
総合評価
(24件)| 3 | ||
| 7 | ||
| 7 | ||
| 2 | ||
| 0 |
powered by ブクログピンと来なかった。ミニマリスト、という言葉に引き寄せられて読んだ。ミニマリストがテーマだからか、難しい言葉が並ぶ。 ミニマリストなのに思い出に執着しているのが、どことなく不気味。 物を減らすことに執着して周りが見えなくなっていたり、自分のやりたいことまで捨ててしまったり。私自身どちらかと言うとミニマリストだけど、これはやや言い過ぎでは、という気もする。 でもそのノンフィクションそうでフィクションな感じが小説の面白さなのかなとも思った。
0投稿日: 2025.11.21
powered by ブクログ主人公がミニマリストというフックに引っかかって本書を手に取ったが、物語自体はどことなくゆるい意味ありげな事象に満ちていて不思議な余韻があった。
10投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2025/09/20予約4 ミニマリスト的生き方は好き。引越が好きなので冒頭の主人公冴津のコンパクト軽量、引越対応、を重視するのはとてもわかるし、そうしている。でも食べ物をそのまま捨てるのは…と驚く。確かに無駄な肉が体に付く、それもミニマリスト的な考え方で言うと望ましくないので捨てる。物も執着する前に捨てる。行き過ぎると恋愛でも同じ状況になり、考え方も自分以外を下に見る。それを疑問に思わない冴津が恐ろしい。過去の悪事も後悔や反省でなく、あるがままに受け入れてる。ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)的に言えば満点だと思う。行く末も面白かったが冴津や、周りのミニマリストの話題が興味深く、同じようなことをみんな主張するなあ、と納得。 すべて捨てたい、究極は布2枚、だったのに見えないハードディスクに想い出を大量かつ無くならないよう念入りに保存していた、というのが一番伝えたいメッセージなのかな。 とても面白かった。
1投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あんまりピンと来なかった。ミニマリストがもっともお手軽に自分の人生を変えることができるような手段となる、というのはわかる。人間のわけのわからなさ、俗っぽさにまみれて意味不明な死に方するところが皮肉っぽいなと思った。というか、亡くなる時に読者としての私が全く心を動かされない主人公だったことが最大のメッセージなのかな。
0投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログこの本が、自分になにかしらの答えをくれるだろう、と僅かな期待から読み始めた。 無駄なものを削ぎ落としていったら最後に何が残るのか、と捨てに嵌った自分は、生活に必要な物はあるものの、心理的にはもう捨てるものは自分しか無い所まで来てしまった。自分が死んだ方が経済的にも地球環境的にもエコなのだ、との思いは、結局読後の今も拭い去れないままである。 とは言え、共感する箇所も多くまた読み返したいので、図書館で借りた本だけど自分でも買おうかなぁと思いつつ、また物を増やすのか…と。 あと、これは私の話だがこういう事はあるあるなのだろう。 子が出来て、予想外に家が散らかるという事に我慢ならなかった母は、全ての玩具を私の目の届かない所に仕舞い込んだ。そうすると私は何もしなくなったらしい。 何もしなければ怒られる事はないと幼少期に学習した私だが、今は一転、散らかった実家を片付けようと、そこらに積み重なった空箱や紙袋やビニール袋を捨てては母に怒られている。
0投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何事も行き過ぎるのは良くない 見える範囲が狭くなると言う意味では、主人公は行き過ぎつつもまだ周りが見えていた感じ 後半は思考はクリアなのに異常行動が止まらない感じが不気味だった ホラー映画のような、資本主義への問題提起のような にしても主人公の昔が悪すぎてちょっとキモかった
0投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログ主人公がミニマリストってだけで読み始めた。 自分もミニマリストだから、ミニマリストの主人公には感情移入できそうなもんなのに、予想以上に感情移入できない設定と性格の主人公だった。 純文学に登場する主人公の恋人は、大体主人公を振るイメージ。
0投稿日: 2025.08.16
powered by ブクログ本書にも登場する究極のミニマリストともなれば、刑務所のように何もない部屋で過ごしたり、バックパック一つでノマド的な暮らしをすることもできる。モノを捨てるのに特別な技術はいらない。しかし、自身が生きてきた証でもある他者との関係は捨てることはできない。「ノイズを捨てたがる自分の脳が駄目なのなら、脳のそういう判断を下す部分だけメスで切り取り、捨ててしまいたい。あるいは、いっそ肉体ごと焼却でもしてしまえば、捨てたい衝動は根源から綺麗に消える」と言った主人公。最後にそれが現実となる恐ろしい結末を迎えるのだ。私自身、思考のノイズが少なくて済むモノの少ない生活スタイルを好むが、本書では、どういう人として記憶されていたいですか、という問いを改めて突き付けられたように感じた。
