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ルポ スマホ育児が子どもを壊す
ルポ スマホ育児が子どもを壊す
石井光太/新潮社
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総合評価

48件)
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    スマホが原因で、こうなったから、こうするといい みたいなことがわかりやすく書かれているものかと思って読み始めたが 期待とは違った。 今乳児を育てていて、なるべくスマホを遠ざけた育児をしたいと思っていたため 特にI部はタメになる部分もあり良かった。

    0
    投稿日: 2025.10.05
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    数十年前より圧倒的に便利で密度の高い時代。人の方はその進化についていけているのだろうか? これだけ世の中にデジタル機器が溢れても人の働き方、時間はさほど変わらない。 課題や問題が片付いたと言う話もとんと聞かない。常に成長と発展を求められ、休むのは墓の中でと言う考えは今はあまり表には出ていないかもしれないが、どこかで改めていかなければならないのではないだろうか。とにかく人生にも心にも余白が必要だと本書を読んで強く感じた。

    0
    投稿日: 2025.10.04
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    読了。ゲームやSNSが身近にある日常で、遊び方やコミュニケーションの仕方がわからなくなってきている。発達障害の有無に関わらず、今の子どもたちはみんなこうなのだろうか?発達の凸凹がある子に対してのSSTだけでなく、今の子どもたちみんなに関わり方を教える必要があるのか…

    8
    投稿日: 2025.09.27
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    情報通信や家族観など、刻一刻と変化する世の中で子育てがどれほど困難になっているのかを「スマホ」を中心に書かれていた。 1歳の子どもがいるため、II部までしか読んでいないが、自分自身子どもとの時間の過ごし方に真剣に向き合おうと思った。

    0
    投稿日: 2025.09.15
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    本に記載のある事象すべてが、スマホ起因かはよく分からなかったが、スマホが出てきた昨今で子どもの特性が変わってきていることは理解できた。 どう育てるべきかを記載した教育書ではないけど、この本で自分がどういう育て方をしたいかのヒントにはできた。

    0
    投稿日: 2025.09.11
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    多少センセーショナルに書かれ過ぎに感じるエピソードもありますが、心当たりがある事象もいくつもあるし、本書に書かれていることを真摯に受け止めて今後のさらなる変化に対応していけたら。スマホ育児が及ぼす影響の研究は国を挙げて取り組むべき。

    0
    投稿日: 2025.07.31
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    表示が印象的で、職業柄すぐに手にして頷きながら読みました。実際にあった出来事たちが書かれていて、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校とそれぞれの年代で起きていることを記録しているので、読みやすいです。 そんなことになってるの?!と驚愕することだらけです。 「先生」達の証言を読み、大人は未来を見直して欲しい1冊だと思う。

    0
    投稿日: 2025.07.08
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    最近の子供エピソードとしては面白かったが、少ない現地インタビューによって、「最近の子供はこうだ」と包括的に説明している部分が気になった。 全体的に「昔はよかった」スタンスの文章のため、現代の子供達の全否定のみで、読んでて途中で気が悪くなった。

    1
    投稿日: 2025.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    乳幼児だけではなく、小学生、中学生、高校生まで取材していたので少し焦点が読む人に定まらない。  乳幼児だけに絞ってもっと取材していたら、読みでがあったろうと思うし、その乳幼児を数年間取材することで、子どもがどのようにスマホとの付き合いを変えていくかについて明らかになったのだと思う。ジャーナリストとしてはいろいろなところに取材してそれをまとめるという作業がひつようなのは分かるが、もっとタイトル通りのスマホ育児について読みたかった。

    0
    投稿日: 2025.05.05
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    20歳すぎたばかりだし、子どもの頃の周りの様子をはっきり覚えているわけではないけれど、現在児童クラブアルバイトのわたしがこの本を読んで↓ ・この本に出てくる‘遊び方がわからない’まではいかなくとも、1人遊びをする子が多い ・何人かで固まっていてもそれぞれ1人で遊んでたりする ・低学年女子、ごっこ遊びを全然やらない ・他の子が話してるところに被せて「自分のこと」についてたくさん話す この辺りは本で紹介される様子に似たものかなと思った。 自分がもし子供を育てるなら、人対人の関わりを大事にする環境に身を置きたいと思う。 けど、周りの子がスマホ育児で育ってきたら自分の子がはみ出し者として扱われるのでは?とも思うから難しい問題だなと思った。

    2
    投稿日: 2025.04.15
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    ★★★ 今月6冊目 ルポ。幼稚園から高校まで分けて解説。 我々世代と確実に人間が変わってる現代。 ほんとに思う、YouTubeのショート動画は確実に馬鹿になる。浅はかな知識で広く。 まず本を読まない。 本を読め、YouTubeより確実に頭に入るから

    1
    投稿日: 2025.03.29
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    図書館にて。 ずっと読みたいと思っていた1冊。 怖い、怖すぎる…。 今の子供のネット上の情報は、私達親世代の比ではない影響力や浸透度があるのだろう。 YouTubeで見た動画の話ばかりする娘を見ていてもそう思う。 だからなおさら、情報源がそれだけにならないように対話を増やしていかなければと思う。 これから思春期をむかえて対話が減ったとしても、知識の幅が持てるようネットやスマホ以外の世界を頑張って提供したいと思う。 対抗するの、難しいな…。

