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のすたるじあ
のすたるじあ
城昌幸/東京創元社
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総合評価

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    「みすてりい」同様、少し読みにくいものもあるけれど総じて面白かった。ショートショートの魅力満載で今の時代でも充分楽しめる作品が残っているのはさすが、の一言に尽きます。

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    投稿日: 2025.04.06
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    探偵小説・大衆小説作家にして詩人であった 城昌幸の怪奇幻想掌編集、その2。 特に面白かったのは―― ■郷愁(初出不明)  瀬戸内海を訪れた〈私〉は、ふと気が向いて  予定外の島で船を降り、タバコを買うと、  隣にいたらしい三十代ほどの女性に  「おかえんなさい」と声をかけられた。  知り合いでもなし……と面食らったものの、  まるで仕事から帰った彼女の夫であるかのように  食事をし、眠った。  朝は弁当を持たせてくれた。  一日観光して彼女のところへ戻り、  その夜も明けてから、〈私〉はプロポーズを決意。  だが……。 ■吸血鬼(1930年)  〈私〉は銀座の喫茶店で  七年ぶりにフランスから戻った画家・中西氏の話を聞いた。  中西氏は友人の佐分利氏と共にエジプトを旅し、  ナイル川を小舟で巡業する門付の一座に出くわし、  アラブ系美女の歌い手に魅せられて舟に乗り、  しばし遊覧を楽しんだのだが、  ホテルに戻った佐分利氏の様子が  おかしくなったという――。 ■怪談京土産(1949年)  16歳の舞妓・一栄(いちえい)に惹かれた  語り手だったが、  彼女が金銭的な援助を求めて来た際、  戦争と金欠で応じられなかった。  終戦後、ようやく祇園を再訪したときは  もう彼女は引退した後だった。  ガッカリして深酒をした語り手は  建仁寺の土塀沿いの道で一栄に遭遇した。  お茶屋へ戻ろうと誘う語り手に、  相手は「今夜はもう大変に遅いから明日会ってくれ」。  しかし、翌日、宿に電報が届いて  急ぎ帰京せねばならなくなり、  年明けまで京都を訪れることは出来なかった。  行ってみて、一栄は昨年語り手が祇園を訪問した  前月に亡くなっていたと聞かされる。  語り手は一栄が幽霊になって  会いに来てくれたのかと感激したが……。 ※後で同時刊行の別作品集『みすてりい』と併せて  ブログに細かい話を書きます。  https://fukagawa-natsumi.hatenablog.com/

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    投稿日: 2025.01.08
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    約百年前〜の作品たち。 文体に馴染むのに少しかかったけれど、徐々に慣れた。ショートショートとカタカナで呼ぶのは不思議だけれど、まあなんとも不思議な小話たち。

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    投稿日: 2024.12.20
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     創元推理文庫から2024年10月に復刊された城昌幸傑作選2冊同時刊行の2冊目。親本は『のすたるじあ』(1976年、牧神社)だが、本書の半分に満たない量であり、多くの掌編が併録されている。いずれも、香り高い洋酒の、その香りのみを真空パックしたような作品で、心地よく酔わされる。墓場から電話がかかってくる『死人に口なし』(pp178-203)と、藤原編集室による編集後記によると作者の実体験だという『怪談京土産』(pp311-317)が特に味わい深かった。

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    投稿日: 2024.11.10