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powered by ブクログ表題の燕は戻ってこないって、そういうこと?てなる最後でした… 物語の初めから少しずつ考え方が変わっていく人達を見ていたら確かにそういう事あるあると思ったり。一度は決めた事でも状況によってはブレたりまた迷ったり。なんかなんとも言えぬ人間ってこうやんなって感じ。それにしてもなぜか草桶夫妻に肩入れしてしまって、リキとりりこにイラっとする事多かったのはなぜなんだろうか。。。すごく不思議な読後感です。難しい。
1投稿日: 2025.10.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いろいろわからなくもないけど、ちょっと複雑すぎて気持ちがついていかない。 希望金額を全てもらった上に、双子の片割れを連れて逃げるように去るのは如何なるものかと思うが、気持ちはわからなくもない。 私なら最初から代理母などやらないとは思えど、同じ立場になったらそれが絶対だとは言いきれない。
0投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
娘と2人、リキはどうなるんだろう?北海道に帰るのか、沖縄に行くのか?基は娘を取り戻そうとするのか? 娘だけ連れて行くのは母親として正しいのか?とも思うし、契約上2人とも連れて行ったら捜索されて2人とも奪われるのかもしれない、そう思った末の選択だったのか。 続きが読みたいと思った本だった。
0投稿日: 2025.08.31
powered by ブクログ桐野さんワールド全開。 えぐられるけど、えぐられる覚悟で読むことをおすすめします。たまたま電車で隣り合った人がこういう人生を生きている可能性があるから コンビニのコーヒーとスタバの違いが、胸に刺さっていて、この小説を読んだ後はテイクアウトされた(した)コーヒーを見ると一瞬体が止まります。 やはり、非正規雇用を恣意的に拡充してきた社会の失敗だったのだろうか。
0投稿日: 2025.08.11
powered by ブクログなかなか重い内容。 命に関わることって全て綺麗なわけではないし、人間誰しも自分勝手なところってあるよなと。全員コロコロ意見変えるなと。でもそれぐらい出産って大きい出来事なのかな。 ぐりとぐらが幸せに暮らせますように。
0投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログ代理母出産を題材に、女性の貧困、性差別を描いたお話し。NHKのTVドラマで見た知人から、スゴく面白かったから是非見てみてって言われて、探してみたけどネットでも見当たらず、小説を読みました。TVドラマと小説では、エンディングが違うみたいだけど、桐野夏生さんが伝えたかったのは小説の方と、勝手に納得しました。
32投稿日: 2025.07.03
powered by ブクログ立場や環境が変わると人の考え方や振る舞いが変化していく。本当にその通りだと思う。当事者になって初めて気付く感情や言葉にできない「何か」が確かにある。 その本性が恐ろしいほど巧みに描かれていた。読んでいてゾクッとした。
5投稿日: 2025.07.01
powered by ブクログ面白くて一気読み。桐野夏生はやっぱり推し。『柔らかな頬』以来の一気読み。最後のラストは予想外で衝撃だった。主人公に完全に共感はしなくとも最後までどこか主人公の味方だった自分がいた。桐野夏生の書く「女」が本当にリアルで恐ろしくて好き。
0投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログ代理母出産がビジネスとして成立するかはわからないし、成立してよいものかそもそもの疑問はあるけど、割り切れない思いがあるのなら引き受けてはいけないと思う。 貧困を理由に代理出産を引き受けてしまうリキ、依頼主側ではあるけど代理出産に対して納得できない悠子、自分の遺伝子の続きを見たい元バレエダンサーの基。3人それぞれの視点で話が進んでいく。 それぞれの登場人物に共感はできない。 悠子はまっとうに見えるが、状況によって意見が変わって一貫性がない。 自分の遺伝子の先が見たいという理由で子供を欲しがる基が自分の夫だったら、絶対別れる。笑 女性は様々なものを犠牲にして出産するのに自分勝手が過ぎる。 確かにリキは貧困につけこまれる形で引き受けることになったけど、短絡的な考えで行動するし、後先考えない性格には、もうちょっとどうにかならない?となった。 学のなさや困窮者の金銭感覚の表現の仕方がさすがだなと感じた。
0投稿日: 2025.04.22
powered by ブクログどれだけ医療技術が進歩したとしても、自然の中に不自然を持ち込んではならないと思った。また相手を好きだと思う気持ちや愛情があるからこそ許される行為や結果があるのも確かで、だからこそ生命の誕生に思惑を持って手を出してはならないのだと改めて感じた。
0投稿日: 2025.04.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
うーん…消化しきれない話だった。誰が嫌いってみんな嫌いなんだけど、悠子が一番嫌いかも…。なんか基はギリギリわかるんだよな。むかつくけど。うーーーーん。
1投稿日: 2025.04.03
powered by ブクログ倫理の教科書の様な一冊 何が善で何が悪か、子供は誰のものか色々考えさせられた。読後誰かと話したくなる。私は草桶家全員嫌い。
0投稿日: 2025.03.24
powered by ブクログ貧困・性・エゴ それぞれの想いが絡み合い進んでいく代理母への道 答えなんて私は持ちあわせていないテーマの詰め合わせに、只々打ちのめされた一冊でした 女性であるが故の負担の重さに複雑な気持ちになりつつも、主人公リキの選んだ選択 戻ってこない燕は自由になったのか 押し潰されたのか 両義的な意味でタイトルに掛かっているんだと思いました
8投稿日: 2025.03.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読みやすく先が気になり続けて勢いよく読み切れた、楽しかった エゴの塊のように子供を欲する基に、最近まで第二子諦め切れない気持ちでいた自分が重なった あなた達にもお腹を切って欲しい、というリキの言葉で急に帝王切開の痛みを思い出した。ああ、自分は命をかけて我が子を産み育てられているんだなとしみじみ感じ、大事に育てたいと思った(今日も朝から怒ってたけど) 貧困というテーマというよりは、子を産むとは何なのか、子供は誰のものなのか、ということを私は考えさせられる気持ちになった
2投稿日: 2025.03.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
代理母に子どもを産ませる人のエゴには常々腹立たしく感じていたので、共感しまくり。 エージェントの青沼の不全感の話が腑に落ちた。 前半のリキやテルの貧窮描写はリアルで、代理母を選択してしまう気持ちもわからなくはないと思えたが、りりこの家での暮らしは浮世離れし過ぎで、リキに都合が良過ぎてて冷める。 テルもソム太の子ども産んで幸せになれるのかな。
0投稿日: 2025.02.14
powered by ブクログ不妊治療の結果が出ない夫婦が代理母を探しています。母を代わるのではなくて「妊娠を代わる」。 どの登場人物の言動にも一理あるようで、自分が一番大事という人たちばかり。 妻である悠子は不倫の末の略奪婚だけど「この人だけはまともかも」と感じていました。 話が進むにつれ、あれ?雲行きおかしいぞ? 夫もひどいが、あんたもひどいな。 でも私が悠子なら、きっと葉っぱの小舟くらい感情が変化すると思うのです。彼女のことを批判できないんですよね。 憤りながらも自分の心の底のヘドロを掘り返されたような気分。
