
総合評価
(13件)| 4 | ||
| 7 | ||
| 2 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログkotoba特集から。氏のユニクロ著書を読んで以降、その利用を徹底して避けているような自分としては、本書も非常に興味深く読めたのでした。そして、他の著書も読みたくなったりして。でもそうなると、Amazon利用も避けなきゃいけなくなり、それはさすがにしんどいかも…とか思ったりして。本書では、スラップ訴訟への対応とかも経験談を交えつつしっかり書かれていて頼もしい。潜入取材、もっと増えると良いですね~。
0投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログYouTube の配信を観ているようなラジオで話を聴いているように分かり易いのですんなりと読めた。 著者は先日のフジテレビの長時間記者会見で、経営陣に感情的に突っ込んだ質問をした人ということもあり、顔も声も頭に思い浮かべられたというのもより勝手にだけど親近感を持てたからよかったかな。 使い方だが秘密録音は違法でないというのは勘違いしていたのが分かったし、潜入するのに離婚して再婚という方法も、そこまでやるのかと驚いた。 人として生まれてきて役割っていうのは割り当てられてるのかね。 ジャーナリストとしての心構えが分かり面白く読んだけど、今の生活とのギャップもあるし、年取って情熱を失いかけてるためか、気持ちが昂らなかったので再読はない。
0投稿日: 2025.09.06
powered by ブクログ終始正々堂々としてるのが面白かった 名前バレしてるからって再婚する話はたまげた 訴えられてもちゃんと勝てるという前提でファクトチェックするのは素晴らしいし、文春などの影響力の強いメディアはそうあって欲しい 文春は政治家や大企業への抑止力としての働きを期待してる
4投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログ潜入取材を行う上での実践的な手引きが書かれた本。実践的な手法以外にも、アマゾン倉庫潜入、ユニクロ潜入での記述は日本の劣悪な労働環境を考えさせられる。まるでスパイ小説を読んでいるようなスリルがあり、読み物としても十分に読み応えあり。これに関連して著者の潜入取材の関連本を読むのも楽しそうだ。国内でより多くの潜入記者が出てくることを願う。
0投稿日: 2025.01.28
powered by ブクログ著者の潜入取材のノウハウが詰まった1冊 名誉毀損裁判に勝利したそのノウハウはこの分野を目指す人にはとてもわかりやすい 何が真実なのかを自分の目で見極める力が必要である
0投稿日: 2025.01.26
powered by ブクログタイトルこそ「全手法」とハウツーもののようだが、中身は潜入記者である筆者の体験記である。既に筆者の著書を読んでいる場合は、どのようにして作品が出来上がったかを知ることができ、読んでいなかった場合は、筆者の努力と苦労を知った後でその作品を読むことができる。 筆者は、「記事」にするために最低賃金に近い給料で大変な仕事をしていたが、そもそも記者でもなくそんな仕事についている人は、この本を読んで自分の仕事を客観的に見る視点を育てることができる。それで自分を知ることができれば、本書は一種の自己啓発本にすらなるのではないか。 おそらく筆者の意図とは違うだろうが、仕事に向かう気持ちが少し変わり楽になる一冊だった。
1投稿日: 2025.01.08
powered by ブクログ知らない世界でもありましたが、一気読みしてしまうほど、面白かったです。 潜入取材、ルポできるほどの器はないですが、嘘をつかないこと、法律を知ることは必要だと思いました。
19投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログ「潜入」という冠はなくても、取材論として読ませる。 広告を読みたい人等、いないのだよ。ルポに関しては。
0投稿日: 2024.12.20
powered by ブクログおそらくほとんどの人が知らない潜入取材の世界を、おそらくほとんどの人が理解できるように解説してくれている。 一見全く関係ないが、パワハラやセクハラなど裏を取りたくなるシーンが日常にある人は読んでおいて損はないと思う。 Amazonの記録をいかにして取るか、著者や他の潜入取材のプロが行った試行錯誤の様子はジャーナリストとしてのプライドが垣間見えた。 この人の文章なら信じられる気もする。この気持ちを読者に持たせることは、潜入取材が一般的ではないと思われている環境では、かなり重要。 自分の周りにも「この人の言うことなら信じられる気がする」と思う人がいる。そして自分もそうなりたい。 どうして信じてくれないんだ、と悪態をつく前に著者のように、裏を取り、嘘をつかず、理解してもらえるように伝える、といった姿勢を一度思い浮かべることにしたい。
2投稿日: 2024.12.05
