
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
新刊の感想をSNSで検索して喜ばれてるとこを読んで、私が今この本の感想を書いたとしてもご本人が読まれることは絶対にないんだなと思うと、それがものすごく悲しい。1ページ進めば1日減っていく これから先、より洗練されていったであろう山本文緒さんの作品をもっともっと読みたかったし、山本文緒さんが好きな作品の続きを読んでもらいたかった
0投稿日: 2025.10.30
powered by ブクログ初めて読む山本文緒作品が『無人島のふたり』でした 涙を流し続けながら一気に読み切り、身体中の水分が抜けてしまい、頭痛や吐き気までしてくる始末 最後へむかう日々を綴った文章に まるでわたしが経験しているかのように 様々な感情が過ぎていき、読み終わった今 親しい人をなくした喪失感のようなものが残ります インスタの写真や追悼記事も拝見しました 遅ればせながらこれから作品を巡っていこうと思っています
0投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログ自分自身も同様の病を得ていることもあり、人ごととはとても思えない。こうやって人は死んでいくのだというお手本になったし、山本さんと同じようにこれまでお世話になった人たちにお別れを言ってから逝きたいと思わせられた。
0投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログ自分ごとのように読んで、同じことが自分や、自分の大切な人に起こってもおかしくないことに気付き、泣きながら読んだ。 文緒さんも書いているが、自分が亡くなった後に残された旦那さんが可哀想だと、何とかしてあげたいけどできないんだと、自分が居ないところで旦那さんを励まし話を聞いてくれる人がいて良かったと、節々で心配されていた。 旦那さんが、ホワイトソースから手作りしたグラタンをオーブンから出す時にひっくり返して泣いていたという話は、私も中学生の頃ガトーショコラで(焼く前だけど)同じことやって大泣きしたなぁと思いながら、大人が泣いてしまうほど色々きていたんだなと思った。 『自転しながら公転する』で知り、『アカペラ』も好きで、他にも色んな作品を読みたい。日記の中でかかれていた戸籍の女性の話も、読みたかったなあ。
0投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログわたしの好きな作家の、その時に向かって刻々と進む日記。 一気に読むのは辛すぎて、何回も休まなければならなかった。 でも最後のこの文章もやっぱり好きで、辛い、痛い、悲しいだけじゃなく、なんか、笑っちゃうような、冗談めかしたような言い方で、隣で話しかけられてるような身近さを感じた。 "ふたり"の絆がとてもすてき。別れるのが、辛いなぁ。 ほんとに亡くなる直前までの、彼女らしい言葉のひとつひとつが、ファンに届けられた。ありがたいし、成し遂げたなぁと思う。 深い喪失感は残るんだけど、不安に駈られながらも、先を読んで、中締めまでして(しっかりしてすぎる…!)日記を残されました。 先生の作品を、また読み返したいと思います。 コロナ禍書かれた今作品を、日がたたないうちにちゃんと読めてよかった。この時の空気感がまだ自分に残っているうちに読めて。 悲しいな。
0投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
泣けた ガンの残酷さを知った。 上手く死ねますようにが悲しい、サヨナラをするけど心の中ではサヨナラしたくないそんな気持ちが伝わってきた。
0投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログカウントダウンより山本文緒さんの事を知り(遅すぎ)最新版を読もうとしたら闘病記であるこちらを見つけました。 タバコも吸わず暴飲暴食もせず人間ドックにも毎年いき、健康には大変気遣っていたのに何故? ステージ4aになる前にわからなかったのか…と思ってしまいました 人間は必ず死はやってきますが、余命宣告され死と直面したらどうなってしまうのか… 体調が浮き沈みする中、日記として綴るなんてホント強い方ですね 気持ちが落ちてる時だったのでちょっとネガティブになってしまった。 しかしご夫婦の中がとてもよく旦那さんがずっと寄り添ってくれてホッコリさせられました。
9投稿日: 2025.09.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
山本文緒の突然の訃報はショックだった。 彼女が直木賞を受賞し、順風満帆といわれていたさなかに鬱病を発症したと知った時から、彼女の作品及び生き方は、結構私の支えだった。 体調が悪いらしいという噂も、単なる読者である私にまで届いたのだから、相当悪いのだろうとは思っていたけれど、まだまだ時間はあると思っていた。 この本を読むと、がんと診断された時点でもう手の施しようはなかったという事実にうちのめされる。 タバコを吸わず、暴飲暴食もせず、毎年きちんと健康診断を受けていて、なお。 余命4カ月。 どうすることもできない無情。 私が毎日本を読まねばいられないことを「業」と言っているように、彼女にとって書くことは「業」だったんだろう。 5分とソファに座っていられないような日のことも、日記には書かれている。 なぜ『無人島のふたり』なのかといえば、コロナ下で、軽井沢という移住した矢先の土地で、極力在宅で生きようとするふたりは、さながら無人島にふたりきりの心持だったのだろう。 週一の訪問看護の先生のことを、無人島に毎週物資を届けてくれる本島の人と表現している。 だるくて苦しくて辛いとき、読書もSNSもできなくて「頭が暇」という感覚は私もわかる。 テレビなどを見て「手が暇」な時は、編み物などをしたりしていたこともあるけれど、手作業をしていて「頭が暇」な時は本当に困る。 体力が落ちるということは、頭の暇とも戦わなくてはならないのか。 それでも『逃げても逃げても、やがて追いつかれることを知ってはいるけれど、自分から病の中に入っていこうとは決して思わない』と、そう書ける強さを彼女が持っていてよかったと思う。 緩和ケアを選んだところで、病気はやっぱり辛くて苦しい。 突然の発熱、嘔吐、不眠、倦怠感、赤裸々に書かれるそれらは、どれほど精神的にも苦痛をもたらしただろうと思う。 けれど彼女は『未来はなくとも本も漫画も面白い』と書いてくれた。 また彼女から支えをもらった。
1投稿日: 2025.09.19
powered by ブクログ自分にとって大切な本になりました。 出会えて良かった。そして闘病の本なのに読んでいる私が励まされた。日記も書きたくなり書き始めました。今も空で好きな本を読んで美味しいカフェで楽しんでいて欲しい。
0投稿日: 2025.09.12
