
総合評価
(179件)| 47 | ||
| 72 | ||
| 40 | ||
| 10 | ||
| 1 |
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
歴史関係に全く疎く、そのテの時代小説も避けてきた。ただ、本作はミステリ、米澤穂信、そして直木賞受賞ということで、読んでみるかぁと手に取った。 時代小説特有の言い回し、序盤はやはり苦手だったけど、最初の事件が発生してからするすると読んでしまった。それぞれの事件もちゃんとミステリだし、気になっていた火鉢の描写もちゃんと伏線として回収されたし、さすが。明かされた真相、犯行理由がこの時代、背景ならでは。ミステリとしてだけでなく、作品として最高に面白かった。 陳腐なことしか言えないが、黒田官兵衛の遺訓も心に残った。よもやこんな結末になるとは。言葉で表現できない自分の国語力が悔やまれる。残酷な時代に救いがあったともいえるし、それが早く伝わっていればより大きな救いもあったのかもしれないし、もっというと主従関係とか、人質とか、この時代に罷り通ってた道理がおかしいわけだし… 黒田官兵衛と荒木村重の牢でのやりとり、まさか羊たちの沈黙のオマージュとは。
0投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログ面白かったです。 歴史を舞台にしており、そこでのミステリーとはどのようなものか知りたくて読み始めました。 正直、読みはじめてから暫くは文体や時代に慣れていないのか全然ないページが進みませんでした。全く面白くなくて何故人気なのか分かりませんでした。 でも諦めずに読み進めて良かったです。途中からとても面白かったです。それこそ終盤はページをめくる手が止まりませんでした。 変な視点かもしれませんが、歴史上の人物もこういうチームリーダーや管理職のような悩みを抱え手いたのかもしれないなと感じました。 終盤に様々な話が結びついていったり、主人公の生き様というかドラマが読んでいてとても面白かったです。 ミステリーかといえばわかりませんが、こういうのもたまには良いかなと思えました。 ただ最初はやはり面白くなかったので星4つです。
0投稿日: 2025.11.17
powered by ブクログ生死がかかっている人の考え方が伝わる。 細かく見ていなければ蹴落とされる。ましてや命を奪られると思えば、最もよね...。 進めば極楽!都合よく吹聴した教えで、戸惑うのは下々の民。進もうにも進めない民を救う教えが真の宗教であるべきというもの深く納得。 荒木村重の行動に対する1つの方向性が見れてとても満足でした!!
0投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
安楽椅子探偵の連作短編集みたいな感じですね。1つ目の事件の雪密室、2つ目の事件の意外な犯人(というか被害者?)、3つ目の事件のロジックなど、どれも小粒ながら時代ものを活かした謎解きとなっています。(おそらく)丁寧な時代考証も歴史好き受けするでしょうし、なにより本作のテーマを総括するような黒幕の動機が審査員受けに拍車をかけていると思います。インガハメグル…
0投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ戦国の謎解き??新しいジャンルだなぁと読み進めましたが、最後はなるほど、ちゃんと史実に基づいて、このストーリーを考えた作者は凄いですね。 結末を知っているだけに、どうやって着地させるのかと思っていましたが、納得でした。 こういった内容の作品をまた読んでみたいですね。
32投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
荒木村重。ゲーム「信長の野望」で優秀な武将としてその名前は知っていたが、謀反を起こしたことやその生涯は知らなかった。本書でもなかなかの知将として描かれている。途中、その生涯を調べたくなる誘惑に駆られながら読み進めた。 籠城中の城内で事件が起き、村重が「探偵役」となって調べ、わからなくなって官兵衛にヒントをもらって解決、という流れが面白い。 3つの話の後、4つ目ではまさかの「黒幕」が。一つ一つの事件の伏線回収されスッキリ。この「黒幕」の語りには迫力があり考えさせられる。 そして、最後に官兵衛の真の狙いが明らかになる。 ミステリーではあるが、宗教などについて考えさせられる。また、人の世の中「信用」というものがいかに大切かと思った。村重に対する「信用」が揺らぎ部下の心が離れていく様がリアルだった。 本能寺の変、明智光秀の謀反の理由も、本書の村重と同じような理由なのかなあと思った。
1投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログ時代物の小説をあまり読まないのと戦国時代が苦手で知識も乏しいゆえに、大好きな米澤穂信さんの本なのになかなか手が伸びなかったのだけど。最後まで読んでよかった。よく知らない人物や城を調べながら読むのも楽しかったです。最初は籠城とはいえどまだ開放感があったのに、ゆっくりと閉塞感で満ちていくのがお見事。
2投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ織田信長の家臣有岡城主となった摂津守荒木村重が謀反、同じ高槻城の高山右近、茨木城の中川瀬兵衛などが織田側へ寝返り、秀吉の命で使者となった黒田官兵衛は有岡城の地下牢に閉じ込める。城内では中川家の人質が何者かに殺害されるという事件、手柄の首がすり替えられる事件、「五本鑓」の中でも刀法の抜群の遣い手である秋岡四郎介が何者かに斬殺される事件、そして「寅申」が庵より持ち去られ、密書も読まれた形跡の事件、内通していた武士が雷で死亡するが実は鉄砲での事件とみなされるが犯人が見つからず等。城内での様々な事件と長い籠城戦が城主と家臣との信頼を揺るがし「不忠の風聞」を起こした。城主として取った行動は関係者への対面と現場検証、必ず現場から予測と証言を照会し(官兵衛に試し)結論を導いていることだ。現代の経営者では、情報を収集し、分析、予測、検証から結果を出すに似ている。小説の結末は予想外の人物を映し出す、またそれはその人物の何人の死の信念を貫くことだった。ただ一人を除いては城内には謀反者はいなかったのだ。村重の謀反と籠城要因は、信長の敵に対する人の道を外れた野蛮で卑劣な仕打ちを繰り返す獣に反抗する事、対する村重の罪人も殺さずの風聞を世に流すことだった。明智光秀の謀反(本能寺の変)もこの信長の武士を含めて民に対する余りにも卑劣な行動に誰かが止めなくてはと対抗したのかも知れない。
10投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