    0
    投稿日: 2025.03.23
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    保育園、小学校、中学校、高校、とそれぞれの区分で先生などから丁寧に聞き取った現状をデータを交えつつ提示してくれる「子どもたちの今」 肌感覚として私が感じてるものと近くて子育てしている身として苦い気持ちになったりしつつ読み進めました。 まずは保育園の章。 はいはいしない子どもが増えてる(家が狭い、散らかっててスペースがない)ことにより体幹の弱い子が多いとの記述にドキりとした。 子どもが騒ぐことに敏感な社会だから、子どもが静かになるスマホは確かに便利。記載のとおり、イクメンと言われる男性でも実状はスマホ頼りの育児になっている人もいる。 うちも夫が積極的に動画を見せている。私だって家事の間に動画を見ていてくれると助かる。 でもそういったことの積み重ねが、子どもに動画のない生活に戻ることの難しさを植え付けているのも事実だと思う。そしてその影響は大きいのだと思う。 それから育児をして初めて知った、例えば「赤ちゃんの入浴後には白湯を飲ます」といった親世代では常識だったことが今では否定されている、ということがあまりに多く、ネットの情報を探す日々は私の親世代の子育てとで出しから大きく違う。 親世代の話す「家の前で子どもたちを遊ばせてる間に母親同士お喋りしてた」なんて日々は今後もこないだろうけど、そういった子ども同士の関わりが子どもにとってすごく重要だったんだろうと本書を読んでいて思う。 小学生以降の章を見ても、コミュニケーション能力の低下からくるエピソードはどれも現実的で、スマホだけに留まらず私が育った頃と社会があまりにも違いすぎて、そしてその変化が速すぎて、親子も教育機関もまるでついていけてない現状が色濃く感じられた。 スマホがない時代には戻れない中でのスマホ(SNS)との付き合い方は親子だけの問題じゃないからこそ今後どうしていくのがよいのか考えあぐねてしまう。 格差も広がっていく一方なんだろうな、という感想は本書を読んでも強まった。 ミクロでは自分の子どもが未来に希望が持てるような子育てとはどんなものか考えさせられたし、マクロでは大人としてこの社会で何をしていくことが子どもたちの明るい未来に繋がるのだろうかと考えさせられた。 コロナを経た現在の子どもたちの様子をとてもよく表している良書だと思いました。 確かにヘルメットや流動食等は私の周りでは見ない。けれど、こんな、オーバーでしょ、と笑えないくらい私の生きてる世界と地続きだなと感じるのでした。

    11
    投稿日: 2025.03.09
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    スマホによる弊害とは言い切れない部分も多々あること、全国的にもかなり極端な事例を集めていることを加味しても、かなりショッキングな現代社会の教育現場がまとめられている。 個人的にも思い当たる節があることも多く、現状でこれなら将来的にどうなってしまうのだろうかと思う。著者もこの現状に対し、具体的な解決策や提言があるわけではない。取材を通して見えてきた現代の一面を見せてくれた本である。 1番印象に残ったのは保育園・幼稚園での事例で、ヘッドガードをする子ども、床に座れない子ども、流動食を食べる子どもたちは信じられないと思いながら読んだ。 その子達が小学校に上がり、中学生になり、高校生になり社会に出てくる。その結果、どのようなことが起こるのか。本書ではその様子も取材されている。 子どもたちと関わるあらゆる職に就く人、親たちにはぜひ読んでほしい。

    0
    投稿日: 2025.02.27
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    現代の子どもの課題や問題点が挙げられていた が だからどうって言うことはなく解決策がないため親である自分が読むとただただ子どもの将来が不安になる本だった..

    1
    投稿日: 2025.02.16
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    保育者が日々のいろいろを考える時によんで欲しい本 教育・保育論集で図書館が紹介した本です。 ーーーーーーーーーーー 宮代キャンパス 配架場所コード4F:書架 分類記号:371.45 著者記号:I ーーーーーーーーーーー

    0
    投稿日: 2025.02.12
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    この手のルポ本らしく、特徴的なN数少ない事例を取り上げてるように感じてしまう。ただ、首都圏を中心とする小学生が中学受験割合が増えることで、受験組と非受験組の構図が生まれるのは構造上そうだろうと思うので、やけにリアルに感じられた。