powered by ブクログ58歳。早いです。 泣きながら読みました。恥ずかしながら山本さんの著作にこれまで触れた事はありませんでしたが、これから読んでいこうと思います。 心身共に辛いであろう闘病生活の中にも関わらず、ユーモアを散りばめた優しい文章。素敵な方だったんだろうな、と。 自分がいつ生涯を終えるか分かりませんが、なんとか両親よりは長く生きたい。子供よりは早いのは仕方ないな。妻よりは、、、 誠に勝手ながら妻よりは先に逝きたい。逆は耐えられる自信がない。
0投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ2021年4月に膵臓がん4bと診断され、10月に他界する直前までの日記。病気の進行もリアルにわかるので、心が丈夫で、体が元気な時に読んだほうがいい。 別れの覚悟はできているし、いろんなことに整理や始末をつける手続きは進めているものの、心の持ちように思案する、居場所が見つからない筆者の気持ちが伝わってきた。ずっと「死ぬのは怖くないけれど、どうしていいのかわからない」といっていた母の気持ちがようやく、なんとなくわかった気がする。旅立つ前の所在ない気持ちをしっかり書き留めてくれてありがとう、と感謝したい。
0投稿日: 2025.09.08
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小さな章立てがお別れの階段をのぼるみたいで、何度も引き返した。 が。最初漠然と『階段をのぼる』と読み取った日々の変化は、もっとフラットな地面を滑るようなものなのかもしれないと思い直した。
0投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めて読む作家さんの本が遺作の闘病記 膵臓癌でステージ4b 4月に診断がつき10月13日死去 43歳のときに胆嚢炎で胆嚢摘出。酒とタバコをやめる 体温が30分で39度まで爆上がり 身の置き場のない倦怠感(ガンの特徴)にステロイド効く。※ただし眠りを妨げる 軽井沢はコロナ禍の時期に大建築ブーム
0投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログ〈不健康〉になったときに、最も《健康》の有り難みを痛感する。。。私も40年弱生きてきて、何度かそんな経験をしているはずなのに。なぜか健康でいるうちはそれを疎かにしたり、そばに居てくれる人に不満を抱いたりする。。。そんな馬鹿な「人間」をも、"無人島"にいらした山本文緒さんは、ユーモアとともに自らの最期まで、「生と死」についての考察に優しく導いてくださった気がします。ありがとうございました。どうせなら愉しく生きねば。
0投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ自分の方が当然長生きすると思っていた、という傲慢さ。書きたいという強烈な願い。直接的ではなくても、ふとしたことをきっかけに感情が溢れてしまうこと。もっと作品を読みたかった。
0投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ120日以上生きなくちゃ日記。正真正銘山本文緒さんの日記です。余命宣告を受けてからの日々。楽しい日、辛い日、リアルな毎日が山本文緒さんの言葉で書き連ねられています。 生と死を自分事のように感じ、山本文緒さんの夫と別れたくないという記述とその頃にはもう私はこの世に居ないという記述のギャップに涙腺を揺さぶられ、この作品を手放すことができず、一気読み。正直キツかったです。 タイトルの意味を知ったときなんてもう危ない。しかも日記であるため、日付を重ねるごとに辛く…。辛いのは本人なのに。 きっとこの先何度も何度も読み直すであろうこの作品を今は大切に保管したい。
0投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログタイトルを見たとき、私はてっきり、のんびりとした無人島生活を描いた、癒し系の物語だと想像していました。 ですが読み始めてすぐに、その予想は完全に裏切られます。 いきなり主人公が余命宣告を受けるところから物語は始まり、抗がん剤治療の辛さから緩和ケアを選ぶというところから始まります。 この時点で、生半可な気持ちでは読めない本だと強く感じました。 本作は事実をもとにしたエッセイです。 そのため、一見すると何気ない言葉にも、生きてきた時間の重みや死と向き合う切実さがにじみ出ていて、読むたびに胸にズシリと響いてきます。 物語を楽しむというよりも、作者の想いや日々の感情を一つも取りこぼさないように、丁寧に受け止めながら読み進めました。 体調の良い日と悪い日が交互に訪れる中で、良い日にはカフェへ行ったり、お世話になった人へお別れの挨拶と感謝を伝えたりする姿が描かれており、どの場面にも誠実な生き方が表れていました。 私自身も、もし同じ状況に置かれたら、こんなふうに人との時間を大切にし、静かに別れを伝えることができるだろうかと自問させられました。 「最後の日まで日記を書き、それを本にする」という明確な目標を持ち、それに向かって毎日を過ごしていく姿勢には、本当に心を打たれました。 死を前にしてもなお「伝えること」を諦めない強さに、深い尊敬の念を抱きました。そしてこの作品は、私自身がいつか「自分がいなくなる日」を迎えるとき、どう生き、どう準備するのかのヒントにもなりました。 この作者の作品は初めて読みましたが、「自転しながら公転する」を録画したままだったので、さっそく見てみたいし、他の作品も読んでみたいと思いました。 この作品は、死を扱っていながらも、決して絶望的ではなく、むしろ人がどう生き、どう人と関わっていくのかというテーマをに問いかけてくれます。 最後まで生きること、そして感謝の気持ちを忘れないことの尊さを教えてくれた、忘れられない一冊になりました。
12投稿日: 2025.07.08
powered by ブクログ生活の中にゴールが見えていて、終わりの方はどんなに読むのが苦しいかなとちょっと怯んでいました。でも、途切れ途切れながらも、生きていて、歩んだ跡があって、素敵だなと思いました。 山本さんの本はこれが一冊目です。 もっと読みたくなりました。
0投稿日: 2025.07.03
powered by ブクログなんだかべしょべしょに泣いてしまった 大変なのはご本人なのに ドラマの中の世界のように遠く感じていたものが、日記によって自分にも起こるかもしれないのだとハッとした 「負け惜しみではなく、とても幸せだ」というフレーズが好き いつになるか分からないけれど、自分の最期の日々も幸せを感じられたらいい
0投稿日: 2025.06.28
powered by ブクログ大好きな作家さん。まだまだ書き続けて欲しかった。これから、おばぁちゃんになった文緒さんの描く世界を知りたかった。 お別れ会に行けなかったけど、お別れさせてもらえた気分。これからもずっと大好きです!
