
総合評価
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エッセイだけど、身を削って書いているというか、血肉を感じる文章だった。 久々に自分を削り取って書いてるエッセイを読んだなという印象。でも当事者にしか書けないリアルな心情描写やそこまで曝け出す?ってくらい率直な意見など、読んでいて心にくるものがあった。 一番心に残ったのは「優生思想」。心に残ったというか、まるで著者から鏡を突きつけられたような気持ちになった。あそこまで凡庸(著者の言葉を借りれば)ではないけれど、でも心の奥にはその凡庸さはあるなとまざまざと思い知らされたようだった。 こんなに魂削るような文章書いて大丈夫なんだろうか?と心配になるようなエッセイだった。
0投稿日: 2025.06.20
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すごい本を読んでしまったな。 これが一番最初の感想。 命懸けで書いてるんだろうなという著者の気迫や、その息遣いが聞こえてくるようである。 最も心に残ったのは「摂食障害」の章。 過食の様子や、翌朝の荒んだキッチンの光景が生々しく描かれている。 著者が過去にどんな経験をしたのか、またそれが著者にどんな影響を与えたのかは計り知れない。そんなに簡単に理解していい類のものでもないと思う。 しかし、著者が眺める光景を、そしてそれが著者を救っているという事実を通して、彼女が抱えているものの重さが、読者である我々にものしかかってくるように感じられた。 他にも、「友だち」の章で触れられていた性被害の話に関しては、ちょうど最近『恋とか愛とかやさしさなら』(一穂ミチ)を読んで色々と考えているところだった。 やはり、性犯罪とは本能的・衝動的なもので、それを犯した人の思考を理解することはできない。 でも、被害者側はそれを理解しようとしてしまう。そうでもしないと、自分が被害を受けたことに納得できないから。 そんなことを考えている折、本書で近しいようなことが書かれていてなるほどと理解が深まったし、同時に悲しくもなった。 「性被害というのは、ある日突然自分が信じていた世界のロジックが破壊されることだと思う。「こうすればこうなる」と当たり前に考えていた日常ご理不尽な暴力により破壊される。だから必死で壊れた世界のロジックを拾い集める。そうしなければ自分の力やコントロールの感覚の一切を失うことになるのだから。」(p.175) 正直、まだ咀嚼しきれていない部分もあるけれど、自分にとって存在感の大きな一冊であることは間違いない。
0投稿日: 2025.05.11
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読んでいて、ああ、わかる、と思って、思ったから、ああ、私も壊れ続ける人生なのかもしれない、と思ったり。私の病気は違うものだけど、病気に感謝なんかしたくない、というところには首がもげるほど頷いた。
0投稿日: 2024.11.28
powered by ブクログこなぜこの本を読もうと思ったのか、忘れてしまった。 世の中にこのような方がいることがわかった。 わからないことがわかった。 どこか、共感する気持ちもある。
0投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログエッセイでありドキュメンタリーでもあるのに、どこか散文ではなく詩を読んでいるように感じます。 著者の生き方・人生観がストレートにほとばしる表現。人によってはあざとく感じてしまう人もいるかも知れません。うまく言語化できないけれど、言葉の使い方がとても新鮮で格好いいです。
2投稿日: 2024.11.16
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麦茶の話が一番沁みた。 やかんでお湯を沸かしてつくった麦茶を、コップに注いで、コップが結露して、そんな何気ないことに人間らしさがある、その描写が秀逸だった。 自分の外見じゃなくて、中身を誰かに認めてもらいたい気持ちが痛いほどわかる。 こんなに素敵な作品が書けて、色々な人に認められてるのなら大丈夫なのにと思うけど、それでも満たされないのは、周りからの評価じゃなくて、きっと自分自身の問題で一生満たされないんだろうなと思う。 共感できすぎて読んでて辛かったけど、読了後は意外にも前向きな気持ちになれた気がする。 あと表紙がすごくかわいい。
1投稿日: 2024.09.10
powered by ブクログ【日常に暴力と障害があった私の“物語”】摂食障害&ウツ病を抱えながら、婚活に奮闘して手に入れた妻・母という肩書。でも、私は幸せじゃない。いったいなぜ――?
0投稿日: 2024.06.24
