
総合評価
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powered by ブクログ鮮度が大事なニュース。それだけならネットや新聞で事足りるのだが、通覧する事で時代のトレンドや雰囲気が分かる。淡白な感じだが、そうした観点で有益な本。 ー 希少な鉱物の産出国では、規制や税制により資源を囲い込む「資源ナショナリズム」が活発だ。インドネシアは2020年、世界生産の約半分のシェアを持つニッケル(Ni)の未加工品の輸出を禁止した。精製工場への投資を促し、利益を得るのが狙いだ。銅(Cu)の大産地であるチリは生産企業に高い税率を課し、資源からの利益を国民に還元する。こうした動きは材料不足や価格高騰により消費国を悩ますことになる。 ー 23年の国内の外国人労働者数は204万人で過去最高を更新しました。国際協力機構(JICA)は、成長を維持するためには、40年までに外国人労働者数を現状比3倍以上の688万人に増やす必要があると試算します。日本で働く外国人には様々な在留資格があります。特に多いのが1993年に制度化された技能実習です。全体の5分の1を占めますが、低賃金で転職も認められず、海外では「現代の奴隷制度」と批判されています。このため政府は19年、新たな在留資格「特定技能制度」を創設し、転職や永住にも道を開きました。24年度からの5年間で80万人超の受け入れを目指します。24年6月には技能実習制度の廃止も決めました。イオンは30年度までに4000人の特定技能外国人を受け入れる方針です。近年の円安の定着で日本の賃金の魅力も低下しています。韓国やオーストラリアなどとの人材争奪戦が激しくなっています。 ー 削減を推し進める手段の1つとして、国内では23年4月に官民の枠組み「GXリーグ」が発足。 リーグ内で、24年中にも排出量取引制度「GX–ETS」における取引が始まる見通しです。参画企業には、目標を超えている他の参画企業から排出枠を買い取ったり、国が認めた「適格カーボン・クレジット」を調達したりして目標を実現することが求められます。 ー 海外メーカーから見た日本の魅力はなんでしょうか。1つは他のアジア地域と比べた政治的な安定性でしょう。地震などの災害は多いものの、安定した政治体制を有し、欧米からも貿易相手国として頼が置かれています。パソコンのCPUで有名なインテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は「半導体供給網を米欧日でバランスよく分散できれば、不確実性のなかでも競争上有利に立てる」と述べています。もう1つは、国内の半導体製造装置、素材メーカーが優れた技術を持っていることです。東京エレクトロン、アドバンテスト、信越化学工業、JSR、イビデンなどが挙げられますが、日本メーカーの販売額の世界シェアは装置で3割、素材分野で4割に達します。 資源、人手不足、GXリーグ、半導体…。まさに時代を象徴するようなキーワード。
70投稿日: 2025.07.03