0投稿日: 2025.02.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ドラマが話題だったので読んでみました。 なかなかの文字量だったけど、すんなり頭に入ってきて、物語にどっぷりのめり込んでしまう。 私の、「読書の好きなところ」が満喫できる一冊◎
0投稿日: 2025.02.05
powered by ブクログ結局わたしは当事者になるか、そばでリアルに話を聞くかしないと他人の辛さや心の痛みや感じる違和感に共感したり寄り添ったり慮ったりできるような繊細な感覚を持ち合わせてないと痛感させられた。 代理母になるしかないのも田舎から出てきて困窮するしかなかった環境のせい。代理母になる決断も「テルがやるなら」と人まかせ。草桶夫婦のために子を生むことは青沼さんが言った「人助け」なのだと思い込もうとする。あげく無責任なクズ男と流れで寝るなど、ずっと人に聞いてとかその場の勢いでしか考えられてなかったリキが、最後だけはやっと自分の意志を認めて覚悟を決めたように思えた。 興味本位で口出してくるりりこが意外と重要。りりこが無責任な分、悠子やリキが妊娠出産や子育てに向き合っていってる気がした。
11投稿日: 2025.02.02
powered by ブクログ『新たにどこかに踏み出すにも、時間と金が必要だった。』 時間と金、時間と金… センシティブな内容過ぎて、読む人の状況によってそもそも読める読めないがあると思う。 以下、感想。 貧困と性 、金持ちとエゴ それを結びつける生殖医療ー代理母の話 作中では、子どもを産むということに全能感を感じるという女性の話と、不妊治療に臨む親たちが一番言葉にしにくい感情は不全感なのではというプランテの話が印象に残った。(もちろん、ただの、この本の中の登場人物の考えに過ぎない。人それぞれなのは言うまでもない。) 生殖を担わされる女だから、産む意志の有無に関わらず、産みたくてもできないも、そもそも欲しくないでも、どっちに転んでも、産みたくて自然に出来た意外は男よりものすごくの何かを背負わされるのかもしれない。 そんな中りりこの言葉は印象深かった。 「夢の世界はそれぞれ違う。だけど、私は夢の世界は、他人に負担を強いてまで作るものではないと思っている」 「女は生殖なんて担わなくていい」 「子どもは誰のものか」 生殖機能と運と時間と金 いろいろぐるぐるするけれど、この本におけるテルの存在は大きいと思う。テルが何をどう決断したのかがリキをどうしようもなく揺さぶり、リキの最後の決断に繋がったのかとも思う。 なかなかエグい表現が多くて疲れたけれども、「それぞれの立場のそれぞれの気持ちがわかる」というドラマを見た母の感想を聞いて読んでみてよかった。
21投稿日: 2025.01.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なが!って思ったけどすぐ読めました。 深い。。。この作家さん、昔の作品はエログロなイメージしかなかったのですが、今の不妊の女性の心の複雑さや、子供を持つということ、先々有り得る代理母という選択肢、、、など色々考えさせられる話でした。 でも、やっぱり産むと母性出ちゃうよね!女の子を選んだという所にまた色々意味を感じます。
1投稿日: 2025.01.11
powered by ブクログ登場人物たちの心の葛藤、揺らぎにイライラしつつ、どうなるの?どんな決断を下すの…??と、私の感情を最後まで引っ張られた。 ありえなくもない、でもありえる設定。 自分がリキの立場だったら、どのタイミングでどんな決断をするんだろう。 モトキの立場だったら? 悠子の立場だったら?? そんなことを考えさせられた。
2投稿日: 2024.12.17
powered by ブクログ29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者 日々の生活に疲れていたリキは国内では認められていない「代理母」となることに お金のためと割り切ったはずなのに、悩み始めるリキ。 出産経験もないので、「これで良かったのか」と悩むのは仕方ないかもしれないが、すべての行動が短絡的すぎる気がする。ラストのリキの決断も自己中心的ではないだろうか 草桶基・悠子の気持ちが揺れ動くのは理解できる。 悠子の友人・リリコが自分の信念と好奇心で話をかき回すことで、展開にメリハリがついている
2投稿日: 2024.12.07
powered by ブクログテレビドラマでも話題になったと聞き読みました。高齢出産、代理母出産、その中で揺らぐ女性の想いがそれぞれの女性目線で描かれています。 結婚して子供ができて…という一般的な理想を求めるがあまり、本当に大切にするべきことは何なのか考えさせられました。 最後の最後まで目が離せない展開で、ハラハラドキドキしながら読みました。
0投稿日: 2024.11.29
powered by ブクログ結婚した今こそ刺さる小説。 子供とは?結婚とは? カタチだけれど、カタチじゃない。ぐるぐる巡る悩みは移る。
1投稿日: 2024.11.29
powered by ブクログ代理出産する同年代のリキの気持ちがなんとなくわかる気がした。 ドラマあるみたいなので見てみたいと思ったし、 初めて読んだ作者の方だったけど読みやすくて女性目線で他の作品も読んでみたいと思った。
0投稿日: 2024.11.28
powered by ブクログドラマを途中ちょっと5分ほどみて気になっていた作品。 ドラマでは稲垣吾郎が基役だったけどその印象がとても強くて本を読んでてもその顔しか浮かばないくらいぴったりだった。 興味深く読んだけど、私も昔から妊娠がエイリアンみたいと思ってた。
1投稿日: 2024.11.28
powered by ブクログNHKドラマ 2024.4~7 全10回 最近のドラマで1番ハマった。 気になっていた「桐野夏生」原作だったので読んでみたけど、先が気になって、ドラマを追い越さないように読むのが大変だった。 代理出産って、まあ、10か月くらい耐えればいいか~って思ったけど、つわりとか、苦しかったの思い出した。 おまけに、産後の体型も変わっちゃうし。 下手すりゃ命の危険さえある。 引き受ける? でも金は欲しい… 頼む方の責任もだいじ。 いろんな「男」と「女」がいて、考えさせられた。 「桐野夏生」いいね。 あとがき書いてる、もとAV女優の「鈴木涼美」も気になった。
0投稿日: 2024.11.02
powered by ブクログ久々に考えさせられながら本を読んだ。代理母になることを決心してからも揺らぐリキの気持ち、草桶夫婦の失礼極まりない発言やコロコロ変わる気持ち。正解が分からない中で悩みながら過ごす描写が良かった。途中バレやしないかとヒヤヒヤ。最後、それはアリ!?という終わり方だったが、やはり母は宿した者なのだと思った。
0投稿日: 2024.10.29
powered by ブクログ仕事に対する不満や劣等感、お金がない欠乏感、そしてその苦しみを誰にも理解されない孤独感からか、軽率な行動を取り続けるリキと、自分の優生なDNAを持つ子供が欲しい夫、基と考えの違いから離婚を考える妻、悠子。 物語は場面ごとにそれぞれの立場でころころ入れ替わり語られていくので、ある時はリキ寄りの心境になったり、またある時は基や悠子に感情移入して身勝手な行動に腹を立てたりしながら読み進んでとても疲れました。 3人以外のキャラも濃い。とくにりりこ。 ちなみに私はりりこが苦手でした。 (9/25読了)
0投稿日: 2024.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
