
総合評価
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powered by ブクログどこでもない街と、誰でもないひと。 過去も現在も未来も同列につながり、夏というループの中に100年ぶん閉じ込められる。 そこでは、わたしたちを隔てている身体も、意識も関係なく自由に飛び回り、小学生にも、ポメラニアンにも、猫にもなれるし、「あなた」も思うことができる。 この本に一人称は、ない。 不思議な読み心地の本でした。 短歌と日記のような詩のような散文が交互にやってきて、ときおりイラストが挟まれ、夏のワンシーンをことばとイラストで彩る。 もしも、「街」が生きていて、ひとびとの記憶を見られるのだとしたら、こんな感じかな、と思った。 散文は「うたたね」=「歌(の)タネ」にもなっているようで、岡野さんが何にインスピレーションを受けて、出来事をどう短歌に料理しているのかが、垣間見ることができるような気がして、おもしろい。 短歌は後半にいくにつれて難解なものが多くなってるような。 なんでしょうね。自分の短歌に飽きたんでしょうかね。
48投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログ文章と絵をしみじみと味わえる一冊。 感想とはちょっとちがうけど、この本を手に取った時に、かなり行き詰まっていて、救われた一冊。
0投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログいいなと思った歌 精肉と鮮魚のあいだ姓と名を 区切る空白みたいな通路 →見慣れた違うもの同士を関連づける視点がおもしろい。 燃え殻を浮かべたままのプラバケツ ゆうべの声を水にとかして →散文がなくても手持ち花火のことだとわかったと思う。余韻がある。 大型の天使のような白い犬 小型のころの面影のまま →子犬のころだったら普通で読み流してしまうところ、小型と表現することでズレが生まれている。
1投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短歌と散文でサンドし合っている感じの本。散文は思い出なのか現在なのか空想なのかよく分からないというか、それらが混ざりあって特定を故意に避け続けるようなあいまいな文章で好みではなかった。「うたたね」だからそういう感じなんだろうか。「サイレンと犀」はいいなと思ったんだけど、この本は短歌も直感的にわかるものが少なくて句跨り?も多くてあまり刺さらないなと思った。 後ろ手に歩くんですね初めての星をなじみの近所みたいに この歌だけすごく気に入った。夏に一服の爽やかSF感。
1投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ2025.08 図書館 どこかの本屋で見つけて気になって図書館予約してたら忘れた頃に連絡 短歌と散文のセットで好きなタイプだ〜と思って読み始めたら意外と刺さらんくて拍子抜けした 情景が思い浮かぶようで浮かばない 7章 ライブハウス、は好きだった
1投稿日: 2025.04.19
powered by ブクログ散文と短歌が交互に現れ、短歌が生まれるきっかけや流れが感じられるような構成が素敵です。 広がりゆく情景、深まる想い。短歌集を読むことに慣れていない身には、気負いをするりと解き放してくれるようで、とても助かりました。
0投稿日: 2025.04.02
powered by ブクログ大好きな歌人さんのひとりで、表紙と一首目からやはり良い……と思ったんだけど一首目を超えてくる歌が個人的にはなく残念。全体を通してわかりやすい、伝わりやすい歌が少なかった印象。正直に言わせてもらうと、散文、いる?と思ってしまった。 夏という季節がありまして終わりをさびしがるものでした
8投稿日: 2025.01.27
powered by ブクログ岡野さん初の短歌&散文集。 タイトルが素敵だなーと手にする。 いつかの夏に思いを巡らす一冊。 それを表す素敵な文章を散文の中に見付けた。 「どこまでが自分の記憶でどこからが聞かされた話かわからないけれど、古い画像データの甘い解像度に一部始終が収められている。」 いいな、と思ったのは一番最初の歌。 「夏という季節がかつてありまして終わりをさびしがるものでした」 子供の頃は夏はやるべき事で溢れていて、友達との遊び、家族旅行、ラジオ体操、プール、花火、お祭り、宿題……なのにいつの間にか蜩が鳴くようになって、キラキラ輝いていた夏は次第に遠く過ぎ去ってしまう。 子供ながらに蜩のカナカナカナ…って鳴き声はどこか心許なく、夏の終わりの始まりみたいで寂しかったっけ。 