1投稿日: 2025.06.26
powered by ブクログ少し前に本書を知り、読もう読もうと思っていたのだが、内容を考えるとなかなか読む気になれずにいた。 特に何もきっかけは無かったけれど、なんだか急に読みたくなって手に取った。 とても悲しくて読むのが苦しくなるのを想像していたのだけれど、淡々と、そして時にはユーモラスに日常が綴られていた。とはいっても、やはり最期の時が迫っている中で、著者の心情を考えると切なくなるし、著者の夫の心情、そして、夫の心情を考える著者の心情、どれもやはり切なかった。 それでも本作を残してくれたことは本当に作家魂を感じるし、読者としては宝物の一冊になるのではないかと思う。 あとがきで角田光代氏が書いている通り、著者は読者のことを慮って書いたのだろう。なるべくダメージを与えないように配慮したのだろう。 読了直後には、書きたいことが山ほどあったのに、忘れてしまった。 それも、またすぐにもう一度読もうと思ったからだろ思う。 読者に何かを押し付けることもなく、残り少ない大切な時間を使って、体調の悪い中書いたのは、本人曰く作家の性なのだろうけれど、一読者としては感謝しかない。
1投稿日: 2025.06.24
powered by ブクログ本当に亡くなる直前まで、こんなにもしっかりと日記を書き続けられていたことにまず圧倒される。角田光代さんの解説にもあるように、色々な場面で「自分だったら..」と想像した。特に一緒に暮らす夫について。夫の悲しむ顔を見たくないと書いていたり、医療関係者の方々にも申し訳ない気持ちが書いてあったり、すごく気遣いの人だったのだなぁとも思った。ご夫婦での写真が素敵すぎてグッとくるものがあった。他にもエッセイなど読んでみたいし、改めて、亡くなったあとでも作品が多くの人に読まれ続ける作家という仕事は偉大だなぁ。
12投稿日: 2025.06.18
powered by ブクログ余命4ヶ月から半年と告げられた山本文緒さんの最期の日々 夫と二人過ごすこと=無人島 訪問診療やお見舞いに来る友人は本土から無人島を訪れる人たち そしていつか夫も本土へ帰る日が来る 壮絶な、とか闘病、という言葉は似合わない 山本さんは逃病と表現したけど、辛いこと苦しいことから逃げることの何が悪いのか 淡々とした日記から溢れる山本さんのまわりへの眼差しに涙が止まらない この本に出会えて読めて良かった
1投稿日: 2025.06.14
powered by ブクログ山本文緒さん。 大学時代の大事な友人に勧められて読み始めた、思い出深い作家さんです。 友人とは、作品の感想を言い合ったり、解釈の違いで軽い言い合いをしたり、おすすめ作品を紹介したり、金欠時には交代で購入して貸し借りしたものです。 なので、山本文緒さんの作品を手に取るたびに友人を思い浮かべ、連絡してみようかなという気になりました。 訃報に触れたときも、真っ先に友人の顔が浮かびました。 もう新しい作品が読めないのは辛いですが、友人との楽しい時間が文緒さんの作品とともにあったこと感謝します。 「うまく死ねますように」(5月21日(火)) この言葉が私の中に残っています。 読んでいて涙が出るけど、ユーモアも散りばめられていて、さすが文緒さんだなと思います。 解説の角田光代さんも書かれているように、「読み手を気遣」っているのでしょうね。 フィクションだったらどんなによいか、でも悲しさや辛さ、痛みだけではない、文緒さんが見られました(読めました)。 旦那さんとのツーショット写真、ふたりの雰囲気が似ていて、幸せそうで素敵です。
21投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログ膵臓癌、突然の余命宣告を受けてからの闘病日記…日常生活の記録…と言った方がいいのか、コロナ禍で無人島に居るみたいだと感じる筆者。 思い遣りの詰まった文章を読ませてもらった。 するすると読み進められたのは筆者から読者への心配りが有ったのだと角田光代さんの解説を読んで納得。
5投稿日: 2025.06.04
powered by ブクログ読む勇気がなくしばらく置いていたが、気持ちが落ち着いた時にページを開き一気読み。 ガンを告知されてから最期の瞬間まで、自分が著者のそばで見守り共に生きてきたよう。身内のような大切な人を亡くしてしまった喪失感でいっぱいになり、とても悲しい。彼女のいなくなった無人島の周りを、流木につかまり漂流しているかのよう…。 線香花火のように、火花が大きく小さくなりながらも美しく燃え続け、最期まで作家として生きた彼女の生涯。普通の闘病記とは違い、人間の最期に至るまでの心のありようがありのままに綴られていた。書くことは物凄く力量がいり大変なことだが、著者の書いていたい、書かずにはいられない気持ちが伝わってきた。 自分は最期をどのように迎えるのだろうかと想像せずにいられなかった。いつか迎えるその時のために、後悔なく生きたいと切に思う。それを山本さんは身を以て伝えてくれたのかなと胸が締め付けられるような思いがした。沢山のことを伝えてくれてありがとうと感謝の気持ちを伝えたい。ご冥福をお祈りします。
13投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログ著者が亡くなる直前まで書き続けた闘病記。ご本人の苦悩はもちろん、ところどころ記される旦那様の思いに心揺さぶられた。自分が死ぬ時、妻に何かあった時、自分はこんな風に相手を思いやれるのかな、そうありたいな。。。
0投稿日: 2025.05.27
