
増補 日本霊異記の世界
三浦佑之/KADOKAWA
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総合評価
(3件)5.0
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powered by ブクログ第五講。今では買った生き物をそこらに放すことは禁止されているけど、飼えなくなったミドリガメを池に放っていた人には「放生」の意識があったんだろうか。 第七講。霊異記では、仏教の五つの戒律のうちの不飲酒を語られた痕跡がほとんどなく、飲酒を戒める話は出てこないとのこと。以前読んだ『破戒と男色の仏教史』でも日常的に飲酒していたようだから、日本ではそもそも不飲酒という戒律が軽視されているのかも。
1投稿日: 2025.10.18
powered by ブクログ昔も昔、あまりにも遠くて想像するのも難しいような時間かけて現代まで伝わる物語群。この書籍ではそれらから読み取れることを様々な観点から読み解いていく。不思議な要素はあれどどこか日常に根差したかのような雰囲気もあって不思議と当時の考え方を含めた日常生活というモノにも考えが及んでしまう奇妙さがある。 物語として分析することによって、昔話に似た、或いは源流となったような様相も浮き彫りとなり、昔話の普遍性について再認識させられる。普段耳慣れない古典と普遍さのギャップは時折滅多にない形の刺激にもなった。
0投稿日: 2025.03.03
powered by ブクログ日本最古の仏教説話集『日本霊異記』は、景戒という僧によって9世紀初頭に編纂された。収められた話の多くは、律令と仏教が日本列島に定着することによって大変貌を遂げようとする8世紀という時代を背景にもち、そのなかで生きる多彩な人びとの不思議な日常を姿を描いている。仏教を信じる人も、仏教を謗る人も、仏教なんて関係ないという人もいて、みな、時代のなかでたくましく必死で生きている。8世紀という時代と、平城京およびその周辺のごくふつうの生活を知りたいのなら、『日本霊異記』を読むのがいちばんいいのではないかと思う。その導入として、お勧めしたい一冊である。
0投稿日: 2024.08.14
