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悲しみよ こんにちは(新潮文庫)
悲しみよ こんにちは(新潮文庫)
フランソワーズ・サガン、河野万里子/新潮社
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総合評価

394件)
4.0
110
141
83
14
3
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    身も蓋もない言い方をすれば、フランス映画が好きならこの作品も好きだと思う。(本当に身も蓋もない) 詳しくないなりにギヨーム・ブラック作品とかレオンとか君の名前で僕を呼んでとか好む人間なので、この小説とも相性は悪くなかった。 フランス映画でよく観る【太陽の光と水面と日焼けする人間と…】みたいな典型的なバカンスの匂いをさせつつも話の雰囲気はどこか仄暗く、気づいたら緊張感のある展開になっていくので退屈しない。 この作品をサガンは18で書いたというのでおったまげる。瀬戸内寂聴が40歳の時に書きましたと言われても私はたぶん信じたと思う。知らんけど。 ものすごーく平たく言えば愛とか恋に狂った人間たちの話なので、ある意味で普遍的なテーマだけどとにかく主人公の心の機微が美しく精彩に富んだ文章で描かれていてうっとりする。 (これは翻訳の河野万里子さんの力量のおかげもあると思う) 後悔したのは読んでいる途中でこの作品のwikipediaで結末を知ってしまったこと… これがなければもう少し衝撃的な読書になったと思う。これから読む人、ネタバレは見るな!!

    0
    投稿日: 2026.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    子供なのに大人のようなそんな風に感じた序盤の主人公 でもそれは彼女の主観としての景色だったから 実際はそんなことはなくて 子供でいい意味でも悪い意味でも無垢な少女 ただその無垢さに父親の奔放さが長年の蓄積で 価値観として埋め込まれているような気がして そんな考えの主人公とそんな主人公と長年過ごした父親 今回は悪い意味で父親は主人公に曝け出しすぎていた 曝け出すということは手品と同じで 手に取るように動きや考えが分かってしまう だから主人公の行動はあまりにも子供だったにも関わらず 父親はその手のひらのうえで転がされ その父親はどうなったかというとあんな結末 落ちるなら一人で落ちればよかったのに 犯人のわからないひき逃げをみたような気分だった でもその変わらない父娘を見て あーやっぱりか、、と思わされた私は この小説のなかで誰よりも 彼女らに期待していなかったのかもしれない

    0
    投稿日: 2026.01.05
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    この文章を18歳の少女が書いたということは本当に凄いの一言なんだけど、逆に18歳だからこそ書けた文章という気もする。 日々刻々と移り行くセシルの心情はまさに思春期そのもので、痛々しい程の全能感に酔いしれたと思ったら、アンヌへの畏れや自らの青さへの恥によって縮こまったり卑屈になったり、それがひとときの恋愛によって簡単に慰められたり。 何気にフランス文学は初読だったのだけど、原題の「Bonjour Tristesse」という響きの美しさよ。

    0
    投稿日: 2026.01.01
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    これ18歳の女の子が書いたのすごいな。すっごい読みやすかった。そして誰もいなくなったと舞台が似てて、あっちにも主人公みたいな女の子とアンヌみたいな大人の女性が出てきた気がする。 てか超セクシーでモテモテでかっこよくて危なっかしいお父さんとか憧れすぎるだろ。フルハウスのジェシーおいたんでイメージして読んだらぴったりすぎた。アンヌはアンハサウェイ。 小説っていつもは語り手から語られたことが全てとして読んじゃうけど、これはいい意味で語り手が信用できないというか、若い未熟な女の子から見たできごとの数々でしかないと感じさせられるのが面白かった(この感覚、アルジャーノンに花束と少し似てるかも)。きっとここに書いてあることだけが全てじゃなくて、語り手だけではアンヌや父や周りの人を本当に理解はしきれていなくて、彼らは彼女が断言しているものとは違う意図の元で本当は動いているんじゃないかなと思えたのが、すごく物語に奥行きを与えていたように思う。セシルという主人公の目を通して見た周りのできごとでしかないんだという実感。若い女の子の日記をこっそり読んでいる感じ。 熱いブラックコーヒーとオレンジを交互に食べているシーンがビビッと頭に残っている。おっしゃれ。

    0
    投稿日: 2026.01.01
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    著者の人生も衝撃的だが、本小説の結末も衝撃的。 結末で衝撃を受けたのは、サロメ・初恋につづいてこの悲しみよこんにちは である

    7
    投稿日: 2025.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    めちゃくちゃフランスリアリズムを感じた。内容は全然違うけどモーパッサンの「女の一生」に似たものを感じた。何かしら系統とかあるのかな。 いやー世間知らずの女の子が父の再婚相手の束縛に耐えきれず、罠に嵌めて追い出そうという物語だが、セシルがどんどんアンヌの良さに気づいて好きになっていって、罠にかけた後には手遅れというシナリオ、セシルの後悔は心に来る。来月もう一回読もう。失敗を乗り越えて大人になる過程を表した青春小説かと思いきや、セシルもレイモンも何も学習せずに放蕩生活に戻っていく。このもどかしさ、やはり古典は素晴らしい。

    1
    投稿日: 2025.12.28
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    情景描写がとにかく素晴らしい。 特に朝食で、オレンジとブラックコーヒーを交互に楽しむ描写がお気に入りで、この1文だけでも恋の甘酸っぱさやこれから起こることに対しての高揚感と不安の感情が伝わってくる気がする。

    0
    投稿日: 2025.12.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公の拙い策略による父の婚約者の事故死。文字にしたらすごく衝撃的だけど、割と深刻に書かない風。 模範的で聡明な淑女で、孤独をはらう「結婚」に夢を見るアンナ。父を手に入れるために策略的にバカンスをする駆け引き上手だけど、やっぱり善良。刹那に生きるプレイボーイの父。その血を引いた遊び人の娘、セシル。まずこの三人の人物描写がすごく上手い。父の見栄や、セシルが父と二人の考えなしな生活を堅実に塗り替えようとするアンナを憎むところが、本当に人物が息づいている。セシルがただひたすらアンナを憎んでいるわけではなく、本文に書かれていたように、「相反する二つの気持ち」、アンナを尊敬する気持ちを持っているところもリアル。 結局、父を理解した娘の策略よって、父はアンナを裏切り、アンナは傷ついてバカンス先から逃げ出す。ここも「出ていって欲しい」と思って企んできたセシルが「出て行かないで」と縋りつき、アンナを実体していないもののように思って攻撃していたセシルが、「アンナにだって幼少期があり、血の通った一人の女の子だったんだ」と気づく所も壮絶。小さい頃私も、自分以外の人に思考も心もあるって気づいてなかったな、と思う。完璧の殻を被ると、傷ついていないように振る舞うと、人ってどんどん攻撃されるんだなと回想。 主人公セシルの未熟さ、「大きな子供」な父、二人の刹那的快楽に身を任せるも、「これでいいのかな」と不安が奥底にある暮らしなど、リアリティに富んだ作品。

    4
    投稿日: 2025.12.14
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    なんでフランス文学ってこんなに不思議なほどにエモーショナルな表現が似合うんだろうなぁ。 虚無感と爽やかさと切なさとどこか愛らしさみたいなのがマーブル状にミックスされてるようなそんな小説だった。性的表現は少ないもののこれはある意味で官能的だと言えると思う。

