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幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする(新潮文庫nex)
幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする(新潮文庫nex)
柞刈湯葉/新潮社
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総合評価

21件)
3.5
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    霊媒師のバイトで様々な事件を解決するというものではなく、主人公の幼い時に友達と探した埋蔵金(仮)を巡る物語といった感じで思っていたものとは違うストーリーでした。軽いミステリー?を読むには丁度良く読みやすい文章でした。

    0
    投稿日: 2025.09.20
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    【幽霊を信じない理系大学生~】 本書は、すごく面白い。なぜなら分かりやすい筋書きではないからだ。そして、かなり普遍的な話だからだ。 物語の大枠だけを捉えて言うならば、とても実用主義(プラグマティズム的)な大学生が、ひょんなことから霊媒師の助手になるアルバイトを務めるという非日常的かつ強烈な体験をしたけれど、彼の中の規律に基づいた価値体系は一切揺らがなかった(と、少なくとも彼は信じている)という話になる。しかし、実情はもっと複雑だ。 彼は、この物語の中でいろいろな価値体系の人々と接する。その中には「霊の存在を前提に考える人々」も含まれており、彼は彼の価値体系に基づいてそのような人々の話を翻訳しているわけだが、ここに、一人称小説である本作の面白さが詰まっている。 彼はあくまで彼のクオリアや価値体系の中で考え、あくまで自分の土俵に引き寄せて考えようとするけれども、他のクオリアや価値体系が存在することを否定しない。相手の論理に沿いつつも、複合的な視点から自分の振舞いを位置づけている。それは、彼が「幽霊を信じない」という外形を守りつつも、「接している相手のことは信じる」という柔らかさを持っているからだ。(著者インタビューも読んだが、やはりこのあたりは意識して書かれていたらしい。人間臭い、という形容もあって、まさにそのとおりだと思った。) また、彼が自分の価値体系を揺るがせないことを外部から指摘する高野によって、その構造が彼(と読者)に示されているのも(読者にとっても彼にとっても)親切だ。 彼は様々な「考え/世界観」の人との交流をふまえて、自分の考えを整理していくが、その過程で目に見えないものに対する理解度を上げている。そのことにたぶん彼自身は気づいていないが、それは開発したAIの精度の高さに現れている。 何か大きな事件が起こるわけではなく、せいぜい「埋蔵金」というちょっとした謎が明らかになったり、西田お前はいったい何を見たんだ!?!?というサプライズが用意されていたりする程度だが、非常に味のある話だった。それが軽い読み口で提供されるのも素晴らしい。 社会や価値観の分断が取り沙汰される昨今において、「彼」のような在り方が再発見されることを願わずにはいられない。素晴らしい小説でした。

    0
    投稿日: 2025.09.03
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    あらすじを書いてしまうと、理系の大学生が、霊媒師の女性と出会って、その手伝いをし、その街に過去にあった出来事を吐き出すと言う、タイトル通りの話なのだが、軽い筆致の割に、予想外の展開が続き、この作家の本領発揮と言うところだと思う。

    1
    投稿日: 2025.04.29
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    タイトルからしてよくわからないまま読み始めて、ああ、青春小説かなと思っていたら、さらに知らないところに連れて行かれる。そんな読書でした。

    2
    投稿日: 2025.02.09
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    読み終わった一番の印象は,これはキャラクターそのものを主軸とする小説だな,と思った.ストーリー自体はかなりぬるッとしていて,大きな盛り上がりがあるわけではないのだけれど,お話そのものではなく,お話を通して独特の価値観を持っている主人公自体の考え方を楽しむ感じで読んでいた.理屈っぽいキャラクターってのは世の中にたくさんあるけれども,ここまで科学的な考え方をする主人公ってのはなかなかいないように思う.そういう点で,柞刈湯葉っぽい小説だなと思って面白かった.

    1
    投稿日: 2025.01.21
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    薄味〜なお話でした。 幽霊を信じない、イマドキの理系大学生男子が、自称霊媒師のハルさんとの関わりの中で、不可思議な体験をしていく(でも大筋の結末はオカルトじゃないよ)というお話。 いくらイマドキ男子でもあんなに醒めたとこばかりじゃないと思うし、ひいおばあちゃんの儀式嫌いとか、浮世離れした諸々の皆さんとか色々伏線はあるのですが…上手く絡みきれてないのかな…読後感は、水でも飲んだようでした。キャラクターはあるのに実体がつかめないというか。 寝る前読書用に枕元に置いといたのですが、雑な言い方をすれば起伏の少ない退屈な一冊でした。 ストーリーが淡々と進むならキャラクターにもっと厚みがほしいし、醒めキャラでいくならストーリーをもう少しなんとか…してほしかったかなぁ…