無人島でふたりきりになっても関係持ちたく無いみたいな話がでてきてこの前東京島読んだからニヤリとした。 りりこうざいけどリキの仕事と生活と実家の病院の世話までして優しいところもあった。実家太くていいな。 悠子がリキに送ったメールのような気遣いある文章を作れるようになりたい。略奪はどうかと思うけど。 リキは幼稚だな。 青沼が間に入って当人同士は会わない方がいい。何のためにいたんだ。
0投稿日: 2024.10.20
powered by ブクログリキの気持ちがどうなってくのか気になってページを捲る手が止まらなかった。面白かった!! しかし結論みんな自分勝手でカオスで共感は全然できないな…(;゙゚'ω゚'): あと、私はちゃんと夫の子を妊娠中なのできっと出産して赤ちゃんを見たら前向きな保護本能が湧いてくるんだろうなと安心したm(._.)m笑
0投稿日: 2024.09.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
みんな勝手 誰一人として共感できなかった まず草桶基 奥さんの気持ちもろくに想像せず自分の遺伝子を残すことのみを考え、代理出産の話をすすめた 悠子は悠子で 自分の子でないし、育児で手がかかるのも面倒といったんは母になるのを拒絶したくせに赤ちゃんの顔を見るなり親になりたいと考えを一転させる そして主人公のリキ 金欲しさに安易に代理出産を引き受け、ビジネスと言うわりに平気で契約違反 違約金を払うのが当然というレベル 悠子の友達のりりこも気持ち悪いし… 子供は誰のもの? 大人になった時 悠人と愛磨は何を思うんだろう
0投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
リキの身勝手さに、どうして周りは寛容なのだろう?最後まで疑問でした。 お金を払った時点でもう契約成立、れっきとしたビジネスだと思う。お金を貰ってから、心がついていかない、倫理的にどうのだのは、流石に通らないのでは? 草桶夫妻はもっと強く出るべきだったと思う。
15投稿日: 2024.09.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
貧困、生殖ビジネスなど現代っぽい題材の話だなと前から気になっていた。 リキのキャラクターが最後までつかみにくかった。 題材はすごく興味があったからサクサク読めたけど、各々の登場人物視点の話をもうちょっと詳しく知りたかったかもしれない。 ラストは、これからどうなるの?こわっ…という終わり方で少しドキドキした。
0投稿日: 2024.09.01
powered by ブクログ2024.8/28 期待しすぎたかなぁ。 妊娠してからの流れが短絡的すぎて、気持ちの変わりようについていけなかった。とくに悠子。 そしてラスト。 双子の時点で、どっちかを育てるのかなぁとか思ったけど、なんかしっくり来ないラストだった。 もう少しフェミニズム要素を盛り込んでも良かったんじゃないかなぁ、と。
0投稿日: 2024.08.28
powered by ブクログ色々考えさせられるケド、ビジネスと倫理観、そこに個々の感情が入るともう、ぐるぐるまわってしまう。割り切るのは無理だと思うけど、迷いが少しでもあるのなら絶対に代理母はダメだろうな、と改めて感じた作品。 こんなみんなふらふらした考えで、よく子が欲しいと言えたものだと思う。代理母も卵子提供もこんなんで大丈夫なんやろうか。 結果論では絶対ダメ!!生まれてきた子たち以外、全員に対して、腹立たしかった!! なので、絶対に!! みんな幸せになって欲しい!!
9投稿日: 2024.08.28
powered by ブクログ登場人物たちの倫理観の無さに不快感を抱きつつも、 子供ができず悩む人たちと それを取り巻く人たちのむきだしの本音が すごくリアルに伝わってきた りりこの無責任なわりに上からの態度には 終始違和感を感じたけれど 当事者でもなく、性行為とその先にも 興味がない人の 本音ってこんなものなんだろうか 立場や状況が変わると妊娠や出産に対しても 価値観は変わってくる 実際に妊娠して命懸けで産むのは女性なのだから、どれだけ男性が寄り添っても 本当の意味で分かり合うことはできないんだと 考えさせられた 『私は何を売り渡したのだろう』 リキのこの言葉がすごく重く心に響く
1投稿日: 2024.08.24
powered by ブクログ今、この年齢で読むことができてよかった。 女はいつでも期限に追われている。 子供を産むこと育てること、親になるということ、 その全てについて考えさせられた。
0投稿日: 2024.08.22
powered by ブクログNHKの同名ドラマ原作。 この世界観をよく映像化したな、とドラマ作成スタッフに頭が下がる。 本書にない部分も原作を損なわないように挿入され、気持ち悪さや居心地の悪さ、揺れ動く心をキャスティングから小道具に至るまで緻密に作っていたように思う。 そして、ドラマと書籍のいずれも、妊娠中に出会えたことが嬉しい。 さて、物語は代理母の話。 金がないから子宮と卵子を売った主人公リキ。 代理母を人助けと思っている企業:プランテ。 自分の子供(孫)にこだわる草桶家。 一番感情移入できたのは露悪的なりりこだった。 自分がどの立場にいるかで、感想は大きく変わるだろう。 私はりりことは全然違うけれど、りりこの考えに納得できるところが多かった。 代理母まで使って自分の子供にこだわる気持ちがよくわからない。 確かに自分の子は可愛い。 けれども、里子や養子を愛することだってできるし、自分の子だから無条件に皆が愛するわけでもない。 実際に代理母を利用している人もいるので、いいとか悪いとかましてや断罪するつもりはない。 ただ、私だったらそれを良しとする気持ちにはなれないから行わない。 一方で、私が自分の遺伝子を受け継いだ子供を妊娠しているのはなぜ良いのか、それに対する明確な答えも持ち合わせない。 自分の体だから良いの? 自分で選んだ人の子供だから良いの? だったらなぜ代理母はダメなの?と。 最後のシーンは、納得いかないような、悲しいような。 片方だけ、は子供の気持ちとしてはどうなんだろう。 自分が残された子供だったら、と思って胸が痛んだ。 その問題は、内密出産にもつながる。 仮に親が幸せになって欲しいと願ってのことだとしても。 感想が書ききれない。 読み進めている間中、私の腹の中で、私以外の生き物が自らの存在を主張すべくずっと蠢いていた。
10投稿日: 2024.08.21
powered by ブクログドラマ未見。 生殖ビジネスも貧困も、ちょっと自分のキモチ的な体力がついていかなかったので。 (きれいな二世女優さんでは貧困が伝わらない…) でもとても気になっていたので、思わずよまにゃ目あてで購入。一気に読めてしまった… ただあんまり読後感は良くない。 特に一番共感できそうかな、と思った悠子の行動の変化に驚く。ショック。 リキの、冒頭からエンディングまでの心の揺れはとても理解できる。でも、共感はしない… 実際にはもっともっと驚くことが現実にはあって、お前の考えは甘いと言われるのでしょうが、それでも貧困の厳しさはわかりすぎているので、なおさらリキの選択一つ一つに自分の心も揺さぶられます。 さて、りりこは一見バランス良さげですが、あの男性性器を連呼する姿は異様でした。5歳児ですよね… 何かエピソードがあるかと思っていたのですが、アセクシャルなだけらしい…叔父さんも妙でしたが。 ま、金持ちの生まれだし、リキの気もちには寄り添えないでしょう。貧困の経験がないわけで。 ラストはどう受け止めたら良いか… ファンタジーと思えばいいのか。 まあ、全体がファンタジー的でした。 ただしお腹の底にぐっとくる、タフなファンタジー。お腹いっぱい。 社会派な1冊ですが、あまりの読後感の悪さに星3つ。誰も殺されてないのに…でも、それが今なんとなく社会に静かに潜むもやもやの原因のような… こどもって…と考えさせられる1冊でもありました。
