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アナベル・リイ
アナベル・リイ
小池真理子/KADOKAWA
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総合評価

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    このレビューはネタバレを含みます。

    小池真理子読むのが多分初めてで、濃厚でちょっとずつ読んだ。怖かった。もっとドロドロした人間模様かと思ったら、こまやかな、小さな幸せや重たくない親しみの表現が好ましいだけに、それがブツッと切られていくのが穏やかに怖かった…。 著者が意識したという「黒衣の女」が、もともと一番好きな小説のひとつなので、たしかに、 全て終わった後・取り返しのつかないことが起きた後の回想、 幽霊はただ姿を現して人が死ぬだけ、というのが作中で物凄く怖いことである、 なぜなら主人公の人生をひたすら歪めていくから、かけがえのないものを失わせるから、 というの、似てる気がする。じゃあ好きなわけだ…となった。 ホラーだとお化けが出てぎゃーという話が好みなので、それが起きて全部変わってしまった後の長い人生の話は本当に怖くて、予想外に良かった。 「なつかれた」という表現の、あくまで些細さと、結果の重大さとどうにもならなさ、 そういう愛に付きまとわれて受け入れざるを得ない話だった(実際に何が起きてたかはともかく、主人公はその見方を受け入れざるを得なくなった)というの好きだった。

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    投稿日: 2025.06.23
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    あまりこういう幽霊系は読んだことなかったけど、面白かった。 千佳代は何故バーとみながに現れたのか、ママの多恵子を悶死させたのか、親友悦子には何故危害を与えないのか、そしてあれほど愛した飯沼を最終的には殺したのか、本当に謎だらけ。 何かヒントを探しながら読み進めるのだけど、読めば読むほど千佳代という人がどういう人なのかさっぱりわからなくてますます混乱する。 そういう謎多き部分が人を惹きつける魅力なのかも?

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    投稿日: 2025.06.20
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     2022(令和4)年に単行本として刊行された小池真理子さんのホラー長編小説。  ホラーといってもあまり恐怖感がないのは、例となって出現するのが、主人公がごく親しくしていた女性であって、危害をくわえられなそうな雰囲気がしたからだ。  が、淡々とした文章で描き出される幽霊談は相変わらず美しく、小説として充実したものだと思う。  小池さんの文体は単に「淡々としている」というよりは「暗い雰囲気のおとなしさ」を呈しているように、今回気づいた。

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    投稿日: 2025.03.30