    0
    投稿日: 2025.01.03
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    柞刈湯葉大先生の最新作、今更ながら、遅ればせながら、読みました。軽やかに、でも面白く、しっかりとの作風にいつものように安心して楽しみながら読んだ。やっぱ好きだなあ

    0
    投稿日: 2024.12.30
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    初めて読む作家さん。面白かった。終盤失速気味だったのは残念だが途中までは文句無し。会話の内容が、主人公の理屈っぽくて少し醒めたキャラを反映して、良い感じなのだ。

    0
    投稿日: 2024.12.03
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    タイトル通りの話。科学は幽霊を信じないのに幽霊は元々ヒトだから科学を信じている、しかも自分の生きていた頃の科学っていう設定が面白かった。盛り上がりには欠けるけど読みやすい。

    0
    投稿日: 2024.11.26
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    主人公は、「他人の気持ちがわからない」大学生。 私は彼ほど頭は良くないが、人の気持ちがわからないところは似ていると思った。 しかし、読んでいて気がついたのは、私は、「他人の気持ちがわからない」のではなく、「わかろうとしてこなかった」だけなのだと。 他者を理解するふりはやめて、人に寄り添える人間になろうと思った。

    0
    投稿日: 2024.11.12
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    「駅周辺の何処かしらで工事が続きまくって、何時まで経っても終わらない様」を、無限増殖という形にして描いた「横浜駅SF」でデビューした柞刈さん初の非SF作品?? と思いきや、しっかりSF的見地で非科学的な霊と向き合っています

    0
    投稿日: 2024.10.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幽霊は信じてないけど霊媒師を信じてるのがいい。 豊君の人の基準が西田君っていうのがなかなか。 西田君は最後誰をみたんだろうか。 一番の可能性あるのは今野勲さんだったりしますかね。 まさか霊媒師のバイトから凄いシステムの作成に繋がるなんて。 豊君は凄いと思ってたけど周藤君も凄い。 行動が的確といいますか。利益を出すのが上手といいますか。

    0
    投稿日: 2024.10.16
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    Amazonの紹介より 幽霊は信じない、けどあなたのことは信じる。 春、俺は大学生になり、「慰霊」の手伝いを始めた。 『横浜駅SF』『まず牛を球とします。』の著者が贈るすこし不思議な青春SF小説。 「他人の気持ちが分からない」ことが悩みの谷原(たにはら)豊(ゆたか)(18)は、曾祖母の死(享年100)をきっかけに、謎の霊媒師・鵜(う)沼(ぬま)ハルと出会った。自称大正生まれのハルは、幽霊が見えず存在を信じてない理屈っぽい理系大学生の豊に、奇妙な”慰霊”のアルバイトを依頼する。彼女の正体と、この街 の秘密とは――。モラトリアムの青春を爽やかに描く、すこし不思議なジェントル・ゴースト・ストーリー。 なんとも長いタイトルでありつつ、わかりやすい題名になっています。ひょんなことから霊媒師の助手のバイトをすることになりますが、傍から見ても、霊媒師の存在がなんとも胡散臭く思ってしまいます。 誰もいないのに、そこで対話したり、霊に物を届けるため、その物を燃やして届けさせたりと、なんとも不思議な空間でした。 一応、この物語は青春SFなので、そういった不思議な現象や体験は信じなければいけません。 霊媒師がどんな人物なのか?名前はハルで、大正生まれなのですが、どう見ても若々しいので、戸惑ってしまいます。 そこには、秘密があって、中盤になって明かされます。 なんとも不思議な要素なので、本当に⁉と疑ってしまいますが、後半になるにつれて、伏線回収もあって、面白かったです。霊媒師の秘密だけでなく、まさか色んな要素が繋がっているとは驚きでした。 登場人物に着目すると、主人公となる大学生のキャラクター性も面白かったです。 大学生ならではの論理的かつ合理的な思考が、読者にとっては気難しく、ウザい存在でもありました。 しかし、どこか憎めなく、頼りがいのある一面もあって、なんともそのアンバランスさが良かったです。

    5
    投稿日: 2024.10.12
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    絶対面白いと思って買って、大事に積読してたのに、つい読みきってしまった。 あー記憶無くして、も一回読みたい

