
総合評価
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powered by ブクログいじめからの不登校引きこもりのまま成人を迎えた息子。父の正樹が7年前のいじめを知ることからストーリーが展開していく。 結末がやや駆け足だった感があるが、親は親で悩み、子供は子供で苦しむ姿がしっかりと描かれている。
0投稿日: 2025.11.04
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ページ数多いのにあっという間に読破 自分が親になり、子供が人生に悩んだ時、 支えてあげられる親になりたい
0投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログいちど読み始めたら止まらなくなった。何より主人公の歯科医師の父親の決心と覚悟、同じく子供を持つ親としてその行動力に驚き、私は子供のためにここまで自分に出来るかと自問しながら読み進めた。親の気概が息子へ伝わり、希望が見えた終わりには、色々と考えさせられた一冊。
0投稿日: 2025.09.28
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引きこもり問題 翔太を囲む全員の気持ちがわかり終始複雑な気持ちだった 父→世間体が気になる、裁判するべき 母→息子を傷つけてまで外に出したくない 姉→力ずくでも外に出したい まだ引きこもりの子供を持つ年でもないが、実際問題で自分の子供が引きこもった時どうすればいいだろうと考えたとき、正解や一般論がなく困ったので、あらすじから気になっていた。 引きこもり問題はやはり解決が難しく、翔太となかなかコミュニケーションが取れないどころか、母にDVを働く始末。 引きこもりの原因はいじめであることがわかり、途中からどうやって引きこもりを解決するか、からどう裁判で勝つか、みたいな流れに変わっていったが、 解決策として ①引きこもりたくて引きこもる、から引きこもらないといけないに環境を変えてあげる ②一度、死を実感することで自分の人生が全く生を感じるものではなかったと振り返らせる (力技すぎる。。。) みたいなことがあるなとおもって少し腑に落ちた。
1投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログこんな感じで引きこもりの人たちが救われたらどんなにいいだろう。完璧なめでたしめでたしではなく、主人公たちのこれからの人生を考えるといいことばかりではないだろうなと思いつつ、それでもなんだかうらやましい。 臭いものにフタをし続けると引きこもりになってしまうのかも。自らを鼓舞しつつ。。
0投稿日: 2025.08.23
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家族の描写が生々しかった 妻と姉の行動がひたすらイラついて、全く共感できなかったけど、父親が息子のために頑張る姿は素敵だった 途中、元いじめられっ子が主人公に対して、こっちは辛い過去を乗りこえて頑張ってんのに、そっちは今更裁判とかいつまでも環境にあまえてるな!と怒ってたけど、これはそうだよなあ〜と思った、、
0投稿日: 2025.07.25
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想像していたよりも軽い。さくっと読めた。 大澤家が世間一般より裕福な家庭だったところや、引きこもりの原因が複雑でなく特定できていたところ、意外に引きこもり本人の登場が少なかったところなんかが理由かなあと思う。 実際は、貧困とか精神疾患、家族の社会的孤立などの問題がいろんな段階でより複雑に絡まってくるんだろうなあと思う。いじめ加害者の青年たちも「いじめっ子のステレオタイプ」という感じの人物像で、割とあっさりしていた。 翔太本人の葛藤とか心情の変化みたいなのをもう少し知りたかったけど、父親がそれを知り得ないように読者にも知らされなかったんだろうなと思う。 一方で引きこもりの子をもつ親の葛藤とか夫婦の衝突とか姉弟の関係とかは読んでいて胸が痛くなった。母親と姉の人物像がやけにリアルだなあと思った。 あと、翔太はやや直接的すぎたけれど、若者にとっての「死の体験」は大切な通過点になるんだなあと感じた。
0投稿日: 2025.07.04