powered by ブクログずっと読みたかった山本さんの最期の日々。 がん宣告をされてから亡くなるまでの半年余りの日記。 少しずつ体調が悪くなるけど、きちんとお別れが出来たり、最後に自分でやりたいことをやれるというのは、がんだからこそできることなのかと思う。 彼女のように治療を積極的にせず、在宅で穏やかに過ごすというのは羨ましいなとも思うが、一方でこの日記にも書けない心の中はどうだったのかとも思う。 最期が近付いてもすごくきちんと自分の言葉で表現されていることが素晴らしいと思う反面、彼女の心の内をもっと知りたかった。 もう20年ぐらい前に読んだプラナリアをまた読みたいな。
1投稿日: 2025.05.25
powered by ブクログ「できればもう一度、自分の本が出版されるのが見たい」 山本さんほど多くの作品を発表している方がそう思われるのか、と思った。想像でしかないけれど、やはり作家さんにとって自分の本が出版されるのは特別なことでありその一冊一冊の経験が宝物なのだろうな。 それは矜持というより、性(さが)なのかもしれない。 読み始めてすぐ、旦那様がとても素敵な方で山本さんと仲が良いことが伝わる。だからなんでこの二人を引き離すのか、とつらくなった。 お二人が笑い合う写真が泣ける。 命の期限が見えてきた時、人はどういう精神状態になるのか。 たまに、自らの時間が残り少ないことをまるっと受け容れて達観する登場人物が小説などのフィクションで見られる。 それを否定する訳じゃないし現実にもそういう人はいると思う。ただ、この本には山本さんの苦痛や弱い部分、葛藤、ネガティブな思考に沈む姿が正直に記されていて、心を抉られる痛みを強く感じた。 (もともとが山本さんの日記だから、正直な気持ちが綴られているのは当たり前だけど)
1投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログ再婚生活のうつから続けてガンか…と暗くなってしまいそうだけれど、淡々と日常が綴られていて読みやすかった。 最後の言葉が「また明日」と前向きなところが印象深い。天国でもお酒を飲みながら楽しく執筆しててほしいな。 お疲れ様でした。小説も読みたい。
0投稿日: 2025.04.30
powered by ブクログ買ったままなかなか手を付けられず、後回しにしていた本書。 ようやく手に取ったが、最初のページをめくった時から涙があふれ、鼻をすすりながら読み進めた。 あさイチで久しぶりにお姿を拝見し、軽井沢のお住まいはとても素敵で、お幸せそうだったのが印象に残っている。 癌が発覚したのがその4ヶ月後。半年後、逝去。 短い。あっという間ではないか。 だが、このあっという間の出来事を日々綴り、本にしたことに驚き、改めて、根っからの作家なんだと感服。 何度か綴られていた「うまく死ねますように」という言葉が辛い。 「死にたくない」という気持ちと現実との葛藤があったことは想像に難くない。 月単位で考えていたことが、週単位に、明日、になっていく。 命には限りがあることを突き付けられた思いがした。 解説でも触れられていた、最後に記された日に綴られていたこと。 私の父も癌で、緩和ケアを受けていたが、ああいう状態だったのだろうかとまた涙。 こんなものを読みたいと思ってくれる人がいるのだろうかと序盤で綴られていたが、とんでもない。 とても良いものを読ませて頂きました。 ありがとうございました。黙祷。
1投稿日: 2025.04.28
powered by ブクログ※これはあくまで私の感想です。 日記調で読みやすい。私は、日記調の本(エッセイ)が好きだと改めて感じた。 例えば年は違っていても、同じ日に読んだらどうだろう?とか考えたり。本の読み方は人それぞれだから。 この本に出てくる山本文緒さんが闘病中に読んでいた本やマンガも気になってしまい、ブクログでも検索して登録させてもらった。 読みたい本が多すぎる(幸せだなぁ)ので順番に。 これからは私が、未読の小説で山本文緒さんとまた出会えると感じている。 年表で中村文緒さんの人生の出来事が知ることができた。新しい発見。 心が、ぎゅーっとなったり、鼻がツンとしたり、色々な感情になり、正直、この本を読んでる数日間は気になって他の本は手につかなかったくらい私の中では心に残った本の1冊。 静かな所で集中して読んだ。 文章を書くって、体力も頭もすごく使うと思う。 人生の時間を使って書いてくれて、私達に伝えてくれてありがとうございますと伝えたい。 出会ったきっかけは、他の方の本の購入品紹介から中村文緒さんを知るきっかけとなり、プラナリアに興味をもった。読んでみて、言葉では言い表せないけど、なんか好き、読みやすいってなり、これからも、中村文緒さんの小説は読むし、インスタもたまに覗きに行くし、 一読者ですが私は、ファンになってしまったと感じている。 中村文緒さんの小説が好きな人もだし、 ガンなどの闘病中に読まれる方がいたり、ご家族が読まれる方もいるかもしれないし、 どんな人でも、今生きているということはいずれくる死とちゃんと向き合える本の1冊だと感じる。(うまく書けないけれど。) 読めてよかった1冊。 大切にしたい1冊となった。
6投稿日: 2025.04.27
powered by ブクログ「思い出は売るほどあり悔いはない。悔いはないのにもう十分だといえないのが、人間は矛盾していると思う」 この文にぎゅっとなった。 生きる、生きたいって、ほとばしってる。 満たされないものを抱えているような日々は、明日に。その先に。 私たちを突き動かしているんだな。 山本さんの「自転しながら公転する」が好きだったから、また読みたくなった。
8投稿日: 2025.04.25
