね〜。 氷室がちょっといい感じくらいか。 これも直木賞の候補になったそうだけど、これで直木賞とるわけないよね。 月村了衛は機龍警察シリーズの「暗黒市場」か「狼眼殺手」とかで直木賞を取るべきだったと思う。 今、雑誌連載中の機龍警察シリーズはどんな感じかな〜。
0投稿日: 2025.07.08
powered by ブクログ欲望が重たすぎてめちゃくちゃ読むのに時間がかかった。 序盤の方はまだ説得力をもって法話が入ってきたけどだんだん詭弁な感じが強まっていって上滑りしていく感じがあった。 ヤクザものとして読む分には時代背景も相俟って興味深かったかな。 仏道を志す人間がヤクザと組むのはおいおいって感じだったけど、独自解釈で正当化するんだもんな。 なんでもありやんって感じ。 そういう点でも共感はまるで出来ないからウォッチャーとして観察するって感じだった。
2投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログ京都の仏教の一大勢力の寺の派閥争い、権力争いと汚職。滋賀の貧乏寺の子どもの夢見た仏への道が利権にまみれ、ヤクザと組んでの成り上がりへの道となっていく。京都の闇に蠢く裏社会、恐ろしい。
1投稿日: 2025.07.04
powered by ブクログ月村さんらしい超ノワール小説でした。 昭和末期から平成初期の京都が舞台。 日本仏教最大の燈念寺派に属する若き僧侶である凌玄が、腐敗した燈念寺派を改めるためにヤクザと手を結ぶ。当初は志を忘れずにいた凌玄だが出世の階段を駆け上がるうち、都合よく解釈した仏の教えを言い訳にカネと欲に身を落としていくー。 この小説を読んだとき、10年ほど前に結婚相談所勤務の知人が「男性はお坊さんが圧倒的に人気」だと話していたのを思い出しました。 理由を聞けば「お寺はお金があるから」。 反社が進んだ現代はともかく1980年台後半は暴力団と行政、宗教って何かしら繋がっていたのかもしれないと思ってしまう、そんな小説でした。 煩悩の恐ろしさを突きつけられました。 登場人物全員、欲深くて恐ろしい。 月村作品の中では「脱北航路」「土漠の花」に続いておもしろかったです。
27投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログうーん....私には合わなかったな。 主人公の凌玄の行いにただただ辟易とするばかり。こんな坊さんいるのかな?終わり方は納得。
99投稿日: 2025.06.14
powered by ブクログ先ず主人公が僧侶というのは初めてで新鮮だった。僧侶・凌玄は仏教最大宗派である燈念寺派の宗務院に勤務し、実家の寺を助けるために出世を目指していた。ある日、寺の所有する土地売却の立ち合いで、燈念寺派が二重帳簿を付けていることに気付き、そのことで宗派内の実力者ににらまれ窮地に追い込まれる。彼に手を差し伸べたのは、京都闇社会の実力者・和倉という男。 冒頭では確かに凌玄は改革を念じていたが危うさも匂わせていた。この危うさを彼に見出したフィクサーたちが操れる男だと狙い定めたのか? 凌玄が人を引き付けた魅力って何だったのだろう? 本書に「坊主に大切なのは意外にも頭の形と声」と書かれていて苦笑い。確かに人の上に立ち人心を操るには見目は重要だ。彼の読経する朗々とした声や剃髪した頭の形は左右対称で美しかったとある。仏教の教えを自分なりの流儀で解釈し、自分がやるすべては世の中のためになる布石としてぶれない強さを持っている。終いには、黒幕のヤクザの親分らにも、彼らがやる悪事はしいては人のためになり浄化され良き事と説法して、逆に巻き込み彼らを利用していく。冒頭から凌玄の末路は想像できたが、どこかで開眼するのではという期待を込め、一方ではそんなラストに追い詰められる過程を知りたくて一気に読んだ。京都の裏社会を牛耳るフィクサーらと手を組み、燈念寺派でのしあがっていく凌玄が愚かと切り捨てられない。実際に起きた仏像が隣国に盗まれ時を経て返還された事件や地上げ屋などの話は空言と一笑に伏せなかった。裏で資金源が欲しい暴力団やサラ金などでつながっていてもおかしくはない。現実味が増して空恐ろしくなった。凌玄が登り詰めて伝統仏教最大宗派の頂点をめぐる貫主選挙に挑む展開は、最近あった『教皇選挙』を思い起こされた。キリスト教であれ仏教であれ、宗教も行きつくところは所詮コンクラーベ”根比べ”なのだろうか。 美緒と佐登子の友情は元々なかったのは残念。もし凌玄が佐登子と結婚していたら、凌玄の目を覚ませたのか・・・。しかし、彼女は凌玄の親友だった海照を選び、それをずっと思い悩み悔い心を病んだのだった。
22投稿日: 2025.06.14
powered by ブクログ2025年 26 日本仏教の最大宗派・燈念寺派で弱者の救済を志す若き僧侶・志方凌玄。バブル期の京都を支配していたのは、暴力団、フィクサー、財界重鎮に市役所職員……古都の金脈に群がる魑魅魍魎だった。腐敗した燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に身を投じる凌玄だが、金にまみれた求道の果てに待っていたのは――。 圧巻の社会派巨編。 ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼ 直木賞候補になった時に知り 面白そう思って図書館で予約してやっときた 序盤は名前や役職や仏教のアレコレがなかなか 頭に入ってこなくて、それを理解しないと先に 進めなくてリタイアしかけたけど、 細かいとこは気にせず気楽に読んだら面白い! 坊さんやヤクザや政治家が繋がって地位を争って 終盤の選挙戦はマジかーの連続だった 凌玄ののし上がり具合は恐るべし 寺とヤクザって繋がってるものなの?って 思ってしまったw 映像化したら面白そう
