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ミニシアターの六人
ミニシアターの六人
小野寺史宜/小学館
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総合評価

9件)
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    末永静男監督の追悼上映に集まった6人の観客。 観客のこれまでの人生や置かれた状況を振り返りながら話が進められていく作品。 夜、街の隙間を観て、6人+息子が前向きな気持ちに変わっていく物語。久々に小野寺さんの作品を読んだけどやはり読後の幸福感が沁み渡る。

    1
    投稿日: 2025.11.01
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    銀座のミニシアター、数年前に亡くなった映画監督の作品が追悼上映される…そしてそこにたまたま集った観客6人には、それぞれの人生とこの映画には接点があった… こんな一節があった。 一本の映画を通して観る二時間。その間は自分から離れ、自分でいる必要が無くなる。他人の日常を追体験し、元の自分に戻る… まさに僕も映画が好きな理由はこれだ。 映画の中で、自分がいつの間にか政治家になったり、ヤクザ、刑事、ヒーローなり、違った人生を味わえる。(味わった気になる) 後からDVDとか配信で見るよりも、映画館で観るほうがやっぱり一番面白いよなぁ。 小説のストーリーは淡々と進んでいくが、映画のセリフや内容と観客の身の回りの描写が行ったり来たりして、時々見失うのが僕には少し残念だった。 銀座にあったシネパトス(2013年に閉館)や、飯田橋のギンレイホール(2022年に閉館)のことを思い出しました。今やシネコンばかりで、昭和の香りのするミニシアターは無くなる一方だけどなあ…

    5
    投稿日: 2025.03.19
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    とある映画監督の追悼上映に集まった男女六人の人生を描く連作短編集。銀座のミニシアターが舞台なので、シネスイッチ銀座をイメージしながら読んでいたら、まさに著者の取材先だったのこと。映画のストーリーが登場人物たちの物語と並行しながら進行するため、作中映画『夜、街の隙間』を登場人物たちと同じ目線で味わえるのが良い試み。この作中映画の造り込みが絶妙で、実際に上映されるとしたら私は間違いなく観に行ってしまうだろう。但し、登場人物たちの物語が殆ど恋愛絡みで、人生ってそれだけじゃないのでは?と思わずにはいられなかった。

    0
    投稿日: 2025.03.18
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    ミニシアターで、ある映画を観る六人。それぞれの人生を映画の風景も交えながら辿る物語。 ミニシアターという場所での出来事や一本の映画との出会い、映画を作った人との出会い、数々の出会いが交差し、心地良い物語となっている。 ミニシアターに行ってみたくなった。

    10
    投稿日: 2025.01.29
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    映画の中の登場人物たちが少しずつ交わるように、映画を観ている人たちも少しずつ交わる。ヒューマンドラマという感じで面白かった。映画が好きなので「夜、街の隙間」を観てみたくなった。

    0
    投稿日: 2024.12.10
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    映画監督が亡くなりその追悼上映のある一日の同じ時間にミニシアターに映画を観に来た六人。その一人ひとりが映画を観ながら自分の過去や現在に思いを馳せていく連作短編集。六人のそれまでの人生とか現在の生活もとても読ませるんだけれど、その途中に入る映画の場面がとても印象に残る。映画と自分を重ね合わせるように観ている心情がとてもいい。

    0
    投稿日: 2024.12.04
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    最近ミニシアターが好きで、なんとなくタイトルで購入。読み進めるのに少し時間がかかったが、話が進むにつれてどんどん読めた。 映画のキャラクターたちと、見ている六人とそれをとりまく人々が少しずつ交わる姿がよかった。

    0
    投稿日: 2024.10.30
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    小野寺さんの優しい作風にまたほっこりした 追悼作品が上映されているミニシアターで映画を観ている6人。そして、次の回を観る7人目。の物語。 映画に絡んで、それぞれの人生が描かれている。それぞれの人生はともすれば自暴自棄になりかねない人もいるなかで、皆堅実に嫋やかに日々を積み重ねている。映画の進行と同様に凡 々と。いや日常はそう平凡ではないのかもしれないが。過ぎていけば平凡。人々には普通に 夜がきて、朝がくる そんな優しい物語

    17
    投稿日: 2024.10.27
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    映画見に行きたくなった。ミニシアター系の。 今までミニシアター系ってスカしていて芸術家気取りのわけわからん主張の物って思い込みがあった。 すいません、偏見でした。 という風に考えを改めさせられる作品だ。 テレビドラマと映画の違いってそんな表現の違いだったんだ。目からウロコ。 はじめはとにかく読みにくい感じで、登場人物が現実の人と劇中映画の人物の感情が突然行ったり来たりするので混乱した。しかし慣れてくると何か癖になってくる。後半になるほどもっと乗ってくる。 連作短編だけどほぼ絡み合うことはない。最後の最後にようやくまとまったときはスッキリした。 監督の不器用さも伝わり気持ち良いまとまりで良かった。監督ならではですな。 無理だけど「夜、街の隙間」実際に観てみたくなった。どんな風に感じるんだろう。

    9
    投稿日: 2024.10.09