powered by ブクログ目に見えない病に毎日できることや気持ちを大きく揺さぶられて、次の桜を見ることはないだろうとか、大切な人を遺して逝かなければと思いながら生きることは、どれだけ大変だったろうと思う。けれど、辛いだけの本ではなかった。 美味しかったものや綺麗だったもの、これから出版される本のことなど、「逃病」して残された時間を生きることに目を向けるのは勇気ある素敵な生き方に見えた。 読みながら感じたのは、外野から見れば無人島じゃなかった、ということ。 編集部の方達や友人、近所のお店の人などたくさんの人が出てきて、それはきっと山本さんの人柄というか、書きたいものが「人」だったのかなと感じて、優しい気持ちをもらったような気がした。 けれど同時に、そういう日々だったとしても、ご本人にとっては無人島にいるような寄る辺ない気持ちが大きかったのかな、とも感じる。 そういう部分を飾らずに見せてもらって、感じた色々な感情をこれから少しづつ消化していきたいと思う。 素敵な本を遺してくださってありがとうございました。 ご冥福をお祈りします。
2投稿日: 2025.04.19
powered by ブクログこの本を通して1番思ったことは、「人が死ぬ時ってあっけないんだな」ってこと。よく質問で、「余命半年と言われたら残りの時間で何する?」っていう質問があるけど、実際病気になったら、症状で旅行したり楽しいことしたり何もできないんだなって思った。一日一日を大切に生きないといけないんだって実感した。
5投稿日: 2025.04.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最後の日記が来るのがずっと怖い。体調に波があるのが良くわかる。余命四ヶ月でもカフェに行ける日もある。 10\4月 昨日から今日にかけてたくさんの妙なことが起こり、それはどうも私の妙な思考のせいのようだ。これでこの日記もおしまいになる気がしている。とても眠くて、お医者さんや看護師さん、薬剤師さんが来て、その人たちが大きな声で私に話しかけてくれるのだけれど、それに応えるのが精一杯で、その向こう側にある王子の声がよく聞こえない。今日はここまでとさせてください。明日また書けましたら、また明日。
1投稿日: 2025.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本書を読んで、やはり緩和ケアを選んで亡くなった大叔母のことを思い出しま思い出しました。した。 抗がん剤治療に望みをかけて闘病することに決めた人、緩和ケアを選ぶ人、それぞれあっていいと思いますが、私が末期がんを宣告されたとしたら、著者や大叔母のように緩和ケアを選ぶだろう
1投稿日: 2025.03.22
powered by ブクログなんと言っていいのか… 人は誰でも死ぬんだし、自分もいつかはそうなるし、旦那さんと自分はどっちが先なんだろうと思う時もある。 もうすぐ死ぬとわかって日々どう思うのかを垣間見れた。父も、同じ膵臓ガンだったので、自宅養生して家族で看取ったけど、父が眠っている間は、割と平和に家族でいろんな話をしたりしてのんびりしていたのがいい思い出。やるだけやった感があった。 ありきたりかもしれないけど、もっと今の自分の状況に感謝してもっと母に優しくなろうと思った
0投稿日: 2025.03.16
powered by ブクログ絶対に読む!と思ってたのに、ページを開き出すのに覚悟が必要だった。 突然、膵臓がんステージ4bと宣告された著者。 延命の抗がん剤を1回受けたが辛すぎて止め、緩和ケアを選択する。 「闘病記」ならぬ「逃病記」として、コロナ禍の日々を綴ってあった。 長年「書かなくちゃ」の強迫観念から解放されると思っていたが「書きたい」という思いが残っていたし、その気持ちに助けられたと。 夫への愛と感謝に満ち溢れ、「つらい話をここまで読んで下さり、ありがとうございました」「明日また書けたら、明日」。。。 構想してた新刊が読めず無念。
16投稿日: 2025.03.15
powered by ブクログ読み進めるうちに残りのページがどんどん少なくなっていくのが悲しかった 最後に行き着くのは作者の死ということが分かっているから
1投稿日: 2025.03.14
powered by ブクログまさに実母が余命4カ月の今です。どれくらい痛くて辛いのか、気持ちは本人にしかわからないと思っていたけど、この日記を読んで勝手に少しわかった気がしています。もちろん人それぞれ違うのでしょうけれど。今までの母の行動と自分の行動を振り返ってみます。今後の向き合い方のヒントになったので、読んで良かったです。この感想書いたことでさえも思い出にしようとしているなぁ。
0投稿日: 2025.03.04
powered by ブクログ読了。淡々としていながら、夫や読者をはじめとした周りの人への愛が詰まった作品だった。ここに書かれなかったことのひとつは絶望だと思う。
2投稿日: 2025.02.26
powered by ブクログ電車のなかで読んだこと後悔する。ふいに喉の奥がつんとなって、公共の場で泣いてしまうかと思った。死を間近にしたとき、こんなにうまく自分のことを見てあげられるだろうか。残される元気な人たちをこんなにまっすぐ愛おしむことはできるだろうか。どんなにうまく生きたって百点はなくて、絶対に後悔があって、けれどもすこしでも上手にしたいとみんな思ってる。死は早いか遅いかというだけで平等なものだけど、親が死んでから子が死ぬっていうような、そういうおおまかな順序はあって、その順序がくずれるとやっぱりとてつもなくかなしい。この日記を書いているあいだに、ほんの一瞬でも病気のことを忘れている瞬間があったならいいなと、他人であり読者である身で思った。
1投稿日: 2025.02.24