5投稿日: 2025.06.14
powered by ブクログ第172回直木賞候補作。 バブル期の京都。 主人公・志方凌玄(しかた りょうげん)は田舎の弱小寺院の子。仏教系の大学を出た後、伝統仏教最大宗派の1つである燈念寺(とうねんじ)総局部門の最末端、文書部に勤めている。 下っ端としてこき使われる日々。ふとしたことから、凌玄は寺の上役が不正に土地を売り、利益を手にしているのではないかと疑いを持つ。 そんな凌玄に近づいてきたのは、謎の紳士、和久良。どこが気に入ったのか、凌玄に入れ込み、何かと力を貸してくれる。どうやら京都では知る人ぞ知る「フィクサー」であるらしい。凌玄は、和久良の紹介の暴力団の力を借りつつ、上役の悪事を暴いていくことになる。僧侶が暴力団と結託するなどとんでもない、と最初こそひるむ凌玄だが、事態はどんどんと大きくなっていく。 何しろ燈念寺の内部には、人間の欲が渦巻いていたのだ。理想に燃える凌玄は、「仏敵」と戦うべく奮闘する。不正に関わる上役にはそのさらに上役がおり、そのバックには、当然のように、いかがわしい勢力がいる。和久良の伝手で、ヤクザばかりでなく、市役所の古株職員やら政財界の大物やらも巻き込みつつ、敵を次々に陥れる一方、凌玄は燈念寺派の頂点に向かって駆け上がっていく。若き日の志はそのままに、しかし、その手を真っ黒に染めながら。 一気呵成の犯罪ノワールなのだが、主人公が坊さんというところがキモである。 巨大宗教団体ともなれば、組織の常で確かに腐敗もあるだろうが、しかしそうはいっても清い理想はあったはずなのだ。俗人的にはどこかで自身もごまかしながら、折り合いをつけていくことになるのだろうが、凌玄はそうではない。心底、自分は宗祖の流れを汲むものであり、自身の理想を達成するために、多少汚いことをしてもそれは「方便」である、と信じているのだ。そこがおかしいようでもあり、恐ろしいようでもある。 町中の地上げ、京都駅周辺の都市開発、やがてバブルの崩壊を経て、サラリーマン金融の破綻。 現実の事件を織り込みつつ、また、実在の団体を強く想起させながら、物語は疾走する。敵・味方が交錯し、あるものは一敗地に塗れ、あるものは危機一髪で窮地を切り抜け、あるものは強制退場となる。 凌玄の行き着く先はどこなのか。 「虚の伽藍」。 タイトルが示唆するように、もちろん、これは、凌玄が、金も地位も名誉も、そして法悦もすべて手に入れ、ハッピーエンドで終わる話ではない。 彼が思い描く極楽浄土は、虚=偽りなのだ。 タイトルである種、手の内を晒しながら、凌玄が物語の終幕にどうたどり着くのか、一気に読ませて作者の剛腕を感じさせる。 最後の数ページで、凌玄の世界ががらがらと崩れ落ちる音に飲み込まれる。ノワールならではの読み心地である。
14投稿日: 2025.06.09
powered by ブクログまず頭っから文章が入ってこず、10ページ読んだところで最初から読み直す。良かった、昔の私ならここで積読行きだった。 何度も寝落ちしながら、人間関係の半分も理解できない自分の愚かさに嘆く。これまた最初から読んだらもっと面白いかもと頭では理解しつつ、図書館返却期限も迫り、ようやく待った「俺たちの箱根駅伝」が控えているため断念。 直木賞候補にあがりながらも、受賞ならなかった本作だけれど、高校生直木賞を受賞とのこと。こ、高校生がこの本の面白さを理解しているなんて、、 何度も寝落ちしたが、総じて面白かった。新たなジャンルを開拓できた記念に、星4。
39投稿日: 2025.06.08
powered by ブクログ実家が檀家になっているお寺の和尚さんがよくされるお話の中で、「空(くう)である」という言葉がよく出てくる。 「空」「無」「虚」…日常で使うこれらの言葉は似ているようだけど、仏教では全く違う意味を持つんだということを思い出した。 ドロドロの宗教界の裏側。これはフィクションですよね?と不安になってくる。どっぷり小説の世界に入り込んでしまって、心の中がモヤモヤしている。 普段、あまり読まないジャンルだけど面白かった。
48投稿日: 2025.05.27
powered by ブクログバブル前夜から平成中期までの若僧の出世とそれが崩壊していくエンタメ物語。 京都×反社×仏教×寺×フィクサー。 京都の闇の世界とそこを行き来する、巨大仏教の宗派。 勢力争い、個人の権力の執着。時代に翻弄される経済。 それらは時に昭和天皇の崩御さえ利用する。 金、権力、地位、名誉、女。 極道も意のままに利用する、仏教における僧の話。 精神とは?信仰とは? しかし、信仰心が強い人ほど それが仏(神)の教え、御心ということで納得させられる。 恐るべし。 僧侶(たち)の横の世界は、白い巨塔より魑魅魍魎。
24投稿日: 2025.05.21
powered by ブクログ純粋に悟りを開こうと精進している僧侶だが、 権力闘争に巻き込まれ、自分を見失って行く。 自分こそが正しい、他者は全て間違ってると盲信してしまう。 この世は無常であると、改めて思い知らされた。 誰にもこれは止められない。 自分自身も過去に囚われずに世の中の流れ身を委ねて行くだけだと覚悟を決めたのと虚しさも感じられた作品でした。 ありがとうございます。
5投稿日: 2025.05.19
powered by ブクログ京都の僧侶の立身出世(?)話だが、とにかく闇が深い。 著者は仏教系の京都人かと思うほど知識や京都弁が本物に感じた。 身の回りに仏教系の人はいないし、ここまで権力を求めて悪鬼のようになれる人も幸い関わったことがないため、こういう話に触れられる読書は素晴らしいという感想を抱いた。