信長に謀反を起こした荒木村重を主人公に、囚われの黒田官兵衛が安楽椅子探偵となる異色の時代小説ミステリ。著者初の時代小説となる本作で、以前の『可燃物』などを読んでいると分かる通り、小説の内容に合わせて文体を変えられる作家と知ってはいたものの、いざ読むとこれほどまでに時代小説に適応しているとは思わなかった。元々、教科書に残り続けるような「古びない」文体を得意としているが、本作は時代小説特有の言い回しがそれに合致しており、違和感がないどころかかなり本格派の時代小説に仕上がっている。『氷菓』などのイメージで読むと面食らうかもしれないが、言い回しがややクセが強いだけで、信長をぼんやりと知っている程度の歴史知識でも読み解けるほどに内容は易しい。 しかしながら、易しいと言っても安易と言うわけではなく、最初は時代小説の装いだったのが場内で起こる怪事件を皮切りに、著者の持ち味である本格ミステリの雰囲気がしっかりと漂ってきて、むしろそれを読むまで本作がミステリであることを失念していたほどに時代小説としての完成度が高い。それでいながら、本作の探偵役である黒田官兵衛は魅力的でありながらも、著名なだけに翻案・脚色されることも多いキャラクターではあるが、本作は数多の他作品と比べても遜色ないほどに底の見えない切れ者としての魅力的なキャラクターに仕上がっており、何よりも特筆すべきはその主人公との関係性だろう。決して信頼関係で結ばれているわけではないと言うのが素晴らしく、牢に閉じ込められた黒田官兵衛をハンニバル・レクターとして見立てているのは面白かった。 お気に入りは第二章の事件であり、首のない死体は入れ替わりや誤認トリックの定番ネタではあるものの、それを逆に首だけで正体が掴めないという風にひっくり返しているのが面白い。戦国時代でないと成り立たないネタであり、どちらが敵の大将なのかという謎に対して、実は見回りに来ていた大将を主たる主人公が討ち果たしたからこそ首を改めず、結果的に大将が消失したというトリックがとても良かった。 そうした本格ミステリとしての読み応えはしっかりとありながらも、歴史ドラマとしても深く、信長に反旗を翻し、粛清の鬼と化した信長の逆張りをすることで生きながらえようとする主人公の動機もさることながら、その「見栄」が自身を活かし、結果として息子を殺したと詰め寄る官兵衛の喝破も見事というほかなく、結果として因果が巡り、望んだ大戦にはならないままに敗北へと傾いていく無常性のある終わり方だった。最後のナレーションに近い報告とそこから感じる余韻もまた歴史小説らしい趣きがあり、単純なクオリティのみなら本作こそが著者の代表作といえる出来栄えであり、直木賞も納得の一冊である。
0投稿日: 2025.10.21
powered by ブクログ戦国時代の有岡城籠城戦を舞台に、荒木村重と土牢に囚われた黒田官兵衛が城内で続発する不可解な事件の謎を解く歴史ミステリーです。密室性と心理戦が織りなす緊張感、巧妙な伏線回収、そして権力と信義をめぐる哲学的問いが物語を深めます。直木賞受賞作にふさわしい重厚さと推理の妙で、歴史小説と本格ミステリーの融合を堪能できる一冊です。
0投稿日: 2025.10.16
powered by ブクログ戦国時代✕ミステリーという異色作。 時代物らしい語句と言葉遣いだけど読みやすい。 ミステリー部分も面白いけど、籠城の中でどんどん行き詰まっていく閉塞感を感じられる雰囲気もいい。
1投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログ作者が時代小説をこれほどものにしているのには驚いた。時代小説とミステリーの見事な融合。時代物が苦手だという方もこれならば充分楽しめるだろう。ハンニバル・レクターのように牢の中から村重にヒントを与える官兵衛の不気味さがいい。
2投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログサクサク読めました。 千代保さんのこと、調べたくなりました。 荒木村重、有岡城から後の心情に、関心あります。あの名物はどうなったのかな。
5投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
直木賞を受賞した話題作ということで、以前から気になっていた一冊でした。高校時代、日本史が大の苦手だった私にとって、戦国時代を舞台にした小説はどうしても敬遠してしまいがちでしたが、「中身はミステリ」と聞き、それならばと手に取りました。 しかし、読み進めてみると、正直なところかなり苦戦しました。文章は非常に重厚で段落の切れ目も少なく、一ページ読み終えるごとに小さな疲労感を覚えるほどです。時代背景や登場人物の来歴に関する説明も多く、それが作品全体の厚みを生む一方で、重たく感じられる部分もありました。 また、歴史小説らしい言い回し・セリフが多いため、登場人物それぞれの口調や個性がやや見えづらかった印象です。特に人物の外見の描写が少なめで、情景を頭の中で映像として思い浮かべるのに苦労しました。 それでも、本作の構造そのものはとても興味深いものでした。牢に囚われた黒田官兵衛が、与えられる情報だけをもとに事件の真相を見抜いていく姿は“安楽椅子探偵”のようで、この点については面白いなと思いました。 コミカライズや映像化されたものであれば、私でも楽しめるかもしれません。
0投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ◆ あらすじ(概要) 天正6年(1578年)。 荒木村重は、信長に反旗を翻し、有岡城に籠城する。 その直後、信長の使者としてやってきた黒田官兵衛を捕らえ、 「裏切り者の密偵ではないか」として地下牢に幽閉する。 しかし籠城戦のさなか、城内では次々と“不可解な事件”が起こる。 村重は、牢の中の官兵衛に助言を求める。 官兵衛は暗闇の中で状況を聞くだけで、事件の真相を見抜いていく。 2022年の直木賞受賞作でもあり、 “時代小説×ミステリー”というジャンルの可能性を押し広げた傑作 最終章で明かされる「ある人物の意図」は、 全ての事件と心理戦を一本に結び、 静かで重い“真実”として終わります。
0投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ「さすがに黒田官兵衛が鋭すぎでは!?」と、ツッコミを入れながらも、「村重、早く牢へ行け!」と彼を待ちわびる。 現代とは異なる死生観が登場人物の行動原理になっていて、それが新鮮に感じられた。 面白い一冊でした。
7投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログ戦国時代の歴史の中で発生する謎、それを論理的に解決に導く過程とその解決に助言を与えるものとのやりとり、 全て面白かったです。 村重と官兵衛のキャラクターが魅力的でよかった。
16投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
村重が官兵衛を殺さなかったために人質を殺すと考えなかったように、官兵衛も子の恨みで村重の名を貶めることで城内の多くの者を殺すと考えなかった。 間違いなく頭の回る村重やそれを超える官兵衛でさえも見落としはっとする。 執着は恐ろしい。 因果が巡り波のように大きくなって、挙げ句多くの者を殺すことになった有岡城。 官兵衛が彼らを殺したのが自分だと気づいたとき肝を冷やす一方で村重に松壽丸を殺されたのだからとバランスをとっていた。 落城後、松壽丸と再会したときの描写は歓喜と安堵であったが殺した者たちを振り返らない官兵衛ではないだろう。松壽丸は生きていた、バランスは崩壊した、逃げ道がなくなった。後に、官兵衛はキリシタンになるが崩壊したバランスを保つ杖として神に縋ったのかと思うと面白かった。