    2
    投稿日: 2025.12.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めて読んだのが高校1年の夏とかで、それ以来、毎年夏にこの小説のことを思い出していた。 コーヒーと一緒にオレンジを丸かじりするシーンがやけに印象に残っていて真似っこするんだけど思ってたのと違う、を夏が来る度に繰り返してる。 セシルの父譲りの自由奔放さに憧れたり、フランスのヴァカンスに憧れたり、この作品は小説としてより映像的なアイコンとして私の中に君臨している。 セシルの万能感やわがままっぷりが可愛くてたまらなかった。 父親の子供らしさやいい加減なところもキャラクターとしてチャーミング。 親子共々の子供らしさが素敵なんだけど、それがこの物語の悲劇の輪郭を強くしている。 セシルの言動によって周りの人間が変化していくことに少しの恐怖や不安を感じるのがリアル。 人を愛で弄んではならない、教訓です。 ラスト、セシルからシリルに対しての「この人を愛したことは一度もなかった(中略)この人が与えてくれた快楽は、たしかに愛した」という文章を初めて読んだとき衝撃で身体がびりびりしたのを覚えている。 ラストまで読んだときこの一文を読むとやっぱりびりびりするし、この一文を読む為だけにこの作品を読んでるまである。 それくらい強い印象を残した一文。

    7
    投稿日: 2025.11.11
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    重苦しくて、身が切られるようで、空虚で投げやりな気分にさせるのに、滑らかで冷たい爽やかさと静けさを持つ作品。

    1
    投稿日: 2025.11.10
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    正しいやつは嫌われる、ただし美しければ少しまし、みたいなとこがフランスって感じ〜サガンまじ友達なりたい、て思う。

    1
    投稿日: 2025.10.26
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    当時付き合ってた5個上の彼氏に、知り合った当初に教えてもらった本。 その頃はさっぱり分からず、数ページ読んで投げ出してしまった。 4年ぶりに手に取ると、若さによってもたらされる出来事に寂しく感じた。 若いということは痛さも伴う。 周りが見えていない痛さ、自分自身の心情をより悲痛に感じてしまう痛さ。 もうあの頃の痛さは経験できない。 私も歳をとったし、彼も順調に歳を経ているのだろう。 どうしてこの頃の痛さを恋しく思うのか。 もう一度経験したくても、その頃にしかできない経験や思い。 やっぱり、海を舞台とする恋愛物語が好き。 解説で小池真理子さんが書かれていたのもやはりという感じ。フランス人らしい傍若無人な物語。 4年経て読むことができた物語、また4年経たら私は何を思うのだろうか。

    0
    投稿日: 2025.10.20
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    主人公の思春期然とした万能感が身に染みて己を見ているようで、終始恥ずかしい気持ちになったが、作者が18歳の時に書いたとあるので、17歳の等身大の描写の上手さに納得した。 しかし、ファザコンがすぎるぞ!!作者は男性か!?と疑うほどに! 出てくる人物のほとんどが子供を引きずったまま大人になったような人たちなので、アンヌがこの中にいるのがもったいなさすぎた…なぜ?という気持ち。 幸せに多様性があるにせよ享楽主義者が悲しみに、こんにちはしたら、こんな感じでしかないのかと主人公にがっかりした。

    0
    投稿日: 2025.10.19
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    あまり展開が無いな〜と思っていると要所要所で物語が動く。終盤の展開には驚いたが、セシルが色々見えていないのは若さ故だろうか。セシル怖い。

    0
    投稿日: 2025.10.12
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    人の気持ちを操作するような行動、相手を気遣うフリをして自分の思い通りにしようとするセシルの行動が怖いと思った。大事な人をなくしてしまった後に、その存在の大切さに初めて気づいたのでは取り返しがつかない。

    9
    投稿日: 2025.10.07
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    最近の展開の早い小説に慣れていたので展開の遅さに飽きかけていたところでびっくりするような結末。えー!っと思いながら終わった。昔の小説はすごい。

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    「ものうさと甘さが胸から離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しくも美しい名前をつけるのを、わたしはためらう」 凄い書き出し 夏の終わりに読んでよかった、切なくもドライなバカンス小説

    2
    投稿日: 2025.09.18
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    途中までつまらないなーと思っていたけど、終盤からぐぐっと引き寄せられて余韻の残る終わり方だった。全体を通して詩的な文章で綺麗やなと思った。 前半よく理解できてなかったからまた夏に読み返したい

    0
    投稿日: 2025.09.18
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    幸せとは何か考えさせられる。人にはそれぞれ性質があってそれに合った生き方をすればいいと思った。別に高尚である必要もないのかも。高尚に生きたければ生きればいいし、軽い付き合いが性に合う人が「真実の愛」みたいなやつをやる必要もない。結局その人がしっくりくるかだから、そこに上下をつけることは違うと思う。 自分がどう生きたいかを考えられて、その生き方に合う人に会えて、共に過ごせたら幸せなのかな。それがなかなか難しいのよな〜。

    3
    投稿日: 2025.09.06
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    セシルは血のつながった父を一人の男性として意識している。そこに亡き母の代替となりうるアンヌが現れ、大きな脅威となった。エルザのような軽い女性は許容できるという対比が、アンヌの存在をより際立たせている。 さらに行間を読み、セシルとレエモンに肉体関係があったと解釈することで、セシルの行動や心理がより深刻で病的なものとして映り、アンヌへの敵意が絶望的な抵抗として響いてくる。 1950年代のフランス文学作品でありながら、そこに描かれた複雑な愛情、嫉妬、所有欲は時代を超えて共通する感情であることを改めて確認した。正統派解釈と享楽的解釈の両方で楽しむことで、文学の醍醐味を存分に味わえる傑作である。

    4
    投稿日: 2025.08.31
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    あたしこの本だいすき。セシルあんたのやり方とか気分で動くやり方がときに残忍でほんと狂ってるよっていうのを赤裸々に思考回路まで丸出しで書かれてて読んでて声出して『コイツ、マジかよ、、』って言いながら読んだ、、 全部理屈で決めたくなる時とかにまたこの本のこと思い出したいなあ 読んだ後の余韻がすごいよ

    0
    投稿日: 2025.08.30
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    読んでる途中は早く物語が進んでほしいっていう感覚があったけど、読み終わったときすごくすっきりした気持ちになった。こころにも似てた。すごく哲学的だと思った

    0
    投稿日: 2025.08.12
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    自分を可哀想に思うのは気持ちよくて、それが当たり前のように書かれていて、そういう説明のない観念的な人間の本能、矛盾と情熱と快楽が混ざっていて、命なんていくつあってもきっと足りないようなストレスと刺激、美しい日々が描かれていた。フランス人の激しい恋愛はこんな感じか〜と思うと羨ましさと同時に自分では絶対にこなせないだろうなという感じがする。果たして幸せなのはどっちなのだろうか?神なき人間の悲惨さなのだろうか? 全体的な雰囲気が映画 “Call me by your name” のように美しく、読んでいて鮮明に景色が浮かび上がり優雅な気持ちになれる、その世界にずっと浸れる感じが気持ちよかった。

    0
    投稿日: 2025.07.24
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    アンヌを知性的で洗練されていると尊敬しながら、父との自由な生活が失われることを危惧して父と別れさせようとするセシルの心象が繊細に描かれてるとともに、全体的に倦怠的な雰囲気に包まれる文章だった。

    0
    投稿日: 2025.07.17
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    女のいやーな感情を如実に表現している。色々な愛があって欲望があって。5人の複雑な関係が退屈しない。嘘をついたり駆け引きしたり、、うんうん、女性はそういう気持ちあるし、いざって時はやるよなあ、、と同じ女として、納得しながら読めた。