3投稿日: 2025.05.14
powered by ブクログ坊さんとヤクザ、そして闇のフィクサー。 一体どんな繋がりかたを示してくれるのだろうと、読み始めてみたら不思議なことにガッチリとそれぞれのピースが見事なまでに当てはまるじゃありませんか。 出世のためには悪事すら正当化していく淩玄のしたたかさには感服。随所に仏語が散りばめられ、物語に緊張感を与えてくれる。経済ヤクザの存在感も引き立っててイイ。
23投稿日: 2025.04.27
powered by ブクログ面白かったけど、おどろおどろしい。人間の欲望の無限さ、権力の魅力、業の深さ。半分は現実なんだろうなー。
1投稿日: 2025.04.19
powered by ブクログもう40年も前、毎年のように修学旅行生を連れて京都に行っていた父が 「京都タワーができて京都も終わったな」 と言っていたのを今更ながら思い出した。 きっとそうなのだろう、そうなのかも…とうすらぼんやりと思っていたことでも、こうもあからさまに、正に露悪的に示されるとえずいてしまいそうだ。 信心をするのにも金が要るのは分かるが、今時の宗教って単なる金儲けの手段でしかないよね…としか見られないことをこの小説がまたまた助長してくれた。とにかく衆生は度し難し。
3投稿日: 2025.04.16
powered by ブクログむなしい…。人を正しい方へ導くはずのお坊さんたちの醜い権力争い。だんだん坊さんよりも扇羽会のヤクザの方が人間としてまともに思えてきた。
7投稿日: 2025.04.09
powered by ブクログAmazonの紹介より 日本仏教の最大宗派・燈念寺派。弱者の救済を志す若き僧侶・志方凌玄がバブル期の京都で目にしたのは、暴力団、フィクサー、財界重鎮に市役所職員……古都の金脈に群がる魑魅魍魎だった。腐敗した燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に身を投じる凌玄だが、金にまみれた求道の果てに待っていたのは――。人間の核心に迫る圧巻の社会派巨編。 第172回直木賞候補作。 内容は違うのですが、配信ドラマ「地面師たち」を見ているかのような躍動感や死闘を巡る騙し合いがエンタテインメントに描かれていて、その世界観にのめりこまれました。 最初は正義のためと思って行動していた僧侶が、次第に悪へと染まっていく描写に、人間の剥き出した欲望が現れていて、執着心への怖さを感じました。そして取り巻く悪同士の仁義なき戦いに爽快感がある一方で、深すぎる闇を垣間見たようで恐ろしくもありました。 普段の生活では絶対見ないような暴力団やフィクサー達の仁義なき戦いを目撃します。第三者だからこそ、その戦いは面白く映り、勝ったり負けたり、騙したり騙されたりと次々と巻き起こる展開がどんどん変化していくのですが、その分面白さもぐんぐんアップしていくので、最後まで飽きさせませんでした。 それに巻き込まれるお坊さんも魅力的でした。まさか闇堕ちしていくとは。それだけでなく先輩方も立派な犯罪者とは。お坊さん業界の恐ろしさも垣間見えました。 あの手この手で、相手を落としていくのですが、そのテクニックも面白く、頭脳戦だったり、「手」を使ったりと色んな戦い方がありましたが、登場人物達の剥き出しの感情で欲望のために奔走する描写に、色んな人物を垣間見ましたし、新鮮味もありましたし、人間の恐ろしさも感じました。 京都で巻き起こる土地の奪い合い。本当に昔起きたんじゃないか⁉と思うくらい、丁寧に描かれていた印象でしたが、次々と変化していく展開は、エンタメ性もあって、あっという間に世界観に惹きこまれ、気づいたら多くのページを進んでいました。 その中には、人々の欲望の感情が余すところなく描かれていて、出し切った分爽快感がある一方で、最後に展開する何とも言えない無情さは、悲壮感があって、そのテンションの落差に後を引く余韻でした。
8投稿日: 2025.03.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんでも偉くなると、ろくでもない人間になりますね。 ちょっと最後がどうなっているのか抽象的過ぎてよくわかりませんでした。
0投稿日: 2025.03.21
powered by ブクログ宗教の世界というのは「~派」といかいう時点で既に権力闘争な部分があるイメージなのだが、この本は京都を舞台に、裏社会の闇権力と結びつけることで”なにやらありそうな話”として構成しているところがとても上手いし、面白く読める所以だと思いました。 428ページの長編でしたが、さすがの直木賞候補作で飽きることなく読了できました。
1投稿日: 2025.03.19
powered by ブクログこれは小説 どこの世界でも、ほとんどの人は上を目指す 仏教会も同様なのだろうか 小説ではあるが、実話を元にした作品とと思ってしまった
1投稿日: 2025.03.12
powered by ブクログ始めは主人公を応援するつもりで、京都のどこのお寺がモデルなんだろう、などとワクワクしながら読んでいたが、途中から、それはやりすぎちゃいますか?という一線を超えてしまい、どの世界も欲をかきすぎは破滅への道なんだなと思った。
0投稿日: 2025.03.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
仏教。凌玄。和久良。海照。氷室。インテリヤクザ。バブル。無情。佐登子。美緒。仏像。仏教ロンダリング。貫首選。無情。悟り。
0投稿日: 2025.03.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