powered by ブクログ「潜入取材」の手法によって数々のノンフィクションを世に出してきた著者が、自分自身が「潜入取材」に着手するようになった来歴も含めて、あますところなく、その調査の手の内を詳らかにしてくれている本。 いかなる調査道具を用い、どのようなタイミングで、どのように記録を用いるのかといった、調査の具体を明らかにするだけでなく、なぜそのような調査道具・調査方法が選ばれた(選ばれざるを得なかった)のか、それを行うことの正当性はいかに説明しうるのか、といった点が記載されており、調査報道のための一つの取材手法として「潜入取材」という手法について考えていくことができる。
1投稿日: 2024.11.19
powered by ブクログ横田増生さんのバイタリティにはいつも敬意を表すとともに、今回は横田さんの文章の書き方や勉強方法についても詳細に記載があったので勉強になった。
0投稿日: 2024.11.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
潜入取材、全手法 調査、記録、ファクトチェック、執筆に訴訟対策まで 著者:横田増生 発行:2024年9月10日 角川新書(書き下ろし) *2024年10月31日読了 著者の「潜入もの」ノンフィクションは、『ユニクロ潜入一年』(文藝春秋)、『潜入ルポamazon帝国』(小学館)、『「トランプ信者』潜入一年』(小学館)の3冊を読んだ。著者は潜入が代名詞にもなっているが、いずれもよく売れた本ばかりで、本書にもそこで書かれた文章の引用がたくさん出てくる。潜入手法などもそれらの本に書かれたことが改めて出てくる。売れた本をおさらいするように新たな新書を書いてお金儲けかな、と思っていると、そうではない。後半からは、サブタイトルに書かれていることが具体的に結構細かく解説され、著者のノンフィクションライターとしてのノウハウが、結構おしみなく披露されている。 著者が子供時代からこれまでに読んで影響された本や、ノンフィクションを書くに際しての教科書的な本も具体的に推薦している。著者はジャーナリストになりたくてアメリカの大学院に留学しているが、その選び方も説明していて、なかなかに説得力がある内容だった。 なお、書き手としてちょっとしたこぼれ話も明かしている。これが面白い。例えば、著者は知り合いの本を買う時、できるだけ電子版を買うという。電子版は通常3ヶ月ごとに著者に印税が支払われ、印税率も25%前後と紙の10%に比べて高くなるから。わずかばかりでも書き手を応援できればという気持ちから。 *********** 潜入準備として、潜入先や関連問題などについて調べる。Amazonなら出版流通業界や労働問題について調べる必要がある。関連書籍で大枠をつかみ、新聞や雑誌記事を読んで最新事情を知る。決算情報を集めて経営状態を分析する。雑誌記事については、雑誌専門図書館である大宅壮一文庫を利用。現在は国会図書館でも大宅壮一文庫の検索機能が使える。(潜入で)下からの掬い上げる視線に、全体を植えから俯瞰する視線を加えることにより、重層的かつ多層的な読み物が出来上がる。 かつて宅配業界は「3年働けば家が建つ」と言われるほどの高給を誇ったが、今や大卒ドライバーの初年度年収は300万円台。しかも、1日平均で3時間のサービス残業。Amazonなどのネット通販の貨物が激増し、対応しきれない。 ●潜入ルポを書く上で大事にしている2点 ①書くことが目的であっても働くことに手を抜かない。たとえ時給1000円でも、一生懸命にやっているとおのずと見えてくるものがある。 ②嘘をつかないこと。例えば、遠い職場で働くことは不自然に思われるが、虚偽の住所をつかうことなく近辺にちゃんと住所を移す。偽りの履歴書が残ると私文書偽造などにも問われかねない。 メモをとる大切さ。Amazonは仕事に関してメモを取らないと叱責されるのでちょうど都合がよかった。メモには5W1Hに沿って記録を残す。読み返して場面が浮かぶようなメモ。できれば、天候や匂い、流れていたBGMや話し相手の服装なども書き留めておくといい。 「神は細部に宿る」。細かい事実の積み上げが潜入を含めたノンフィクションだとすると、細部を漏らさず記録に残すことがノンフィクションを書く作業の出発点。 潜入取材は企業の守秘義務契約に抵触するのか? アルバイトの採用条件に守秘義務項目があってサインした場合、会社の規則として罰することはできるかもしれないが、法律上の効力は極めて疑わしい。「ユニクロ潜入一年」を週刊文春に書いた際、最初の連載が出た週に就業規則で解雇された。しかし、懲戒解雇にはできず、諭旨退職扱いだった。これは雇用主が従業員を説得して雇用契約を終了させるもの。退職金や給与、賞与などは自主退職と同じ。ただし、諭旨退職もこのケースでは不当解雇ではという疑問が残る。著者はそれ以上の追及は諦めた。 安倍晋三元総理が「桜を見る会」疑惑で首相在任中に国会質疑にて行った虚偽答弁は100回以上に上ったが、トランプの(2020年選挙での)3万回を超える嘘の前ではかすんで見える。 白人至上主義のNPOに行って取材。白人至上主義だと伝わっているが、と質問すると、間違って伝わっていると嫌そうな顔をして立ち去りそうに。それなら写真を撮らせてくれというと、3人が肩を組んで、それぞれ片手でOKマークを作って写真に収まった。このOKマークこそ白人至上主義を表すサイン。