    0
    投稿日: 2025.02.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ゲームで感覚麻痺に陥って、小さな刺激では物足りなくなる、自然との触れ合いや友達との遊びの中での小さな感動がかんじられなくなるという記述は、危機感を感じた。 イクメンの形骸化=とりあえず静かにさせるのが育児と思い、夫の方が妻よりスマホを子どもに見せる時間が長いそう。なるほどなと。 また、現代の小学生の現状が良くわかった。 ●友達の家に行かなかったりして、友達の一面しか見る機会がない。一面だけで判断して、全人格を決めつける、そしてマイナスの面を見つけて徹底的に叩く。 ●自由な遊びが減って、運動能力の総合的な力が育っていない。 ●ほめられて育っているので、先生からもほめられたい子が増えている ●あらゆることが思い通りになると思っていて、友達や先生が期待に応えてくれないと、「裏切られた」と考え、感情爆発する→低学年の暴力行為増加 ●雑多な人間関係に身を置いていないので、相手の気持ちを考えるとか言葉を選ぶことができない。はい、論破ーとか、雑魚でしょとか驚くくらい冷たい言い方をする。相手がどれくらい傷付くかを考える力がない→マウント合戦がどんどん攻撃性が強いものになる 子ども達が多様な社会で生きていくのに必要な力を育めないまま大きくなれば、大量のネット上の情報に翻弄され、コスパやタイパばかりを重視し、傷つかない様に、自分を守るのに必至になる。格差の下層に生きる子どもほど顕著。諸問題はこうしたことの結果として起きているそう。 まとめとして、「大人が、現実を認める必要がある。 現代社会に欠けているものを正確に見極め、意図的にそれを提供する機会を作り、自立した大人になるために必要な「総合的な力」を育ませることが大切。」と。 現代社会の現実を知ったうえで、どうするのか、人として生きていくために大切なことは何かを改めて認識し、子育てする上での参考にしていきたいと思った。 とても興味深く読めた。

    1
    投稿日: 2025.01.09
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    スマホ育児はもちろん、幅広く教育問題を扱っている本でした。 "令和の教育問題"という副題をつけてもいいかもしれない。 これ、実際にどれくらい起きてるの?と感じた事例が多々ありますがp263,264で、深く考えさせられました。 オススメです!

    0
    投稿日: 2025.01.08
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    スマホ育児や子供たちのスクリーンタイムの長さが、対人コミュニケーションを困難にする。 SNSを禁止したオーストラリアは決して行き過ぎの政策を打ち立てたわけではない。

    0
    投稿日: 2024.12.31
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    私たちは、もはやスマホと共存して生きていくしか道がない。 それならば、可能な限りスマホを使用することによって起きる功罪を、知る努力をしなければいけない、と思い手に取った本書。 教育の現場は、想像以上に大変な事態になっているようで、これでは教師のなりてが減るのも納得。 親の立場から、何とか先生たちの力になりたいとは思うものの、我が子のスマホ使用にさえ、適切な指導ができていないのが現状。「スマホみすぎじゃないの?」「自分で時間を決めて使ってね」子供の自主性に任せた、具体性のかける日々の声かけが空しくひびく。 しかし、エピローグではデジタルネイティブの若者に対し、大人たちが、社会が、今後どのように接していくのがよいのか、示唆が与えられている。私たちは溢れる情報の中もがきながら、子どもたちに寄り添い、希望を見いだしていかなくてはならないのだ。

    1
    投稿日: 2024.12.31
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    保育園幼稚園編・小学編・中学編・高校編と4つに分けてあるので年齢に合わせてスマホによる育児の問題をわかりやすく構成されています。 保育園幼稚園編では、親御さんがデジタルに頼る世代となり、今後の子育ての在り方に提唱しています。 小学編では、良かれと思った教育や子育ての親の過干渉問題。あと街の暴走族は減っているのに校内暴力は増えているのは知りませんでした。 中学編では、子どもが当たり前にスマホを持ち、新型いじめ問題。 高校編では、子どもが高い目標を持たない受験、高望みしない安くてもほどほど稼げるバイトなど、頑張らない子どもたち。あとビックリしたのがセフレだけでなく、ソフレ、ハフレ、ビリフレ、カモフレなど用途によって違う恋人関係。 タイトルでは子どもにスマホは悪であるかのようなイメージでしたが、それだけではなく時代の変化に合わせて、社会全体的に子育ての在り方も変えていきたいという思いが強かったと思います。 しかし、この本を選んで読んでいる人は、ある程度スマホ育児に問題あることをわかっている人だと思うので、わたしも含め、ほとんど知っている内容だったかなと思います。 それでもスマホ無しでは日常生活をおくることは今更出来ないので、スマホがあってもより良い子育てをどのようにしていけば良いのかがポイントなのかなぁと思いました。

    6
    投稿日: 2024.12.30
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    この本で紹介されている事例がどこまで、一般的なものなのかは分かりませんが、実際に実在する事例だということに驚きました。 最後の方にも書かれていますが、私たちの生活を便利にしてくれるはずのデジタルツールが、結果的に私たちの自由を奪ったり、デジタルツールに振り回されたり、豊かな生活とは逆方向に進んでしまっていることに、改めて気付かされました。 もはや、スマホなしでは生きていけない時代ですので、スマホとうまく付き合いながら、子どもと普段から話をし、色々な場所に連れ出して、自然やスポーツ等、一緒に楽しみたいと思いました。 また、私自身のスクリータイムは可能な限り減らそうと思います!