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歯科医の正樹には、中学生から7年間引きこもっている息子・翔太がいる。中学側にはいじめはなかったと言われたが、実際には酷いいじめがあったことが判明。高井弁護士と一緒に、いじめっ子を相手に7年越しの裁判に挑む。 妻・節子や娘・由依のやり方や考えと合わなかったり、翔太が家の中で暴れたり、正樹が自分を抑えられず翔太に怒鳴ったり、これはもうダメか…と思うことが度々発生する。 それでも、最後は翔太の「裁判を続けたい」という意志の強さもあって見事に勝利する。 正樹がイライラして強い口調になって、節子が「あなたっていつもそう」というやりとりやが度々出てきて、読んでいて気持ちのいいものでは無かったが、すごく人間味があるんだと思った。 翔太が父・正樹の姿を見て、将来に向かって決意をするところが一番の感動ポイント。
0投稿日: 2025.07.03
powered by ブクログラストの展開は気持ちが救われる話になっていてるが、とても身につまされる内容だった。他人は「なぜ深刻になる前にもっと早く子供を家から追い出さない」というかもしれないが、実際は動けなくなっている子供(成人でも)を追い出すことなんてできないのが現実だと想像できた。私には3歳下の妹がいて、おそらく小さいころ学校でいじめに遭っていた。その影響が長いこと彼女を苦しめているのではないかと感じていた。だけども、乗り越えてくれるだろうと楽観的に見ていた自分を悔やむ。いま、幸い彼女は何とか中度うつ病を乗り越えて逞しく遠方で生きている。正直今でもどう接したらよかったのかわからないが、一つこの本を読んで思ったのは、向き合うことを避けるべきではなかったということ。
0投稿日: 2025.05.20
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引きこもりの子とその親の年齢を意味する8050問題。リアルな社会問題に焦点を当てた冒頭部分については、父や母、姉、そしていじめ被害にあった翔太それぞれの感情に共感できる部分が多々あり、他人事とは思えない救われなさを感じる。最後まで後味の悪い作品かとも思ったが、弁護士の高井との出会いをきっかけに、法廷での加害者との戦いを通じて徐々に気分が晴れる展開となった。いじめの主犯格リクトが追い詰められるシーンは痛快であったと同時に、いじめを主導するようなやつはまさにこういう奴だったなあとしみじみ思った。
0投稿日: 2025.04.30
powered by ブクログとても読みやすい文章だった。 自分の心に傷を負うと元の状態に戻るには時間がかかるし、実際にこのような思いをしている人はたくさんいるはず。 向き合い続けることも、見捨てずに見守ることも大切だと思った。
0投稿日: 2025.04.20
powered by ブクログいじめを誰にもいえずに引きこもっていた我が子。このままでは、80代の親が50代の引きこもりの子どもの面倒をみなければならない8050問題が現実になってしまう。この状況を打開するために父親はいじめた人間を相手に裁判で争うことを決心する。 裁判の準備を進めていく中で、子供が受けたいじめの内容を知り、子供のことを何も知らなかったことを悔いる父。今までの失った時間を取り戻すように、息子に語りかける父。 裁判が終わり、報道陣の前で父親が引きこもりの子を持つ親へ向けて発したメッセージが最高。子供と一緒に戦って下さい。子供を信じて、お前を守ってやれるのは世界中でお父さんとお母さんだけなんだと言い続けて下さい。最高にカッコいい父親。
1投稿日: 2025.04.07
powered by ブクログとても読みやすい文章でどんどん読み進めることができました。会話文が多く、適度に情景描写をはさんでくれるので、まるでドラマを見ているような感覚に陥りながら読めました
0投稿日: 2025.04.07
powered by ブクログ本のタイトルの8050から、中高年の引きこもりの話かと思っていましたが、青年期の引きこもりから、家族の苦悩と葛藤、当事者との関わりかたに焦点を当てて書かれた内容でした。一気に読むことができました。
0投稿日: 2025.03.15
powered by ブクログ2025年3月14日、グラビティの読書の星で紹介してる女性がいた。 「何年振りかに一冊読み終えた気がする 心に残った一文 「結婚とは、まるで理解し合えない人間と、何十年も一緒に暮らしていくことなのだ」 心から同意。 勉強できなくても ひきこもりになっても 生きていてくれればいい。 それが親の願いかと思った。」
0投稿日: 2025.03.14