2投稿日: 2025.09.25
powered by ブクログ主人公と黒田の関係、策士黒田の本当の狙いが最後まで目が離せない。長編かつ言語の理解が出来ず、読破に少し苦しむ。
0投稿日: 2025.09.19
powered by ブクログ時代小説の文章が読みづらくテンポが悪く退屈。 時代的に近い じんかん が読みやすく深みのある作品だったのでどうしても比較してしまいつまらないと感じてしまいました。五本鑓への尋問シーンで飽きてしまい読むのをやめました。
1投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログこれは…!!歴史小説のフリをした推理小説なわけですね…!!米澤穂信さんらしい期待を裏切らないロジックミステリーみがあります。 【序章 因】 既にタイトル回収を予感させる 有岡城、荒木村重と黒田官兵衛 中川瀬兵衛(なかがわ せひょうえ)茨木城 荒木久左衛門(あらき きゅうざえもん)国衆池田家 高山右近(たかやま うこん)高槻城 中西新八郎(なかにし しんぱちろう)三十前新参者 野村丹後(のむら たんご)村重の妹の夫 阿部兄弟一向門徒 大和田城 阿部二右衛門(あべ にえもん)の息子人質11歳 阿部自念(あべ じねん) 【第一章 雪夜灯籠】 郡十右衛門(こおり じゅうえもん)御前衆の組頭 秋岡四郎介(あきおか しろうのすけ) 伊丹一郎左衛門(いたみ いちろうざえもん) 乾助三郎(いぬい すけさぶろう) 森可兵衛(もり かへえ) 荒木御前衆の五本鑓 雑賀 下針(さげばり) 【第二章 花影手柄】 池田和泉 鈴木孫六(すずき まごろく)雑賀衆 大慮(ダリヨ)高山右近の父、高槻衆 大津伝十郎長昌(おおつ でんじゅうろう ながまさ) 堀弥太郎 謎を顕在化するかのような村重が見た夢の描写が秀逸だった… 【第三章 遠雷念仏】 北河原与作金勝(きたがわら よさく かねかつ)馬名人 瓦林能登入道(かわらばやし のと にゅうどう)荒木家中 親族、北河原与作の妻は瓦林家 栗山善助 黒田官兵衛の家臣 官兵衛が戻らないから信長は人質になってる官兵衛の息子松寿丸を始末しろと、、 【第四章 落日狐影】 ここまでの全てを総じてきた 改めて触れられる謎たち 長島一揆の語り、圧巻でした “御仏は見ているぞ―” そして官兵衛の奇策に心震わす村重、、作中ずっと心中燻っていた村重の本来の姿が垣間見えた 黒田官兵衛、、、恐ろしい、、、しかし人間味、というか温かい心の臓を持っている、、 このラストが史実につながっていく… 【果】 これぞ史実との答え合わせ、感動したよ、、、 読んでる間ずっと村重の視点で、村重の気持ちに寄り添って読んできたはずなのに、史実とともにこの章で読者の心をひっくり返しにきた。 荒木村重と黒田官兵衛、本当に“ひっくり返された”という気持ちになりました。。。
14投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログ第166回直木賞受賞作品! 時代小説+ミステリー 織田信長を裏切って、有岡城に籠城する荒木村重。 説得に来た黒田官兵衛を地下牢に幽閉。 その籠城の最中に起きた、城内での事件の謎を村重と官兵衛が解き明かしていく。 といった展開です。 ■雪夜灯籠 人質の阿部自念を殺さないと決めたにもかかわらず、城内で殺害。 誰が、村重の命をそむいて殺害したのか? その殺害方法は? ■花影手柄 敵の兜首、大津伝十郎を討ち取ったのは雑賀衆鈴木孫六か?高槻衆高山大慮か? ■遠雷念仏 織田との密書の運び屋の無辺が殺害。密書も読まれて、「寅申」も奪われる。 その犯人は誰なのか? ■落日孤影 その犯人を鉄砲で殺害されてた。 誰が撃って、誰がその命令を下したのか? そして、今まで起きてきた事件の黒幕は? となって、さらにさらに、官兵衛が村重と謎を解く協力をしていたその理由。 うーん、これは唸ります! そうした謎解きミステリだけでなく、籠城中の村重のリーダシップ、心づもり、部下の掌握と、その苦労もひしひしと感じます。 最後、村重と部下の郡十右衛門の会話に胸打たれました。 これは、お勧めです。 時代小説好きの方にも、ミステリー好きの方にもどちらも嵌るのでは!
117投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログ時代小説としては読みやすく、すぐに読んでしまった。荒木村重の人間性が魅力的に描かれていて惹かれてしまった。
3投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログ時代物ミステリー。 荒木村重が黒田官兵衛の力を借りて謎解きしていくという時点でワクワクが止まらない作品だった。 謎解き自体は有岡城内で起こったフィクションの事件なので、有岡城の顛末を知っていても楽しめる。 さらに史実に被せた仕掛けもあり、二重で楽しめると思う。 登場人物が多く、誰が誰やら分からないままエンディングを迎えてしまった感はある。
3投稿日: 2025.08.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
黒田官兵衛の深謀遠慮。このひと言に尽きる物語だったと思います。官兵衛の策にはまって荒木村重が徐々に追い詰められ、求心力を失っていく様が上手く描かれています。官兵衛の策は見事でしたが、それに加え、篭城戦の難しさ、人心を掌握することの難しさ、この時代特有の武将や民草の生き方、在り方等も相まって村重の有岡城脱出に繋がったのではないでしょうか。実際のところ、村重が本当に毛利に援軍を依頼するために有岡城を脱出したのかどうか自分には分かりませんが、妻子、家臣を含めた700人もの人質を残して茶壺「寅申」を持って大将自らが脱出…中々理解し難いです。結果として人質達は磔殺、焼殺、斬殺されます。普通に考えれば、村重は、武将らしく有岡城で一族郎党と共に戦って果てるべきではなかったのか。それが信長に叛旗を翻した大将としての責任ではないのか。自分には村重の心中は中々想像出来ないけれど、この時代を生きる武将らしくあって欲しかったです。 それにしても、郡十右衛門と下針の生き様は見事でした。
8投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「神の罰、主君の罰よりも、臣下万民の罰は尤もおそるべし。」ーーー 読み切った後に感じるこの言葉の重み。 黒田官兵衛が策略家として一枚上手だっただけで、一般的な評価はさておき村重のキャラクターそのものは嫌いじゃなかった。だからこそ徐々に衰退して退いていく姿はなかなか辛いものがあった。織田方に謀反を起こした時点で気運は遠ざかっていたのかもしれないね。 古風が言い回しに慣れれば内容自体はミステリー小説のような書き方なのでとても読みやすく、歴史初心者にも大変優しい作り。 「村上海賊〜」を先に読んでいたので、出てくる人たちの関係性や時代背景を事前に把握できていたのも読む後押しになった。 次は何を読もうか...黒田官兵衛にフォーカスすべきか、織田信長にフォーカスすべきか...。オススメがあったら教えてください!