    0
    投稿日: 2024.12.29
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    今時の育児はこんな事もあるのか?と ビックリしました。 ただ スマホだけが 育児子育てに悪影響を与えているとは 書かれておらず、タイトルは内容の一部と思われました。 しかし 何もなかった時代に育った私たちにはわからない 現代の子供達の苦労も読めましたので ある意味 便利な世の中になったけど 可哀想と思ってしまいました。 とは言え この本の中の やる気のない子供たちは お店や遊具施設などで 大騒ぎしている子たちより 大人にとってみたら良い子に思えますね。 どちらが 良いか悩みますが やはり 子供はある程度の年齢までは 元気に走り回って欲しいものですね。

    9
    投稿日: 2024.12.22
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     0歳から思春期まで、スマホやネット、SNSの影響をモロに受けている子ども、若者が、どういう思考をするのか、心身にどういう特徴が見られるのかという事例を、保育園・幼稚園、小学校、中学校、高校という4つの段階で、それぞれ学校の教員から聞き取ったもの。総じて「ネット上の大量の情報に翻弄され、コスパやタイパばかりを重視し、傷つかないように自分を守るのに必死になる」(p.262)様子が鮮明に描かれている。  今の中高生なんかは、まだ親が昭和だしこの著者と同じくらいの歳だろうから、子どもの言動は理解できなくてもまだ親の共感が得られそうだけど、確かに保育園とか幼稚園のレベルだと、下手すると親自体がデジタル・ネイティブ、ということがあるだろうから、そういう親がスマホを駆使して育てた子どもって、どんな感じなんだろ、それこそ「こわっ」って言いたくなる。「スマホやタブレットでネットを閲覧するようになる年齢」(p.51)は統計によると「利用率が58.8%と半数を超えるのは2歳」(同)だそうだ。本当怖い。2歳なんか文字も読めないんじゃないの、とか思うけど。  あと、気になったところのメモ。「現在の科学では母性の存在は否定されている。代わりにあるといわれているのが、『親性脳』と呼ばれるもの」(p.60)だって。親性脳なんて言葉初めて聞いた。でも実質母性と意味するところは一緒なんじゃないのと思うけど。男にもそういう素質があるからということで名前が変わった、ということではなく?と思った。あと驚いたデータは、小1〜3で、放課後「校内の学童へ3分の1、多いところでは半数以上の子どもが流れていく。」(p.79)らしい。そんなに?確かにこれは自分の想像とは全然違う、と思った。あと、最近『体験格差』という新書で読んだ内容もこの本に書いてあるが、さらに加えて「運動ができる子と、そうでない子の差がかなり開いている」(p.90)と分析されていて、『体験格差』のブクログの感想の最後でも書いたけど、やっぱり体験させる意識高い親と、色んな事情で体験させてあげらない親の子どもとの格差、二極化の問題、というのもあると思う。あと、おれ中高の教員なのにちょっと意外だったデータは、中学の運動部の部員数の1位がバスケ、2位がテニス、3位卓球、だそうだ。へえ。バスケ1位なんだ。なんか理由あんのかな?また、どこかの本にも、多様性と寛容性の吐き違いの話が書いてあった気がするけど、この本では「冷たい多様性」(p.173)、「みんなちがって、みんなどうでいい」(p.175)と表現されていて、しっくり来る。次にまたびっくりするデータは、「女子中高生の99%に推しがおり」(p.223)って、そんなに推すものがあんのか、って感じだった。てか誰か推さないといけないのね、って感じ。  それからおれの教員生活の中で、思いあたったところのメモ(しかも最近)としては、クラスメイトの「一面だけで判断して、全人格を決めつける。そしてマイナスの面だけ見て徹底的に叩く。だから、子どもの方も学校では猫を被るなどして、できるだけいい面だけを見せようと必死になる」(p.85)という部分。特に「マイナスの面だけ見て徹底的に叩く」というのは、一部の生徒にはあるかも。なんでそんなに自分を優位に立たせてマウントを取るのか、と思うけど。「猫を被る」ということも含めて、要するに「自分を守る」ことを考えるのか。という意味では、大人もコンプライアンス、ハラスメントの時代に生きて、自分を守ることに必死だから、それを子どもが写しているだけなのか、という感じもする。何かを注意したら延々と言い訳やら批判をネット口調でやる生徒、というのに何人か出会ったことがあるが、この本で書かれている「どうして子どもたちはさっさと罪を認めようとしないのか。」(p.188)の状況と一緒だなと思った。ちなみに「彼らは悪いことをしたと指摘されるのに慣れていないのでしょう。だから、ちょっと注意されると、必死になって自分を守ろうとする。それでああだこうだ言い訳するだけでなく、友人を犠牲にしてでも、自分のことだけは守ろうとするのです。」(pp.188-9)と、この先生は述べている。友人を犠牲、というか周囲を攻撃しつつ自分を守る、という感じ、というのがおれの感想。あと別のところで、「大丈夫です」とおれも言われたことあるが、「彼らにとってのそれは、『平気です』『問題ありません』という意味ではなく、『今の私にかかわらないで!』の意味」(p.197)、というのが、なるほど、という感じで納得。「大丈夫です」と冷たく言われて、なんかあの取りつく島のない感じ、ってつまり言語化するとこういうことなのね、って感じだった。  ということで、これを読んで、なんかこの先の教育現場が怖くて仕方ない、って感じだった。これ読んだら教員志望者はさらに減るだろうなあ、とか思って、なんか著者は「私たちはその選択を迫られているのである」(p.264)という警鐘を鳴らす一言で締めくくっているが、そんなこと言われてもなあ、恐ろしいなあ、という感想で終わった。(24/12/02)

    3
    投稿日: 2024.12.02
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    現代の子どもたちの現状を園や学校現場にいる先生たちの声を中心に紹介した本。かなり衝撃的だけどこれを読んで最近の子どもの様子に驚いで終わるのではなく、大人として何が出来るのかを考えないといけない。