powered by ブクログ初めて読んだ作品がこれだった 知らぬ間に読み進めていた 看護学生をもうすぐ終えて上手くいけば看護師になるわたしだけど、緩和ケアとかお別れとか実習先で受け持ったおじいちゃんの涙の意味とか、今になって腑に落ちた気がする。 わたし誰かが書いた文緒さんのアイデアを読むんじゃなくて文緒さんの字で読んでみたかった 半年前から探している恋愛中毒はどこの書店にもないけど、もう少し探してみようと思った。 相変わらず感想文は下手くそだから上手く書けないんだけど、終盤に角田光代さんがほぼ代弁してくれている。 本で人の物語を生きる、なるほど。
1投稿日: 2025.02.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最近読んだ中では、かなり衝撃的に感情を動かされた1冊となった。恐らく昨年何かのネットニュースで山本文緒さんのことを扱った記事を読んでいたから、書店で手に取った時にはピンときていた。読み始めて、ところどころ涙がぽたぽたとこぼれてしまう部分もあった。だけれど、解説に角田光代さんが書かれているように、私たちはこの本を読むことで人生が終わりに向かっていく感情を追体験することになるのだ。私自身は、6年ほど前にサイレント癌で50代でなくなった叔母のことを思い返しながら読んでいた。山本文緒さんご自身も、亡くなられる数年前から、身近な編集者やお父様を失くしていて、死というものはそれなりに近くに感じていたはずだ。でも、まだ自分には命がある、そう思って疑わないときにブラックホールのように死は迫ってくる。 口先だけでいつ死んでも良いように悔いなく生きるとか言っていても、本当に直面した人の気持ちは分からない。この本は、それを追体験させてくれ、まだ命のある私たちに励ましさえ与えてくれる。
2投稿日: 2025.02.15
powered by ブクログ読み終えて思うことは、非常に過酷で壮絶なはずなのに、たんたんと軽やかに、時にユーモアを交えながら余命を宣告されてからの日々を、山本文緒さんが何よりも読む人のことを考えて書くことと書かないことを選びながら綴られていることが衝撃だし、それこそが作家の書くことへの執念と、周囲の人はもちろん読む人の事まで思いやる繊細さに心を打たれました。 だから悲愴さや苦しさや悲しみを最小限に読み通すことができました。 読みやすい、といっていいと思います。 結果、当事者の、当事者でしか書くことの出来ない様子をあとがきの角田光代さんが書かれているように、小説を読む時に主人公に自分を重ねるように、まるで実体験としての感覚で読め、それがどれだけ壮絶な執筆であったかと思わずにはいられません。
20投稿日: 2025.02.06
powered by ブクログ山本文緒さん、そんなに読んできた訳じゃないけれど、1ページ捲った瞬間から惹き付けられました。 ポップで軽い口調は本当に病気?がん?と思わされるし、読み進めるほど信じたくなくなりました。読み手のことを気遣った優しさを感じました。
5投稿日: 2025.02.03
powered by ブクログ高校生の頃、直木賞を受賞した「プラナリア」で山本文緒を知った。強烈に面白い、本がボロボロになるまで繰り返し読んだ。小説が面白くてあっという間に最後まで読み切って、更に繰り返し読むという人生で初めての体験をした作品だった。 それから過去作を読み、新刊を読み、山本文緒を追いかけていた。 就職、結婚、出産、子育てとライフステージが変わる事に小説をゆっくり読む時間がなくなり、ある時ふと「また山本文緒が読みたい!」と調べたところ、他界されていたことを知った。 そして、亡くなるまでの日々を綴った本書の存在を知り手に取った次第。 私は母を肝臓がんで、義父を膵臓がんで亡くしている。 あの頃の母は、父は、義父は、義母は、こんな気持ちだったのだろうかと読み進めた。 日記形式なので当たり前だが作者視点でしか書かれていないのに、所々出てくる旦那様の行動で、見とる側の苦悩が読み取れるのが素晴らしいし、つらい。 読み進めながら、あの頃、母にもっと会っておけば良かったなと後悔もした。 当時就職したばかりで、母の体調を思いやる余裕がなかったし、本当に母が死ぬなんてとどこか信じられない気持ちでいたけれど、もっと沢山できることがあったはずなのにな。 そして、私だったらどうだろう。看取る側、看取られる側、どちらになっても後悔は残りそうな気がする。 こんなに周囲を思いやることも多分できない。 作中、好きな漫画家の名前が出てきて嬉しかった。 好きな小説家の先生と、好きな漫画家が一緒だなんて。
3投稿日: 2025.01.14
powered by ブクログ恋愛中毒(未読)の著者だとしか知らなかったので 彼女の本を、今まで手に取ることがなかったが、小説を読んでみる機会になった一冊。病気になること、について深く考えさせられ、病気と闘っている人、についても知りたい、と思わせてくれた一冊だった。
1投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ふわっと死んでもたー。 モーローとしてって、とても眠くて、妙な感じになって、向こう側にある王子の声がよく聞こえなって、死んでもた。 自転しながら公転の意味がわかった。 人間関係のメタファーだったのか。 人間関係と言うのは、本当に不思議な化学反応を起こす。近くに住んだり遠くに離れて住んだり、どちらかの仕事がうまくいったり行かなかったり、どちらかが病気だったり、年齢が行ったり、ちょっとしたことで2人の間の雰囲気が変わったりする。 人間同士の関係は男女だけでも、男同士だけでも女同士だけでもない。恋愛だけじゃないし、親友だけでもない。ただずっと離れずに自転公転をゆるく、ゆるく、返すことができるのが豊かなことかもしれないと、私はふんわり幸福に思っていた。 怖がりで不安がりの私だけれど、何故か半歩普通からはみ出してないと爆発的な喜びを感じない。 わかる。 強烈に楽しかった思い出は? そういうことが、私には笑いが止まらないほど楽しくて生きてる実感を掴めた瞬間だった。 そんな私にとって、就職した会社を辞めて専業作家になったり、最初の結婚をあっさり辞めて独身に戻ったり、それは辛い部分はあるにはあったが、内心は笑いが止まらない出来事だった。