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図書館で借りてきて半日で読み切りました! 面白かったです。 8050問題を直接取り上げた内容かと思っていましたが、イジメと引きこもりの話でした。 ただ、こういうことがきっかけで引きこもりになって将来的に8050問題に繋がるんだなということがよくわかりました。 イジメってきっとなくならないんだとは思うんですけど、もっと社会はちゃんと向き合うべき問題だと思います。 良い弁護士に出会えたこと、父親がちゃんと息子と向き合ったことが本当に良かったです。
1投稿日: 2025.03.08
powered by ブクログ『8050』(はちまる、ごーまる)問題とは、80代の親が50代のひきこもりの子を養うこと。世帯の困窮と孤立で、現代社会の問題となっています。 物語は現実に『8050』というわけではなく、中学時代に壮絶なイジメにあいずっと引きこもり生活を続けている息子を何とかしようと父親が奮闘する。このままでは『8050』になってしまう…その危機を食い止めようとする話だ。 息子の引きこもりの原因は人格を否定するほどのイジメであり、その当時の同級生に対し「復讐したい」という。父親は息子の尊厳のために弁護士に相談し、8年前のいじめを巡る法廷闘争をはじめてゆく… 自分自身を振り返ると、中学時代に気の弱い勉強の不得意な同級生に対して、イジメがあった気がするし、笑いながら少し加担してしまったような記憶がある。その時のいじめられていた子の消息は知らないが、もしかしたら当時のイジメが原因で何かなっていたのかもしれない… 小説でも当時イジメをしていた同級生三人は立派に成人しており、イジメたという記憶さえ曖昧であり、8年前のことを今になって訴えるという親子は周りから変人扱いされる。 それでも息子が立ち直るために、世間からのあざけりに耐えながらも、裁判を進めようとする父。 息子さんのいる父親が読むなら、最後は絶対に泣くと思う…。家族の再生を描く素晴らしい小説でした。
0投稿日: 2025.03.01
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題名から、高齢介護や引きこもり関連の話かと思っていたら、いじめや家庭内不和といった様々なテーマを扱ってありました。 はじめ息子だけの問題かと思っていたら、父親の他責傾向といった性格に問題があり、まぁでも大人だって完璧じゃない、皆多少なりともこんなものだよなぁと共感しました。 後半怒涛の展開で読む手を止められませんでした。裁判という一見突飛もない行動を通して、少しずつ成長していく家族に感動しました。
2投稿日: 2025.02.09
powered by ブクログ中学受験をし進学校に入学したもののイジメがきっかけで引きこもりになってしまった息子。かれこれ7年間も引きこもっている。将来を悲観した親が息子のために奮闘する話だ。大事な可愛い息子がこんな状態になってしまうなんて、親なら色んな後悔や葛藤があるだろう。そしてこんな目にあわせた奴らを決して許すことは出来ないであろう。どんなに優秀な他人の子供より我が子がいちばん愛おしいのだから。 内容は衝撃的だが、親なら何とかしてあげたい気持ちはすごくわかる。 悪因悪果。イジメた奴らに言ってやりたい。
10投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログ文体に緩急があったので一気に読み終えた。 8050ってなんだろ?と思ってたので、8050問題っていう語句?も初めて知った。 中学のイジメが原因で7年間引きこもりになった弟をめぐる家族間のお話。 ラストは収まるところに収まった、って感じなのかな。
0投稿日: 2025.02.03
powered by ブクログ本当に久しぶりに小説を読んだ。 本屋で、どの本ならば飽きずに読み切れるだろうかとかなり悩んだ。 本棚の1番下に平置きされている本を何冊か手に取り、背表紙を見て、自分が興味のありそうな家族問題っぽいものを選んだ。恥ずかしながら、8050問題が何か知らなかったが、これがアタリだった。面白くて、ちゃんと続きが気になって、読書の楽しさを思い出すことができた。アタリを選べた自分に乾杯! 第一章〜第ニ章を読んで ちょうど同い年ぐらいであろう、妹に感情移入した。両親にムカついた。甘いと思った。妹は傲慢か?いや、正当な主張をしているだけだ。そう思った。 それだけに、第五章まで読み進め、 たった二人の兄弟なんだよ、死んだら困るよ、と発言した妹には心底びっくりしたし、もっと言えば落胆した。自分と同類だと思っていたから。それを望んで物語を読み進める自分がいたから。ああ、やっぱりお嬢ちゃんなのね、と。そりゃ弟とも、引きこもりになるまでは仲良かったんだもんね、と。納得はしたものの、そうなればこれまでの姉の発言は異常なものだ。弟への感情に一貫性がない。まあ、全ては自分の結婚を成功させる為の事だったと思えば、そんなに異常ではないかもしれない。今なら、娘がおかしくなってしまったと思う両親の気持ちも少しはわかるものだ笑。 この物語の両親は、自分だけは違う、と引きこもりの息子を7年間も見てみぬふりしてきた。引きこもりの家族がもしいたら…なんて、当事者になった時のことを考えるのは、私は嫌だ。はっきり嫌と思える自分がいる。そんなことになりたくないと。まさか自分が、自分の娘息子が、と。数年後の自分はどう考えるだろうか。
