
総合評価
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powered by ブクログジャック・ウェルチの経営を否定。金融第一・株価至上主義の経営からの脱却を説く。その問題提起はさまざまな方面から噴出してきている。 資本主義経済に代わるコンセプトが求められている。 1.世界No.1経営者とされるウェルチに対して、歴史の評価は「✕」を下す 2.ウェルチの経営は「財務」でしかなく、究極は「GEキャピタル」に収斂した ① リストラ・コストカット=人員削減・アウトソーシング ② M&A その後①へ ③ 自社株買いへキャッシュを注ぐ 3.研究投資・Innovationなく、「未来」は生まれない 本業は衰退 社員のモチベーション劣化 ⇔ロマン・社会貢献の重要性 4.株価至上主義=時価総額の極大化 四半期決算を最優先=粉飾決算の誘惑 1度手を染めると雪だるま ex東芝と同じ GEキャピタル[金融]は「打ち出の小槌」 ⇒通常事業と金融事業を同時に経営は出来ない 価値観の違い
2投稿日: 2024.10.25
powered by ブクログウェルチのことを知っている人、優れた経営者だと思っている人にとっては、本書の内容は意外な真実と感じられるのだろう。 私のような門外漢にとっては、「なるほど、かなりヤバい人だったんだなぁ、トランプと同類の人なんだな」という感想。 ウェルチによりGEは多大な利益を上げた。しかし内実はボロボロで、長期的に存続できなくなっていた。だがGEが凋落したのは、資本主義での競争が健全に働いていた、ということかも。 企業が莫大な利益を叩き出し、株価が成長しまくるのと引き換えに、周りの社会、そこに生きる人々は苦しみ、疲弊する。株主資本主義が徹底した世界がどれほど生きづらいか。日本も少なからずその方向に向かっている。 ウェルチズム批判の本書は、より良い世界の一助となるだろう。
1投稿日: 2024.07.19
powered by ブクログかつてジャック・ウェルチと言えば名経営者の誉れ高く、当時の社長も「ウェルチはこう言っています」とよく引き合いに出していました。しかし、その名門GEが、ダウ平均銘柄から外され、収益源と言われたGEキャピタルを手放し、さらにはドル箱だった発電機・ヘルスケアも売却。いまや「ただの航空機エンジンのサプライヤーになり下がった」内情・顛末について詳しく論じています。本書ではその要因を、「ダウンサイジング(人員削減)、事業売買、金融化」を推し進めたウェルチズム、内部でのパワハラ言動、粉飾操作などに起因すると分析しています。 正直、ここまでひどかったのかと驚かされました(ウェルチはアンパンマンの対極)。一人の経営者によって会社が傾くことは東〇・シャー〇などでも既視感があり、児玉博氏の『テヘランからきた男』にも通底するところがあります(日本の某通信事業会社も大丈夫か…)。 著者は、NYタイムズの記者ですが、多面的な取材と分析を重ねており、訳もとても読みやすくできています。ユニリーバなどを対比して、長期的な視点に立つことの重要性を訴えていますが、最後の提言では、これが「新しい資本主義」ではないかと思わせる内容です。
0投稿日: 2024.06.14