0投稿日: 2024.08.19
powered by ブクログ男女や貧富の格差の描き方にはかなりリアリティがあったが、登場人物たちのリアリティは少し薄かったように感じる。特に男性たちがちょいクズだけど全員基本的には良識的で、現実世界で貧困女性が必ずと言っていいほど鉢合わせるどクズ男が現れない。(自転車おぢがいたか。)女性の感情任せの適当さや責任感のなさには嫌悪感と共にでもまぁあるよなぁと納得させられる部分が多々あっただけに男性陣の現実離れした品の良さは少し残念だった。後半になるにつれ、コレどーすんのよ?と呆れ笑いが出てしまうほど登場人物たちの計画性の無さに振り回される展開が続くが最後は一転、静かに問題提起されたような終わりだった。
1投稿日: 2024.08.15
powered by ブクログこの身体こそ、文明の最後の利器。 29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。 子宮・自由・尊厳を赤の他人に差し出し、東京で「代理母」となった彼女に、失うものなどあるはずがなかった――。 北海道での介護職を辞し、憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニック「プランテ」の日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられ……。 ドラマを観て 原作が気になったので読みました ドラマは原作に忠実に作られていましたね 原作は登場人物それぞれの心情がよりわかるようになってました それにしても読み終えてみて 子供達の将来を考えている人は1人としていなかったなと感じました 内容的にそこは描きたかったところではないのだろうけど なんだか自分勝手な人ばかりな気がして ドラマを観ている時は嫌な気分だった 私には 子供が欲しいけど出来なくて苦しんでいる人の気持ちは到底わからないのだろうけど… あぁぁ…でも、子供のいる私もたいして変わらないのかな…?と思ったり… 人間はそこの部分は関わらない方がいいのでは?と思っている
13投稿日: 2024.08.14
powered by ブクログ2023年度第64回毎日芸術賞、第57回吉川英治文学賞をダブル受賞した代理母出産をめぐる人間ドラマを描いた作品。 頼る者もなく都会で生きる女性の貧困がこの話の出発点であり、貧困を抜け出すために「わりのいバイト」ということで、友人の勧めで卵子提供をすることになったのだが、向かった先のクリニックで代理母出産をを持ちかけられる。大金と引き換えに自らの身体を提供する…。はじめは簡単に割り切れるものだと思っていたが、依頼した者もされた者も気持ちは二転三転していく。 貧困にあえぐ女性と、そこから抜け出すための生殖医療の倫理観。一種の性ビジネスなのかもしれないが、現代社会が抱える大きな闇のように感じる。
0投稿日: 2024.08.13
powered by ブクログ面白すぎて一気読み。 代理母出産をテーマにした長編小説。 母とは何か、子供とは誰のものなのか、について考えさせられる。 妊娠・出産・子育てについて関心のある人には、男女問わず読んでほしい一冊。
2投稿日: 2024.08.01
powered by ブクログ配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01429729
1投稿日: 2024.08.01
powered by ブクログドラマを先に見て、結構面白かったので早速。 代理母というテーマも面白かったけど、やはり最後の終わり方がびっくりで何度もページをめくったり戻ったり。
10投稿日: 2024.07.28
powered by ブクログ私はとんでもない怪物のような本を読んでしまった。生殖ビジネス、代理母をテーマとしており、「倫理観」とは何かを終始考えさせられた。倫理とは人として守るべき善悪や是非の判断基準、つまり普遍的なものであり、人による差異はほとんどないのではとこの本を読む前は思っていた。しかし、こと子供に関して立場や考え方が変われば倫理観も異なり、どの登場人物の考えにも納得することはできなかった。 本書のタイトル「燕は戻ってこない」とはどういう意味なんだろう。主人公が代理母として赤ちゃんを産み、産んだ後に依頼主の元から消えるからなのかと考えたが、親鳥(依頼主)の庇護の元で対価(餌)をもらい、産んだ後(対価を得て生活できるようになる)に巣立つことを指しているのかなと感じている。
2投稿日: 2024.07.23
powered by ブクログ『OUT』での衝撃が強すぎて、作品に入り込んで読むのが怖くなり、遠ざけていた著者の作品。NHKでのドラマを見て、原作との違いが気になり、手に取る。ドラマは、ほぼ原作通りだった。 出産は、今日妊娠して明日生まれるわけではなく、十月十日お腹の中で育んでから出産するものである。ビジネスとはいえ、そうやって生まれてきた子に対して、割り切れるはずはない。生まれてきた赤ちゃんと少しでも過ごしたなら尚更。ラストは、衝撃的であるが、納得もできた。 女性の貧困、経済搾取、代理母等生殖医療ビジネスを問う作品。
1投稿日: 2024.07.22
powered by ブクログ主人公が日本では認められていない代理母出産の申し出を受けた理由が、単なる貧困のためという設定はややチープな気がしたけど、それ以外の部分はかなり面白かった。 テーマが生殖医療なので重くしようと思えばいくらでも重くできそうなんだけど、主人公の周囲の人物たちがみな個性的で、とても生き生きとした筆致で描かれており、ちょっと意外なくらいに読んでいて楽しかった。特に代理母出産を依頼する夫婦の節操のなさがコミカルで笑えてしまう。いや本人たちは真剣なんだろうけどさ。春画を描く画家の女性も、周囲を全く気にせず思ったことをズバズバ口に出してなかなか痛快。 きっと世間的には社会派小説としてカテゴライズされるのだろうし、実際色々と考えさせられる部分はあったんだけど、個人的には本作の一番の魅力は深刻さと軽快さの絶妙なバランスにあると思う。ここ数年の中では一番好きな桐野作品になった。
1投稿日: 2024.07.20
powered by ブクログNHKでドラマが放送されたそうです。 あっという間に読まされたさすが桐野夏生さんです。 北海道の田舎から東京に出てきて、派遣で病院の事務をするリキが極貧生活に疲れて代理母の取引をする話です。相手となる夫婦は舞踏家夫婦は色々試したが子供が出来ず、妊娠は絶望的。取引を受ける時も妊娠中も出産後も迷い揺れるリキだったが、最後はしてやったり。ラストは結構好きです。作者らしく····少々の不穏さは孕ませつつも、主人公の選んだ自由に向けて一歩踏み出す感じです。 登場人物皆の意見がどんどん変わりすぎて、結末も衝撃… でもそれほどまでに迷っている様は逆にリアルなのかもと思いました。
8投稿日: 2024.07.19
powered by ブクログNHKのドラマでタイトルを見たなくらいの動機で手に取った1冊だが、衝撃だった。 都会で経済的に疲弊していたリキは、お金のために代理母を引き受けることに、、、 お金のために自分の子宮を売ることに対する本人や依頼主の草桶基や悠子の葛藤や揺れが見事に表現され引き込まれてしまった。 巻末の鈴木涼美さんの解説が、またよかった(^_^)
1投稿日: 2024.07.15
powered by ブクログドラマ化を機に。 「グロテスク」が当時の自分にとっては衝撃的過ぎ、以来遠ざかっていた作家さんでしたが、時代を捉え、ブレない作品を描き続けていらしたのだとわかり、この間の作品も読みたくなりました。 ドラマでは、脚本家さんが視聴者に伝わり易くするための工夫もされていたことから、おふたりの協力も感じられ(俳優さんたちの素晴らしさも相まって)忘れられない2024年6月になりました!