    0
    投稿日: 2024.11.23
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    配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01434281

    0
    投稿日: 2024.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現代の子どもの様子が書かれていて、興味深く読んだ。 特に小学生で「褒められる中毒」の子がいるという事にびっくりした。親や大人から褒められすぎて常に誰かに褒めてもらおうとする。親はその時々で子どもにとって何が最良の対応かを考え接していくべき。 小学校低学年の普段はおとなしい子が何でも自分にとって都合の良いことをしてくれると思っていて、そうでない事があると、一方的に怒りをぶつけ校内暴力になる。ここ数年で増えている。これも親の過剰な甘やかしが影響しているそうだ。

    9
    投稿日: 2024.11.07
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    本当にこういう学校社会になっているのかと想像するだけで、怖いし悲しい。大人の都合で、子どもたちをそうしてしまっているのわかってるけど、だからどうしたらいいのか。私はスマホ依存にはなってないけど、ないと困る。害にならず有効に使える方法の伝授やルールが必要?今からでも間に合うのかな、、、。なんとかしなきゃ。 私の学生生活が今じゃなくてよかったと思ってしまう。

    0
    投稿日: 2024.11.01
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    スマホは便利だ。しかし、この本を読み終えた今、便利は危険を生み出すものものでもあると感じた。著者の最後の一言にあるように、時代と社会の大きな転換期であり、まさに私たちはその選択を迫られているのだろう。

    2
    投稿日: 2024.10.31
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    まさに知りたいことドンピシャの内容でした。スマホの登場が子どもたちに与える影響。大人たちも影響受けてるんだから、そらこうなるわな。

    1
    投稿日: 2024.10.31
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     子どものスマホ常用×コロナ禍=コミュ力低下。そりゃそうだろうなというぼんやりした危機感に、現場の教育者の声をこれでもかというほど集めて必死に警鐘を鳴らす一冊、さすが石井光太さんです。コミュニケーション能力低下は私も小学校現場でひしひし感じる毎日だけど、感情表出のグラデーションのなさや自己肯定感の低さ(指摘されるのに不慣れ)意欲の低さは本当にそうで、わかってるよ、わかったよ、だからどうしたらいいのか解決策の方を書いてよと思いながら読みましたがまぁそれがわかってたらこの本はいらないんだよな。筆者の言うとおりこの危機的な例がすべてではないし、でも現実の一端ではあるし、彼らにしかない能力や可能性や光があるのは私も共感するし、でもこのままでいいとは思えないよね。子どもたち、傷ついてるし。その傷、回避できる道があるんだけどなぁとわかりながら手をこまねくのは大人もつらいので、私は大人として今日もちまちま手立てを探しては働きかけるのだと思います。危機感もってる大人みんなで頑張ろうぜと、石井光太にまた背中を押してもらった。

    2
    投稿日: 2024.10.23
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    とても興味深かった 現代の子供達の闇 皆が皆そうではないとは思うが読んでいくうちに恐怖をおぼえた 情報過多なこの世の中 大人である私達も忙しすぎる 育児もそんな難しく考えず もっと動物的な肌と肌の触れ合いという部分から大切にしていけばうまくいくのではないか ただそういう時間もなかなか取れないこの社会状況 自分のことだけで皆必死 便利な世の中にはなったが大事なものをなくしていってるんだなぁとつくづく感じた

    1
    投稿日: 2024.10.18
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    我が家の子供達にも当てはまることが多すぎて、うちの子たちだけがおかしいというよりは、世の中的に同じような傾向があるのだなと思った。全く知らない、実感がない、というよりも、何となく感じていたことを事例として補強してもらったようなかんじ。 解決の道を示す内容ではないので、そういう意味では救いはない。いま子どもたちに起きていることを知る、という意味では有用だと思う。 ただし、この内容だと「スマホ育児」というタイトルのワードはミスリードを誘うと思う。書店で手に取って目次を見たから違うなとわかったけど、タイトルだけだと「近頃の親はスマホばかり見せていてけしからん!」という本なのかと思ったので。

    1
    投稿日: 2024.10.14
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    本当?と思うところは多々あるものの、納得しながら読めた。 学び 睡眠アプリはそれがないと眠れなくなる 他責思考の蔓延 教室のアツにやられる 上を目指さない

    2
    投稿日: 2024.10.13
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    スマホ育児による弊害について全体を通じて記載があるわけではなく、様々な要因で子ども達の成長に影響が出ていることがわかる。乳児から大学生まで各世代でどのような問題が起きているかが章立てされているが、特に児童、生徒、学生の問題は大人にも通じる点が多く、「子どもの問題」と明確に区切りすぎなのではという印象もあった(例えばゲームのやり過ぎによる寝不足や、リアルなやり取りが希薄になりコミュニケーション不全になるなど)。 教師への取材も基になっているが、教師の対応に疑問が残る部分も一部あり、逆に現在の教師が過去とどう変わったのかも気になった。例えば生徒に対して「お前たちでも恋愛くらいするだろ」というような投げかけをするなど、なぜそのような見下したやり取りをするのかが不思議。 また昔はヤンキーがたむろしていたが、そのような場がオンラインに移ったことなど、それってヤンキーがリアルの場でたむろし続けていた方が良かったんだっけ?と、現在の問題にフォーカスを当てるがゆえに過去が良かったような伝え方になっている部分もある。 末尾にも記載があったが、子どもの問題ではあるものの、大前提として大人が作ってきた社会がどんな影響を与えてしまったのか?子どもは被害者であること、経済を優先するあまり、子ども達への影響を考えずに現在も様々なビジネスが展開されていることなど、別の切り口でもこの背景を深掘りしてみたいと思った。 現在の教育現場で何が起きているかを理解するには良いが、どこでも起きていることと錯覚しないことは必要だし、自分に何ができるか考える必要がある。 (陰謀論を信じる大人がいるように、本書の内容が日本中どこでも起きているように勘違いする大人が大勢いるであろうことも社会問題だと思う)