4投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログ2021年4月膵臓がん。2021年10月13日永眠。好きな作家、山本文緒さんの闘病日記。切なくてつらい。
1投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログ余命宣告をされた著者による日記形式のエッセイ。全てではないのだろうが、日々の心境が淡々と綴られている。 何が面白いとか、タメになるとかという内容ではないが、とても余韻が残る本でした。
2投稿日: 2024.12.27
powered by ブクログいっきに読んだ ユーモアをまじえながら書いているけれど、かなり辛かったのではないか この作家の凄みを感じた ご冥福をお祈りします
1投稿日: 2024.12.23
powered by ブクログ2024年12月 とても衝撃を受けた。 この本に対して感想を書くのは、今は少し難しい。 でも今この本に出会えて読むことができて、ほんとうに良かったと、心から思う。
1投稿日: 2024.12.15
powered by ブクログ心にずしんとくる。病気のこと、周囲の人とのこと、特にやはり旦那様との事が胸にぐっときた。でも、ぐっとくるように書かれているわけではない。ご本人としては、なるべく淡々と文章にされたいんだなと伝わってきた。ゆっくり読み進めるべき内容なんだろうなとは思うけど、どんどん続きを読んでしまって、一気でした。人にもオススメしたいけど、親には…どうなんだろうかこれは…。
1投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログ大切に読んだ。体温が灯った言葉と生き様が降り注ぐ。余韻がすごい。文中に登場する小説も何冊か購入した。
1投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログ余命3ヶ月の山本さんの赤裸々な日記でした。 どんな状態でも心の動きはそこまで変わらないのだと思った。 ありのままの日記でした。
1投稿日: 2024.12.03
powered by ブクログ2年前に亡くなった母と全く同じ病気で亡くなられた山本さん この日記を読めば、私も母が闘病中にどんなことを感じ思い絶えて過ごしたのか分かるような気がして購入 でもなんだか読むのが怖い 母がどれほど辛かったのか知ってしまいそうで 最期にこの本を残してくださった山本さん ありがとう
9投稿日: 2024.11.24
powered by ブクログほぼ同年代であり、読むのが辛かったが、角田光代さんの解説にあるように、辛くてしんどいという訴えばかりではなく、読者を気遣う文章が綴られている。遺作になった「ばにらさま」を読みたい本に登録した。
7投稿日: 2024.11.21
powered by ブクログYouTubeのショートで出てきて初めて読んだ山本文緒さんの本。 切ないけど、ところどころ作者のユーモアが溢れていて、作者が母親に「痩せたね」と言った際「お菓子の食べ過ぎで1キロ太った」と言ったシーンは悲しいのにクスッとしてしまった。 旦那さんがグラタンを落として泣かれるシーンは印象的だった。文章から何かが落ちる音が聞こえてきた。
1投稿日: 2024.11.20
powered by ブクログすい臓がんの診断が下り、当時余命4ヶ月と診断された作家の山本文緒さんの日記。 診断の時点で病巣を除去する手段はなかったため、緩和ケアを受けつつ余生を過ごされたそうですが、悲壮感が和らいで感じられるのは、山本さんのお人柄ゆえなのかなと。文庫の解説で角田光代さんが綴られてる内容から周囲から慕われている方だったんだろうなと思います。 日記には生活の様子やご自身の気持ちなどが綴られてる他、旦那さんや医療関係者、仕事関係者のことも書かれているのですが、個人的にはその時々の旦那さんの心情を想像しては辛かっただろうなと思うばかりでした。
4投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログ大好きな作家さん、山本文緒さん! 突然いなくなった… でも最後まで誠実に読者に向き合ってくれていました 無人島のふたり、コロナ禍での闘病の日々をとても正直に語っている 生きること、病むこと、死に向き合うこと どの言葉も真っ直ぐに私の胸に響きました 無人島のふたり…ふたりで居る無人島は特別なものだったのですよね
1投稿日: 2024.10.23
powered by ブクログ2021年にお亡くなりなった山本文緒さんが亡くなる直前まで書かれた闘病日記。 謹んで読ませていただきました。でもそこまで深刻にならないように読み手のことを考えて書いてくれたのではないかと思われる。改めて日々、生きてる、生かされてることに感謝して生きなればと思った。ありがとうございました。 2021年10月13日10時37分永眠。