    0
    投稿日: 2025.06.16
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    先日読んだ『本屋さんのダイアナ』 で引用されてて、 あれ?たしか積読にある!と手に取り 1日で読了しました 本が本を繋ぐっていいよね フランスの作家サガンのデビュー作 思春期の女性の機微や心理描写を 繊細に書き上げてました 18歳でよくこんなの書けるなと感嘆しました 訳も読みやすかったです

    31
    投稿日: 2025.06.09
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    タイトルだけ知っていたが、機会がなくて初読。 南仏の、林の奥の白い大きな別荘でヴァカンスを過ごす、17歳のセシルとその父。父の若い恋人も一緒に過ごしていたが、父はそこに聡明で知的な女性アンヌを招待してしまう。思春期のシリルがヴァカンスで過ごす一夏の恋と、奔放で魅力的な父が2人の女性と過ごすスリリングさが描かれている。 フランス映画のような美しさと繊細さ、怠惰で奔放な夏の海辺の雰囲気と、夏の終わりの寂しさと仄暗さ。とても魅力的な作品でした。

    0
    投稿日: 2025.05.30
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    なんか……フランスっぽい話だった。お父さんがかなりの放蕩ぶりだけど娘がそこまで嫌そうじゃないのは愛の国フランスだからなのか?私が読んだのは文学全集みたいなやつで、解説で「当時の中高年女性は汚れた本だとして年頃の子供には勧めなかった」と書いていたけど、まあそうだろうな……という感じはする。こんなに救いのない終わりだとは思わなかった。海外文学はやはり翻訳特有の読みづらさがあり、慣れないとなかなかスッと読めないなーと思った。あと、避暑地モノって映画でも良くあるけど、私は富裕層ではないので避暑地で過ごすバカンスに縁遠く、なんだか物凄く遠い話のように感じてしまうなーと思った。

    0
    投稿日: 2025.05.26
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    解説に書いてあるとおり1960年代の学生運動が盛んな時期、血気盛んな学生たちは男女問わずサガンを読んでいたというのだから、当時の時代にマッチした小説だったのだろうと思う。自分はセシルのような女性の考えを上手く咀嚼できなかった(読む年齢によっても違うのかもしれない)。 終盤アンヌが激怒し出ていった時、父に「ばか、ばか!」ととんでもない難癖をつけ、「手紙を書きましょうよ!」と言う神経が全く理解できないけど面白くもあった。(父は「それはいい!」とか言うんだから、似たもの親子だな!と思いながら…) ところどころに出てくるセシルのセンチメンタルな感情と、それにともなう描写は綺麗ですーっと引き込まれてしまう不思議な魅力があった。

    11
    投稿日: 2025.04.28
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    パスカルっぽさ。 セシルにとって恋愛や策略は、退屈や虚無から逃れるための手段にすぎない。それらは一見感情的な営みだけれど、実際には思考からの逃避であり、自己の情動の空白を覆う仮初の行動だ。掲題の台詞も、感じていない感情を感じているふりをするための形式的な記号にすぎない。 爽やかだけど残酷で、冷たさが残る美しい小説。

    1
    投稿日: 2025.04.05
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    読書会の課題図書だったので読んでみた。 面白い! フランス映画を観ているような美しい俳優と風景が見えてくるようだった。 父親は現実では私が苦手な人だけど、なんとも憎めない…というより愛されキャラだ。 性に不真面目だけど、優しい人って厄介だよなー 訳者後書きで著者のサガンにすごく興味を持った。自由に豪快に遊びながらも執筆を続けるサガン。すごいな。彼女を描いた映画が没後すぐに作られたとのこと。観てみたいな。

    5
    投稿日: 2025.03.29
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    18才で書く文章かよってのが第一の感想。しかし一方で不安定な年代が持つ敏感な感性があるからこそ持つことができる心理を表現できているんだろう。強烈。読み手の年齢によって感想は大きく変わるだろうね。 主人公含め登場人物の性格が人間味がある。日本人とはやっぱり違うなとも思うけど、なぜか理解できる。しばらくしたらまた読み直すべき本だ。

    1
    投稿日: 2025.03.14
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    著者フランソワーズ・サガン18歳のデビュー作。 この作品はたしか中学生の時に読んだことがある。主人公の名前しか覚えていないが、書店で偶然見つけ、懐かしくて購入した。 主人公セシルは17歳。 父と愛人エルザと、そして亡くなった母の旧友のアンヌと地中海の別荘にヴァカンスに出かけた夏の出来事。 自分本位で楽しく生きてきたセシルが、アンヌの出現で自分の生き方を見つめなくてはならなくなり、考えては苦しみ悩み、自分自身と折りあいがつかず… 大人の言いなりにはならないという反抗心、父を独占したいと思う気持ち、誰の型にもはまらないセシルは自由奔放といった印象だ。 大人びているがやはり子供で枠から出られない「自由」で幼稚で荒っぽい。 退屈と平穏がなにより怖いセシルには最後までドキドキさせられた。読了後、鳥肌がたった。 パリで出版されたのは1954年、少しも色あせていない、鮮烈な印象の作品だった。 皆さんも過去に読んだ本、再読してみませんか? きっとびっくり、新しい発見、感想があると思いますよ。

    87
    投稿日: 2025.03.09
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    よく名作として挙げられていて購入した本。ズレたことを言えば、私もこんなふうにのんびりした夏を過ごしてみたい。主人公は多感な時期にこんな経験。途中までは、何が起こるのだろう?どんな結末に向かうのだろう?と思っていたけどラストの展開には呆然。心がついていかずどう受け止めたらよいやら。少しメンタルが落ちたというのが正直なところ。彼女(と父)は何を思ったのでしょうか。

    3
    投稿日: 2025.01.13
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    主人公セシルの性格、生き方が恐ろしくも生き生きとして魅力的に感じた。恋愛は人を変えるという話はよく聞くが、変わらずに自分の人生を持ち続ける人もまたいるんだろう。良い意味でも悪い意味でも周囲の人に影響を与えて変化をもたらすアンヌと、それに抗って自己を貫こうとするセシル。お互いに相手を型にはめて概念的に捉え、1人の感情を持つ人間として見ていなかった。でも、それは共に間違いで、ちゃんと心があった。

    2
    投稿日: 2025.01.06
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    避暑地での話だいすき。 難しい言い回しじゃないのに、簡潔に感情を表現できている凄さ。これぞ文学。 10代ならではの破天荒さ。わかるわかる。 こうやって大人になるんだな。悲しみよ、こんにちは。

    1
    投稿日: 2025.01.05
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    多感な時期の少女の心情の移り変わりの描写がすごい。冷静だったりバカげていたり、色んな感情がごちゃ混ぜになるのがリアル。 本の本質とはズレるけど、やっぱり真面目なタイプと自由奔放なタイプは一緒にいてはいけないと思った。どっちも不幸になる。

    4
    投稿日: 2024.12.26
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    半世紀前に、それも18歳の女性が描いた物語と思うと…強烈な印象を受ける。 才がある人間というのは若い頃から作品として形にしてしまう力があるのだろう。そして、その作品が世間に与える影響も大きいが故のものなのだろう。と思えてしまう。

    0
    投稿日: 2024.12.24
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    「木曜日は本曜日」で上白石萌音ちゃんが、人生に影響を与えた本として紹介していた一冊。 明るい話ではなくて、物語全体にどこか重くて気だるい雰囲気がある。 矛盾した気持ちを抱えて、そんな自分が嫌になってくる感情や、自分が自分でいられなくなりそうな恐怖心の描写が丁寧でリアルだった。 風景の説明も鮮明で、セシルが過ごした贅沢で暇なひと夏の空気感が読むたびに伝わってくるようだった。