    1
    投稿日: 2024.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大人ファーストの社会がこども達が自由に振る舞うことを制限している。 ゲームが感覚麻痺を起こし、子どもにとって外遊びより魅力的なものになっている。 ハイハイしない子が増えて、体幹、筋力などが鍛えられていない子が増えている。 褒められ中毒になって、絶えず褒められなければ気が済まなくなっている。 子どもを取り巻く環境の変化は著しい。コロナが加わり、スマホへの依存性が高まり、子どもたちにとって学校を休むことへの敷居が低くなり、外遊びがオンラインゲームにとってかわっている。 親や大人がどうあるべきかを問うルポだった。これは日本だけの問題なのか。子ども達の視野を広げ、人と人の関わり方の規範を示す大人(自分)のあり方を意識していくことが大切なのだろう。

    56
    投稿日: 2024.10.07
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    もう子育ては終わった。スマホもほぼない時代でも子育ては楽だとは言えなかった。本当に苦労した。現代は親もスマホ依存。子供のスマホを止められないのでは? 先生方も意思の疎通に困ることがある、と言っている。このままじゃいけない、日本。

    2
    投稿日: 2024.10.03
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    「スマホ育児が子供を壊す」というタイトルだが、現代の子どもの問題全般が書かれている。「自分が通っていた頃の学校」と、「今の学校のリアル」を比較するには良い本。嘘は書いていないが、ごく僅かな酷い例をクローズアップし過ぎていて、悪意を感じてしまった…。

    6
    投稿日: 2024.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全ての教育現場がこの本に書かれているような状況では無いにしても、衝撃的な内容ばかりだった。 スマホ登場以降特に社会のIT化が進み、間違いなく便利にはなったのだけど、変化のスピードが早すぎてその変化に大人が飲み込まれてしまっているように思う。スマホやSNSについては大人でさえ上手に付き合えている状態ではないのに、子ども達に上手に付き合えというのは無理がある。 まずは大人からスマホとの付き合い方を改めるべきだし、限りある時間を何に使うか、は常に自分に問いたいと思った。 今の子どもたちとSNSは切り離せないが、自分の子どもには現実世界で打ち込めることを見つけてあげたいし、そのために自分の時間を使いたいと思う。 親は仕事に家事に育児に日々追われてしまうから、ついついタイパ、コスパを追い求めてしまうけど、タイパ、コスパで測れないものこそが真に人生を豊かにしてくれるのではないか。 親の考え方や行動が子どもにも伝わると信じて、本当に大切なものを見失わないように生きていきたい。

    5
    投稿日: 2024.09.25
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    物が散乱する狭い部屋にハイハイできない乳児。教室での人間関係のアツに保健室の予約が一杯になる小学校。浮くことの恐怖が上回り表彰されるのを怖がる中学生。不登校の増加で人気が高まる通信制高校。全入時代。一枚のプリントすら読めない大学生…現代の育児・教育環境の問題の断面を突き付ける。失われた30年を作ってしまった前の世代。発育環境や教育がよかったということにはならない。変化は歓迎すべきことだが、守るべきものは失わないようにしなければいけない。懸念を感じることは健全な心の現れ。信念を持った大人であり続けたい。

    4
    投稿日: 2024.09.16
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    思っていたのと違った。 ルポルタージュなんだろうけど、かなり特殊な事例が取り扱われていたりして、説得力に欠けた。

    4
    投稿日: 2024.09.07
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    自分の世界ではないので新鮮だった。 まだ子供がいないので、 こういう教育現場があることも初めて知ったし、自分の小学生時代とかを振り返っても全然共感できることがなくてびっくりした。 時代の変化なのか、全部がそうではないと思いつつ、 気をつけないと行けないポイントも親になったらあるなと感じた。