0投稿日: 2025.06.15
powered by ブクログ物をなるべく持たないようにしたいと思いながら、資本主義特有の流行り廃りの早さに巻き込まれたり、商売によって他人には物を勧める自己矛盾に苦しむ姿に「行き過ぎた結果」を見た。しかし、同時に行き過ぎた、とはどういう状態なのだろうという疑問も湧いた。本人にとっては身の回りをすっきりさせるための正常なこととして物を捨てたり、売ったりするわけで、そこにおかしな点を見出すのは難しく思う。環境にやさしいと言いながらゴミを増やす矛盾や、思想とビジネスの矛盾は結果論だと捉えると問題の所在が一気に曖昧になる。本人の荒れた性格や、突然芸術に走る指向性には危うさを感じながらも、それすら「行き過ぎた結果」の連続だったというのなら、個人の問題に転嫁させているだけだ。事実、そう認識せざるを得ないほど罪を重ねてはいるのだが、個別の罪と、思想の矛盾それぞれの「行き過ぎ」を紐解かないと雑にその範疇に収めて無思考に陥ると思った。
0投稿日: 2025.05.22
powered by ブクログ絶妙にいそうな感じの主人公 情に流されず合理的な人ってこういう思考なんだろうなと思うけど、それでもふとした瞬間に矛盾を感じたり迷いも生じる 片付け自体は良いことなんだけど、捨てるという手段が目的になってしまっているし、強迫観念めいていて、何事も極端は良くないね 突き詰めれば趣味や人付き合いだって無駄なのだから、生きてるだけで無駄だらけだし、もはや私たちは無駄のために生きているのかもしれない
0投稿日: 2025.05.13
powered by ブクログワタシ自身、ミニマリストを標榜し実践している。他方、違和感もなくは無い。行き過ぎれば毒というか。ミニマリストの不幸を扱った本作はなかなか先が読めず分かりにくさがあったがら分かりやすさだけを求める風潮もいかがなものか。こういう視点があるのかと楽しめた一冊。
6投稿日: 2025.04.17
powered by ブクログミニマリストいいなって最近ちょっと思ってました。 生活のいろいろなノイズを消していきたい人がミニマリストだって学べました。 でもミニマリストは最終的に焼死するならやめとこうと思います。 ほどほどがいいのかもしれませんね。
0投稿日: 2025.01.16
powered by ブクログ本当に必要なもののために物を捨てて、大切なものに時間を使う。そんなミニマリスト、シンプリストの考え方に、正論をいっぱい積んだ2tトラックで突っ込む感覚でした。こいつらなんか違うよなっていう違和感を表現できるのがすごい。
1投稿日: 2025.01.07
powered by ブクログミニマリスト、断捨離。数十年前にブームになったこと。何度か挑戦したことを思い出した。断捨離に凝って、全て手放した。その断捨離の先生が、あなたの本棚は図書館です、と言う言葉を信じて持っていた漫画、本、絵本全部処分して、空っぽになった本棚も処分した。後に残ったものは空虚な心。私は本が大好きで、読めればいいと言うものではない、本自体が好きなんだってことがわかった。図書館の本は手元には残らないし。 その時に私はミニマリストにはならない、なりたくないと思った。 この本の中にこの生活を続けて、若いうちから寝たきり老人みたいなのっぺりした生活に近づこうとしているのか、とある。必要なものだけで、暮らすことは病院や刑務所など一時的にはいいかもしれないけれど、心が落ち着くのかどうかはわからないな。 スッキリしているのはいいけど、がらんとしてるのは好きじゃないな。
13投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログミニマリスト的生活を送る男性主人公と、同じライフスタイルや価値観を持った人たちとのコミュニケーションがリアルに描かれている。 ここ最近は「ミニマリスト」という言葉も定着し、異端児扱いされることも少なくなったように思う。 本書に出てくる人物のように、ミニマリスト的生活を突き詰めると直面する「ジレンマ」や「空虚さ」を疑似体験できる。 モノに溢れた実家に帰り入浴した際、小さい頃からそのままの古びた椅子を見て、「むしろ自分の方が消費文化に加担しているのではないか」とハッとするシーンがある。自分も同じような感覚を持ったことがあって、所有物がミニマムでも、トレンドを追っていると消費量は決して少なくはならない。むしろ、昭和世代の親の方が「地に足のついた」生活をしているのではないか、と思ったりする。 最後の展開は想定外で、若干の気味悪さもあったが、全体を通して著者の繊細かつややダークな文体が貫かれており、さすが芥川賞作家と感じさせられるユニークな一冊だった。
12投稿日: 2024.11.24
powered by ブクログ図書館にて。 物をつい増やしてしまう私には届かない夢だけれど、ミニマリストには憧れている。 そのミニマリストにもいろんなタイプがあることをこの本で初めて知った。 何となく、同じ神を信じていてもいろんな宗教があるような、腑に落ちる感じだった。 始め、主人公の過去の非道な行いは設定として必要なのかな?と疑問だった。 正直、普通の人がミニマリストになっていく小説を想像していたので、普通じゃない人がさらに極端な道を歩くのはあまり興味が持てない気がした。 読み終わった後も本当の作者の意図は分からなかったけれど、いらない、いらなくなったものを捨てていくのは凶暴さや残酷さをはらんでいる気がする。 ラストに向かって価値観が揺らいでいく不穏な感じ、急激な展開に違和感はあったけれど、今立っている場所がぐらぐらするような、結局この本を読んだ後私は部屋を片付けるのかこのままなのか、途方に暮れたまま放り出されたような読後感。 最後の風景がずっと頭のどっかに残るような読後感だった。