6投稿日: 2024.07.05
powered by ブクログストーリー自体は面白かったけれど、登場人物のほとんどに共感できなかった。主人公リキもしかり。 生まれ育ちの差異は確かにある。一所懸命働いても酬われないと感じざるを得ないこともある。だからと言って、リキの行動はあまりにも安易すぎると思うし、その後の彼女の行動も身勝手の何ものでもないと思った。 代理母というシステムは貧困ビジネスの一つなのだと、この本を読んでそう感じた。子どもがほしい、自分の遺伝子を持つ子どもがほしい、その思いは分かる。でも、だからと言って代理母とか、卵子提供とかそれは親の身勝手ではないのだろうか。
1投稿日: 2024.06.29
powered by ブクログ「代理母」というテーマで、それに関わる人々の人間模様を著している。私は代理母には全く馴染みがないが、その人間模様を追っていくことでさまざまなことを考えさせられた。自分の子を産むにも関わらず自分の子供ではなくなる母、遺伝子的には無関係なのにこれから育てていく母、遺伝子だけを提供した男。倫理が絡んでくると、全ての人がハッピーになるのは難しい。結局折り合いがつかず、衝撃の結末を迎えるのも、衝撃ではないのかもしれない。
1投稿日: 2024.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ドラマ観てます。本は最初だけしか読んでませんが。考えさせられます。どう登場人物が受け止めていくのか、結末が気になる。
5投稿日: 2024.06.27
powered by ブクログスタバのドリンクなんて飲む余裕がない、 ましてやセブンのコーヒーすら躊躇してしまう 貧困の若い女性が、 大金目当てに代理出産の依頼を受ける話。 代理出産を依頼した男性のモラ夫っぷり(笑) "蚊帳の外"の妻の葛藤。 優生思想、倫理観、母性とは… 出てくる人たち全員、癖が強くて面白かった。
3投稿日: 2024.06.26
powered by ブクログ登場人物それぞれの目線で、それぞれが抱く考えや、苦悩や迷い、葛藤と言った感情の移り変わりが次々と展開されていき、目が離せなくなる。 沢山の理解範囲外の中にも、それぞれの人間の中に多かれ少なかれの共感を抱く自分に驚く。 命について、性について、倫理ってなんだろう、人間の持つ身勝手さ、諦められない拘り、制御出来ない感情。。。頭の中がぐるぐるする。 登場人物がそれぞれに変わっていったり成長している姿に驚きや清々しさなんてものもあって、ラストまで面白かった。 このような大人たちの執念や葛藤、身勝手さによって生まれてきた子供たちの未来を、ただただひたすら案じてしまう。
5投稿日: 2024.06.22
powered by ブクログNHKでやっているドラマがおもしろくて、原作のこちらの本を読んでみた。 読んでみて、人間の不気味さとか気持ち悪さとか、理不尽さとか、桐野夏生だなぁ~っていう感じ。 ドラマは、だいぶマイルドに一般化してますね。内田有紀が綺麗すぎて老若男女皆が皆内田有紀に同情しすぎてしまうのがドラマ。代理母は搾取であるということを全面に出そうとしている作りになっている。 地元で200万円ためて憧れの東京に出てきたものの、派遣から抜け出せず、貧困で毎日食べるものも節約しているリキ。 その友人で奨学金500万円の借金があり風俗と派遣のWワークをするテル。 名プリマだった母の財産で裕福に暮らしている基と悠子夫婦。 病院経営する親の元で、自分の好きな芸術活動だけをしているりりこ。 過去にリキと不倫していた北海道の元上司。 リキに買われた女性向け風俗で働くダイキ。 この本に出てくる人皆、欲望にまっすぐ生きているなぁと思った。 「自分の遺伝子をつぐ子どもを理想の形で育てたい」というのも、究極の欲望だ。 生まれたての赤ん坊って、本当にすごいパワーがあるから、どんな子どもでも自分の子として育てるぞっていう気持ちが湧くのもわかる。でも、いつかその子が自分の思い通りにならなくなったときに、どうなるのだろう。こわいと思う。 赤ん坊は誰のもの?という問いかけが、何度か出てきた。赤ん坊の人生は赤ん坊自身のもの、そんなの当たり前のことだけど、人間は、技術の進歩と法の抜け道を利用して「自分のもの」としての子どもを作ろうとする。 この本は冷静な文体でフラットに書かれているものの、代理母というものはやはり搾取でしかないと私は思った。 リキは、追い詰められていた。働いてもスタバに行くこともできない、服も古着しか買えない、コンビニでお昼ごはんを買うことすら贅沢な行為。そういう20代の女性に、より年長の者が金にものをいわせて赤ん坊を産ませる。 最初は「卵子ドナーとして海外で採卵して50万円くらいもらう。その卵子を使って海外の代理母が出産する」という話だったはずなのに、悠子に顔が似ている・外国人ではなく日本人に産んで欲しいという理由で、「リキの卵子で、リキが出産する」という話になり、偽装結婚まですることになる。 どんどん流されていって、引けなくなってしまう。誰も強要はしていないのに、リキはこの生活を抜け出すにはそうするしかないと思っていて、もう引けない。 なんか、詐欺に騙されていく人のようだなと思った。そもそも50万円ぽっちで数カ月間日本を離れられる人なんていないだろう。そうだとすると、やはり最初からサロゲートマザーにさせるための見せ金のようなものだったのではないか?と思った。 精子なら簡単に採取できるのに、卵子採取は数ヶ月外国で過ごさなくてはならない。私はこのことについても、とてつもない腹立たしたを感じた。 そうか、この本読んでてモヤモヤする感情、それは怒りか。 私がおかしいと思うことをおかしいと思うことができないリキやテルは、頭が悪いとか努力が足りないのではない。追い詰められた人間の思考停止。それを利用して搾取するのが代理母制度だと私は思った。 最後、リキが自分の意思で自分の欲望のままに行動したことが、スッとした。 子どもがその後どうなるのかは分からない。 普通に考えたら、きっと日本中探し回って連れ戻さるのがオチなんだろうか。 この本を読む前だったら、リキの行動について、せっかくお金持ちの家で育ててもらえるチャンスだったのにかわいそう(私が金田一読みすぎ問題)と思っただろうけど・・・お金持ちの都合で買われたリキが選んだ道は、これだったということか。 赤ん坊は赤ん坊自身のものであるように、リキはリキのものだ。 この本のこわいところは、最後まで読んでも「リキに母性が目覚めて赤ん坊と離れたくなくなったんだね~ウルウル!」と純粋に思えないところだ。赤ん坊が可愛く愛しいから一緒にいたいというだけではなく、自分がしたことのご褒美としてこれくらい良いでしょ、私も一人とられるんだからあなた達も同じように一人とられておあいこでしょ、という基悠子夫婦への復讐のような感情。はたまた、子どもがいれば孤独ではなくなるという身勝手さ。そういうものに感じてしまう。 でも、もうそれはそれで良いのかなとも思う。 そもそも公序良俗違反の契約、不法原因給付でしょう。リキが彼らをどう裏切ろうが、基悠子夫婦は「金かえせ」以外の文句を言えないのだ。 そう考えると、代理母ってやっぱり金と命を天秤にかけていることだから、賛成できない・・・という堂々巡り。 あぁ桐野夏生。