月村了衛作品は「土漠の花」も面白かったが、この作品は凄い話だった。京都の辺鄙なところにあるお堂のある土地の売却騒動から、京都の仏教の闇を垣間見る壮大な話になるとは。 読んで思ったのは、仏教の教義もだけど、昔からある尊いお方の説法や動きは、受け取り側の取りようでどうとでも解釈できるもので、その人がどのような形であれ権力を持てばどうにでもできてしまう。こんなこと言っていいのか分かりませんが。 とは言え、やはり道を外した事をすれば、最後に残るのは"虚"なのか…そんな事を思う。
17投稿日: 2025.03.01
powered by ブクログ24年下半期の直木賞候補作品。えらくダークな話だが、私には受賞作より面白かった。しかし、こんなこと書いしもたら、身が危ないんちゃうのと心配になるわ。ああ、こわ~、京都の仏教界・・・
1投稿日: 2025.02.28
powered by ブクログ宗教家が宗教屋に変転してゆく凌玄の生き様が凄まじい。《お山》での権力争い、飽くなき欲心、騙りと裏切りの連鎖…柔らかな京都弁であるのに殺気を感じた。闇深いお坊さんの世界。
9投稿日: 2025.02.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一気読みしてしまうくらい引き込まれた。出てくる人皆悪人だし、最後の方にどんどん人がいなくなっていくのが、そこまでしちゃうのねって感じで良かった。
2投稿日: 2025.02.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昭和の終わりから平成にかけて仏教最大宗派トップを目指す僧侶の社会派小説。 京都というクローズされた街で、宗派というこれまたクローズされた社会を描くチャレンジングな作品だと思います。 のし上がっていくエンタメ性も面白く、第一部の最後の敵陣一掃のシーンはゴッドファーザーを彷彿させられました。 最終頂上決戦の選挙戦も読みごたえがあり、実際の宗教世界でもありうる臨場感がありました。 ラストはトップについたものの、すべてが空しかったという定番なオチですが、家庭ももっと完全崩壊させた方が虚脱感がより感じられるかもと思いました。
3投稿日: 2025.02.17
powered by ブクログ最近こうした社会派小説を読んでなかったんで、久しぶりに盛り上がった。これ、仏教会や京都市役所からお咎めない?綿応山燈念寺派のモデルの団体があるのかわからないけれど、かつて京都で古都税をめぐって大騒動となった。それこそ仏教会と京都市が大喧嘩となり、京都のお寺は拝観拒否したんだっけ。京都の坊さんは夜毎ズラ被って豪遊してるなどとまことしやかに(まことだったかも)報じられたりしたのを思い出しながら読んだ。最後の総貫首選挙、面白かったなぁ。でも凌玄さん、あなた任期終えたら殺されるよね。ま、任期終えるまでに廃人かな。
4投稿日: 2025.02.17
powered by ブクログ伝統仏教のある最大宗派の宗務庁で出世を目指す若き僧侶が 欲望にまみれた“お山”を正道に戻すべく立ち回るが 自分も悪徳坊主、フィクサー,ヤクザの世界にどっぷり浸かってしまう。 古都京都の最深部で繰り広げられる壮絶な利権争いを描く。 大きな宗派の中身のことはよく知らないが、人間のいるところ、やることには何処の世界も同じかもと思わせられた。 最後の貫首選挙の票読みは 人間の欲望が生々しく表現され圧巻だった。
2投稿日: 2025.02.14
powered by ブクログ「虚の伽藍」#読了 色々なことを学べる一冊でした。人はどこで道を間違えるのか。様々な欲。信念に向かう欲、生物学的な欲、権力を求め続ける欲…。欲を求め続ける過程で失うもの、欲を満たした後の虚無。人は自分が見たい現実しか見ない。
14投稿日: 2025.02.13
powered by ブクログ何かの番組で美輪さんが愚痴りたいときは上品な言葉を遣えば良いと言っていて、例えば”死んじまえ”と思ったとしても、口から出る言葉が「お亡くなりあそばせ」であれば喧嘩にならない、という趣旨であったと思う。 これは良いと思い時々脳内変換して楽しんでいたのだが、京都弁のそれはまた格別である。 終始あこぎな話をしながらも、はんなり感は最後まで消えない。 「この人はもうじき仏さんになりますさかい。できるだけ遠くの海に沈めたって下さい」という場面が特にお気に入りで、読んだときには爆笑した。
2投稿日: 2025.02.07
powered by ブクログ感想 純粋に真理を探求していたはずが、真理を求める欲望へと変わってしまった僧侶の話。 色々あったけれど、信じ続けたのだから、救われたのかな⁈
2投稿日: 2025.02.06
powered by ブクログ読書備忘録888号。 ★★★★★。 よう、こないなもん、書きはりますなぁ。 金と利権を巡り、仏教界、ヤクザ、京都市、中央政財界総動員で、京都の闇、仏教界の闇をフィクションで描き切った傑作です! 1Qさんが主役凌玄のモデルだというウワサが絶えない作品でもあり、1Qさん界隈の皆様は必読でしょう。 時は昭和60年、京都の片田舎夜久野の工事現場。小さな仏院が壊されようとしている現場にたまたま居合わせた志方凌玄。包括宗教法人「錦応山燈念寺派」文書部役僧で25歳の新人。 信者は、この仏院は建て直しの契約があったはずだ!と叫ぶが、ヤクザ紛いの工事屋はお構いなしでブルドーザーで取り壊す。 凌玄は滋賀の寂れた寺の跡取り息子。実家の寺にも似たような仏堂があり、末路を重ね合わせる。 そして、職場の書庫を漁り取り壊された仏院にまつわる不動産取引の不正に気付く。 こんな不正は絶対に許されない!止めなあかん! 要らんことすなっ!と激高する文書部部長! 