1投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログ黒牢城 米澤穂信 読了 織田信長に叛旗を翻し、有岡城に立て籠った荒木村重。城内で次々に起こる難事件を境に、味方に綻びが生じ徐々に追い込められるていく。起死回生の一手として地下牢に閉じ込められた黒田官兵衛の知恵を拝借する事に。が、その実官兵衛は、牢から己れの知力を村重を陥れるために用いた、その術とは。。特徴は、史実に照らし合わせて、オリジナルの視点にて秀逸な推理小説に仕上がっている点。そして人間の本質と宿業を描いた点かな。背景を知らずとも読み進める事のできるテンポの良いタッチで描かれています。流石の直木賞作品ーです。ちなみに次男坊に勧められて読みました^^;
3投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログ図書館本。直木賞だし、20%くらいは読んだが、時代小説で読むのに時間が掛かる。 今回は挫折。また次の機会があれば読みます。
0投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログ歴史小説でありながら、推理小説と言う 全く新しいジャンルの小説でした。 史実に基づいた描写もしっかりしており、 歴史の知識も推理の知識も物凄く、作者の物凄さが判る小説でした。 さすが直木賞を受賞した作品、と思いました。
3投稿日: 2025.06.29
powered by ブクログサラリーマンのマネジメント論にも通じるテーマだと感じました。主を信じてついていくことができるか?民は何を思うか?という変化の描写が多く、戦国時代だけでなく現代でも活きる話でした。 一方、歴史物初心者なので登場人物が整理できず、ミステリーの場面で「これ誰だっけ?」ってなることが多々ありました。読み返す場面が多かったので、ルビ多様と人物紹介を入れてほしいです…。
1投稿日: 2025.06.29
powered by ブクログ時は戦国。織田を裏切り、有岡城を根城に反駁の機会を伺う村重だったが、頼みの綱である毛利の援軍が来る気配は無く、荒木家は存亡の機に晒されていた。そんな中立て続けに起こる奇怪な事件。それらの真相は何か、そして荒木家の命運は如何に。 物語の軸は、地下に幽閉された官兵衛という圧倒的なブレーンを頼りに、消えた弓、入れ替わった首、何処からともなく穿たれた銃弾、そういった城内で起こる様々な奇異的事件の真相を追及するミステリ。しかしながら本作の魅力は努努それだけに留まらない。戦国という時代設定を存分に活かした言霊力、知略、武略、武士精神、政治、宗教といった要素が綿密に編み込まれており、そこに官兵衛や或いは予想だにしない人物の、大きな陰謀・思惑が然と隠されている。それら全てのファクターのシナジーによって、非常に密度の高い一つの物語が織り成されている。 日本史に浅学で時代小説を若干敬遠していたが、成程これは直木賞受賞も納得の、誰にも読み易い、その上完成度の高い物語である。是非歴史に興味無いからと敬遠せずに、多くの人に楽しまれたい。
0投稿日: 2025.06.28
powered by ブクログ因果は巡り始める。 歴史フィクションの中でも群を抜いて面白い、と思う(なんせ比較対象が少ない...) いや、すんごい面白い。はず。 最初、日本歴史ものを読み慣れてないせいもあり、人の名前が入ってこない、漢字読めない、進まないと三重苦だったが、ご安心を、不思議と物語に吸い込まれるタイミングがやってくる。不思議ー 戦国推理小説よろしく、章ごとにミステリーが展開され天才軍師の助言とも戯言とも取れない一言で大きく解決に繋がる。が、それは全て、一つの結果に繋がっていく。 村重のリーダーシップ、嫌いじゃなかったよ。 最後には全ての繋がりをしっかり回収し、代名詞の「戦わずして勝つ」を綺麗にまとめ上げる。 最後の最後で、これまでの黒牢での出来事と策略はなんの為だったのか、福岡で繁栄したあなたに因果は巡って来なかったんですね。
17投稿日: 2025.06.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ページをめくる手がとまらない。 荒木村重は自らが土牢に幽閉した官兵衛に、城内で起きた事象の解決策を求めるが、官兵衛は村重の話を聞いただけで深い洞察の謎めいた言葉を返すのみ。村重は信長に謀反して籠城している身でありながら、身内の事件解決に時をかけてばかりで状況はますます悪くなっていくなあ、と思っていたらなるほど・・となる展開。エンディングは拍手を送りたくなる終わり方。全編を通して村重の胸中・心理描写が多く、戦国の武将は武力にさることながら、深い読みと哲学的ともいえる考えがないと生き残れないのだと感じた。
1投稿日: 2025.06.21
powered by ブクログとても読みやすい時代小説でした。 単なる歴史の事実を物語にしている作品ではなく、歴史的要素の中に、ミステリー要素も入っていて、とても楽しく読むことができました!
3投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログまず設定がすごい 地下に幽閉された黒田官兵衛をアームチェア・ディテクティブのフォーマットで使うのは驚いた それだけでもワクワク読めたが、 ラストスパートは時代小説としても大衆小説としてもよくできていて、面白かった
1投稿日: 2025.06.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
評価3.2 時代小説にしては読みやすかった。 100 catchphrase 有岡城で起こる不可解な事件の数々。村重は、土牢に閉じ込めた頭脳、黒田官兵衛を利用し解決の糸口を見つけていく。長引く籠城戦の行方とは⁇血で血を洗う戦乱の世で、人々の思惑が絡み合う戦国ミステリー。
0投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった! 初めは昔ながらの文章体に少し慣れず、読み進められるか不安になったが、内容は読み手にとって想像しやすく、戦国時代の世界観に引き込まれた。内容はメインの推理に、戦国時代の倫理観、習慣を上手く絡めていて、現代ミステリー小説からは得られない満足感がある!戦国時代に興味あるよーって人にはぜひ読んで欲しい一冊。 忠臣で有能な郡十右衛門がお気に入りのキャラ
2投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
荒木村重といえば、家臣妻子を残して逃亡した戦国一の臆病者と言われている。 最近では、逃走したのではなく毛利に援軍を求めて城を出たという説も出ているが、あまり好意的な扱いを受けていないと記憶している。 その村重を結果を曲げずにどのように描くのか、とても興味があった。 史実という縛りがある中で、どのようにミステリー要素を織り込んでいくのかも楽しみだ。 米穂さんは、驚くことに黒田官兵衛を安楽椅子探偵に据えて、物語を進めていった。 とてもおもしろい発想だ。 事件が起こるたびに、村重と官兵衛との対峙にワクワクしてしまう。 話を追うことが精一杯で、考えることをとっくに放棄したこちらとしては、「もっとはっきり教えて!」と官兵衛(岡田准一)に縋りたくなる。 徐々に意外な真犯人が浮かび上がり、ラストは怒涛のどんでん返しが待っていた。 息することすら忘れて、ラストまで突っ走った。 主人公は村重だったはずなのに、いつの間にか官兵衛に取って代わられていた。 これが一番のどんでん返しだったのかもしれない。 登場人物のその後も知れたのは、ありがたかった。 難しい言葉や漢字に躓きつつ、読了に時間がかかってしまったが、もう一度細部を観察しながら、読み直したいと思っている。 2025/05/10 08:09
3投稿日: 2025.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
戦国の籠城を舞台にした長編ミステリ。城主である荒木村重と捕虜の黒田官兵衛という明暗を表す二人の生き様が描かれる。書籍紹介では「村重と官兵衛の壮絶な推理戦が」とあるので、黒田官兵衛が天守閣で「犯人はこの中にござる」とかいう展開かと思っていたが全くそうではなかった。 城内で起こる奇怪な謎の数々が主人公の荒木村重の手により氷解していく一方、城の状況は少しずつ確実に悪くなっていく。目の前の問題を着実に解決しているのに大きな流れに逆らえず行き詰っていく様子は、自分の仕事で行き詰ったときのことを重ねていたたまれなくなってしまった。扱っている一つ一つの謎は密室殺人などミステリお馴染みの事件だが、その裏にある黒幕の存在を通して戦国の因果や信仰といった大きなテーマに繋がっていくのはさすが直木賞という感じだった。