6投稿日: 2024.06.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
代理母を描いた作品は少なく、 そこに貧困も絡み、なかなか考えさせられる作品。 登場人物みんな気持ちが揺れ動いているのも リアルだと思うし、 本音や汚い部分も、綺麗事だけじゃなくて良いと思う。 ただ私はラストに爽快感とはいかなかったな。 また貧困に悩む子が増えそうだな……と。
2投稿日: 2024.06.16
powered by ブクログ久々の桐野ワールド。 経済格差を入り口に、子とは何か、子は誰のものかを本質的に問う。登場人物の言葉も深い。
0投稿日: 2024.06.16
powered by ブクログNHKのドラマを少しだけ見て、それまでの話や結末が気になったので、原作を購入しました。貧困、経済的搾取、代理母など、現代の社会問題を題材としたお話でした。 登場する男性(基)と、その母親の考え方には全く賛同できませんでしたが、そういう考え方の人も世の中にはいるんだと思いながら読みました。先が気になって、あっという間に読み終わりました。
4投稿日: 2024.06.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
めちゃくちゃ面白くて最後まで一気に読んだ。 身勝手で卑屈な女性書かせたら天下一品。 なんでも理由をつけて自分のした行動に対して開き直るのすごい。 誰もがそんな感じで、誰が悪いとかでもなんでもない。 最後は誰もが嫌な傷をつけあって、でも皆少しずつ被害者みたいな顔になったのは、この話の結末として凄くよかったと感じた。 エグすぎる結末じゃないので、ドラマ化になったのかな。
0投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログ引き込まれてしまって一気読みでした。 「貧困」と「代理母」が大きなテーマだった作品だと思います。この作品を読んで知らなかったこともたくさん知ることができましたし、作品のテーマについても考えさせられました。 登場人物の1人、春画画家であるりりこの考え方や台詞がかなり個性的で作品にスパイスを与えてくれていました。 最後はどうなるのだろう?と読み進めましたが、結構驚きのラスト。希望と不安の余韻が残ります。
46投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログ感想 自分に嘘をつかない。それは良いことなのか。自分を殺すのももったいない。せっかくこの人生を生きているのだから。
1投稿日: 2024.06.04
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単純にエンタテインメントとしてとても面白かった。 誰も彼も自分勝手すぎて、登場人物の誰も好きになれない。 が、誰も幸せにはならないけど、誰も不幸にならないラスト、ちょっと泣きました。
1投稿日: 2024.05.29
powered by ブクログ全員の言い分がわかる気がするからこそ、代理母がうまくいくかは運や縁になる気がした一冊。本書では、産まれてからうまく噛み合わなかったので、ああいうラストになってしまった。言い方は悪いですが、全員初めてだったのでどういう気持ちになるかまったくわからなかったのではないでしょうか。しいて言うならその気持ちの動きをフォローできなかったコーディネーターのミスなのかもと思いました。 わたしが日頃思っていることがあります。子供を産み育てるときに責任が伴うのは当たり前。でも、その責任が重くなりすぎると誰も持ちたくなくなる。何でも個人の責任、親の責任と言いたくなってしまうような世の中の流れの中で子を持つことはとても難しいものだと思いました。 産めない女性とは?子を持つとは?代理母とは?男性とは?取引とは?なんてことをずっと考えさせられる本です。 ■本書全体に大きくのしかかる貧困 「全部貧困のせいだ」って言いたくなるほど、すべての根源となっているように思いました。どの場面でも、その行動をするのは「お金」だよね?と思わされました。一生懸命でも適当でもずっと同じ賃金。かといって、会社も派遣さんを正社員登用するほどのお金はない。人材不足と言われつつ派遣制度は減らない。田舎に戻ったら仕事は限られる。でも、働かないと生活できない。その一方で・・と考え始めるときりがなく、重かったです。 ■りりこの潔さ 本書のなかの清涼感あふれる人物りりこ。意見がはっきりしていて清々しい印象を持ちました。意外な過去が出てくるかと思いきや、出てこなかったところが、より清々しさを引き立てました。彼女の仕事の描写は、はじめはドキッとすると思いますが、「快楽のみであえてその先の苦しみは書いてない」など話の中でいいアクセントとなっていました。 ■リキのこの先・・ 心配しかありませんでした。解説では「清々しさ」という表現でラストシーンを表現されていましたが。確かにわたしも一瞬その感覚を覚えました。赤ちゃんって不思議と「かわいい。守りたい」と思わせてしまうんです。それが赤ちゃんの生存戦略とも言われています。しかし、子供を育てる親として心配してしまうのです。ひとりで初めて子育てをする困難さを。「かわいい。守りたい」と感じなくなった先のことを。特にリキは今までの行動からして危なっかしいところがあったのもそう思わされます。元手があるとはいえ、リキにはラストシーンの時点で収入の手立てがありません。住むところも。体調も万全でない。親も手伝えない。資格もなくて子持ち。繰り返されるってこういうことなのではと思ってしまいます。
13投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログ不妊治療、代理出産というテーマが気になり、広告を見て即決で購入。 登場人物全員の自己中心的な思考がリアルで、人のエグ味を感じて面白かった。 どんでん返し的な要素がもっと欲しい気もするが、とにかくストーリー全体に感じる個々人のエゴがざらざらとした読了感に繋がって良い。
0投稿日: 2024.05.27
powered by ブクログいまは小説にかかれるような題材であったとしても、この先の日本で現実に見聞きする話になりそう。基、悠子、リキ、それぞれの感情の揺れ動きが丁寧に描かれていて、それぞれの感情を味わうことができた。りりこの存在も面白かった。
0投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