    3
    投稿日: 2024.12.18
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    18……同い年のはずなのに自分よりあまりに聡明で広い視点を持つ彼女は純粋に凄いなと思ったけど、 でもやっぱりまだ大人ではないなと思う。もちろんのこと、わたしも。 でも18で愛の物語をあそこまでリアルというか、その場で実際に起こっているような感覚で読めてしまうものを書けるのは、やっぱり環境とかもあるんだろうか。 絶対に自分の持ち得ない、サガン独特の視点がとても面白かったし、愛をこの本いっぱいに感じた

    1
    投稿日: 2024.12.12
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    セシルの感情の変遷には驚かされる。アンヌについての考えがすぐに変わってしまうのが子供だと思うとともに家族についてずっと葛藤していることは父に対する思いやりと捉えることもできるのでその点は大人になりつつあるというふうに思えるのである。

    0
    投稿日: 2024.11.15
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    主人公も父親も何?反面教師にしろってこと?共感も尊敬も全く出来なかった。 とはいえ、思春期特有の心変わりの早さだとか、異性関係の全能感や、同性の大人への羨望と劣等感は凄くよくかけてたとおもう! 作者は尊敬できても本は尊敬できないタイプの作品

    0
    投稿日: 2024.11.08
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    物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。 東大OPACには登録されていません。 貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください 返却:物性研図書室へ返却してください

    0
    投稿日: 2024.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても面白いいい作品でした! 思春期特有の気持ちの落ち着かなさや、大人への憧れ、勉強と恋愛との葛藤など、、 気持ちの整理のつかなさや、どこかムカムカする様子など非常に繊細に書かれていて読んでいて面白かったです。 本編も短いですので、いろんな人におすすめできる作品だと思います!!

    1
    投稿日: 2024.09.14
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    夏特有の何でもできてしまいそうな万能感、後先考えない無鉄砲で投げやりな夜、そのゆり戻しの倦怠感。あきらめ。 なんだかそんな季節を過ごした事があったな、と思い起こさせる話。 あらすじだけまとめると、きっと「何がしたいんだ!」と言いたくなる、矛盾を感じさせるセシルの行動。 でも繊細な心理描写がすごくて、(うわぁ、なんだかこういう事を感じた日があったかも)と心の隙間に砂が入っていくようなザラっとした感覚を味わえた。 たまにはこういう本も読んでいこう。

    5
    投稿日: 2024.09.09
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    長らく積読していた作品。 軽やかな文体が印象的でした。主人公セシルが父との気楽な生活を取り戻すために思いついたたくらみの結末をぜひたくさんの人に見届けていただきたいです。

    1
    投稿日: 2024.09.07
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    娘の父親を取られたくないという気持ちと、同じ女として好かんという気持ちと、自分が恋に落ちたことも影響してすごいバカンス。

    0
    投稿日: 2024.09.02
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    8/22 読み始めて50ページ進んだ時は、なんだ金持ちがぷらぷら楽しむ焼き増し恋愛小説かよ!と思ったが徐々に違った様相が見えてきて止まらず読み終えた。 大人の世界に向かうにつれ見えてくる終生の決まった生活に反旗を翻す少女の抵抗は虚しく終わる。ある意味では彼女の策略は成功しているが良い終わり方とは言い難い。 『彼女は夫が死ぬまで連れ添いそれに満足したフリをしている。』という様な文章があったと思うが、(もう少し柔らかい言い方だったかも知れないけれど)瑞々しい文章の中に幼稚ともとれる、こうした辛辣な言葉が時折り私の胸を打つ。

    1
    投稿日: 2024.08.24
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    読後は、プールで泳いだ後の重い気だるさのような感覚になった。 ただの悲しい恋愛小説として収めたくはなくて、様々な感情に心を揺れ動かされる主人公たちが、ただただ寂しいというか虚しいというか…。 これが著者サガンの処女小説で、書いたのが18歳という若さだったのだから驚き。その頃の自分は、こんなにみずみずしい感情を知っていただろうか。 色々と考えさせられるようなお話でした。

    5
    投稿日: 2024.08.21
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    この歳(アラフィフです)になって初めて読んだ。 読んだのは、古い朝吹登美子さん訳のほうで、表現や言葉が古く感じた点はあったが、にしても、なんと新鮮な心理描写だろうか。当時から今に至るまで、熱狂的にサガンを好きな人がいる訳がわかった。   性愛が絡む関係の方に、つい目が向きがちだけれど、主人公セシルの父を独占したい気持ちも、彼女の幼さ、未熟さ故に彼女自身も意識できない、コントロールできないものとして、切なく響いた。 夏の気怠い暑さの中で読むのに最適な本でした。

    2
    投稿日: 2024.08.20
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    セシルは恋人を利用し、エルザの父への未練を利用し、父の女たらしを利用し、アンヌを結果的に追い出した。 誰にもそんなことは気取られないよう実行し、そして思い通りになった。 愛している生活を守るために、正攻法ではかなわないアンヌにセシルのやり方で戦いを挑んだ。そういう小説だったかなと思う。よく18歳でこんな心理をここまで描けたものだ。

    1
    投稿日: 2024.08.18
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    もうすぐ18歳のセシルは 父レイモンと父の恋人のエルザと3人で 南フランスの海辺の別荘で夏を過ごす レイモンがもう1人の恋人のアンヌを連れてくる 愛情を隠さずに表現するキュートなエルザ 知的で大人の色気をもつアンヌ セシルはある計画をたてる 真夏の情熱的な世界と 秋に近づくかげりの世界 恥ずかしながら古典を読まずに 大人になり 読んでみると胸に染みる 読後の余韻が深い これは良い小説な証拠

    13
    投稿日: 2024.08.17
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    海外の作品をほぼほぼ初めて読んだが、めちゃくちゃフランスを感じた。 幼い故の過ち。 人の中にある醜い感情が描かれてる。

    0
    投稿日: 2024.08.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    思春期の少女の多感で繊細で揺れ動く心情が、緻密に美しく描かれた物語。 幼い頃に母を亡くしたセシルにとって、面倒でやっかいで人生をややこしくするアンヌは母親のような存在。 家庭には、知性と教養あふれ、義務と責任を担う大人が必要で、それがアンヌだとセシルも父親も感じている。 女の子は、「初恋はパパ」でもやがて「パパに似た人」に恋をして、愛を知るけれど、セシルは父親との再会が遅く、母親不在だったために、父親への依存を断ち切れず、アンヌ(母親)に嫉妬し、けれどアンヌの母性を自分もまた求めてしまうことに葛藤し、10代特有の移り気と弱さで、悪いほうへと流されてしまう。 アンヌを失うことで、セシルは少女から大人の女性へとなる機会を失った。 アンヌが最期に言った「かわいそうな子」は、そういったセシルの将来を憐れんでの言葉だったのではないだろうか。

    1
    投稿日: 2024.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    思春期の少女の多感な思春期の姿が瑞々しく表現されてる1冊。 アンヌの見窄らしい姿で車に向かった描写が強く印象に残っています。 作者の想像力や俯瞰する力が非常に長けてて感動。 翻訳家の改訂によってテンポも良くなって読みやすい。 他の作品も読んでみたい、