要らんことした凌玄の排除が始まる。 そして京都仏教界の裏を仕切るフィクサー和久良桟人なる御仁が凌玄に接触してくる。 仏の道を信じるが故、道を踏み外していく凌玄・・・。 正しい道に進むためには権力が必要だ!と・・・。 日本がバブルという「虚」の景気にまっしぐらに突き進む時代! さあ!京都を舞台に、ヤクザによる地上げと再開発の利権!これに強引に仏の道を結び付けた凌玄の権力闘争が幕を切って落とす! ここからは★所々ネタバレです★ 和久良の伝手で扇羽組若頭最上と組み、燈念寺派の邪魔者を排除していく凌玄。 凌玄を罠にはめて排除しようする燈念寺派内部派閥。 扇羽組のブレイン、京大出の氷室が勝利のシナリオを描いていく。 内部派閥を罠に嵌め追い落とし、出世する凌玄。 戦いのディテールは一切割愛! 出世すれば自ずと現れるのが更なる内部の敵! 時は移り昭和63年。バブル! 本作最大の山場!京都駅前再開発事変勃発!(渋谷事変ではない!ここからは時間外労働です!) 東京ヤクザはじめ、敵のボスキャラ級が相次ぎ登場し失脚していく!氷室の戦略がすごい! 凌玄を追い落とそうとする数々の罠! 実弾(金、弾・・・)飛び交う抗争はオイオイ!の一言。 戦いのディテールは一切割愛! そして完全勝利の末、燈念寺派幹部の統合役員に上り詰める凌玄!まだだ!まだ上がある! さらに時は流れ、平成12年。 総貫首(燈念寺派トップ)選挙事変勃発! これまで闇の所業に苦楽を共にしてきた同期海照との一騎打ち! あらゆる手を使った票集めの戦い。死者累々!オイオイ!怖いぞ婦人会! 戦いのディテールは一切割愛! 凌玄はついに総貫首に。 仏の道に純粋で、胆力が半端なく、運も味方して手に入れたものは?虚。 僧侶の念仏が虚の伽藍に響き渡る・・・。 何処にでも転がっている利権と権力欲。 それを巡る戦いのエンタメ小説。 仏教とヤクザ、そしてサラ金・闇金をも登場させたらオモロくない訳ない!と作者が満を持して世に送り出した作品。 リアリティを出すために、舞台設定には拘り抜いたということみたいです。 ということは、1Qさんも随分インタビューされたんだと想像します! 好きな人にはたまらない傑作!
51投稿日: 2025.01.23
powered by ブクログたただダーク過ぎる。読後は、正しく「虚」。 主人公に感情移入し過ぎる癖から、堪らなく身体が重くどんよりと澱んだ感じ。 この感じ、何となく、つい最近に記憶した気がする。記憶を辿ると、それは「国宝」。 物語も展開も全然違うのになんでだろう。 何かに魅入られ、取り憑かれ、道を極めるという点では共通かも。 読後感はヘビーでも、総じておもしろかった!
17投稿日: 2025.01.21
powered by ブクログ時代はバブル 田舎の弱小末寺出身の僧侶が京都の巨大本寺で出世を目指す。仏教を堅持する立場を取りながら世俗に塗れていく。悪人正機説を本願とする宗教に救いはあるのか?考えさせられる。
1投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログ舞台は昭和後期~平成の京都、架空の日本最大の仏教宗派を軸とした物語。 宗派内の政治的な内容とそこに巻き込まれていく仏教を興隆するために奔走する宗務員(その宗派における公務員のようなもの)が描かれている。 当時の再開発真っ只中にある京都の禍々しさが見事に描写されています。 また、著者の別著は、『半暮刻』のみ読んだことがありとても面白かったですが、本著においても、仏教界における知略、謀略、暴力を想像させてもらいとても面白かったです。
2投稿日: 2025.01.18
powered by ブクログ第172回直木賞候補作。 京都の生々しい裏社会の様子が描かれていて、ハラハラしながらページをめくる。 信仰は恐ろしい。そしてどこまでも果てない道へ通じる。 このまま映像化したら面白そうだと思った。
2投稿日: 2025.01.17
powered by ブクログ京都を牙城とする架空の仏教宗派を舞台に、若き僧侶・凌玄が金と利権渦巻く闇社会に身を投じていく様を描いた作品。 バチあたりにもほどがあるだろといった感じで、坊主連中をはじめマトモな人間がほとんど出てこないというカオスな設定下において、一介の僧侶が作り上げるサクセスストーリーとしても読めるし、逆に聖職者の闇落ち物語としても読める。いずれにしても、主人公がヤクザやフィクサーを相手に綱渡りの交渉や情報戦を制しながら、どんどんどす黒い権力を獲得していく展開は読んでいて楽しかった。 主人公は傍から見ると無茶苦茶な仏の論理で悪事に手を染めていくんだけど、その絶対評価的価値観が現代社会にも通じた危うさである点も興味深い。 物語終盤、主人公以外のほとんどの主要人物があんなことやこんなことになっちゃったのは、個人的にはちょっとやりすぎで興ざめしちゃったんだけど、そこに至るまでの展開がかなり面白かったので、トータルの満足度は非常に高い。 前回の候補作『香港警察東京分室』はややライトな印象だったけど、今回は真っ向勝負でどっしりとした総合小説を描ききったという感じかな。
2投稿日: 2025.01.13