テーマが、良いと思った。卵子提供、代理出産。はてどんな風に描かれているのか、一気に読んだ。 リキが挑んだ自分の卵子を提供しての代理出産は、日本の不妊治療のガイドラインから外れているし現実的ではないと思ったが、一度夫婦は離婚して不妊治療をし、出産したら離婚してまた元の奥さんと再婚し、子を育てるという流れ。これはうまくいきそうな気もしたし、あるかもしれないと思った。 子供を10ヶ月お腹の中で育てるのは毎日気を揉む。それを代わりにしてもらうのはとてもじゃないけど一千万では足りない気がする。とにかく毎日命懸け。 29歳でこの決断をしたリキ、不育症で代理出産を選んだゆうこ。代理母は途中で止めることはできないんだろうなとは思うけど、ゆうこがとにかくクルクルと考えが変わるのでヒヤヒヤした。このやり方も一つの生殖だ、私の生殖と言ってみたと思えば、離婚して復縁する気はない、育てるのはできない、姑とリキと基の3人で育てて欲しいと言ってみたと思えば、赤ちゃんを見た瞬間、育てたいと変わる。 これは揺れ動く人の心をうまく表していると思うけど、人間を育てるってそういうことじゃないよと思った。赤ちゃんは皆可愛い、でもすぐ大きくなる、可愛くない時期もあるし、頭を抱える日も来る。 10ヶ月という期間はもう親になる準備段階に入ってるんじゃないのかなと思った。もし代理出産を決めたのなら、決めた時点からこころをクルクルべきではない、代理母に寄り添って自分ごとのようにしないとね。その期間、自分も一緒に親にならないといけなかった。ずーっとぐちぐち悩んでて、そんなんで子供育てられるの?と思ってしまった。 一方で基は、最初なに、自分の遺伝子を残したいみたいなこと言って何様って思っていたけど、最後、りきが産んだ子供は誰の子であろうと育てる、遺伝子鑑定もしないと言った。その時この人は妊娠中のリキと何度かぶつかりながら進んできたので基は10ヶ月の間に少しずつ親になっていたんだなと思った。 最後、りきは一人連れていった。 わたしにはできない、2人子供がいてどっちかを選ぶなんて。でもあの終わり方は一番良いと思った。それしかないような気がした。
6投稿日: 2024.05.25
powered by ブクログ子供ができない人。 子供だけ産む人。 育てるだけの人。 等々。。。。 様々な人の様々な考えや行動を考えさせられますし,思いを感じることが出来ます。 さらには今後はどうなるのだろう社会は。。。と考えてしまいました。。。
0投稿日: 2024.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
桐野さん。 OUT読んで、強烈なボディーブローをくらい、もうたてないかもと思いつつも手を伸ばし、 グロテスク読んで、一発KO。 KOしてからなかなか立ち直れず、ようやくハピネスを読んで、耐性ができたのか、それとも内容にグロがなかったせいか、やっぱりすごいな、桐野さん大好きだと断言してしまう。 そして、今回。 うーーーーーーーーーん。すごい。好きとか嫌いとか吹っ飛ばして人物が生々しく生きてる。 とりあえず、大石ぐらが心配です。健やかに育ってほしいけど、あくまで第三者的目線でしかないところに苦しさを感じる。けど、感じたところで偽善なのかなと、もやる。
1投稿日: 2024.05.23
powered by ブクログテーマは代理母出産。 倫理的な問題や精神的な深刻さよりも、依頼する側・受ける側のそれぞれの気持ちの変化や身勝手さが人間らしい。身体と心は切り離せないから、性や出産をビジネスにするのはホント難しい。
5投稿日: 2024.05.19
powered by ブクログ女性の貧困、卵子提供、代理出産、生殖医療ビジネス。 子供が欲しいが望めない夫婦 貧困から抜け出すために代理母を引き受ける女性 登場人物たち皆が自分勝手で傲慢で。言っていることがコロコロ変わる。それぞれの葛藤や苦しみが渦巻く。だがそれが人間。簡単に割り切れるものでもなく、揺るぎない思いを貫くことなんてなかなか出来ない。 人間はモノにはなれない。
19投稿日: 2024.05.13
powered by ブクログさすがに、すでに定評のある作家の作品は、乾いた文章の連なりにも関わらず、全体としては、湿度と厚みと生々しさを感じとれるような、重みのある読後感を残す。 ストーリーの面では、結末には、やや違和感を感じた。いろいろな終わり方が予想されたが、それを採ったか・・、と。この結末を選ぶということは、主人公にとっては、仕返し・・とはいかないまでも、自らが払った重い犠牲や負担に対して、きっちりと代償を要求する、というのがメインテーマになるのかな。
16投稿日: 2024.05.11
powered by ブクログGWの最後に一気読み。相変わらず人間の昏いところ、自己本位、いい加減さをジワジワと炙り出して、おそろしい。桐野夏生ワールドに、またしても『してやられた』感あり。もう少し先が知りたいところ。
4投稿日: 2024.05.06
powered by ブクログ北海道の田舎から上京し、病院事務の派遣で働く29歳のリキ。日々の食費を円単位で切り詰める生活に疲れ切った末に、裕福な草桶夫妻の代理母となる契約を結ぶ。 一方の草桶夫妻は、夫の精子とリキの卵子で生まれてくることになる子に対して、夫婦それぞれの感情がすれ違い始める。 医学的に可能になってしまったがゆえに当事者たちの立場が複雑化する、代理母という「プロジェクト」。そこに性差や貧困の問題が絡み合い、いったいどんな結末を迎えるのだろうと一気に読んでしまった。 正解はない、と言ってしまうと逃げになるかもしれないが、当事者たちの出した結論に他人が善悪の判断を下すことはできないのだと、そう思った。
3投稿日: 2024.05.06
powered by ブクログ設定があまりなくて、とても面白そうだったので、本作を手に取りました。手に取った時は、出産後の話がメインに書かれているのかなと思ってましたが、実際は出産前の葛藤が描かれており、そこに人間らしさが見られ、個人的には面白かったかなと思います。 本作のテーマは「代理母出産」。妊娠が出来ない女性の代わりに人工授精等で出産するというもの。本作の主人公は、困窮した生活から逃れるため、バイト感覚で代理母出産を引き受けます。本作では、その代理母出産の決断から受精、妊娠、そして出産の過程が描かれます。 代理母出産というテーマを通して改めて、通常の出産に向き合うことができる作品であるように思いました。特に、妊娠に必要な性行為やパートナーとの関係性、身体的な痛みを伴って産まれた子どもへの愛情など、各フェーズごとに主人公が自分の感情と向き合う姿が印象に残りました。 男性の自分では絶対に出来ない、こうした未知の領域を疑似体験できるのが、読書の良いところだなと改めて思いました。
69投稿日: 2024.05.04
powered by ブクログNHKドラマ化の帯を見て購入。 悠子さん…勝手すぎないかい? 貧困、代理母、契約、題材的には面白く、内容もスラスラ読める1冊。
2投稿日: 2024.05.02
powered by ブクログ立場によって感じ方が違うかもしれない。 最後の場面は子供のことを考えると、少し戸惑う。 リキの言動はリアルだと感じた。リキとテルの対比も良い。 考えてみると登場人物全てが勝手気ままな自己都合で動いているのかもしれないが、案外自分もそうだなと思う。
1投稿日: 2024.04.29
powered by ブクログ北海道の田舎町から上京し、憧れの東京で働くリキ。 思っていた状況とはとはかけ離れ、貧困生活を送りながら暮らしていた。 そんなとき同僚のテルから、お金になるからと、卵子提供の仕事を紹介される。 不安ながらも、貧困から逃れるためにクリニックへと向かうが、そこで代理母出産の話を持ち掛けられる。悩みに悩んで引き受けることになるのだが…。 単純に考えれば、子供を持つことが難しい夫婦にとっては希望の光なのだが、 じっくりと未来を見据えて考えるとやはりいろんな障害が立ちはだかるし、 代理母にもリスクは大きすぎることのほうが多い。 ただ、貧困がそうさせるのであれば、虚しさは大きい。 代理母の依頼者夫婦は、夫はプライドが高く、妻は優柔不断すぎてイライラさせられた。 リキも子供を産むということをビジネスと とらえようとしてるからか、危ない橋を渡ってしまう(ヒヤヒヤ) しかし、ラストに意外な展開があり 少し清々しい気持ちになった。 500近いページ数なのに一気に読み終えた。