でも今の夏はだいぶ違う。 暑くて暑くて暑くて、乗り越えるのに必死。 自分が年齢を重ねたせいもあるけれど、「夏という季節がかつてありまして」の表現には大いに共感したし、その言葉を掴んだ岡野さんに心震えた。 が!! それ以降、あまり今の自分には添わない歌と散文が並んでいた。 心に添わない歌が多くて……う~ん。 散文までも読みづらく感じたのは、句読点の打ち方が自分の読むリズムと違ったからかしら。 以前読んだ『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』や、そこここでお見かけした岡野さんの短歌とも、なんだかイメージが違うように感じた。 ちょっぴり残念な感じ。
23投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログなんとなくフィーリングで手に取って、フィーリングで鑑賞。短歌と、短歌っぽいけどなんか違う不思議なレイアウトの文章と、エッセイと詩の中間みたいな文章。 読んだ後に確認したら、短歌と、短歌のネタと、散文という扱いだったみたい。
6投稿日: 2024.10.19
powered by ブクログ全然わからない。 何が書いてあるのか。 何を詠んでいるのか。 岡野大嗣さんって、もっとわかりやすい歌を詠まれていた気がするのだけど。 とても不思議な世界観の本。 既定の型にはまらない作品集。 タイトルからして不思議です。 「うたたねの地図」~百年の夏休み 散文も、詩でもないし、エッセイでもないし、小説でもない。 何なんだろう、これは…。 一番初めに載っていた歌だけはキャッチコピーのようにわかりやすいのですが、あとは全然わかりません。 一番最初の歌と、わからないけどいいと思ったものをいくつか載せます。 <夏という季節がかつてありまして終わりをさびしがるものでした> <すこし寝たらすっきりとした頭だけつれて花屋へ出かけられたら> <再放送のアニメの色がおかしくてラジオは四時をお知らせしない> <金貨より高くなる日にわたしたちカートいっぱい野菜を乗せて> <スーパーを寒がるうなじと巡り会うここにはまだ無い季節の果てに> <Tシャツのパジャマでごみを出しに行くキャンプのにおいのする雨上がり> <水ヨーヨー落としてとまらない涙 星じゃあるまいしの勢いで> <建物の寝息のはなし 雨音にかき消されない程度の声で> <日傘には時差の雫がついていて乗車の前にきちんと払う> <デパートを街角みたいにゆく午後のパフェのりんごのみみの明るさ> <回り続けるペン sinceを付けるにはまだ日が浅いカフェの窓辺で> <ひらがなの背表紙つづくここでならひみつのひとつふたつくらいは> <この街でいちばん軽い本を買うパンの袋に明るく入れる> <AMは風 FMは水の音 ラジオ勤めの鳩が言うには> <美術館の順路のようにゆく路地の 音符になって降る雨粒の> <部屋に差す光が減って部屋に差す光が部屋を満たしはじめる> <大型の天使のような白い犬 小型のころの面影のまま>
114投稿日: 2024.09.14
powered by ブクログ表紙やイラストが夏らしくてとてもかわいい。 今回は短歌だけでなく、短歌のタネと散文も収録されていて、岡野さんの感性に新しい形で触れられるのがよかった。 特に短歌のタネは、レイアウトも工夫されていて、見てよしよんでよしでした! 去年に引き続き、今年の夏も暑すぎるくらいに暑くて殺人的だけれど、短歌にうたわれている夏は、どことなく懐かしくて優しい色合いの夏だなぁと思いながらよんだ。 夏休みというイベントがもうずっと過去のできごとだからかもしれない。あの夏の記憶をなぞるような短歌が好きになりました。
27投稿日: 2024.08.10
powered by ブクログ感想 昨日も見たけど何か違う。一昨日もその前も同じだったのに。1日として同じ気持ちの日はない。だから今日の景色も違う。明日はどうなるのかな。
3投稿日: 2024.08.03
powered by ブクログこの本を片手にどこか知らない街へと旅に出たい。知らない路地を曲がり知らないカフェで休み、何てことはない公園のベンチで本を読んでいるうちにまどろんでくる……そこは〈夏のとある街〉へとレイヤーが重なるように情景を変えて滲んで溶けてゆく。 エモいという言葉もこの作品を表現しているとすれば好きになれそうな気がします。 特別なことは何もない。光や風に季節を感じて、今日という一日との出会いを大切にする。自分では見つけられなかったものを教えてくれる地図でした。 散文とたね(短歌が出来上がる前のメモ)からどんな短歌が生まれるのか、今までにない作品構成にわくわくしました。
10投稿日: 2024.07.25
