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マチズモを削り取れ
マチズモを削り取れ
武田砂鉄/集英社
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総合評価

17件)
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    現代社会に蔓延るマチズモに糾弾した本著。 私自身、男性として生を受け男性として生きてきたが、ホモソーシャルを内心では嫌っているのに、ホモソーシャルに馴染もうとした過去があった。今は当時の言動や行動を反省しており、自分を客観視して内省を繰り返している次第だが、まだまだ私の見識の浅さや視野の狭さに気づかされる本だった。 七章の「会話に参加させろ」における会話の主導権を男性が握り、女性がそれに従わざるを得ない問題や、十章の「寿司は男のもの?」における寿司屋での、こちらも男性が主導権を握るような立ち居振る舞いの問題は、私自身気づかなかった視点だったので、勉強になった。 ほか、部活における女子マネージャーの役割の必要性については、長らく疑問を抱いたので著者の考えに同感だったし、電車内や歩行中のときの男性のアクションについての記述も、頷くことばかり。 何より著者の武田砂鉄氏が、編集者のKさんの疑問に真摯に向き合っている。時には2人で結婚式場や寿司屋に出向いて、世に広まったマチズモを調べ、問題点を分析していた。その姿勢が素晴らしい。 やや一文が長く主語が分かりにくいと感じた箇所もチラホラあったが、日常に横たわるマチズモがテーマなので興味深く読めた。特に男性に手に取っていただいたい一冊。

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    P.10 母 福を呼ぶ ハンター的な感じ?福がないとは言えないような。 父 福を逃さない →守護者、家を守る的な価値観が見て取れるような。 P.22 犯行理由を探索することと、 その免罪をすることは全く別。 P.39 不均衡なテコの上で中立に立つと、不均衡なまま。

    0
    投稿日: 2025.11.08
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    自分は女性だが、フェミニストに共感する気持ちと過剰なフェミニストを嫌悪する気持ちと両方あるため、章によっては共感し(痴漢、女子マネージャー、寿司屋)、章によっては編集者のKさん気にしすぎでは?と思った(新幹線の便座問題など)。 この本では若干やりすぎなくらい現代の男性優位社会に切り込んでいく。著者が女性だったらフェミニストがまた何か言ってる、で終わらせられたかもしれないけど、著者が男性で、自身も気づかなかったりこれまで見て見ぬふりをしてきた性差別について細かく調査していくという構図が面白い。 時にフェミニストが気にしすぎなんじゃない?と思う自分は、社会の性差別にいちいち怒ったり傷ついていたら生きづらくなると無意識で思っているのかも。そういう意味ではマチズモに加担していたのかもしれない、とこの本を読んで気づいた。 本当は性差別に限らず、差別って、被害者でない人たちは一度その差別について細かく精査してみないとそこにある問題に気付けないのかもしれない(その上で、このくらいは見逃そう、とかは個人の判断になっていくと思うのだけど) 個人的には著者のユーモアのセンスとステレオタイプなオジサンを皮肉る描写が大好きなので、寿司屋の大将とそこに集う客たちの描写が最高だった。 あとあとがきがとても良かった。あとがきから読んでも良いかも。

    6
    投稿日: 2025.09.17
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    面白かった。如何にに男性が優位な社会であるか?を痛感させられた。常に対等とは?を考える習慣を持ちたいと思う。この構造は簡単には変えられないと思うので、自分で感じること、気づくことに対して、一つ一つ削り取るしかないなと思う。

    0
    投稿日: 2025.06.04
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    #マチズモを削り取れ #武田砂鉄 #集英社 #読了 もっと若い時に読みたかったなあ。マチズモ(男性優位主義)に当てはまらない男性ももちろんいるけど、無自覚なまま優位な立場にいる男性も多いのではないだろうか。 女性が優位な時もあるのかもしれないけど。まずは自覚することが大事かなあ。

    1
    投稿日: 2025.03.25
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    砂鉄さんのことはラジオ番組で知って、おもしろいとファンになりました。今回初めて本を読みましたが、ラジオの方がいいかもしれない(笑)編集者のセンスに私が合わないだけの気もしますが。同世代男性の意見として共感できることがうれしいし、別の本も読みたいと思いますが

    0
    投稿日: 2025.03.20
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    とても面白かった。大袈裟に言えば今まで当たり前と思って見てた世界が違って見えるかも、な一冊。この本を読んだからと俺の行動が具体的に何か変わるかと言えばそうではないけど、俺たち男が心地いい状態に疑問を持つ事はしていこうと強く思った。娘もいる身なので女性がそれだけで不利益を被る社会が望ましいとはとても思えない。確かに自分も男性として扱われてではなくただ人間として生きていきたいと思う。我々が当たり前と疑問すら抱かなくなってる事にも問題提起していてフェアな目線で書かれてると思う。ただこの武田砂鉄氏はなんというか考え方もニュートラルだし無害だし、いわゆるPC的に優れた人なので、この人じゃないとこんな本書けないよなあとも思ったし、彼の意見全てに賛同するわけでもない。それを考慮しても大変学びのある本だった。しかしマチズモを語るのであれば女性が活躍することを殊更喜ぶのもそれはマチズモの裏返しではないか?うん当たり前だね、が平等なのではないか?当たり前になったことを喜ぶのはどうなのか?などと自分でも面倒な考えにおちいるな。

    4
    投稿日: 2025.01.18
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    メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1878755511526731945?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