powered by ブクログこれは!! すごいですね。 文句なしに面白い!!(いい言葉が出てこない) 帯のキーワードからして、面白くないはずがない! 「坊主」 「フィクサー」 「ヤクザ」 そして、昭和のバブル全盛期の京都の寺院が舞台。 想像しただけでも面白さが伝わります。 この小説も昭和100年にぶつけてきたんですね。 戦略的なものが伺えます。 「悪」を「正義」で制する小説は結構あると思うのですが、「悪」を「悪」で制するのはあまりないかと思うんですよね。まさに、主人公はダークヒーロー。 更に、私たち一般市民では知り得ない裏社会の話がメインとなっています。この小説読んじゃったら、近所のお寺(結構有名どころ)のお坊さんとか、見る目が変わってしまったよね・・・。 「煩悩を手放しましょう・・・」と我々に説いている人物が、実は”煩悩まみれ”で”欲望まみれ”だったりするわけじゃないんですか。しかも、地位が高ければ高いほど、まみれ度は高いときた。 僧侶に対して、「高貴な方ですね」って目では見れなくなってしまったんですよね。笑 会話が京都の言葉なので、マイルドな感じなんですが、標準語だったらえげつなさMAXだと思う。言葉の印象って大きいですね! ちなみに、主人公・凌玄がどれほどあくどいのか、ヤクザの言葉を使って紹介したいと思います。 ”おまえは仏教のためだとか、燈念寺のためだとか言ってるようだが、やってることは極道も真っ青の悪事だらけだ” これはただ事ではありません! 是非とも本を手に取って、凌玄が何をしてきたのか確かめていただきたい。 希望としては、エンタメ度が高いので、映像化して欲しいです。剃髪の人物だらけで絵面は地味かもしれませんが。
41投稿日: 2025.01.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
直木賞候補作。とっつきにくい話かなと思いつつ、手を付けたら結構がつがつ読み込んでしまった。理想の世界のためなら汚れてもいい、という信念が、なにかを歪めていく。ただまっすぐでは生き残れず、歪んでしまったものは戻らない。
1投稿日: 2024.12.29
powered by ブクログ御仏の教えに真摯に向き合うべき僧侶が地位や金に目が眩み腐敗していく様は、全ての国民の奉仕者であるべき日本の政治家、もっといえば現在の与党議員の写しのよう(総貫首選はさきの総裁選そのまま)。文学から政治への一撃という意味では変な言い方になるが痛快な作品だった。
1投稿日: 2024.12.18
powered by ブクログ日本仏教の最大宗派に属する若き僧侶凌玄は理想を追求しようとする。バブル期の京都裏世界を支配し金脈に群がる魑魅魍魎を利用し、また対峙しながら頂点に昇り詰めるが…。読んでいたら直木賞候補になっていた!
1投稿日: 2024.12.15
powered by ブクログバブル前から時代は始まる。地方の貧乏寺出身で、経律大を出て燈念寺派の宗務を司る総局部門に入った僧侶、志型凌玄。そこで仏の道を正すつもりでどんどん政治的な力に巻き込まれ(自らはまり)、力をつけていく。 京都の再開発と宗派とヤクザと、経済と。 読み心地の良い本ではないです。きっと書きたくて書けなかった闇がこの本の裏にも広がっているんだろうな~という内容。とても美味しいご飯に毎回砂を噛んでいるような不快感。 殺しの場面も多く、高校以上向け。
3投稿日: 2024.12.15
powered by ブクログ第172回直木賞候補作。 月村了衛らしい、ドロドロした闇社会の戦いが描かれています。 1000年の歴史を誇る京都という土地柄と、伝統仏教のもつしがらみが混ざり合い、スリル満点の物語です。主人公の僧侶が自らの理想を追い求めて清濁併せ呑むうちに、次第に毒されてゆく様子も迫力があります。 「地面師たち」や「半沢直樹」シリーズが好きな人は文句なしで楽しめる作品だと思います。 現代社会の「権力」を追い求めた先に掴んだ無常観といい、手段が目的化したことによる空疎な達成感といい、決してハッピーエンドではありませんが充実した読者体験でした。
8投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
172回直木賞候補 R6 坊主、フィクサー、ヤクザ この都には人間の欲望を喰らう鬼が棲む 救いなき世の本質を穿つ暗黒の社会派きょへん バブル期から崩壊後の京都を舞台とした若き僧侶、凌玄ののし上がりストーリー スピード感あってワクワク読み進められた 半暮刻の作者 面白かった 5じゃないのは、純粋なエンタメでメッセージ性ないから
1投稿日: 2024.12.12
powered by ブクログ独特な雰囲気を作り出しつつ、最初から大きくキャラが変わっているようで変わっていない不気味でありながらも不思議な説得力に引き込まれた。
4投稿日: 2024.12.08
powered by ブクログこれは、まさにわしの為の小説じゃないか! ザ・坊さん小説 Ω\ζ°)チーン 日本仏教の最大宗派燈念寺派 その一僧侶である凌玄 弱者の救済を志す若き僧侶だったはずが、、、 どこで道を踏み外したのか? 悪と手を結び、悪に手を染め、悪に身を投じ、清々しいぐらいわるーい坊さんになっていく だけど、わしは凌玄はんについていこーっと! これだけ悪に染まった凌玄はんついていったら間違いおまへんがな! 所詮、仏教の世界も権力! そして、金!金!金!の世界だわ! んで、いずれは凌玄はんを裏切り蹴落して、一休はんが京都を支配してやる ひ、ひ、ひ、、、 これこそ御仏の御心にございます ひ、ひ、ひ、、、 (罰当たりな奴だな、、、)
56投稿日: 2024.12.06
powered by ブクログバブル期の京都を舞台にひとりの若き僧侶が、正義を信念として不正に気づき正そうとしていたが、上の力では適うはずもなく… 手を貸してくれたのがヤクザであったが為に、どう転がったのか次第に利用することにより徐々に力をつけていく。 もはや地位を築く為には生温いことなどやっておれず…といつのまにか悪に塗れきってしまう。 汚れた金がどこから湧いてきてどの場面で使うのか、とまるで政治の裏側を見たくないのに見せられたような嫌な気分になりつつ、見届けたい一心でページを捲る手は止まらない。 暗部を隠しているようでいながら想像できる描写に凄さを感じた。 ここは京都だろう⁇と目を塞ぎたい気持ちにもなる。 変わるのは都だけではなく鬼が棲みついた人なのか…と。