    2
    投稿日: 2024.09.07
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    スマホが身近でもはや生活の一部であり、なんならスマホ片手に成長しているとも言えるデジタルネイティブ世代の子どもたち。 スマホの普及は、子どもたちに一体何をもたらしたのか?教育現場で働く先生たちへのインタビューをもとに、保育園・幼稚園から小中高と、それぞれの環境で受けている影響と弊害、一筋縄にはいかない諸問題の実態を追っていく。 読んでいて思い出したのは、子ども会イベントで手持ち花火をした先日のこと。 片手に花火、片手にスマホを持ち、数名で手元を寄せあって花火が燃えている様子をずっと撮影している子たちがいて慄いた。 思い出を動画に残して、それをSNSにあげるんだって。いやいや、花火の楽しさとは!それ、自分の目で見た方が思い出に残るよ!と思ってしまったんだけど、これって若者の気持ちや流行を理解できてないだけ? 放課後や休日、娘たちが寝転んで延々とスマホを見続けている姿には「その小さな板を見てるだけで人生が終わるぞ」とまで感じるけど、一日のスクリーンタイムが6時間を超すこともある私だって正直そんなに子どものことは言えないのだった。 ——スマホがなかった時代は、放課後に友達が自分以外の誰と遊んでいるかとか、家で何をしているのかといったことを確認する方法がなかった。だが、スマホを持つようになったことで、子どもたちは友達が何をしているのか常時確認できる状況になった。それゆえ、彼らの中に、常時接続していないと不安という心理が生まれたのではないか。SNSで束縛し合うことで安心感を得ているのだ。 ——今の教室では、それぞれのグループがタコツボ化された情報空間で生きているために、クラスみんなで何か一つを共有するのが難しくなっている。だから、初めから別のグループと距離を縮めようとか、わかり合おうという気持ちがないのだろう。教室で起きているのは、そんな"冷たい多様性"なのだそうだ。仲が悪いわけではないし、拒絶しているわけでもない。彼らの中にあるのは、他人はどうでもいいという冷やかな無関心なのである。 ——「今の生徒たちはスマホを手にして何でも情報を得られるようになりました。でも、実際に彼らの世界が広がったかと言えば、まったくそうじゃない。自分の都合のいい情報を選んで、都合よく解釈しているだけなんです。 ——子どもたちが、日々のコミュニケーションツールとして使用しているSNSには、簡単に人をフォローしたり、ブロックしたりできる機能が搭載されている。彼らはそこで学んだことを、学校という現実の空間に持ち込み、再現しているだけなのだ。 大人だってスマホが手放せないのに、自己管理やネットリテラシーが未熟な子どもに渡したら好き勝手に使ってしまうのは自明の理。 スマホは便利だし、面白いものが詰まっていてたしかに何時間でも見ていられる。使い方しだいなんだけど、それを子どもたちに教えるのはやっぱり大人の責任で。 デジタルネイティブ世代がすでに保育士になり教師になり親になっている現在、まだ間に合うのか、もう手遅れなのか……。 スマホに侵食された日本(世界?)の行く末に、憂いが深まってしまった。

    5
    投稿日: 2024.08.31
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    読んだ後、日本の未来を憂えること、間違いなしの本です。 現在の日本の学校教育が、どのような状況に陥っているかを本書は生々しく描いており、暗澹たる思いにさせられました。 自分自身の小中学校時代と比較して、現代の子供は本当に生きていくのが困難な状況に陥っていることが分かり、現状認識のためにも、本書は一読する価値があると思います。 また、学校の教師の方たちがメンタルを病んでいく方が多いというのも、十分すぎるほど納得できました。

    1
    投稿日: 2024.08.24
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    「スマホ育児」とは聞き慣れない言葉だが、親の育児の一部をスマホで代行することをいう。スピーカーから子守歌を流し、知育アプリで一人遊びをさせる。その間、親は何をしているのかは不明だ。 本書は、こうした乳幼児期を皮切りに現代の子供達が置かれた環境を高校まで順に追っていき、今何が起きているかを詳らかにしたルポだ。次々に明かされる言動のとんでもなさに思わず苦笑してしまうが、彼らが日本の将来を背負っていることを思えば笑い事では済まされない。 結局のところ、スマホが繋がる先のインターネットが諸悪の根源ということかな。 タイトルは内容に合っておらず、再考を願いたい。

    4
    投稿日: 2024.08.09
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    #スマホ育児が子どもを壊す #石井光太 #新潮社 #読了 コロナ、スマホ。人間が人間らしくなくなってきた二大要因だと思う。自分の快、不快でしか物事を判断できない人増えてる気がします。教育は変わらなくては、でもどうやって?まずは大人が目を覚まさなければ。デジタルにコントロールされないよう。