    0
    投稿日: 2024.07.18
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    フランス文学、少女小説のアイコンのような作品だった。 心理描写、臨場感、明確で簡潔、無駄がなく、はっきりとしたストーリー進行、読了後に残る何とも言えない気持ち、彼女にとっての悲しみとは何なのか、いろいろ学べた。

    0
    投稿日: 2024.06.29
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     17歳の主人公セシルが父の恋愛によって変わってしまう生活から抜け出そうと、自分も恋に一生懸命になりながら、策を巡らせていく物語。  今まで遊び人だった父が超然とし概念的で正しさの塊のようなアンヌに出会い、それまでの恋人と奔放な暮らしを投げうちそうになるというセシルの味方がいなくなるという絶望的な状況から始まり、またそれを思春期特有の万能感で困難を乗り越えようとするも、細かな機微まで心遣いが足りず、思いも寄らぬ責任を負うときになると逃げ出してしまうといった等身大のセシルの心の動きが繊細に描写されており、最後に取り返しのつかない失敗を犯すまでの感情が生々しく痛々しく読んでいて打ちのめされるように感じた。  セシルは作戦で愛をコントロールしている気になっていたが、結局は愛に振り回されていき、愛というものは、そのどうしようもなさが本質なのだろうかと思った。彼女がいつどうすれば正解だったのか私には分からない。

    11
    投稿日: 2024.06.19
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    凄く良かった。自分とは国も、家庭環境も全く違う人生を生きているはずの主人公と、どこか重なる心情を感じるのは何故だろうか、と考えさせられる。結局、目の前の人間が感受性のある生き物だ、ということを忘れがちな社会への虚無感は現代にかけてより強まっていて、だからこその本は今でも鮮明に輝いているのかもしれない。私と同い年の18歳がこれを書いたと思うと笑えてくる。

    1
    投稿日: 2024.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中で離脱。。。 序盤から私はお父さんがあまり好きになれなかった。女の人を取っかえ引っ変えしている感じで、でも一人娘には好かれていたいという少し汚いような心情が現れてた気がする。パーティーに行く場面では、自分勝手な父がアンヌと一緒に帰ることになってセシルとエルザが置き去り。コロコロと態度を変える2人に私も苛立ちを覚えた。 また機会があれば読んでみたいとは思う。

    4
    投稿日: 2024.05.17
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    こういう時期あるよなと読みながら考えていた。 考えるよりも先に行動してしまうこととか、起きたことから目を背けて正当化させようと考えを巡らせて、結局破滅してしまうこととか、。 特にアンヌの価値観と親子2人の価値観の違いの中で、セシルは自分の価値観に自信をもちながらも、アンヌの価値観に劣等感を感じることもあり、自分の軸の不安定さと重なって、共感した。 また、セシルはアンヌのことを度々超然とした人物として尊敬するが、最後には、観念的な人物から感受性のある人間味のある人物として捉え直すシーンは印象的で 誰にでも弱さはあって、その弱さを見せないようにしているだけであることを改めて考えた。その意味でアンヌは強かったと思う。

    0
    投稿日: 2024.05.09
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    よくわからんのが最もな感想、私にはむずかしかったところもある。 思春期特有(?)の感情の起伏とか、矛盾してるけどとにかく自分の中で考えを巡らしてるところとか、他者への反骨心とか、自分にしか分からない、自分も把握しきれてないような考えや感情を第三者に上手く伝える文章がすごい、 プレイ・ガール的なひとの思春期って感じで、共感するというよりかは、セシル凄い〜、って思いながら読み進めた。 セシルとセシルのお父さんの最期がアンヌが言っていたようになるのか、ならないのかどうか気になる。 映画も制作されていてセシルカットが流行ったことも知った。映画版もみてみたい。 「リリイ・シュシュのすべて」もだけど、大人になる過程の人間の残酷さ、むきだしてる感じ、その中にはピュアさもあるみたいなのって人に刺さるのかなと思った。 今まで海外作家の本は話の中になかなか入れず、途中で読むの辞めちゃうことが多かったけどこの本は読みやすくスムーズに読み進められた!

    5
    投稿日: 2024.04.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    母親にこの小説を読んでることを話したら「あーそれ私も昔読んだわ。その主人公確か人殺しちゃうんだっけ」とまだ読んでる途中なのにネタバレっぽいことを言われてしまい、読了までの道のりが挫けそうになった。 しかし主人公は人を殺さなかったし、どちらかというと事故っぽい感じで愛人の人が死んでいった。 個人的にはそれより主人公が恋人を捨てているのが、父親の血を引いてるんやなあと思った。 翻訳が独特で性行為のシーンを「愛のロンドが始まった」と書いてあって、斬新な訳し方だなと感じた。 あと主人公の心理描写が凄く丁寧。というかこんなにクルクル気分変わる面倒くささ。こんな子どもを相手にするのは面倒くさいと思う。「私にもそんな時期がありました」という気持ちで読んでいたけど。 でも「勉強しろ」とは読んでて思った。

    2
    投稿日: 2024.04.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    17歳のセシルは、父と父の彼女と3人で海辺の別荘で夏を過ごす。 少し年上の恋人との恋愛を楽しんでいるうちはよかったのだが、母の昔からの友人であるアンヌが合流したことで、彼らの中のバランスが崩れる。 セシルと父のレイモンは刹那的で退廃的で享楽的。 ところがアンヌは知的で現実的で、冷笑的。 レイモンとアンヌが婚約したことから、セシルはこのままアンヌに自分の自由を封じられることを恐れ、なんとか二人の間を裂こうと画策する。 その結果…。 あまりに有名な作品だから、今さらネタバレというのもないだろうけれど。 今読んだら、なぜ当時あんなに熱狂的にみんながサガンを読んでいたのか、よく分からない。 時代の流れだったのだろうか。 セシルの父のレイモンが、まあ、子ども。 自己を律することができない。 だからセシルにいいようにやられてしまうのだ。 元カノになったのエルザも、セシルの彼のシリルも、行動の判断をセシルに任せている時点で大人ではない。 唯一セシルと対峙できたアンヌも、大人としてもっと余裕をもって接すればこれほどまでにこじれることは無かったろうにと思うと、やはり大人とは言い切れないと思う。 1950年代のフランスって、こういうおとな子どもみたいな人ばっかりだったのかしら。 やっぱりフランス文学は合わないなあ。

    1
    投稿日: 2024.03.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    愛すること=生きることの物語だと思っていたら、最後に死が待っていた 江國香織感 わたしたちは一緒に笑い合った。目がくらむような心地で、気だるく、感謝しながら。わたしたちには太陽と海があり、笑いと愛があった。いつか、この夏と同じように、そうしたものをわたしたちがまた見出すことはあるのだろうか?恐れや悔恨が加わったこの輝きとともに、この激しさとともに・・・・・・

    0
    投稿日: 2024.03.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

     高校生の頃に朝吹登水子訳で読んだが,当時はこの作品の良さを私は少しも理解できなかった。恋愛と自分勝手な欲望に浮ついて過ごす父と娘は自堕落でバカっぽくて下らない。「○○さんが○○をした」以外の部分に含まれる膨大な情報を,全く読み取れていなかったのだと思う。これほどの人間描写を18歳で書くなんてサガンは天才だ。相反する感情を同時に抱いて引き裂かれるセシルの若さ。規律正しく自分を保って生きてきて,今,愛する人達と理想の家庭を築こうとしている40代女性のアンヌ。訳者あとがきで河野万里子氏が「エルザとアンヌの心理描写など、ところどころ、もしも原文を切ったらまっ赤な血が噴き出すのではないかという気さえする。」て書いておられるが,何と的確な表現だろうか。アンヌの悲劇もセシルにとっては夏とともに浮かび上がる心地よい悲しみでしかなく,それがとてもリアルだ。