62投稿日: 2024.12.01
powered by ブクログバブル前からの京都が舞台なのに平安時代からの大河小説読んだような…。月村さんらしく歴史的事実や仏教の話が虚実入り乱れ、面白かったが疲れた。人の欲には限りがなく、御仏に仕える僧侶も例外ではない。怨念に囚われないようにケセラセラ。
3投稿日: 2024.11.29
powered by ブクログ京都に関する暗部を炙り出しにした作品。御仏の名の元に金を集める寺とそれに群がるヤクザの世界。 最初から最後までどっぷり人間の欲を嫌というほど晒していく。400頁はある小説だが、圧倒的な面白さで3日間で読み終えた。
6投稿日: 2024.11.27
powered by ブクログすごい話。 最初は黒川博行読んでるのかと思うくらいだったのが、 映画のゴッドファーザーになり、後半は長浦京のプリンシパルに変化。 誰も救われない。
3投稿日: 2024.11.27
powered by ブクログ政界にしても仏教界にしてもどんな業界でも悪党は一定数いる。しかし「先生」「和尚様」などと形式的にでも崇められて勘違いする輩がいるだけタチが悪い。 こんな巨悪ではなく小悪だが、実家の坊主は高校時代に婦女暴行で退学になり、でも坊主の跡を継ぎ、嫁さんは3人とも逃げ、乗ってる車はフェラーリからポルシェ。 これからお寺は過疎化・少子化で経営的に苦しくなるのに大丈夫だろうかと心配になる。
3投稿日: 2024.11.26
powered by ブクログ★5 人を救うためのお坊さんが京都の支配者として暗躍する… 煩悩丸出しの社会派犯罪小説 #虚の伽藍 ■あらすじ 寺格の低い生まれの凌玄は燈念寺派の僧侶、大学で宗教学を学んだあと宗務を司っていた。ある日、内部の不正行為らしき事案に気づくも、上司から圧力をかけられてしまうことに。 困り果てた彼に、謎めいた人物和久良が近づいてくる。どうやら和久良は事情を知っているらしい。仏教の正しい教えを実現するため、悪の人脈を広げていく凌玄であったが… ■きっと読みたくなるレビュー お寺さんの物語です。ありがたーいお話… などでは全くなく、中身はアウトレイジ、半沢直樹、白い巨塔。業と欲にまみれるゴリゴリの犯罪小説です。 時は90年代のバブル期、京都を舞台にした不動産をはじめとした金脈の奪い合い。登場人物はフィクサー、暴力団、政財界のドン、役所職員など極悪メンバーで、もちろん敵側も同じような輩たち。お坊さんが主人公にも関わらず、いつもギリギリの駆け引きや殺るか殺られるかの殺伐としたシーンばかりなんです。 え、宗教って人を救うもんじゃないの? まさしくその通りで主人公の凌玄も誰よりも強い志をもっている。それなのに何故こんなことになってしまうのか… 物語としては次々と強敵が現れ、様々な謀略を繰り広げられる。時には防御、時には攻撃と煩悩丸出しで戦っていくのですが、これが面白いのなんのって! ドエンタメに展開されるお話は読む手を止めてくれません。終盤なんて、もろに白い巨塔で鬼アツ展開ですよ。 しかしどんな策略に対しても、お坊さんならではお説教による解釈が挟まれるところが興味深く、物は言いようだなとあきれるばかり。でも説得力があるんすよ、どんな世界でも賢明な人間が生き残っていくんすね。 またキャラクターがそれらしくっていいんですよ、ぜひ映像化を期待しちゃいます!主人公の凌玄はもちろん、インテリヤクザの氷室、フィクサーの和久良、親友の海照、女性陣の美緒と佐登子。この辺りは芝居のやり甲斐がある役どころですよね。表の顔と裏の顔、腹の座った迫力のある演技をぜひ観てみたい! イチ推しは美緒と佐登子の女性二人。可愛らしい女子大生だった二人が年齢を重ね状況が変わっていくうちに、彼女たちも変貌を遂げていく。外面如菩薩内心如夜叉… はー、仏さんの教えは人生勉強になります。 人間の我欲強欲を凄まじく描いた犯罪小説でありながら、平成時代のバブル期の裏社会を描いた社会派小説です。極悪エンタメですが人生勉強になる一冊です、ぜひお時間をとって読んでみて下さい。 ■ぜっさん推しポイント 執着ってのは罪深いすね… まさしく仏の教えは正しいすね。 ただまっすぐに正しい道を突き進もうと思っているだけなのに、いつの間にか思惑や行動が歪んでいってしまう。自らも葛藤に苛まれるときもあるけど、仏を心のよりどころにして正当化してしまう。 その結果、多くの屍を越えていくことになるのだが、果たして他人も自分も救うことができたのか… 考えれば考えるほど頭がぐるぐる回ってしまって、何が正しかったのかわからなくなりました。
107投稿日: 2024.11.23
powered by ブクログまるっきり別世界のストーリーだけれど、否応なしにひきこまれてしまいました! 月村了衛さんの最新作は、日本仏教の最大宗派燈念寺派を舞台として、バブル期から現在まで、一僧侶である凌玄を主人公に描いた長編です。凌玄の信念は、「真の仏教を護ること」「仏教で人を救うこと」…。そのためには、燈念寺派を率いる立場にならなくてはならない…と、暴力団やフィクサー、政治家、市役所職員などとの関係を築いていきますが…。 フィクションなのに、あぁ…こういう世界もあるんだ!とか、思っちゃいました。仏教は私にとっては一番身近な宗教…ウチには仏壇があって、地域のお寺の檀家にもなってもいます。そのお坊さんに、説法されるように、悪いことでも訥々と聞かされたら、全てが良いことのように思えちゃいますよね…。凌玄自身も、凌玄の友達だった海照夫婦も結局みんな救われない…けど、ハマりました!!