2投稿日: 2025.05.10
powered by ブクログ読みづらさん圧倒的No1の一作。 それゆえ情景を想像しにくいが、やはり米澤作品。 読みづらさを超えてくる面白さだった。 この作品を読破したなら読めないものはない。 そう自信をつけられる。 時は戦国。 織田に謀反し有岡城に籠城する名将村重は、いつの日か来る織田との一戦に備えていた。 そんな村重を訪ね、織田の遣いとして時代一の知将黒田官兵衛が来る。 村重は黒田を地下牢に留めることにする。 そして大きな密室となった有岡城で、次々と不審な事件が起きる。 村重は知将黒田官兵衛の力を借りて、世のため城のため、事件に挑むのだった。 そして全てはある一つの真実へと繋がる。
1投稿日: 2025.05.09
powered by ブクログ米澤さんがついに直木賞を! というので読んでみた。 全く内容が頭に入ってこない。賞の審査員を尊敬。 歴史音痴には見覚えのない単語のオンパレードで目が滑る滑る。 とはいえ慣れてくるもので、3章あたりからは内容も入ってくるようになった。 読み返したらもっと内容も分かるんだろうけど一度で読了。 最後、よかった。
1投稿日: 2025.05.07
powered by ブクログなかなか読み進められなくてものすごく時間がかかってしまった、、でも一気読みした方が良かったんだろうな、と思う構成だった。 最後はおおおーという感じだったけど、途中がちょっとしんどかったかな、、
0投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
時代小説×ミステリという読んだことのないジャンル。 織田に反旗を翻した荒木村重が籠城中の有岡城で難事件に遭遇する。それを牢に捕らえられた黒田官兵衛が解決に導くという流れで進む連作短編。 日本史を詳しく知らないので、そもそも結末がどうなるか(織田が討たれる展開はないが…)わからず楽しめたし、ミステリ展開も良かった。そして各短編が最後に繋がってすべてが明らかになる展開はすごかった。ただ、すべてが明らかにはなったが、村重目線で物語を読んできた身からすると、すっきりしない。今後どうするの?となるような解決で、章が進むにつれて徐々に滲み出てきたジリ貧の雰囲気にとどめが刺されたような感じだった。物語を通して、終章で述べられていた悪因・悪果の循環が巡っているような展開で、村重でもそれには抗えなかった。黒田官兵衛が残した言葉で”臣下万民の罰は尤もおそるべし”。これは現代でも肝に銘じるべき言葉だなあと思った。
0投稿日: 2025.05.02
powered by ブクログ字が多くて長くて大変だったけど読みきれたのはおもしろかったから。最後は哲学的になったのでもう一度読んでもいいと思う。 戦国時代は死を恐れてはいけないから、家を残すなど理由をつけたのだろう。 村重の室の言葉、死を受け入れた時、死を持ってすらこの苦しみが終わらぬことを恐れたのでございます。
2投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログ第166回直木賞受賞作。 戦国時代、織田信長に反旗を翻した有岡城の荒木村重。籠城する中で起こる密室殺人。降伏を薦める使者として入城し囚われた小寺官兵衛。 一部の隙もない緻密な構成で展開されるサスペンス。時代小説の枠には収まらない優れた作品。 独特の暗い文体に最初は入りづらいが後のクライマックスに向けて計算された伏線には脱帽。
1投稿日: 2025.04.19
powered by ブクログ正直、時代物を読みなれていない自分にとっては結構難しかった 展開が難しいというよりも、文体や情景を想像するのが難しい ただ、読み終わった後の読了感は多くあった ミステリ要素はもちろん、戦国時代を生きた人達の、哲学のようなものが伝わってきて良かった そもそも、荒木村重自体知らなかったけど、なかなか楽しめた。これから時代物も読んでみようかな
0投稿日: 2025.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
荒木村重が織田信長に反して籠城する中、不可思議な事件が起こる。 村重は地下牢に幽閉した黒田官兵衛に知恵を借りに行く。 おっかないワトソンと、安楽椅子探偵。 四つの事件があるんだけど、珍しく犯人がわかった。 その当時の価値観による犯罪という特殊設定ミステリ ラストに至る悲しい流れが、運命に流されていったみたいで… しんどいけど、稀有なる軍師、黒田官兵衛が探偵役するの最高だった。もっとやってほしい。 地下に幽閉設定もいいけど、もっと居心地の良い環境でお願いしたいな。
3投稿日: 2025.04.10
powered by ブクログ時代劇ながら連作ミステリー。黒田官兵衛による壮大な伏線が最後に回収される様は見事。 そして有岡城など、地元/伊丹が舞台なので、楽しめたかな。 長いさくひんながら、退屈せず最後まで。 評判ほどの作品とまでは思わなかったが、秀作だった。
1投稿日: 2025.04.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
歴史とミステリーが融合した小説は初めて読んだので新鮮で面白かった まるで、名探偵コナンのマンガを読んでいるように、犯人を推理しつつ、かつ、歴史的背景もからみ、また、戦国時代という熾烈な時代を生き抜く侍達の心情も重なり、このミステリーを何倍にも面白くし、あっという間に読み進めてしまった 未来に生きて、村重や官兵衛の末路を知っているのに、この先どうなるのか?ハラハラさせられたのである しかも、奇怪な3つの事件はすべてある一人の女性の仕組んだこと分かり、驚いた 史実であるかはわからないが、戦国時代の世に、かくも凄まじい死を目の当たりにしたら、かのような思いを抱くのもうなづける 荒木村重の人間味と、黒田官兵衛の明晰な頭脳が絡み合う、牢獄での会話もひきつけられた 乱世の世は、人を鬼にもするが、やはり、人は人。人の心は根底にあり、それがこの現代を作っているのだ 生きることに漫然といしてる現代の我々からすると、彼らのヒリヒリとした生き方に少し羨望した
1投稿日: 2025.03.31
powered by ブクログ最高に面白かったです! 歴史好き、ミステリー好きどちらにも刺さる作品になっていると思います。 人間臭い村重、好きにならずにはいられません。
1投稿日: 2025.03.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
謀反した荒木村重が有岡城に籠城する、現代人が想像する閉塞感とレベルが違い、各武将の風評に疑心暗鬼が化学反応により思いがけぬ行動に向かう、籠城という土壌がリアルに描写されている異空間で不可思議な事件が起こる 明敏な頭脳を持つ村重であるが追い込まれた状況から真相に至る手前で足踏みしてしまう処を土牢探偵黒田官兵衛がヒントを示す・・・下らないけど面白いと読み進むうちに「ダシ様」の存在が浮いて見え始めた、久しぶりに推理が当たりました
0投稿日: 2025.03.27
powered by ブクログ第166回直木賞受賞。史実を基に描いており、この辺りの知見があるか無いかで印象も変わりそうですが、著者の作品に読み慣れていれば楽しめると思います。巧みな謎と探偵の配置、見事な心理描写をもって、時代小説を特殊設定ミステリへと昇華させた著者の新たな代表作です。
1投稿日: 2025.03.26
powered by ブクログ進めば極楽退けば地獄 織田信長に反旗を翻し有岡城に籠城した荒木村重。 城下でおこる不可思議な事件に士気が下がることを恐れた村重は、土牢の黒田官兵衛の知恵を借り、事件の解明に乗り出す。 進むしかなかった村重が悲しい。
0投稿日: 2025.03.22
powered by ブクログ歴史小説は好きで読むし、ミステリーも好きでよく読む。歴史xミステリー、しかも好きな戦国時代!一石三鳥じゃないか!とページを捲ったものの、台詞が個人的に読みづらく内容が入ってこない。。。残念ながら挫折しました。
10投稿日: 2025.03.22