8投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『そんなに簡単に割り切れるかボケ! と神様に言いたい気持ちがする。』 書店で吸い寄せられるように手に取っていた。 揺れる体調、その体調に左右される気持ち。最期まで作家として文章を綴り続けた、山本さんの矜持を肌で感じた。 命の期限を知らされること、自分の城を自分で整理できないつらさ、身辺整理のための断捨離、大切な人たちとの別れの挨拶、不快な症状、自分がおかしくなっていくことがわかる辛さ、自分がいない未来の話。手を握って涙が溢れる場面。字面だけみると、苦しい。なのに、すっと受け入れられたのは、それが山本さんの配慮であり、おそらく読み手の負担をできる限り軽くするプロの気遣いだったのだろうと思った。ただ、緩和医療でかなり症状緩和が行えて、最期までご自身らしい生活を送られたのは、救いだった。 体調の荒波に翻弄されながら、それでも生ききられた。周りの人と一緒に。
14投稿日: 2024.10.18
powered by ブクログ読み進めるごとに、読み終わったら作者が死んでしまうという思いにとらわれる(本当はもうすでに亡くなっているのだが)。怖くて1ページ1ページかみしめるように読んだ。 初めて作者の訃報を新聞で知ったときの衝撃を思い出す。 うつ病を患っていたと知っていたのでもしやと思ったが、膵臓がんとは。 巻末の作品リストを見たら、コバルト文庫だけでしか読めない作品を除けば、すべて読んでいた。それだけ私にとっては特別な作家だった。 読者の目に触れることを念頭に書かれた日記なので、どこまで本音が語られているかは分からないが、最期のときまで湿っぽさを出さないように気遣いながら書いて生きたんだなぁとそう思う。 そこここに、「らしい」フレーズが出てきてうれしいが、最後の1日の日記が、とてもつらい。
4投稿日: 2024.10.10
powered by ブクログ図書館で目に付いたので借りてみた1冊。 旦那さんが酔ってグラタンを落としたところでぼろぼろと泣いてしまったところ。頭が割れそうなくらい悲しいのにアマゾンの領収書を印刷した、それが生きるということ。リアルな事実が胸に染みた。 また、山本さんはしっかり効果的な緩和治療を受けることができたようで、安心しました。民間療法や祈祷に頼ることなく書き続け、強い人だなぁ。 「自転しながら公転する」はめちゃくちゃ面白くて私の心の内をグサグサ抉る、大好きでした。 どうか安らかに。
4投稿日: 2024.10.09
powered by ブクログ本屋さんに寄った際にたまたま手に取りそのまま購入しました。 死は身近にあると感じさせてくれる作品でした。 もし120日後に死にますと言われたら自分ならどうするだろう?考えながら読よました。 人間は必ずいつか眠りにつく事を忘れずに1日1日を大切に過ごしたいと感じたり、思い出はお金では買えないため今しか出来ない事、やりたい事をちゃんとやろうと思わせてくれました。 また、山本文緒さんの「自転しながら公転する」をまだ読んでいないためこの機に読みたいなと思います。
2投稿日: 2024.10.09
powered by ブクログ2年前に読んだ「自転しながら公転する」を再読し、その直後にこれを読んだ。 「自転公転」は、2度目でも心にぶっ刺さりまくり、読んだ記憶をなくして何度も読みたいと思った。 「無人島のふたり」が文庫化されたのを知ってすぐに購入。 死が確実に近づいてくること、たとえば好きな漫画の新刊が出るのが来年で、その時には自分はもうこの世にはいないとわかっていること、好きなカフェに来て、ここに来れるのはこれで最後と分かりながらお茶を飲むこと、家族や大事な人が見舞いに来て、これが最後の握手になるとお互いが認識しながら手を握ること、そういう死期を悟りながら生きることについて、読みながら考えさせられた。 「緩和ケア」といっても辛い症状がすべて緩和されるわけではないのだな。 もう新刊が読めないのだと思うと、本当にかなしい。 角田さんの解説。
2投稿日: 2024.10.06
powered by ブクログコロナ渦のがん闘病__夫と2人、まるで無人島に流されたようだった。覚悟して読み始めたが、最期まで書くことを手放さず、病床で新刊発売に向けて奮闘する山本さんに私は不思議と励まされていた。角田さんの解説を読み、またじんとした。
7投稿日: 2024.10.06
powered by ブクログ過去に山本文緒さんは、『絶対泣かない』、『ファースト・プライオリティ』、『あなたには帰る家がある』の3作品を読んでるいて、派手さはないけれど心に刺さる作品を描かれる作家さんだなぁと思っていた。 そんな山本さんに、膵臓がんのステージ4、余命4ヶ月との診断が下される。本書はそれから1日1日命を削りながら、懸命に生きた闘病日記。 内容はエッセイに近いような感じなので、本書を読んで涙腺が崩壊するまでは至らないけれど、所々で『もう会えない』とか『もう来れない』等のワードを目にする度に、その時が着実に訪れていることを実感させられる。 自分が同じように余命4ヶ月と診断を下されたら、果たして同じように懸命に生きられるだろうか?誰にでも訪れる何時かに備えて色々なことを考えさせられる作品でした❗ 今度機会を見て『自転しながら好転する』を是非とも読みたいと思いました。
28投稿日: 2024.10.02
powered by ブクログ結末がわかっていて、時に悲しく、時に辛くなったが先が気になり読むのをやめることができなかった。 ともすれば暗くなりがちな内容なのに、どこか明るい文体のおかげもあるが、その根底には作者自身、夫、そして周囲の人たち、そしてこの本の読者への作者の作家としての配慮かあったからだと思う。 そんな作者の新しい物語をもう読めないと思うととても残念でたまらなくなった。
2投稿日: 2024.09.29