0投稿日: 2025.02.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
めっちゃめちゃ、最初から最後までずっと面白かったです。 引き込む力が、強い!! 寝る前にちょっと読もうと思ったら、翔太がガラスを割りながら暴れまくるシーンを読んでしまい、衝撃的で目がギンギンになり全然眠れなくなったしまいました。笑 8050問題というのをこの本がきっかけで知りました。 80代の親が50代の子の面倒を見る…なんかもう、今の日本には実際にたくさんあるんだろうなと思いぞっとした。
0投稿日: 2025.02.02
powered by ブクログ面白くて一気読みしてしまった。 身近にも中学~高校で不登校になる子どもが複数いるが、この本のようにいじめなど必ずしも明白な原因がある訳ではない。 どのように向き合い再生するか、小説といえど勇気付けられる良著だった
0投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
中学でのいじめをきっかけに7年間引きこもりとなった青年とその家族の話。 途中までよくある再生していく話かと思っていたら全く違った。 いじめの描写は読むのが辛かったけど、裁判を起こすと父子で立ち上がったあたりから夢中になって一気に読み進めた。関係が再生してよかった。最終的に家族はバラバラになってしまったけれど、これが大橋家の形なのかなぁ。 私自身、子どもが急に学校に行かない!と言い出したらどうするかな‥と考えさせられた。でも真正面から向き合っていくしかないんだろうな。
7投稿日: 2025.01.10
powered by ブクログ引きこもりをテーマとした作品ということもあり、全体的に暗い雰囲気でした。 その中でも、重くのしかかる現実と正面から向き合おうとする登場人物の姿に心を打たれました。 誰にでも起きる問題として捉え、今後の生活を過ごしていきたい。
0投稿日: 2025.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一気に読み進めてしまった。作者の作品世界にすっかり取り込まれてしまったように思う。 翔太が飛び降りた時は最悪の結末を迎えたと思ったが、そこからの翔太の心の持ち直し方、裁判で高井が金井をやり込めていく様の描写に本当に心を掴まれた。いい作品だった。
0投稿日: 2025.01.06
powered by ブクログいわゆる普通の8050問題からは離れてると思うけど、面白く読めました。でもこの問題は、うまくいかないケースもリアルに書いてほしいと思います。
0投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログ他人事ではなくてどこにでもある話。それを解像度高く書かれている。 主人公も短絡的だと感じることも多いですが、目の前に引きこもりの息子がいたらそうなってしまうのかという、怖さと不安。 救いがある作品だったので良かった。
1投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログ救いのある話でよかった。 第三者目線で見ると、親がもっとこうすればとか もっと早く踏み切ったらとか親が傲慢だとか色々あるけど、親も人だし感情的にもなるし でも我が子は大事だし傷ついて欲しくない。 誰よりも近い家族というのは1番話にくい相手かもしれない。 8050問題この本を読むまで関心もなかったけど 少し調べてみようかなと思いました。
1投稿日: 2024.12.30
powered by ブクログ熱が出ている時に読んだ一冊 8050問題 引きこもりになるのにはやっぱり何らかの原因がある 将来自分の子供がそうなったらどうしよう 家から放り出すとか簡単に言う人がいるけど、外での生き方を知らない子供にそんなことできる親いるのか?と言う文には納得
2投稿日: 2024.12.26
powered by ブクログやめられなくなって一気読み。本の帯にある三浦友和さんの言葉どおり、自分を重ねて、のめり込んでました。ほんとに子供の為、家族の為なら何でもできる?