    2
    投稿日: 2024.03.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    感情は基本的にひと言で表されるものじゃなくて、いろいろな、時には矛盾してみえる気持ちが絡み合ってできている。それを言葉で、ここまで言い表そうとできるのはすごいことだと思う。 セシルは、時々の複雑な感情を受け止めたりそれから目を背けたりしながら過ごしていたが、それらの多くは記憶より早く薄れていくものだったのだと思う。けれど、アンヌの喪失の記憶と、それによる悲しみの感情は、ともにときどき蘇る。 あれだけ言葉を尽くして感情を表現しておいて、最後を締める感情が悲しみの一言なのが印象的だった。けどこの悲しみは、単なる喪失感だけでなく、罪の意識と罪の結果の父との享楽的な生き方を伴うものなのだろう。「罪は現代社会に残った唯一の鮮明な色彩である。」セシルの悲しみに、色彩を感じずにはいられない。

    0
    投稿日: 2024.02.26
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    人間臭い感情がさらけ出されていて、引き込まれる。登場人物の誰に近い感情で読むかによって、多角的に味わえる

    0
    投稿日: 2024.02.22
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    拍手。 はじめに、一行目が素敵すぎる。 僕は小説を買うとき、まず題名をみる。クリアすれば裏の内容紹介。そこを越えたら、一行目を読む。 その一行目に惹かれれば、レジへ持っていくのだけど、この一行目はタイトルよりもさらに重要だと思っている。 この本には、恋愛、浮気、セックス、死、憎悪などなど様々な事柄が書かれていて、人生の深い暗い底のような匂いに包まれる。 けれど、最終的なところ、恋愛の生ぬるさのようなものがありありと、僕にとっての恋愛とは、が記されていた。 あとは、描写がとても奇麗だった。 まるでテレビに映像が流れているように、鮮明に観ること(読むこと)ができた。 浜辺、オレンジ、コーヒー、涙、タバコ。 サガンの本はこれが初だったけれど、他のも読みたい。特に『愛は束縛』を。

    1
    投稿日: 2024.02.12
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    中学か高校生の頃、読書感想文を読む為に買った本の再読。旧訳版。 歳とってから読むと、アンヌはこの父娘と家族になったとしても、長続きしないだろうとか、なぜ父親は価値観の違う女性を選んだのだろうかとか、少女目線じゃなくなってるなー。 でもやっぱり翻訳本は苦手だー

    2
    投稿日: 2024.01.21
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    これを18で書いたことがまず本当にすごい あとは、翻訳の言葉選びが、素晴らしすぎて全部しっくりきたー 一つ一つの細かい心情が、よく自分が体験するけど言葉にできないことで納得した。恥ずかしくなる感じとか,つい不幸を祈ってしまうところとか,他人に対して達観できているように感じちゃう若気の至りとか。 今回は自分になぞらえて読んだけど今度は一歩引いてよみたい。

    4
    投稿日: 2024.01.04
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    10 代の、女の子としての視線や思慮 (の浅さ) が見事に表現されてる。中高生、少なくとも 20 歳になる前に読んでおきたかった。その上で、ある程度の年齢を重ねてから再読すると、まったく違う感慨に浸れたのではないでしょうか。

    1
    投稿日: 2023.12.24
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    短くて読みやすいけど物語に没入できて 感情を揺さぶられるし読み終わって 全然スッキリはしないけど 良い読後感のある作品。 思春期で短絡的に物を考えるからこその 残酷さみたいなのがすごく良かった。

    0
    投稿日: 2023.12.06
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    好きな女優さんが紹介していたので。 サガンはこれを10代で書いたのか…… 信じられない。 すべてが美しい。 登場人物の解像度が高くて映像を見ているみたいにシーンがありありと浮かんでくる。 翻訳も素晴らしくて、こういう訳に出会うといつか原文と読み比べてみたいなと思ってしまう。

    1
    投稿日: 2023.11.08
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    内容はそんなに難しくもないし、淡々とした父の不倫や浮気に関するものだけど、主人公の心情がすごく繊細で、心を揺らされる話だった。 読もうと思ったきっかけが上白石萌音ちゃんがおすすめしてたからなんだけど、萌音ちゃんはこれにハマったんだなっていうのが知れたことが嬉しかった。 「悲しみよ、こんにちは」ってそういうことか!って最後に思えた。

    0
    投稿日: 2023.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    18歳になるセシルと父親レエモンは、愛人のエルザも含めた三人で、地中海沿岸の避暑地に遊びに来た。セシルはこの地で、青年シリルと出会い、愛し合うようになる。 そこへ、亡き母の友人であるアンヌが偶然やって来てレエモンは心を奪われ、エルザより夢中になる。 レエモンはアンヌとと結婚したい、と心から願うようになり、今まで関係して来た女性たちを切り捨て、アンヌにプロポーズする決意をする。 セシルは自由な父と子の生活が乱されることを恐れ、アンヌを生活から追い出そうとする。 シリルとエルザを突き合っているように見せかけて、エルザとレエモンに再び関係をもたせてしまう。ショックのあまり、アンヌは車を走らせ、事故とも自殺とも思えぬ形で死んでしまう。 思いもせぬ結末にセシルはショックを受け、事故から一年たった後でも、眠れぬ夜にアンヌを思いだす。そして、その時の感情に名前をつける。「悲しみよ、こんにちは」と… 話自体は救いもなく酷いが、みずみずしい感性で書かれた文章が美しい。(筆者のフランソワーズ・サガンが18歳で出版) 不朽、そして永遠の青春小説です。 読んでいて、懐かしい…。

    0
    投稿日: 2023.11.05
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    悲しみよ、こんにちは。    セシル、レイモン、アンヌ、シリル、エルザこの5人で物語は進んでいく、序盤の平和な雰囲気とは裏腹に中盤、終盤にはそれぞれの考え気持ちが錯交し最後には悲しみが待っている。 どんな完璧な人でも感情もあり悩みもある。一つ出来事で器がいっぱいになってしまう本当に人は弱い生き物だ。改めてそう感じた。  18歳でこの構成力。もちろん和訳の力もあるだろうが心情描写、風景描写全てが語彙に溢れて読むにつれて頭の中で想像するのが楽しくなった。

    0
    投稿日: 2023.11.01
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    少女小説の傑作とだけあり、作品自体短いのもあるがおもしろくてすぐ読み終わった。 著者は18歳と若くしてこの本を書いたのもあり、若さゆえの気の移ろいやすさ、「正しさ」への反発、 お勉強からの逃避、初体験など…自分は大人になってから読んでしまったが、本当の少女のときに読んだらさらに共感しわくわくしただろうと思う。主人公の境遇や考え方は全然自分と違うが。

    4
    投稿日: 2023.10.23
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    フランス文学でメジャーどころ薦めようと思ったらカミュ「異邦人」とサン=テグジュペリ「星の王子さま」、そんでサガン「悲しみよこんにちは」になるのかな 夏の休暇中に読みたくなるこの作品、余韻が素敵 書店に売られているのは河野万里子訳が多いみたいですが原文で今更読んでみたくなってきた。元気と時間があればだなあ

    0
    投稿日: 2023.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者サガンが18歳の時に作成したと知った時には驚愕だった。翻訳なので多少表現は違うかもしれないがそれでも伝わってくる文章力に感動した。 恋愛感情が人の判断を狂わせる時があるらしいというのは分かった、自分は知らんけど

    0
    投稿日: 2023.10.09
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    長らく朝吹登美子の訳で親しみ、朝吹訳でなきゃねーと思っていたが、この度読書会のため、河野万里子訳で。読みやすかった。でも余計に、なんか、何をどう読んでも、よくも悪くもセレブなお嬢様の話よねーと思ってしまった。

    1
    投稿日: 2023.10.05
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    フランスの恋愛はとってもセクシーというか、感情豊かというか。日本の作品では滅多に出会えない素敵な作品でした!