    0
    投稿日: 2025.01.13
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    私も嫌悪する男を笠に着た言動をあげつらい非難している。挙がっているのはどれも男の嫌な言動としてうなずける。それなのに何やら座りの悪さを感じながら最後まで読み進むことになったのはなぜだろう。 いろいろ考えた。武田さんが同性を非難しているからかなとかも考えてみたんだけど、あまりにも正論だからなのかなという一応の結論に行き着いた。自分も遵法精神旺盛に車の来ない信号で押しボタンを押したり、社会のマナー遵守の精神旺盛にゴミ捨て場に放置された物があれば貼り紙をしたりしているけど、そういうときにこじれている自分を思うのと似ている気がする。本当は正しいことしているのだから胸を張ってすればいいのに、座りの悪い気持ちを抱いてしまうのってまことによろしくない。それと、こうやって正しいことをしても、この本で取り上げているような言動に走る男どもには響かないであろう、反論を呼ぶばかりであろう徒労感もあるかも。 担当編集者のKさんが男どもの不快な言動を話題提供するスタイルは、受け身っぽくてちょっとずるい気もする。武田さん自身がテーマ設定していいのでは。

    1
    投稿日: 2024.12.28
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    解決策があるわけじゃないけど毎回テーマがめちゃ面白かった。 いろんな人に読んでほしい。 そうそう!ってなりながら怒りが湧く本だった笑 しょうもないハラスメント研修やるくらいならこれ一冊読んだほうがいい。 「考えすぎないから、いまだにこんな感じなんだと思う。」 「慣例や便宜のなかにこそ、差別の根が埋まっているかもしれない」 「経団連幹部にも2割を目安に女性をいれると決めてはどうでしょう」と提言すると、「規定から入るのはおかしい。シンボリックに女性を登用すると、その人たちも相当苦労します」 女性をシンボリックに仕立てあげているのは男性だらけの社会なのに、相当な苦労は女性が背負うのである。

    0
    投稿日: 2024.12.25
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    マッチョを重んじる姿勢、体育会の理不尽経験を共通言語にして同類で群れ遊ぶ野郎どもが、世の中の進歩と調和を妨げている、という主張かな。

    6
    投稿日: 2024.08.17
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    著者が男であるためか意図的かわからないが、フェミニズムと強調されておらず、男性優位社会ってよくないよねと繰り返し語る本になっている ジェンダーに関することは専門的な本が多いと感じていて、文庫本として手に取れるものは珍しいと思うので気軽さもある 難しくしすぎないことも寄り添う姿勢を感じていいなと思った 野球部のマネージャーってなにが楽しくてやってんねんと思っている人は一読すべきものかもしれない

    1
    投稿日: 2024.08.14
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    2024.7.16 色々とジェンダー関連の本を読んでいるが、男目線(しかも中年男性)のジェンダー論は痛快。一瞬、女を「支える」ことで自分を守る『助力者』的な著者なのかな?と疑ったけど、どうやら違いそう。本気でこの世のマチズモを嫌悪して、そして過去に自分がしてしまったマチズモを恥じている様子だ。こういう男性が増えて行けば、世の中は変わっていくだろうか。

    0
    投稿日: 2024.07.16
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    社会のありとあらゆる場面に潜在する男性優位な発言、習慣、暗黙の了解を独自の目線で切り抜き削り取っていく。 女性が活躍できない環境を解決しようとすると必ず「男も大変」という人が出てきて現状維持=男性優位社会を維持しょうとする。結局社会を作っているのは男性で、女性が台頭すると家庭でも社会でもいろいろと不都合な事があるのだろう。 現状、女性を昇進させるのも男性管理職の匙加減だから男性のご機嫌をとらなければいけない今の私には物凄く刺さる内容だった。 しかしAVやトイレの問題は生物学的な違いがあるから、そこまで平等にというのはちょっと違う気がする。体の構造が違う以上男性のほうが欲求が強く女性が受け身であるのは、「そういう風になっている」ので社会的平等性のなさと混同すると訳が分からなくなる。 とにかく私は、ガラスの天井を突破するために、フツー(もしくは半人前)な男性がフツーに出世するのに対してなぜ女性は優秀で2人分も3人分も頑張らないと出世できないのかという不平等に向き合いたいのだ。

    7
    投稿日: 2024.07.15
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    読みやすいしわかりやすい。真っ向から戦う感じのではなく、論点のすり替えを許さない感じのフェミニズム本。 金原ひとみ氏の解説にあるように、時代はこの本が書かれてほんの数年でまたかなり変わったと思う。 クソみたいな田舎で、自分が女であることに何度も傷つきながら、でもそんなもんだと思って生きてきたけど、娘には同じ思いを絶対にさせたくないなと思いながら読みました。

    0
    投稿日: 2024.07.14
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    日本で暮らし働く時にそこここに感じる違和感、うまく言語化できなかったかなりの部分にマチズモが関わっているとわかりました。 G7最下位の男女平等に甘んじている我が国も、もっと性別を意識せず暮らせるようになることを願います。

    2
    投稿日: 2024.06.27
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    画一化された男らしさの価値観にずっと馴染めない私は、常々居心地の悪さを感じてきたが、世に蔓延る男性優位主義(マチズモ)の成れの果ては、既得権益に縋り、変化を拒む男たちの未練がましさの残滓でしかない。第十章「寿司は男のもの?」における高級寿司店の得も言われぬ気持ち悪さの解釈が特に秀逸だ。物言わぬ妙齢の女性相手にドヤ顔で講釈を垂れる中年男性の気持ちは生涯分かりたくない。体育会系の縦社会が美徳と言われた時代を過ぎた今、行き過ぎた順応はいつか身を滅ぼす羽目に成りかねない。違和感の種を手放さないことが変化の第一歩。

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    投稿日: 2024.06.16