powered by ブクログ人からおすすめされて読了。 時代小説は全く読まないので読みきれるか不安だったけど、めちゃくちゃおもしろかった! やっぱり読むのに時間はかかったけど、その分どっぷり世界観に浸れて大満足でした。 官兵衛って大河になってたよね?くらいの知識で歴史は全然わからないけど、 読み終わって調べてみたら結構史実に沿っていて、それなのにちゃんとミステリーで、すごくない?? 歴史に詳しい人が読んだらどういう印象なのかも気になる。 読む前よりも歴史とかお城とかに興味が出てきたかなり影響されやすい自分。 これを機に他にも歴史小説読んでみたいけど、 米澤穂信さんだから読みやすかったのかも、とか、ミステリーだから面白かったのかも、とか、どうなんだろう。 自分からは絶対に手を出さなかっただろう本なので、出会えてよかった。 以下、なんだか印象に残った文を抜粋 “息を詰めて助けを待つ日々の中で心に落ちる不安は、身内に敵を求めさせるものだ。 あれは家中の者ではないから、あれは摂津の者ではないから、あれは新参だからという差異を見つけ、ひとはそれらを裏切者だと思いたがる。” “手柄を争っているのは高槻衆と雑賀衆だ。そしてこの二者は、別に、争ってはいない。 ~~それなのにうろたえ者が他人の諍いを我が事に引き寄せて、埒もない風聞を広げ、罵声を上げて、挙句城内で火を放った。”
17投稿日: 2025.03.17
powered by ブクログ有岡城で起こった謎を、城主の荒木宗重が黒田官兵衛のヒントにより解明、それぞれの解明後に残った微かな謎が最後に全ての事件解明に繋がる非常に凝ったミステリー。あとがきに述べられているが、黒田官兵衛は「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクターの役回りである。 よく練られたミステリーで感心させられたが、物語に没入する事がなく、自分にはあまり面白みが感じられなかった。
17投稿日: 2025.03.15
powered by ブクログ史実に基づいた村重の印象と、本書における村重の印象が個人的に乖離しすぎていて、違和感があった。 どのようにして落城に到る鬼畜の所業へと落とし込むのだろうと気になりながら読んだが、成る程そうきたか、と喫驚した。 中々綺麗な終幕だし、歴史に準えたミステリーとはまた新しく、新鮮だった。
2投稿日: 2025.03.11
powered by ブクログ初めて歴史ミステリーを読みました。 世界観や時代背景を重視してだと思うのですが、言葉遣いや単語が難しく感じてしまい、読むのに手こずりました。(私自身が読み慣れていないせいだと思います) 日本史は大好きで、物語設定もすごく好きな時代でしたので聞き馴染みのある人物が出てくるのは嬉しくなります。 偉人が謎を解く、という設定自体はすごく面白くて買う前からワクワクしていましたが、読み始めて本格的に物語の主軸に行き付くまでに、かなり時間を要してしまったので心が折れそうになる瞬間がありました。 読み慣れている米澤穂信作品ですが、歴史ものとなると別物です。 ある程度、そういった作品への免疫が必要かも、と勉強になりました。
0投稿日: 2025.03.03
powered by ブクログ人によって歴史物の側面を評価するかミステリーの側面を評価するかが分かれていて面白いですが、どちらかと言えば私は前者の側面が面白かったです 読後に荒木村重について色々調べたりしました ミステリーとしても面白いですが、謎解きというかは動機・理由部分が肝ですね。これは米澤穂信さんらしいですね。
0投稿日: 2025.02.24
powered by ブクログ歴史物はあまり読んだことがなかったので抵抗感がいっぱいでしたが、めちゃめちゃ読みやすかったです!ジャンルは時代劇というより、やっぱりミステリー! 最後が近づくにつれて、どのような結末になるのか目が離せませんでした。 当時の人たちの考え方が分からなすぎて(理解できなくて)共感できない部分が多くあったけど、ただ純粋にストーリーが面白かったです!さすが直木賞!
0投稿日: 2025.02.20
powered by ブクログ巻末の書評でも書かれてある通り、歴史小説ならではの書きぶりだがそこにあまり抵抗感がなく、びっくりするほど読みやすい。 各章のトリックが最後に見事につながって、終末部分は読むのを止められなくなってしまう。 組織で人をまとめる立場にある人が読むと、そこに共感や学びもあると思う。
0投稿日: 2025.02.20
powered by ブクログ米澤穂信さんの直木賞受賞作。 時代劇での受賞は意外だったが、なかなか重厚な作りのお話に、しっかりミステリーも入っていて、納得。 史実にある“有岡城の戦い”を信長に叛旗を翻した荒木摂津守村重の側から描く。 城主の村重や彼に従う御前衆をはじめとした武士の面々の人物像に、城を囲み暮らす庶民の暮らしなどが精緻に描かれ、惣構えの城である有岡城の様子が手に取るように伝わってくる。 伊丹や尼崎など近くの地名が頻出する設定が嬉しく、地図やWikiを参照しながら、先日所用で降り立ったJR伊丹駅のところが正にそこかと思い知れるのが楽しい。 そんな城内にあって、不可思議な出来事が…。城内の疑心暗鬼を平定すべく、村重は土牢に捕らえた織田方の智将・黒田官兵衛に謎を解くよう求める。 籠城戦×謎解きの組合せが新鮮で、謎の設定も身分・出自・宗派など異なる者が寄って集まる城の中でならではの趣向あり。 戦を勝ち抜き続けることでしか城主たりえない村重のリーダーとしての知力胆力が詳らかになるとともに、官兵衛との会話の中から、地縁血縁とは無縁の城主の孤独も浮かび上がる語り口がまた絶妙。 終盤に描かれる、長期籠城に倦み揺れ動く人々の心理、それぞれの生い立ちや宗教に基づく死生観、そしてとりわけ土牢の中で練り上げられた官兵衛の知略は、戦の帰趨を超えて、読み応えあり。 私は福岡で育ったので、信長をたばかった竹中半兵衛には恐れ入った。
77投稿日: 2025.02.11
powered by ブクログ主君織田信長に謀反し自城の有岡城に立て篭もる荒木村重。その一年間の出来事が推理小説さながらに描かれている。良く出来た作品です。 調略と裏切りにより主家を乗っ取り、下剋上の世を生き抜く村重。切り取り次第の戦を勝ち抜き一国を手中にする。そんな順風満帆の中で信長へ突如の謀反。勝算あってのことなれど、自分の境遇を信長のそれに重ねた上の嫉妬心ではなかったか。頼みにした援軍もなくジリ貧の中、城中に漂う謀反の匂いを嗅ぎとり焦燥する。やがて援護を要請するためと称して一族郎党全てを残し、数名の従者と名器と呼ばれる茶器のみを携えて城を離れる。後には恐らく想像していたであろう悲惨な結末が訪れる。 村重の価値観とは一体何なのか。個人主義の一言で片付けるにはあまりに非道な行動に、何としても答えを見つけたいという気持ちが湧き上がる。本作を読み終えた読者の心の安寧のために。
1投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本能寺の変 直前の荒木村重と有岡城を中心とした歴史小説。荒木村重が、有岡城内で起こる不可解な殺人事件を解決するというミステリー要素が組み込まれている。 読みやすくて情景も想像しやすかったが、既に出た情報の繰り返しが多くて、そこは焦れた。 何もかもお見通しといった風の小寺官兵衛に毎回謎解きのヒントをもらうのはちょっと違和感があったが、史実として伝えられているものの奥にいくつもの創作の可能性を感じさせる。
2投稿日: 2025.01.30
powered by ブクログ時は戦国。織田信長を迎え撃つは有岡城に籠城中の荒木村重。 その有岡城に黒田官兵衛が訪れ、捕らえられてしまうところから物語が始まります。 歴史小説は好きで結構読むのですが、この作品は文体も硬くてとても重い。でもそれが緊迫している有岡城の雰囲気に合っていてとても良いです。 それに官兵衛が安楽椅子探偵なんて、読むっきゃないでしょ? 一章ごとに事件は解決するのですが、なんとなくスッキリしない所もあります。気のせいかなと思い読み進めていると、最終章でそれがすべて明かされる仕組み。すごく面白くて一気読みでした! 史実という壮大なネタバレ要素があるのに、明らかになっていない行間を埋めて一級品のミステリに仕上げている辺り…さすが米澤さんだなあと思います(誰目線) 歴史小説好きにも、ミステリ好きにもおすすめです。
1投稿日: 2025.01.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
約4篇の短編で纏められており、一つひとつがやるせなくさせる切ない気持ちになる結末。短編でありながら籠城するなかで物語は転落へ進んでいく。 間違ったことはしていないのに、どんどん悪い方向へ向かっていく村重が苦しい。 ただ、米澤さんにしては希望のあるラストなのはよかった。あんなにも失敗だと思っていた官兵衛を生かすという策が、ある意味失敗ではなくてよかった。
1投稿日: 2025.01.20
powered by ブクログこりゃすごい!近年ならナンバーワン! これまでの歴史小説に新しい風をぶち込んだんじゃなかろうか。第4章、怒濤の伏線回収も見事! 籠城シリーズとか書いてみてくれないかなあ…じゃあ次は小田原攻めで!