指の形がホワイト・パワー(WP)の頭文字のように見え、トランプ自身もよく演説中に使うため、彼らの間での秘密尾合図とされている。語るに落ちた、という状態だった。 著者がアメリカ留学を考えた理由の一つが、吉田ルイ子著「ハーレムの熱い日々」を読んだこと。その中で、彼女は全米最高峰のコロンビア大学ジャーナリズム学部で学んでいたが、その厳しさたるや、日本人としては英語がうまくても、平均より数段優秀な語学力と文章力を持つエリートぞろいのアメリカ人たちと英語で勝負するのはとても勝ち目がない、と書いていた。そして、彼女は言葉の壁が低いフォトジャーナリズムへ。著者はアメリカの週刊誌が掲載していた大学ランキングから、ぎりぎりトップ10に入るぐらいの大学院を探し出し、願書を送った。合格通知が来たのは、アイオワ大学のジャーナリズム学部だった。 「APスタイル」とは、ニュース記事は、最も重要なことから先に書くというAP通信社のスタイル。それを教えてくれた元AP通信の教授で学んだことは・・・時代が20世紀に変わる頃、アメリカの社会体制に公儀し、改革の流れを作ろうとする書き手達が現れた。銀行融資や精神病院、鉄道会社の不正を声高に糾弾した彼らは、「醜聞暴露者(マックレーカー)」と呼ばれた。作家のアプトン・シンクレアがその代表。取材のために、食肉加工会社の内部に7週間入り込み、「ジャングル」という小説を書いた。その手法は潜入取材に通じる。日本の文学史なら小林多喜二の「蟹工船」に似ている。 アメリカ人が日本人について書く際、知らず知らずのうちに読み手であるアメリカ人が思い描くステレオタイプをなぞっている。日本人がアメリカ人を描写する際も同じ間違いを犯す。 サードパーティロジスティクス(3PL) 物流企業の新業態。例えば通販会社の物流業界の場合、従来なら、納品する物流業者、倉庫業務を担う業者、顧客への宅配を担う業者と、ばらばらに仕事を依頼する必要があった。分断されたサプライチェーン(供給網)は効率が悪い。それを一社の物流業者で丸ごと請け負うことで、通販企業の負担と出資を減らし、コスト削減の成果を分け合ってお互いの利益を高めようという仕組み。 著者が書いた「ユニクロ帝国の光と影」と週間文春の記事がユニクロから訴えられた。2億2千万円の損害賠償や本の回収と絶版、大手新聞各紙への謝罪広告掲載を要求する、いわゆるスラップ訴訟。訴えられたのは文藝春秋社のみで著者が対象ではない。具体的に名誉毀損にあたるとした記述は27ヵ所で、国内編9ヵ所、中国編18ヵ所。 書くことを生業とするつもりなら、匿名のSNSアカウントや、匿名の掲示板などで、暴言を吐かないようにすること。情報開示請求で発信者が特定されれば、SOSのつぶやきでも名誉毀損は成立する。公の場所で文章を書くということは、相当な責任が伴うのだ。 名誉毀損で訴えられ、その記事が真実だと証明する場合、裁判所は匿名の発言を真実だとは認めない。書き手は裁判において真実性を証明しなければならないが、同時にニュースソースを守ることも求められる。情報源の秘匿である。ジャーナリストの職業倫理に関わる重要な心得。 ジャーナリスト烏賀陽(うがや)弘道は、ジャーナリスト西岡研介との共著「俺たち訴えられました!」でスラップ裁判を次のように定義している。 資金や組織などの資源を持つ強者が、裁判という手段に訴えることで言論機関を威嚇することにより、不利益になる発言が広まるのを妨げる目的で起こす裁判を指す。 メールの記録や手書きのノート、写真などの映像、取材音源や重要な電話の音源もきっちり保存しておくことが、ジャーナリストとして身を守ることにつながる。スマホには電話の会話を録音して残す機能があるが、重要な電話には必ず簡単なメモをつける。膨大に残る音源から必要な記録だけを見つけ出そうとする無駄な時間を省くため。 即効薬に近い本 本多勝一「日本語の作文技術」 大野晋「日本語練習帳」(とくに「は」と「が」の使い分け) 清水義範「大人のための文章教室」 野口悠紀雄「「超」文章法」 著者は自分が「ディスレクシア」であることを、息子が生まれて育児雑誌を読んで初めて知った。ディスレクシアとは、文字が重なって見えたり、鏡文字で見えたりするのはまだ軽症で、重症になると文字全体がグニャグニャに曲がって見えたりするため、試験を受けたり契約書を読んだりすることさえ難しい。有名人では、坂本龍一やトム・クルーズ、トーマス・エジソンやレオナルド・ダヴィンチなど。 だから、校正をするために読み上げソフトを使う。それは時間のかかるプロセスになる。
1投稿日: 2024.10.31
powered by ブクログ面白い。とは言え潜入取材の手法を紹介したマニュアル的な内容ではなくて、著者のジャーナリストとしての足跡を辿るノンフィクション、回顧録と言ったものだった。特にユニクロとの戦いの振り返りが多くてこれを読んだだけでもユニクロやべえな、ってなる。とは言え確かにさまざまなノウハウや考え方が紹介されていて実践的でもあると思う。書くにはとにかく読め、ってのはとても共感できた。もしサラリーマンを辞めるようなことがあれば日銭を稼ぎながらどこかに潜入取材を行ってブルーオーシャンに飛び込んでみるのもいいな。
1投稿日: 2024.10.08
