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説得
説得
オースティン、廣野由美子/光文社
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総合評価

6件)
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    オースティン作品を読むのは『自負と高慢』に続いて2作目。20代後半となったアンが、かつて主に経済的不安を理由に結婚を周囲に反対され婚約破棄したウェントワースと再開して…、という恋愛物語。『自負と偏見』でもそうだがウェントワース作品はただ恋愛物語としてストーリーが面白いだけでなく人物描写も風刺がきいてて面白い。アンのかつての恋人を前に気まずく感じたり、ウェントワースの反応を見てやきもきしてる内面描写は『自負と偏見』とは違った魅力のある作品だった。

    0
    投稿日: 2025.07.18
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    オースティン。かつて婚約していたが親戚の忠告を受け婚約破棄した女性が数年後に再会する話。 恋愛小説は普段読まないが、この作者は好きなので手にとった。随所にオースティンの皮肉がひかるが 登場人物にチャールズを3人も出すなと言いたい

    0
    投稿日: 2025.06.11
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    「もう、いいか」とちょっと思いました ちょっとね 「もう、後は古典だけ読んでればいいか」と、ほんとにちょっと思いました ミステリーとかも含めてな 「古典と余生」っていう題名で論文書いちゃおうかと思いました だって間違いないもの ジェイン・オースティン間違いないもの はい、イギリスが生んだ恋愛小説の名手ジェイン・オースティンの『説得』です 実はこのあと『高慢と偏見殺人事件』という妖しげなパスティーシュが控えているのでね 読んでみましたよ ざっくりあらすじ 8年前に母親代わりと慕うラッセル夫人の『説得』により、海軍軍人ウェントワース大佐との婚約を破棄してしまった准男爵家の次女アンが、ひょんなことから彼と再会して… いや、分かっとんねん! こちとらジェイン・オースティンの物語がハッピーエンドしかないのは分かっとんねん! じれったいわー あーもうじれったいわー 玉置浩二だわー もう延々玉置浩二いやじれったいのよ さっさとくっつきなさいよ!ってイライラしっぱなし なにを読まされてんねん!っていうね ほんともう最高か!っていうね しかしものの数十ページでアンの父親と姉と妹が嫌な奴って全身に染み渡らせるオースティンの筆力がエグいw

    74
    投稿日: 2025.03.17
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    miumiuのsummer readsでもらったものの、さすがに英語では読めなかったので翻訳本にトライ。 予測してたより分厚く、読み始める前から怯む… そしてカタカナの名前が覚えづらい…家族嫌なやつ…読んでも読んでも進まない…などと思っていたが、屋敷を出たくらいから面白くなって順調に読み進めることができた。読みやすい翻訳で注釈も助かる。純粋に恋愛小説として楽しめたと思う。

    2
    投稿日: 2024.07.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この作品で初めてオースティンを知ったが、面白い! 最近恋愛小説を体が受け付けなくなっていたのだが、『説得』は精神的に成熟した大人の恋愛が描かれており、主人公が情動的で不合理な行動をとるようなこともなかったので、いらいらせず読むことができた。 物語の序盤では「盛りを過ぎた」と表現されていた主人公アンが、物語が進むに連れてどんどん輝きを取り戻していく様は読んでいて幸せな気持ちになった。というか、アンができた人間すぎる!(父と姉以外の)登場人物皆がアンに好意を持つのも頷ける。 他方で、メアリの自己中心っぷりには驚かされた。邪悪な人間ではないのだと思うが、彼女の我儘によってアンとウェントワース大佐の仲が拗れやしないかとヒヤヒヤさせられた。 物語の鍵である「善意に基づく警告に耳を傾けるのが正しかったのか、危険を冒してでも、自分の心が命じるままに従うべきだったのか?」(「解説」p510.ℓ9-10)という問いについては、今の自分の境遇(独身、20代後半)がアンに近いため、自分ごととして身に迫ってきた。私はまだ若輩者だが、「経験」の偉大さは徐々に感じ始めており、特に善意と良識のある年長者の意見を聞くことは、より困難の少ない人生を歩むためには不可欠なのではないかと思っている。他方で、若い時分に情熱のまま人生の舵を切るという選択は、たとえ一時的にであれ、前者の選択では決して得られないような燃えるような幸福、陶酔をもたらすのかもしれない、とも思う。要は、長期的な幸福をとるか、長期的な幸福を捨てる覚悟をした上で、一瞬の爆発的な幸福に身を委ねるか、ということか。 現代においては、この問いにぶち当たった時、アンがとり得た二つの選択とは別の、第3の選択肢を選ぶことが可能であろう。それは、周囲の警告に耳を傾けた上で、彼らの危惧する危険(ex.経済的不安)を(女性)自らの力で取り払うというものである。自立的な生活能力を身につけることで、情熱的な恋と長期的な幸福の両方を獲得できるだろうと考えるのは、早計だろうか。

    2
    投稿日: 2024.06.02
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    オースティンの説得(説き伏せられて)に新訳が出ている!これを知った時は喜びでわきたち、すぐに本を買った。高慢と偏見なんかは、色々な出版社から色々な訳が出ているが、説得は今生きているのは岩波とちくまのふたつのような気がしており(もっとあったらすみません)、オースティンの残りの長編に新訳が出るのは本当に嬉しいことだ。 久しぶりに読んだが、アンとウェントワース大佐のやり取りの少なさにちょっと拍子抜けではあった。もっと恋の駆け引きのようなものが見たかったのだが、お互い想いを勝手に高めて、勝手に過ごしている感じで少し物足りなさがあった。しかし、ろくなことが起こらない(というとあれだが本当に人々が会話してるだけ)のに相変わらず読ませるのには驚く。オースティンの小説にしかない面白さというのが、絶対にあるのだと思う。

    4
    投稿日: 2024.05.20