0投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
米澤穂信作品で長編は初めてでした。しかもミリ知らの戦国時代!登場人物の名前とか関係性とか覚えられるのか不安でしたがそこは流石の米澤作品、するすると読み進められました。所謂連作短編の形式ですが第4章で怒涛の展開。まさかの宗教論的な問答に驚きました。官兵衛がもっとヒロイックな活躍をするかと思いきやドス黒い復讐心を持ったアンチヒーロー気質なのが良かった。あと、村重と郡十右衛門の最後のやり取りで感涙。「いずれ、よき時に、よき主の下で死ね」の言葉が切ない。ミステリの枠を超えたエンタメ小説でした。
9投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最後にかけての盛り上がりがすごい。 官兵衛が知恵を披露したいがために村重にヒント与えるというキャラじゃなくて良かった。自分の行いのせいで何百人と死んだこと気づいてしまってるのも良い。
1投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログ大変面白く読まさせて頂きました。 司馬史観でしっていた程度ですが、大きな史実とかけ離れていない中で、心の動きを想像しながらミステリーに持ち込まれていましたね。ミステリーの謎解きと戦国時代を絡めた過去に私が経験していない展開でした。どうかこれからも歴史などを題材にしたダイナミックな小説を楽しめにしております。 有り難う御座いました。
1投稿日: 2025.01.09
powered by ブクログ織田信長に敵対して有岡城に籠城する村重が場内に起こる事件を幽閉している黒田官兵衛の助言を借り解決していく。本来敵対している官兵衛に助けを請う村重の心理描写と二人の距離感がなんとも絶妙。非常に頭が良く隙がないように見える人物として描かれている村重の僅かな心の隙間を官兵衛が数ページの会話で撃ち抜く感じが痛快。牢に入れられ体もボロボロで圧倒的に弱者のはずの官兵衛が村重を圧倒する描写はカッコよく恐ろしい。
0投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログ文体に慣れるのに少し時間がかかったが、織田信長から城を守る、名声を上げる、そんな時代の思惑や状況がリアルに描かれていた。 言葉少なに察する力を読者側にも求められ、読了後の達成感が凄まじかった。
1投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログ読み慣れてない文章が難しく挫折しかけながら頑張って読んだ 他の米澤穂信作品のような文章で書かれていたらすごく惹かれた内容の話ではあった。
1投稿日: 2025.01.02
powered by ブクログ普段時代小説を読まないので文脈の理解が大変で、何度も挫折しそうになった。 武士の心得を知っていたらもっと感情移入して読めるのかなと思ったり。。。
0投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログ歴史小説は、好きなので面白かったです。 有岡城の籠城戦を背景に起きる怪事件の謎を解く推理小説は、フィクション感も感じずに読めました。 村重の側近の名前が覚えられずに少し抜けた部分があるのは自分の力不足かな。
1投稿日: 2024.12.30
powered by ブクログまず前提として、歴史小説に耐性がないと読みづらい。名前は覚えにくいし、言葉遣いで分からないものがいちいち多い。個人的にコレは相当きつかった。 とはいえ、米澤穂信という作家の信頼性は高く、なんやかんや面白かったという感想。
1投稿日: 2024.12.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
話が進むに従って主人公が悪人に見えてくる、入り込みにくいところが苦手。 戦国時代という人の生き死にの基準、というか生かされるリクツが理解できない時代というのもあるかも知れない。
1投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログ序盤のトリックはシンプルであまり驚きもなかったが、終盤の展開は各短編の伏線回収といった形で目を見張るものがあった ただ、自身が歴史小説読み慣れてないこともあり盛り上がる終盤に行き着くまでつらかった、読み終えるのにとても時間がかかった
2投稿日: 2024.12.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
戦国ミステリというあまり聞かないジャンル。 荒木村重、黒田官兵衛を軸に話が進む。 1つ1つが独立したお話かと思いきや、最後に1本に繋がります。正直作中大きなインパクトはないですが、味のある小説でした。 信長離反後の村重のイメージは一般的には暗愚なものが多いけど、この小説では立派な大将として描写が始まります。事件を追うごとに段々とおかしくなっていく村重と城内の雰囲気の描写も印象的でした。
31投稿日: 2024.12.20
powered by ブクログ戦国もののミステリー小説?と、どんなもかと読み始めました。第四部が良かったです、それまでの章の流れを汲みつつ武士と民にとっての極楽への考え、進めと言われても進めない民にとって救いとなることとは、が描かれています。 これによって、第三部までの不可解さ、腑に落ちないところが回収されると言うか。 けど、ミステリーっぽいとこについてはあまりワクワクしないと言うか、先が気になって止まらない!ってのはなかったです。 時代ものは派手な合戦や読み合いを期待してしまいます。壬生義士伝で心揺さぶられる心を持ちたい…。
2投稿日: 2024.12.15
powered by ブクログ2021年下半期の直木賞を,今村翔吾の「塞王の楯」と分け合った本書は,荒木村重を主人公としたミステリーである.時代小説じゃないの?と思われるかもしれないが,4編の連作短編からなるミステリーであり,謎が多い「荒木村重の信長に対する謀反」についての謎解きにもなっている. 荒木村重は,大河ドラマ「軍師黒田官兵衛」で初めて知って(中学までの日本史には出てこないですよね?),往生際の悪さだけが記憶に残るが,上記の謀反,その後に茶人として復活するなど,なかなか興味深い人物であり,本書ではさらにそこに黒田官兵衛の知略も交錯し,とても奥が深い構造となっている.