76投稿日: 2024.11.21
powered by ブクログ地方の小さな寺の息子志方凌玄は、京都の最大宗教団体燈念寺派の高僧が行う様々な不正を正すため、裏社会のフィクサー和久良と共に宗派内の問題僧を排除してゆく。 次々と悪き高僧を排除手立てとして凌玄は、毒を毒で征するが如くヤクザの扇羽組を使い"正しい教義“の遂行の為に強硬な手段をとり、ついには凌玄は周囲の人々を不幸に陥れてしまっていた。 自ら正しいと信じたものが実は空虚なものであり、それを気づいた時の落胆は自分の身勝手であったと知ってしまった凌玄。 因果応報では収めない結末は現実感があって説得力があり、手段を問わない理想の立場への到達の意味が何だったのか?実に深い余韻が残る小説だった。
4投稿日: 2024.11.20
powered by ブクログ仏教最大宗派燈念寺派の末端僧侶凌玄がバブル期に怪しい面々と組んで頂点を目指そうとする話。 めちゃくちゃ面白かった。すごく好み。バブル期の京都の裏側や役所、政治家、ヤクザ総出演。実在の人物を想像できる人もいたが多くはフィクションなのかモデルがいるのかさえ分からないぐらい壮大。
4投稿日: 2024.11.19
powered by ブクログ曼荼羅です 曼荼羅ってさ凄いのよ まぁ、日本人ならどっかで見たことあるよね 仏の悟りの世界を現した絵図、図形のことですよね あれさ、めっちゃ緻密よね 本作『虚の伽藍』は、月村了衛さんが小説という手法を使って書いた曼荼羅だったのではないかと思うのです うん、自分でも上手いこと言うてるなーと思う やるぅー まぁ、とにかく緻密よ そんでこれもう確実に浄土真宗本願寺派(作中は「錦応山燈念寺派」ちなみに浄土真宗本願寺派の本山は龍谷山本願寺ね)をモデルにしてると思うんだけど、もうめちゃくちゃ下調べがしっかりしてると思われる そんでそれがちゃんと物語に厚みを加えていて素晴らしいんだけど 最近マジでそういう厚みのある社会派の小説を書きまくってるのよ月村了衛さん これってとんでない体力いると思うんよね 大丈夫? マジで心配 身体壊さないでね ちょっとマジ異常事態だからね あ、あとタイトルにもちょっと触れたい 「伽藍」とは寺院の建物群を表す言葉なんだけど、「がらんどう」や「ガランとしている」って表現の語源になった言葉なのね 「虚」ってのは中身がない、空っぽっていう意味なので、『虚の伽藍』は空っぽを重ねているとも言えるタイトルなわけね もう、空っぽ中の空っぽです 全く中身がありません つまりそういう物語なんですね 空っぽの物語なのに★5なん? 気になった人は読めばいいがな
79投稿日: 2024.11.16
powered by ブクログ仏教最大宗派の権力闘争を裏で操るフィクサー・闇勢力との権謀術数が大河ドラマ的に描かれる。月村作品らしい素晴らしいストーリテリングで、時間を忘れるほど夢中に読み進めることができる。ここまでの生臭坊主ぶりが真実とは思いたくないが、宗教法人税制のゆるさを考えると、そこに闇勢力が暗躍するのはさもありなんとも思える。虚実の微妙なラインで縦横無尽に健筆を振るう月村作品、今後も非常に楽しみ。
6投稿日: 2024.11.06
powered by ブクログ仏の道とは、他者救済のための道。 本山の腐り切った体制に腹が煮えくり立っているにいるが、地方の貧乏寺の倅故に、表だった行動に移せずにいるが、出世欲深き坊主の凌玄が本作の主人公。 ふとした瞬間から闇社会の顔役と知り合い、 ヤクザ、地上げ屋、闇社会の住人とありとあらゆる手段を用い、のし上がっていくことで 正しい仏道を歩んでいるはずだった。 人の欲深さ、猜疑心、妬み、蔑み、洛中という魔物の如き狂気の蠢く小説で、読む手が止まらなくて面白かった!
6投稿日: 2024.11.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ダークヒーローかと思ったら、坊主のくせにヤクザと手を組んで私利私欲のために、邪魔なやつらを消していく話だった。最後まで救えない主人公とその他の坊主たち…
1投稿日: 2024.11.04
powered by ブクログ最初から最後まで息もつかせぬ出来事とその対処で埋めつかされて一気に読み進めてしまった。仏教の世界での一僧侶の出世いや違うヤクザと繋がりながら問題解決やらヤクザとの関わりから逃れていき最後には頂上にまで駆け上がってあと故郷に---そして世の無常を知る!なんとダイナミックな話しだったことよ!
9投稿日: 2024.11.04
powered by ブクログ僧侶とヤクザ、、、持ちつ持たれつ歩む、、、仏教とは⁈悟りとは⁈ 僧侶の名前が混同するが、終始ストーリーに釘付け。
9投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公がどんどん利己的に宗教観を解釈していく様が、まさに人間らしいと感じました。ヤクザ、天才肌経済学者被れ、坊主、フィクサーの闇のドリームチームで、京都を牛耳っていくその無双ぶりは、ちょっと出来すぎ感もありましたが血で血を洗うような展開が臨場感がありました。 お金は留まっては濁るといいますが、回りすぎるととんでもない遠心力で威力を生み出すのだなと体感しました。
2投稿日: 2024.10.27
powered by ブクログ日本仏教の最大宗派、燈念寺派の若き僧侶志方凌玄。 弱者救済を志す凌玄の前には、暴力団、フィクサー、財界の重鎮、政治家、市役所職員など、古都に群がる魑魅魍魎が。 腐敗しきった燈念寺派を立て直すため、悪に身を投じる凌玄。 しかし、その求道を突き詰めていけばいくほど、深みにはまっていく。 より多くの金をつかんだ者が京都を制する、最後に嗤うのは誰か。 あっという間に読了、とにかく面白かった!
4投稿日: 2024.10.21