    0
    投稿日: 2024.09.12
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    柞刈湯葉マラソン三冊目。 今作もおもしろかった! 最後まで幽霊がいるいないではなく、"ハルさんを信じている"、で紡がれるのがいい。ジェントル・ゴースト・ストーリーという紹介文が素敵で、かつゴーストの本質が死者そのものでなく街の記憶、人の記憶、人と人のあいだで蓄積される記憶、として現れているのが良かった。 幼なじみとのエピソードのひとつひとつが愛らしく、子ども時代の思い出でしかなかった"埋蔵金"が物語に絡み訪れる終幕のなんとも爽やかなこと。 柞刈湯葉は男と男書くの上手いですね。

    0
    投稿日: 2024.09.11
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    面白かった。推定100歳以上だけど40歳くらいにしか見えない霊媒師のハルさんと、その仕事を手伝う理系大学生の話。主人公は幽霊については全く信じてないんだけど、ハルさんを真っ向から否定するわけではなく、自分なりにロジックに落とし込もうとする。その過程が面白い。 途中霊媒の仕事を目撃された女性が登場するんだけど、その彼女と主人公の会話が抜群に面白かったです。

    31
    投稿日: 2024.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「幽霊」を信じない理系大学生の主人公が、幽霊は普通に存在するという価値観を持つ霊媒師と出会い、「幽霊」について考えるなかで、人というものの存在、人と人の社会的関係について考えを巡らせる物語。 真面目で勉強はできるけれど、そのせいもあってか自分の世界観や思考の軸がハッキリとしている主人公は、どこか他者の心情を読み取るのが下手で、「人の気持ちの分からないやつ」と友人に言われてしまうほど、、、 そんな主人公が「霊媒師のバイト」として雇われるなかで、亡くなった人と今生きる人との関係に考えを巡らせ、 『人はみんな、誰かとの関係、会話の中で、自分の存在を社会に刻み込んできたのだ。』 と腹落ちしていく。 今まで亡くしてきた人、今生きている人たちに想いを巡らせることのできる一冊。 とても読みやすく3時間もかからずに一気に読んでしまいました。読後感はさっぱり、夏の少し涼しい風が吹く日にピッタリ。

    0
    投稿日: 2024.09.02
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    さて、豊とハルさん、どっちが実数軸でどっちが虚数軸なのか、と思ったりした。 普通ならハルさんが虚数、なんだろうけど、人情が判らない豊が虚数という見方も無くはない、かな、と。 で、続編があるなら、90度回転したりするのかな、と。(回転させるマトリクスがサクラになるのか、それとも、高野さんになるのか)

    0
    投稿日: 2024.08.30
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     これは……理系こじらせ系? 「こじらせ」と言ったら文系の特権みたいなイメージがあったけれども、青春に文理の別なしということか。「学部を理由にするな」と作中の先生も言っているし。  その前に、こじらせ=青春で合ってるのか? とにかく湯葉さんが、じゃなかった主人公の谷原豊さん(十九)が、彼なりの仕方で青春らしく悩んでる話だった。それならそれで、もっと青春風味のタイトルにしても良かったのでは、と思った。でもたぶん、「お前それ青春じゃん」と片付けられたくないのだろうな湯葉さん、じゃなかった谷原さんは。  言い回しや思考回路が面白いなあ、とクスクスしながら読んだ。西田くんが良かった。

    14
    投稿日: 2024.07.20
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    一癖あるSFでおなじみの作家さんなのでミステリっぽい話を想像したのだけれど、そんなことはなく端的に言うならハートフルコメディかな。まあ、タイトルそのままですね。 この手のお話は最後にオカルトっぽい事件が起きて、理系青年が考えを改める的な展開になるのが定番で、実際怪異っぽい事件は起きる。けれども主人公はそれが確かに怪異っぽいことは認めつつも、合理的に解釈可能だと判断してスタンスは変えない。これが痛快でありました。実際、起きたことを素直に受け止めてるだけなんだよね。

    0
    投稿日: 2024.07.19
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    はい、湯葉さんです! 湯葉さん知ってます? 『まずは牛を球とします。』の柞刈湯葉さんと言えばわかる人も多いかも ちょっと何を書いてるのかよくわからない作品も多いですが、湯葉さん大好きです! その湯葉さんの新作が出たのでこれもリクエストを出して速攻で手に取りました さっそく読み出して…?? ん…?? んん…?? なんかいつもと違うぞ…?? 何を書いてるのかよくわからなことが多い湯葉さんなのに書いてあることがわかっちゃうぞ!w 幽霊が見えず存在を信じてない理屈っぽい理系大学生がひいばあちゃんの葬式を経て、霊媒師と出会い、奇妙な”慰霊”のアルバイトを始めるという内容 ちょっと不思議な爽やか青春SF小説って感じかな 今までと違った作風だけど、こんな湯葉さんもいいかも〜

    40
    投稿日: 2024.07.15