1投稿日: 2024.12.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【あらすじ】 織田信長に謀反した荒木村重率いる有岡城に 織田勢の使者官兵衛がやってくるところから物語は始まる。 織田勢がいつ攻めてくるか、味方はいつ応援に来るか、だれが裏切り、助けてくれるのかわからない中で「織田との戦には勝てない」と断言した官兵衛を牢屋に閉じ込める。 だが、城内で起こる奇怪な事件を解決するためには切れ者である官兵衛の知恵が必要なため、度々牢を訪れる村重。 【感想】 村重の人物像と有岡城での出来事は、会社にも同じことが言えると感じた。 城内ミステリーを題材にしつつ「組織は内側を強くしなければ外部にも強くなれない」という現代でも通じることが小さなテーマとしてあるのかな?と感じた。 世の中はいつも不条理だ。因果応報には抗えない。今自分に降りかかっていることに気づきもしない因果もあるかもしれない。 戦を活性するために用いた「進めば極楽、退けば地獄」という言葉が、戦には関係のない人達の信仰心を縛り付けていたシーンが、死をより身近に感じてる時代を背景にしているからこそ強く心に残った。 【人物像の良い点】 部下の表情から不穏を察する。洞察力 YES/NOがはっきりしている。 自分の心情を客観視しコントロールできる。 長期的視点をもっている。 【人物像の悪い点】 戦中心の武士しか経験がないため、他の人(庶民など)の本音までは理解できなかった。
1投稿日: 2024.12.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
時代小説?を初めて読んだ 言葉使いが難解で読了にかなりの時間を有した 生かす村重と殺す信長。 時間をかけて築き上げてきた信頼・名誉がいとも簡単に崩壊する恐怖。 村重の気持ちに共感できた気がする。
0投稿日: 2024.12.04
powered by ブクログ武将・荒木村重の歴史的な背景についてはある程度は知っていが、それに物語を組み合わせた作品だ。 ミステリとしては多少物足りないが、読み終わって作品としては上手い仕上がりだと思う。 構成が王道で納得して読める。 それに増して僭越だが、この作家が時代物を書くのにこれ程 巧みだとは知らなかった。
10投稿日: 2024.12.03
powered by ブクログ直木賞受賞作の看板にひかれて読みました。 黒田官兵衛牢獄中の城内に起こるミステリーですが、戦国時代の時代背景の描写はなかなか良いのですが(官兵衛好きには特に)ミステリーが小難しくてマッチしてない気がします。
0投稿日: 2024.12.03
powered by ブクログ米澤さんの直木賞受書作ということで。まるで史実のよう。(修羅の刻のよう。知ってる人がいたら嬉しいな。) 本能寺の変の四年前、突如謀反を起こした荒木村重の有岡城が舞台。タイトルはもう1人の主人公、黒田官兵衛(いやこっちが主役?)を監禁してしていたからだと思います。 長編と言いつつ、米澤さんらしい連続短編で飽きさせないのはさすが。特に二つ目の夜襲からの首の話の謎解きはゾワっとしました。 歴史物で抵抗あるかもですが、黒田官兵衛の安楽椅子ぶりは、名軍師と相まって面白い。 折れた竜骨と違って真っ向勝負なので読み応えはあるかと。
4投稿日: 2024.11.25
powered by ブクログ時代小説✖️ミステリーの内容は面白かったが、時代小説独特の文章が難しいため、半分程度の味わいだった。もう少し読みやすいと、もっとはまれたかな。
7投稿日: 2024.11.22
powered by ブクログ乱世の中にあってミステリー要素がここまで光るのは予想外だった。籠城戦だけに少しずつ倦んでいく人心の最中にあって、異才を放つ官兵衛の存在感は大きい。
1投稿日: 2024.11.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
4つの中編から構成される時代物&ミステリー物 中編単位には小さい話だなと、読み応えは若干少ない 最後の中編で他の3編がまとまり、大きな流れになったので、読むべき小説です 荒木氏の信長からの離反、籠城している城からの脱出など背景や心情がわかっていなかったけど、作者はこんなプロットでどうですか?と提示してもらったような気がしています ミステリーという形で戦国を語ってみせる手腕に驚きです
1投稿日: 2024.11.11
powered by ブクログ「荒木村重って誰?」レベルでも楽しく読めました! 史実を知らない分、先の読めないミステリーとして純粋に楽しめました。歴史を知っていたら、史実と史実の隙間にこんな物語を見出したのか!と感動できるんだろうなと思います。 リーダーの苦悩って、今も昔も根底は同じなんだろうな。お城運営大変そう。。
1投稿日: 2024.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
米澤穂信といえば、【インシテミル】や【氷菓】など軽いタッチの作風の印象だが、重厚な時代小説も書けるなんて、オールマイティだな。 時代ものではあるが、山田風太郎作品などで時代小説に慣れていたので、特に苦労なく読めた。 舞台は伊丹の有岡城。主人公は、有岡城城主・荒木村重、そして探偵役は黒田官兵衛。伊丹のそばに住んでいるので、とても親近感のある作品だった。黒田官兵衛が幽閉されるくだりは、てっきりフィクションだと思っていたので、史実ということに驚いた。この本を通して、有岡城の歴史を知れたので、ぜひ城跡を見に行ってみたい。 歴史に疎いが、どの話もおもしろかった。個人的には、思わぬ結末に驚かされる「花影手柄」が好きだった。 読み終わってから、荒木村重を調べると、なるほど家族を残し城を捨てた人物として知られているのだな。実際にどのような目論見があったのかは分からないが、この本を読んでから事実を知ると、なんだかやりきれないなあ。
5投稿日: 2024.11.07
powered by ブクログ素晴らしい作品でしたー 時代小説をああもミステリアスに仕上げるなんて秀逸としか言いようがない作品です、描写もリアルで読中頭の中はイメージで一杯でしたー 終わりの『その後の経緯』描写も締め括りには最高だった…是非是非映画化して欲しい作品です。
7投稿日: 2024.11.06
powered by ブクログおもしろくて夢中で読みました。 荒木村重の歴史小説かと思いきや、ミステリー! 史実なのにミステリー? 謎解きもおもしろいけど、いろいろ隠されている伏線。 史実としての悲しい涙、悔しい涙、感動の涙の終わりでした。
9投稿日: 2024.11.05
powered by ブクログ夢中になって読み終えた 史実を交えながら、息の詰まる展開が続く。 まるでその場に居合わせるような感覚だった。
1投稿日: 2024.10.25
powered by ブクログ時代物の小説は苦手だが、この本はまるで荒木村重を生で見ているように、入り込んで読むことができた。 それにしても、信長は恐ろしい人だ。
4投稿日: 2024.10.21
powered by ブクログ戦国時代が舞台の歴史小説なのに、確かにがっつりミステリ!籠城中の城内で起こる一見不可能な殺人、謎を解くヒントを出すは安楽椅子探偵ならぬ地下牢探偵黒田官兵衛。城主荒木村重との会話はヒリヒリします。ラストまで読み、巡る思惑が行き着く先のカタルシスを堪能できました。
0投稿日: 2024.10.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良いエンタメ。 序盤から徐々に濃くなる破滅の気配に、行動基準含めて文化的な歴史背景を踏まえた純粋にミステリーとしての面白さ、などなど読み応えがあった。 終盤が怒涛でまた面白い。
0投稿日: 2024.10.18
powered by ブクログ城内で起こった難事件を解くため、城主荒木村重は土牢にとらえた黒田官兵衛に謎を解くように求めるが…。 あらすじを見て、官兵衛は安楽椅子探偵的なポジションなのかと思っていたら、そんな優雅な身分ではなく、とんでもなく気の毒な状態でびっくりしてしまった(笑) 城内で起こった四つの事件。どれも戦国時代ならではの事件で面白い。伏線回収が素晴らしく、前半はゆっくりペースで読んでいたのに、後半は一晩で読み終わるほど夢中になってしまった。初めは「戦国+ミステリー」とはどんなものだろう?と思ったけれど、全く違和感がなく、これが史実だと言われれば信じてしまうほど。日本史をほんのり覚えていたので複雑な気持ちで読み進めたけど、読後感も含めて最高に面白かった。
1投稿日: 2024.10.16
powered by ブクログ最初は読みにくいし人の名前覚えられん!って思ってたのに気付いたら一気読みしてた! 最後ちょっと予想出来ちゃったけど最初から最後まで本格ミステリって感じで面白かった〜。歴史小説のロマンスと推理小説のワクワクどっちも味わえる新感覚!どうせ読むなら歴史詳しい方が面白いかもしれないけど何も知らなくても面白い!
0投稿日: 2024.10.16
powered by ブクログ歴史小説に馴染みがなく取っ付きづらかった部分はありましたが、歴史の知識に乏しい私でも、読みはじめてしまうとスルスルと読むことができました。ちゃんとミステリーしてる! この時代ならではの言い回しにおいても、作者の美しい文体はしっかりと映えるのですね。ラストもとてもよかった。
8投稿日: 2024.10.15