0投稿日: 2024.12.08
powered by ブクログ誰かの父になったら,必ず読もう! そして,誰かの息子なら,いずれ読もう! 今まで,何故か理由もなく避けてきた作家さんである.何となく,面倒な気がして…すみません そして,「何が小説家風情が日大の理事長だよ⁉︎選んだ大学も大学なら,受けた小説家も小説家だ!」などと…そこは今も正直変わらないんだけども… 大変,失礼致しました! 何だーこれは‼︎何で読まなかったんだ今まで! たまたま本屋に並んでで,「一度くらいは読んでおくか」といつかは読もうくらいの気持ちで手に取った直後に,読み終わった辻村深月の「鍵のない夢を見る」の巻末の対談で「あーこれは今読めってことね!」と偶然に導かれて読み始めたのだけど… エグいことこの上なし.辻村深月なんか目じゃないほど,読者も作中の人物もこれでもかと,抜け出せないアリ地獄に引き摺り込んでいく…目が離せない,ページを捲る手が止まらない! 辻村深月が母と子がテーマなのが多い気がするけど,本作は「父と息子」.そしてあくまでも風景をエッセンスに感情を詳らかに描く女性的な辻村深月とは対照的に,とてもリアルできちんと取材,研究して書き上げているんだろうな,と思える男性的な筆致が,益々,「我が事として」世界に引き込んでいく… 息子が丁度今,中学2年生.作中の息子が引きこもり始めた年齢だ.幸い,狭き門を突破して,おおらかすぎるほど大らかな学生生活を満喫している姿に安堵しつつ,彼もまた,保育園の時には,事もあろうに保護者が先導した陰湿極まりないイジメの被害者になり,長いことPTSDに苦しんだ経験もある.僕に取ってはその経験とリンクしてのめり込まざるを得ない作品だった. ただ,クライマックスへの展開. 父親は,こう言う時にこう言う激昂はしないんだよなぁ…ここだけ話を展開させるための小道具のように妙にリアリティが欠けて,僅かに残念. 家族がカタチを取り戻しつつも,やはり「離婚」に至るリセットのありようは,最後は家族の絆を切らない辻村作品と比べてもリアリティがあると思う.心の傷や蟠りは,そんなに丸く治るものばかりじゃない…赦し合うには,手放すこと,離れることも必要なこともある. しかし,最後の最後,父として涙腺崩壊は免れない! みんな!読んで!
1投稿日: 2024.11.23
powered by ブクログ人として苦手意識があった初、林真理子。 テーマは良かった。 本人と言ってたけど結末がはっきりしてる書き方が好きなんだろうな。
0投稿日: 2024.11.06
powered by ブクログ個人的ヒット作。 自分自身、子供の教育に悩む親という立場から、とても考えさせられる作品。 途中少々ダラけた印象の箇所があるも、全体的に読みやすい。 作中の両親それぞれに苛立ってしまう箇所があるも、だからこそリアルな気もする。
0投稿日: 2024.10.27
powered by ブクログ物語の主人公、父 正樹は『正欲』の寺井啓喜に似たものを感じた。職業柄、自分の正義や主観を世間一般の常識や通俗として正論という形で発出する。正しそうなことを言っているように言うのが上手い。いや、時代の価値観の違いや読み手である自分の穿った見方もあるのかもしれない。少なくとも、未婚である自分は、父という立場からこの小説を受け取ることは出来ない。三浦友和ではないから。結婚して子供も生まれてからなら、内容の捉え方も変わってくるのだろう。強権的な父、断定的な父の面影を追いかけ、感情移入とは違った意味合いで刺さった。何故こんなに自分が正しいと信じて疑わないのか。身内になら何をしても何を言ってもいいのか。妻なら怒鳴ってもいいし怒りをぶつけてもいいのか。一体息子の為にやってんのか体裁のためか父としての尊厳を保つためなのか。どこか終盤、この父に対しての「意趣返し」を期待している自分がいた。 いじめの被害者に対しての浄化装置としての小説ともいえるのかもしれない。自分にはそう思えなかった。確かに、いじめられていたという事象を「いじられているだけ」と認識してプライドを保つ。わかる。だが果たして自分自身は「いじられ」の範疇で認識していた「いじめ」に気づけていたのか? ところで、「8050」って小学校で馴染み深かった「8020運動」のことかと最初思ってたけど、正樹の職業が歯医者なのはそれと掛けてる?