1投稿日: 2024.11.15
powered by ブクログ愛着が湧く前に捨てる。それが鉄則だ―。ライター業の傍ら、極力ものを持たない生活を発信する冴津。貰った物は家に帰ると捨て、家具や服は徹底的に減らし、無駄を削ぎ落すことを追求する日々。そんな「身軽生活」を体現する彼の前に現れた“かつての自分”を知る男。その出会いは記憶の暗部を呼び起こし、信じていた世界を徐々に崩壊させていく。(e-honより)
1投稿日: 2024.11.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「物を捨てまくる商売は順調ですか?」と書かれた帯が気になって。 以前、物をかなり手放した時に、段々減らす事そのものが快感になってるかもと感じ、物がなくなってきてるのに何かを整えたくて探し回っていた自分がちょっと怖くなった事があって興味がわいた。 減らしたい気持ちが強すぎると ▶物入りになる仕事や趣味は選択肢から外し、人生をかけて打ちこむほどではない新しい経験に手を出す。 ▶道具や時間をあまり費やさず身軽でいたいという精神は、なにかを真剣に行うことと、とても相性が悪い。 ちょっとわかるかも。だから「そんなに楽して何がしたいの?」がこころに効いた。 片づけは好きだけど、趣味の物が増える事もまた嬉しく思いながら、増えたり減らしたり両方を楽しみたいと思った。
1投稿日: 2024.11.05
powered by ブクログ数年前に交友関係の断捨離をした。望んでやったというよりは、必要に駆られてやったという方が正しい。本当に必要な存在は、人生の節々で偶然かつ必然的に現れるというし、単にタイミングが悪かっただけなのだと思うようにした。けれど時間が経って、色んなものが飲み込めるようになった頃、やっぱりなんとなく寂しく、虚しく、惨めな気持ちになった。理想やプライドすらも捨てることができたなら、どれだけ楽だろうと思うことがある。でもそれは生きていると言えるのだろうか。ただもう少し身軽だったなら、今より遠くまで行けたのかな。
3投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ話の筋はあってない様なものだと思う。カバーや帯には「不穏さ」とあるが、何かそら恐ろしさを感じる事が出来たら著者の意図に少しでも近付けたのではないか、と感じた。 本書からは逸れるが、自分は家族で住む家をワンルームや大空間にまとめ上げようとする考えにそら恐ろしさを感じてしまう。ベンサムのパプティコンの様に家族を監視下に置きたいという深層心理が滲み出ている様な感じがして。新たな家父(母)長制の一種ではないか、とすら思ってしまう。 喜久屋書店阿倍野店にて購入。
1投稿日: 2024.09.04
powered by ブクログミニマリストとして生きる人達のコミュニティを中心に話が進みます。元々ミニマリスト、特に極端にミニマリストとして生きる部屋に私は同意できなくて、昔とある人が「生きることを放棄した世捨て人のよう」と例えていたのが私の中でしっくりくるんですよね。 人が生きるために営む生活は雑多だし、人が生きるうえで必要な人間関係も雑多。雑多だから楽しく苦しく面倒で深い。 物理的にも精神的にも雑多な世界で、物を捨て、住処も最小限、人間関係も最小限にして行き着く先に何があるのか。 過去を含め自分と向き合うのではなく、捨てることを選んだ彼が矛盾に悩み、捨てたはずの過去に滅亡へと追い込まれたのかなと思う。 仏教での意味を知ってタイトルの意味を思う。
3投稿日: 2024.09.03
powered by ブクログなんか捨てることで自由になろうとしてるんだけど、結局縛られちゃってる感ハンパない。だいたいこんな人とは付き合わないな…と。
1投稿日: 2024.08.28
powered by ブクログ『滅私』の意味がわかった読了後は、力が抜けた感じがした。明るいミニマリストの話ではなかった。主人公の過去は、ちょっとひどすぎて辟易した。今の仲間の思い込みや、やりすぎな感じがわかるにつれて、すっきりした部屋で暮らすことの意味のはき違えを感じた。 主人公がオブジェを作り始めた辺りからは、私はあまり受けいれることができなかった。一見、よいことのように思えることでも、やりすぎはよくないと思う。無駄なことは本当は無駄ではないのかもしれない。
20投稿日: 2024.08.16
powered by ブクログ持たない暮らしを推奨するウェブサイトの運営などをしている30代前半のミニマリストの男が主人公。 ミニマルな生活の良さを説く小説かと思いきや、物語の中でどんどんミニマリズムの欠点や矛盾を炙り出していく。 確かに不用品を捨ててしまうと見せ場はもう終わる、コンテンツにあげることがなくなってしまうからミニマリストインフルエンサーたちはみんなグッズプロデュースをしたりするのか… 読み終わって自分の価値観や物を見る目がちょっと変わった気がした。
4投稿日: 2024.08.07