    6
    投稿日: 2024.08.08
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    保育所に在って、子ども達の様子の中に、懸念を抱くような状況が見受けられるという話題を綴った記事が耳目に触れたことが在った。凄く気になったのだったが、詳しく関連の話題を纏めた本が登場したという情報も在った。そこでそれを読んでみようと思い立った。 そうして入手した一冊だが、休業日の昼前に届き、早速に昼頃から紐解き始め、午後から夜、早朝とドンドン読み継いだ。と言うより、本当に頁を繰る手が停められなかった。そして素早く読了に至った。 正直、何か「衝撃的な内容」というように思った。薄々に感じていたことが可視化されたような感じだ。読後に余韻というのか、大きな溜息のようなモノが漏れる。それでも、こういう話しは知っておくべきなのであろう。 便利な道具が登場し、それが人々に歓迎されて普及すると、その道具が在ることが当然化し、やがてその道具が在ることが前提であるかのように社会の様々な仕組みが変容して行くということが在ると思う。史上、そういうようなことが繰り返され、積み重ねられて来たと観る。自身の生きた時間の中、そういうような例として顕著なのは、携帯電話やその発展形ということになるスマートフォンことスマホが普及し、在ることが当然化し、在ることが前提であるかのように社会の様々な仕組みが変容して行ったという例を思い浮かべる。そしてそのことにより、他の要素とも相俟って、人々の性格や心情や行動様式も変貌してしまうのかもしれない。本書には、そういう状況が描かれる。本書は、保育所や幼稚園、小学校、中学校、高校というように、所謂「教育の現場」を広く取材した状況を整理している。スマホの普及という中、加えて感染症の問題を受けての社会の変化という中、子ども達の間に起こっていることを観て考えるという内容である。 極個人的なことだが、自身はスマホは使っていない。持ってもいない。殆ど触ったことさえもなく、使い方が判らない。現在の電波に対応して利用可能ながら、旧い型の携帯電話はとりあえず所持はしているが、使用可能性が生じる旅行の様な場合に持ち歩くのみで、日頃は電源さえも入れずにその辺に置いている。と言うのも、携帯電話の普及の少し以前、深夜に拙宅の電話が不意に鳴り出し「ここへ来て、何とかしてくれ!」と呼ばれてしまうというような例が相次いだ。「馬鹿野郎!」と断る訳にも行かないので対応する。運が悪いと週に複数回、そういうのが発生する。そういうことが在って止むを得ずに動いた旨の話しになると「余計な事をしている」というニュアンスを滲ませたモノの言い方をする方も現れる。では「馬鹿野郎!」と断れば善いのか?そういうことにもなり悪い。そんなことが在ったので、普及し始めた携帯電話等を使えば、深夜の拙宅に限らず、何処に居ても「ここへ来て、何とかしてくれ!」と呼ばれてしまうということを危惧した。そこで携帯電話を持たずに居た。何処か、他地域へ旅行に出るのでもなければ、居所は在る程度限られる訳で「用が在ったらここへ電話してくれ」で済む。年月を経て、携帯電話がスマホに換っても、自身のやり方は変えていない。他方、パソコンは愛用し、ネットは利用してはいる。自身はそれで不自由は感じない。因みに、不意に「ここへ来て、何とかしてくれ!」と呼ばれてしまうというような展開は見受けられなくなって久しい。が、一頃は「何やら他所から色々と言われて、自身の安寧な暮らしが破壊されかねない」という程度にも思った一時期が在ったことは確かで、それが契機で携帯電話等から何となく距離を置いたという経過ではあった。 こういう「昭和50年代以前位の遺物」というようなこともしている関係上、本書に挙がる様々な様子は驚きの連続だった。 インターネットが普及して行こうというような1990年代の末ころだった。或る方が言っていた。「何事かに興味を抱き、調べて考えようとすれば、資料を探し出すようなことに労力の8割やそれ以上を要する様子だったと思う。ネットが在れば、そういう資料を探し出すようなことに要する労力は1割や2割になることであろう。より広く深くモノを考えるようになるのだと思う」とである。自身はそれに賛同していた。実際、「これは何?」とでも思えば気軽に手軽に調べて、何かを考える材料にして行くことが可能で、知識はドンドン拡がって、色々と考えも深まると思う。個人的にはそういう程度に感じて、現在に至っている。 そういうことが、本書によれば「必ずしもそうではない」ということであるらしい。様々な幅広い情報をドンドン得るのではなく、極々限られた範囲の話しに触れ、限られた範囲の話しを共有し得る細切れな人間関係を構築し、その中でゴチャゴチャとしているというようなことになっているらしい。加えて「何でも一律」に「するな!」の、感染症の問題の中での行動様式が何時までも尾を引いていて、一寸した文化活動での成果を顕彰するようなことまでも「浮く」と忌避するような、訳が判らない様子が生じて拡がっているようだ。そういう状況が、様々な例を通じて描かれるのが本書である。 「多様性」を容認することが勧奨されてはいる。が、実際には「多様性」が辺りに存在するものの、「少しでも違えば判らんから一切関知しない」という様子にもなっている。「多文化共生」とよく言う。何処か遠い場所から偶々辺りにやって来た人達について、少しなりとも解り合って、互いに好いように暮らそうという考え方の筈だ。が、何処か遠い場所から偶々辺りにやって来た人達について、「解らんので放って置け」が大手を振ってしまうような様子かもしれないと本書では指摘されていた。 スマホが普及し、在ることが当然化し、在ることが前提であるかのように社会の様々な仕組みが変容したことにより、他の要素とも相俟って、人々の性格や心情や行動様式も変貌している。それが「思いも寄らない」というのか、「首を傾げたくなる」という様相を呈している。そうした傾向に、感染症の問題での対応で「壊してしまった?」というような様々な様子が様々な影響ももたらしている。 「個人的にはお子さんが在るのでもなく、こういう問題は無関係では?」とでも言われそうだが、自身ではそういうように思わないので本書を手にした。「出来ない」を連呼でもなく、「可能な範囲で出来るように」という考え方であるべきだと思っているが、世間は「出来ない」の連呼かもしれないと観ている。そういう意味も在って、本書で取上げているような話題は知っておく必要が在ると思ったのだ。 読んでいて些か暗澹たる気分になる場合も在ることを否定しないが、本書に在るような現実が手近な所にも在るのかもしれない。「詰まった様子」に絡め捕られてしまう、そういう状況が期せずして促されているという様子が在るのかもしれない。本書に在る情報は「とりあえず知っておく」という必然性が高いように思う。そうした意味で御薦めしたい。

    4
    投稿日: 2024.07.23