    0
    投稿日: 2023.09.11
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    古い本なのに、色褪せることない言葉。体験したことがない気持ちや出来事なのに、あぁそうだった、こんな気持ちだったとなぜか納得してしまう。 翻訳も上手なのだと思う。感動して本を閉じたが、こんなに厚みがない本だったかなと思うほど、1行1行が濃密だった。

    1
    投稿日: 2023.09.02
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    あとがき書評より 『私が乏しい小遣いをはたいて買ったサガンの単行本を読み終えると彼に貸し、彼が読み終えた別の本を私が借りた。感想を手紙に綴り合うこともあった。』 この作品は素晴らしいが、この作品が日本で読まれていた時代の背景描写が見えてより繊細で大切な作品に思えた。 そんな時代に生きていれば感じ方も愛する人への接し方もきっと違ったものと思う。

    0
    投稿日: 2023.08.30
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    十七歳の夏、放蕩な父レイモンとその愛人エルザと南仏でヴァカンスを楽しむことになったセシル。そこで出会ったシリルと恋に落ち、三人でのヴァカンスも楽しんでいたが、母の旧友で父のもう一人のガールフレンド・アンヌも別荘にやってきたことで状況は一変。さらには父とアンヌから再婚の話を聞いたセシルは、支離滅裂で浮かれた父娘の生活が一変することを恐れたセシルは、迷いながらもある計画を実行するーー 最後まで読み切った後にようやく冒頭のセシルの考えが理解出来た。

    0
    投稿日: 2023.08.20
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    17歳のこの甘くて気怠い感情私も持ってたな。って、懐かしくなった作品。この作品に出会って読めたのが夏でよかった。

    4
    投稿日: 2023.08.16
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    熱いブラックコーヒーと爽やかなオレンジを、夏の朝に楽しむシーン、この上なく瑞々しくて眩しい 夏を存分に感じられる作品

    1
    投稿日: 2023.08.13
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     主人公は17歳のセシル。プレイボーイの父親レイモン。その恋人エルザとバカンスを過ごしている。途中からガールフレンドであるアンヌとの再婚をしようとするが、セシルはアンヌとの空間が息苦しいため、その目論見を阻止しようと画策する。  恋心や自らの確立されてきた意思、父親の再婚などについて、複雑な関係だけども読む人に情景描写をイメージさせるシチュエーションと表現を18歳で書いたことに感銘を受ける。  アンヌの不幸で物語は終わるが、アンヌは賢すぎたのではないかと思う。それゆえに、レイモンを手に入れようとしてしまったのではないか。さながら、数年前の日本の家庭環境である。高学歴男性とそれを目当てに結婚した女性が教育ママになることに近い。セシルは、アンヌが自分も父親も家族として見ていることを理解している。その一方で、アンヌの母親としての性格を受け入れることができない。エルザの方が馬が合う。しかし、父親をエルザに注目させるのは難しい。この状況を、全て丸く収めることは不可能だったと思う。人物の感情を理解できてしまうがために、自分の意志と葛藤し、悲しんだのではないだろうか。

    0
    投稿日: 2023.07.26
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    サガンの衝撃的デビュー作。 今、読んでも劇薬の物語。 フランソワーズ・サガン、 1954年のデビュー作。 世界的にヒットし、 ここからサガネスクと呼ばれる 作品群が始まった。 ヒロインの私、セシルは 父・レーモンと 自由な生き方を続けていた。 夏、カンヌに近い避暑地に 別荘を借り、 バカンスを過ごす二人。 母は昔に亡くなり、 父の情人であり、 半商売人のエルザもともにいた。 その別荘に 母の友人である アンヌが来ることになる。 父とアンヌとエルザの三角関係。 セシルもまた 近くの別荘で過ごす シリールと意識しあうようになっていた。 父レーモンは定期的に 誰かを好きになり、 情人となる、 出会いと別れを繰り返していた。 レーモンの関心は 若いエルザから 同じ年代のアンヌへ。 エルザは去り、 レーモンは アンヌと結婚するという。 アンヌは 「義理の娘」として セシルを扱い、 レーモンとセシルを 自由な生き方から 抜け出させようとする。 従順と反発。 揺れ動くセシル。 セシルはある策略を 思いつく。 自由な生き方を、 奔放な父を取り戻すために。 ラストへの 衝撃的な 加速。 恐ろしい幕切れ。 悲しみよこんにちは。 というエンディング。 十代のサガンが デビュー作でみせた セシルの 若さゆえの残酷さ、怖さ。 そこに共犯する者たち。 この夏の小説は 読む人に ある種の罪悪感を刻んだ。 今、読んでも 劇薬の一冊。 避暑地の夏には 魔物が潜む。

    0
    投稿日: 2023.07.18
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     さーっと読んだもの。昔から手に取っては、最後迄読まない本だった。  あんまり気持ちが共感出来るところが情景の気分だったこと。読みたくなったのも、感慨に耽っていた時。歳をとった父親に、そろそろセカンド・ライフって必要なんじゃないかと考えたから読み終えたもの。  摂理。不躾とか。日本との文化コミニケーションの違い。起こりうる幸不幸。ロジカルにも、慮りが投げやりな気はして。それが計画。仇が父性の純に嫉妬にしても、在ると恐い理屈抜きな波浪。形式の相違みたいで。そして家族への回廊。唯、難儀、、