0投稿日: 2024.04.25
powered by ブクログNHKでドラマ化と知り、読んでみました。 文庫では結構厚い本ですが、あっという間に読み終わりました。草桶夫婦、とくに悠子の気持ちはわからなくもないけど、あまりにもころころ考えが変わりすぎて、共感できず…一方、りりこがかなり個性の強いキャラなのに、最後の方は一番リキに寄り添ってて、最初と最後の印象が大きく変わった人物でした。 これを映画化じゃなく、地上波でドラマ化ってどうやるんだろうと、興味津々です。 久々の桐野夏生作品を読みましたが、やっぱりすごかった。
0投稿日: 2024.04.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文庫の裏書に「女性の貧困と生殖医療ビジネスの倫理を問う衝撃作」とあったので、興味をひかれて購入。さすがの桐野夏生さんです。 北海道から上京してきて、病院の受付で非正規雇用で働くリキは、とにかくお金がなくて、苦しく希望のもてない毎日を送っている。同じ職場で、同じく派遣のテルは、給料は自分と同じだが、奨学金の返済などで自分よりもっと厳しい状況にある。 最近は貧困、ワーキングプア、非正規雇用が問題になっているが、貧困家庭が奨学金を借りて子どもを進学させることで、子どもは社会に出た瞬間に借金を背負わされてるという現象が起こっている。深刻だ。テルは風俗にも足を突っ込んでしまい、貧困ゆえに見た目も清潔とは言い難いが、桐野夏生さんが描くと置かれた境遇の中で一生懸命に生きている魅力的な脇役だ。 リキはテルに誘われて、お金のために「卵子提供」をしようかと悩む。 一方、交互に描かれるのは卵子を提供してもらう側の夫婦。バレエダンサーの草桶基とその妻。長い不妊治療の末、卵子提供をうけることを決断するわけだが、これは辛い決断だ。当然、妻は悩む。夫が「自分の遺伝子」にこだわるのにもモヤモヤする。そりゃそうよね。私も長く、不妊治療をして、40歳まで妊娠しなかったらあきらめようか、その場合養子縁組はどうか、などと悩んでいた。その時やはり、自信がなかったのが「血のつながった(遺伝的につながりのある)本当の子供じゃなくても愛せるのか」ということだ。 基の妻も、モヤモヤとしながら、夫の勢いに押されてしまう。 リキはエージェント(?)の手配で、卵子提供ではなく代理母出産まで引き受けることになる。 普通に代理母を引き受けるだけでもドキドキハラハラだが、リキは人工授精にチャレンジする前後で、けっこう無謀なことをしてしまう。つまり、他の男とセックスしてしまうのだ。読者は「なんでそんなことするん!?(怒)!!!」って思うよね笑。そこがやっぱり、さすが桐野夏生!と私は思った。お金をもらって代理母を引き受けて、生まれてきた子が依頼主の子じゃないかもしれないというリスク。 しかもリキは、自分がやってしまったことを打ち明けてしまう。さあ大変。 もう赤ちゃんはお腹のなかでどんどん育って(しかも双子)、間もなく生まれてくるのに、「産みの母」も、「遺伝的な父」も、「育てる予定の母」も、大人たちは全然定まらない。どうなるどうなる?というドキドキ感。 ↓ここからネタバレですが しかし、救いがあるのは、赤ちゃんの命というのは、本当に、生まれてくるだけで尊いのだ。生まれるまでにどんな紆余曲折があろうとも、生まれたあとにどんな環境が待ち受けようとも、やはり生まれてくることは尊い。 貧困に絶望していた、妊娠してもお腹の赤ちゃんになんの感情もわかなかったリキでさえも、命が生まれ出たことの尊さにはかなわない。育てる予定を放棄しようとしていた基の妻悠子も、(遺伝的に)自分の子ではないかもしれないと心配していた基も、命が生まれたことに抵抗できない。 貧困にあえぎ、お金と引き換えに「女である自分のカラダ」を差し出したリキは、生まれてきた子ども(女の子の方)にささやく。「クソみたいな世の中だけど、それでも女はいいよ。女の方が絶対にいい」。 私もそう思う。女だから苦労することもたくさんあるけど、やっぱり女の方が絶対にいい。 (そして、男に生まれた人たちも「男の方が絶対にいい」と思える世の中だったらいいな、と思う。)
11投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログ代理母になることを選択したリキ 彼女の考えや行動が10代の子なら、まだわからなくもないけれど… 責任感の無さにイライラがとまらない。 もちろん、迷いがあったり孤独を感じたり共感する部分が無いわけじゃないけど、ビジネスとして捉えて命を産み落とす選択をした以上、せめてその期間は… 実際の夫婦で浮気をして、夫の子ではないかもしれない。という話とはまた別だと思うのだけれど。 最初は悠子の気持ちが、とてもよくわかったけど。 彼女も、基も、とても自分本位。子供たちの幸せを願います。
1投稿日: 2024.04.19
powered by ブクログいい作品でした^_^僕は女性じゃないから子どもを産んだ、産むまでの時間がわかんないけど、お腹にいる時間は母親になるまでの時間なんですねー^_^ 悠子さんも偉いなー^_^
1投稿日: 2024.04.18
powered by ブクログ考えさせられる作品でした。 桐野夏生さんの作品は「OUT」の印象が強く、怖くてなかなか読めていませんでした。 東京に憧れて上京しても、テレビや雑誌で見るようなオシャレなカフェや洋服を楽しむことは誰もができることではない… 貧困でどうしようもなく選ぶことになった選択。私ならどうするのだろうと終始考えながら読みました。 ここに出てくる男性はほとんどが最低でしたが、特に基の考え方が利己的で嫌でした。 最後は、私には意外な終わり方でした。読み応えがあり、おもしろかったです。
0投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログ北海道から憧れの東京へ出てきたものの、非正規雇用の生活で困窮し「代理母」をすることになった29才のリキ。 自分の遺伝子を残したいと、不妊症の妻と共に代理出産を求める43才のバレエ教室を経営する基と妻悠子。 人工授精、妊娠、出産と進むうちに乱れる三人三様の思い。 生まれた子供は誰のものなのか? 子供とは誰かの物なのか⁈ 私は愛のある出産や子育てを体験できたが、そうではない人たちも実際にいるんだろうなぁ、としみじみと思いました。 そしてそんな出産、子育てで育った子供達はどんな出産をしていくのか?
2投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
桐野さんはほんとに人間の醜悪を書くのがうまい。一言で下品と片付ける人もいるけど、その下品さが人間を人間らしくしている。あっけらかんとしている登場人物たちも清々しく感じる。桐野さんは海外を絡めて書くことも多い印象だけど、今回は国内完結で、それも分かりやすくてよかった。
0投稿日: 2024.04.11