    0
    投稿日: 2023.07.16
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     ひとりの女性の純心な気持ちを傷つけておいて、それがきっかけで彼女が亡くなったかもしれないのに、その事を思い出して「悲しみよ、こんにちは」って言われてもなあ。飾りじゃないのよ、涙は。  主人公セシルのパパは、良い人なんだけれど、付ける薬が無いほどの女好き。ママが15年前に亡くなってから、美人でちょっとバカな愛人が絶えない。セシルはパパと同じように放蕩な性格で、そんなパパを愛し、気楽に暮らしていたのだが、セシルが17歳のある日、とうとうちゃんと再婚することを決意した。  相手の女性はアンヌ。美人で聡明で、40代とは思えないほどの引き締まったスタイルと肌艶が物語るくらい自己管理の行き届いた女性。放蕩者のセシルのパパとは価値観が正反対のはずだが、何処に出しても恥ずかしくない女性であり、娘の教育係としてもこれ以上ないアンヌと結婚したいパパ。そして、社会的な成功や女性としての称賛は既に得ていて、あと欲しいのはカッコいい男性の愛と家庭だけというアンヌもパパと結婚したかった。  アンヌがパパの友達であったころ、セシルはアンヌのことが好きであったが、アンヌが“母親“として家の中に入ってくると鬱陶しかった。「恋人とイチャイチャしてないで勉強しなさい」とかパパの友人たちの事を「下品」と言ったりする。アンヌは仕事や自分自身の生活を思い通りにしてきたのと同じように、セシルたちの家庭も“思い通り“の“上品な“家庭にしたかったのだ。  セシルはアンヌを追い出すために、巧妙な計画を練る。パパの直前の恋人エルザとセシルの恋人シリルにカップルのフリをさせ、パパの前にチラつかせて、パパの気持ちを若いエルザにもう一度向けさせるのだ。  計画は…成功。いや、成功を通り越してアンヌ自身が亡くなってしまった。事故なのだが、セシルは自殺だと思っている。  セシルはアンヌのことを素敵な女性だったと思う気持ちに変わりないし、好きだったし、パリで一緒に暮らす家の間取りを考えるのもワクワクしたというのも嘘ではなかった。だけど、本質的にセシルもパパも縛られるのが嫌いということを理解してほしかった。  ウーン、うっとうしい!!わたしがセシルなら、“グレる“か““家出“か“アンヌと正面対決“だよ!太陽燦々、海キラキラの南フランスの別荘地でなんとインケンな! 「朝起きたばかりの時にオレンジを食べながら、火傷しそうなコーヒーを口に入れるのが好き」だとかなんだとか、贅沢すぎてヒマなのか。 汗を拭くだけで忙しいこの日本で暮らしていては人の心がジワジワ傷ついていくのを楽しんでいる心の余裕などない。  眩しいくらい美しい中では“傷“や“悲しみ“や“苦さ“も美学であるようだ。セシルはアンヌが亡くなって初めて自分が夢中になっていた恋人“シリル“のことを全然愛していなかったことに気づく。“支配者“に見えたアンヌも実は“愛“や“夢“を持ってセシルたちの家族になろうとしてくれていたことを知り、そういうちゃんとした愛や夢がセシル親子には無かったということに気づく。それでも、セシルもパパも依然として刹那主義で人生楽しむ生活をやっぱり愛していた。 だけど、本当にセシル親子と家族になろうと思ってくれたアンヌの悲しい結末を思い出すとき「悲しみよ、こんにちは」なのだ。

    80
    投稿日: 2023.07.15
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    これがサガンかぁ。 悲しみがこんにちはしたかは、私にはわからなかった。 ベースがお金持ちか否かで違うのかもしれない。

    0
    投稿日: 2023.07.13
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    読みやすくて面白かった!が、10代の多感な時期に読みたかったなあこれは…。当時18歳の少女が執筆したというのが半ば信じられないほど、自分自身を冷静に見つめ、言語化している。主人公のセシルは父レイモンと同じく遊び人で、それを自覚した上で、それが自分自身であると認識している。一方でアンヌはこういう人…と分析していて、かつそれらの違いは生来の違い、価値観の違いであって、優劣をつけるものではないという心境に至っている…すごいな笑 一方で自分自身が「失われる」かもしれないということにおびえ、移り気な性格を自覚しながら、悪意を持って自身の大切な人・物(本作においてはアンヌですが)に当たってしまうときもある、というのが、逆にセシルの魅力になっていて、ただそのせいで物語は結末へと向かう、という章立ては、なんというかひねりはないが、素直に読みやすいし、話の筋がきちんと通っているなと感じました。自分があと10年若くて、セシルと同い年くらいだったら、より親身に迫ってこの本を楽しめたのでしょう。元々の性格自体アンヌ側の私は、もはや10代でもないし、より一層アンヌ側ばっかり理解していました笑 そしてそれにしてもこの本はフランス文学!という甘やかな香りをまとっていて、フランス~~~~ってなってました。それを体現しているサガン・18歳がすごい(何度でもいう)何か既視感あるなと思いましたが、三島の『午後の曳航』だな 第一部第二章 教訓に満ちたエピナル版画の、背徳の絵のように、無為の時間や、物事はとぎれとぎれにしか起きないことや、日々の善良な感情などは、忘れていた。観念の世界で、わたしは、恥知らずの低劣な人生を考えていた。 第一部第六章 この人は、直立不動で話ができるタイプなのだ。わたしなら、いすがいる。 第二部第六章 わたしたちには太陽と海があり、笑いと愛があった。いつか、この夏と同じように、そうしたものをわたしたちがまた見いだすことはあるのだろうか?恐れや悔恨が加わったこの輝きとともに、この激しさとともに… 第二部第十二章 闇のなかで、わたしは彼女の名前を、低い声で、長いあいだくり返す。 するとなにかが胸にこみあげてきて、わたしはそれをその名のままに、目を閉じて、迎えいれる。 悲しみよ、こんにちは。

    1
    投稿日: 2023.06.22
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    なんて美しい、記憶に残る小説。夏のうだるような暑さで肌がベタつくように、読後感が脳にまとわりついている。爽やかで、でも嫉妬深く、そして弱い。相反するものがふたつでひとつの状態が続く。

    2
    投稿日: 2023.06.14
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    18才でこんな事経験してはいけないし、こんな事を理解する事も不幸だ。でも圧倒的に魅力的な世界だった。

    1
    投稿日: 2023.06.11
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    久しぶりに海外文学を読んだ。 まず何をおいても、文章の美しさ、みずみずしさ、洗練された言葉。全てが五感に訴えてくる。映像がそこに見えた。 感嘆である。物語全体に流れる、虚無感とカタストロフィーがこの世界の美しさと汚さ、光と闇の相対性を感じさせる。 愛と憎しみというアンビバレンスな感情を18歳という最も多感な年齢で描ききった傑作である。

    9
    投稿日: 2023.06.10
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    人間の心理、思惑、感情の交差や絡み合い。その単純さと複雑さ。すべての感情がここに集約されているんじゃないかと錯覚するくらい、生々しくて美しい。 映画を観ているかのように鮮やかなシーンが脳裏に焼き付いて離れない。 役者あとがきの「もしも原文を切ったら真っ赤な血が噴き出すのではないか」という言葉に深く同意し頭の上がらなさを感じた。 「愛する」ことは人により、年齢により捉え方が違うけれど概念的には時を超え海を越え同じなんだなあと。

    0
    投稿日: 2023.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んで良かったと思うけど、感想を書くのが難しい。私はこの年齢になって読んだせいか、享楽的なレイモンとセシル父娘には共感できなかった。それでもなんとも言えない余韻が残る作品で、18歳でこの小説を書いたサガンの感性はすごいと思う。 結局、レイモンとセシル父娘は何よりも恋人が与えてくれる快楽を愛していて、先のことは深く考えずに楽観的に生きるタイプなのだろう。良い悪いではなく、そういう本質的に享楽的な人間として描かれている気がする。タイプの違うアンヌに憧れると同時に脅威を覚えるのも分かるのだが、アンヌの葬儀の後、セシルがアンヌではなく自分たちを可哀そうだと思って泣き、それが「かなり気持ちの良い涙」だという表現になんとも言えない気持ちになった。レイモンとセシルは誰も必要としておらず、アンヌは生きていようが死んでいようが必要とされていない。それが残酷な真実なのだろうか。

    0
    投稿日: 2023.06.08
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    18歳のセシルの心の揺れ動き シンプルで物語に引き込まれて綺麗な言葉たちにわくわくする、読書の楽しさが詰まってる セシルの一貫性のないグラグラな感情たちに少し懐かしさを感じる。今起こっている事や自分の感情を他人事のように見つめている時と、どうしようもなく感情に飲み込まれている時の対比がおもろしい

    1
    投稿日: 2023.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本を読む力を取り戻したくて、それに勢いをつけたくてどうしようかなと思った時に金原ひとみを読んだ。直ぐ読めたから同じ女性作家で、且つちょっと昔の人が書いた本を読もうと本棚から手に取った。 すごい本だった。でやっぱりプルースト読まなきゃなあと定期的に思う。

    2
    投稿日: 2023.05.22