10投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログ中学2年の夏休み以降、学校に行かなくなった息子の翔太。それから7年引きこもりになってしまった息子にこのままでは「8050問題」になってしまうと危惧した父親の歯科医の大澤正樹と妻の節子。弟のせいで結婚できないと不満を言う長女の由依。 こうなったのはお前のせいだと妻をなじる正樹。離婚も考える節子。20歳を越えても引きこもっている子供の家庭の物語です。重いテーマの内容だと思っていましたが、読みはじめると、父親のエゴや葛藤や怒り、妻の鬱屈した感情の爆発、熱意ある弁護士との出会いにより、どうなっていくのか。 彼らの行く末はどうなるのか熱中して読むことができた。暗くなりがちないじめの問題を法廷劇を通して描かれており読んで良かったと思う。 2024年10月12日読了
1投稿日: 2024.10.12
powered by ブクログいじめ、引きこもり、家族崩壊。 引きこもった息子と対峙する覚悟があるのかないのかわからない父親。もがきながらも少しずつ前に進む姿は、もしかしたらリアリティのある姿なのかもしれない。 子供の声を聞かずに自分の価値観を押し付けることは、いじめと変わらないように感じた。 8050というタイトルに期待して読むと少し物足りなく感じるかもしれないが、とあるどこにでもある引きこもり家族の再生の話としては、とても面白かった。
0投稿日: 2024.09.25
powered by ブクログ読むのが止まらなかった。満足感がえぐい。 小説の後半は本当に色々考えさせられる場面や面白い場面が盛りだくさん。登場人物が聖人ではないからこそ、分かる現実感。共感する人がとても多いだろうと思う小説でした。
0投稿日: 2024.09.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
没入して読める、終始感情を揺さぶられる小説でした。 語り手が父親の正樹なので、つい正樹の立場で見てしまい妻の節子の言動を煩わしく思ってしまうけど、節子の抱えてきた苦悩もわかるし、正樹の自分本位な物言いもひどい。そして何より翔太のように成人して暴れて会話にもならない状態は恐怖だしあんまりでした。とにかく読みながらずっとイライラしました。 厳しい状況が続く展開だったけど、最後の法廷シーンはグッときて泣きました。 引きこもりの原因は、傷ついている翔太を親が責めて心の壁ができてしまったことだと思うけど、8年間も経ってしまったことを逆に「見放さなかった」ととらえて壁を壊すことにつながったなら、その8年も多少救われるかも。 とてもいい話だったし、林真理子さんの小説の中でもずいぶん違う印象を受けました。
20投稿日: 2024.09.05
powered by ブクログどうにもならない状況を打開していくのに、裁判という手段を使うのか、と一気に惹き込まれて読み進めました。 当事者の繊細な思いや気持ちを追っていけるのは、ノンフィクションには難しい、小説ならではの良さだと思います。この小説を書いてくださった林真理子さんの作品、他にも読んでいきたいです。
5投稿日: 2024.09.01
powered by ブクログ父親にめちゃくちゃイライラした!! なんか最後は前向きな感じで終わってるけど、父親のこと許された雰囲気なんなの?! 主人公が引きこもった本人ではないことで、第三者目線から引きこもりの子が成長していく姿が描かれていて、もどかしくも読み応えがあった。 自室に引きこもるのは家の外で嫌なことがあっただけでなく、家族との関係性にも問題があるよねいう結論に母と話してて至った。
0投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログ前々から読みたいと思っていた本。 先日、図書館に行った際に目に入ったので借りてみました。 本書は、いわゆる「8050問題」(引きこもったまま50歳前後になった我が子を、80歳前後の親が支える構造をもつ家族問題)をテーマにした小説ですが、読んでいてひとごととは思えず、物語に引き込まれ、一気に読んでしまいました。 我が家には引きこもりはいませんし、この本のような問題がすぐにでも起こるような状況にあるわけではありません。 が、これから先、ちょっとした出来事をきっかけに、本書のようなことが起こる可能性はあるわけで、その対策のためにも、日々を丁寧に、そしてコミュニケーションをこまめに取りながら生きていくことの大切さを考えさせられました。 林真理子の小説を読んだのは、実はこれが初めてですが、他にも面白そうなものがあれば、少しずつ読んでみようかな、と思っています。
3投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログ小説というより、 ドキュメンタリーのような物語。 家族間の問題、引きこもりの問題点を浮き彫りにして描かれているので高評価です。
0投稿日: 2024.08.19
powered by ブクログフィクションとして、いずれ訪れる"8050問題"をどう解決しようとしていくか考えさせる本。 登場人物の家族は、引きこもりの息子がまだ20代。親が町医者で自分が引退したあと、引きこもりの息子をどうしていくのかが問題となり、浮き彫りになる…。 引きこもり息子以外に姉弟で姉がおり、その姉のヒステリック具合が一番現実っぽくて怖かったかも。 読み終えても、なんか釈然としないなと思ったら、参考文献の黒川祥子 著『8050問題』をオススメします。こちらは物語ではなく、インタビューをもとに作成している本。
2投稿日: 2024.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2024年5月 読書会で原さんに貸していただく 優等生 長男 挫折 登校拒否 自殺 親の離婚 父親と再出発
0投稿日: 2024.08.06
powered by ブクログ初真理子さん。「〜である」という書き方が気になった 。父、母、姉みんな利己的でイライラしたけど、どういう結末になるのか気になり、グングン読んだ。今回は5020だったので、本当の8050の話を読んでみたいなぁ
0投稿日: 2024.07.26
powered by ブクログ5080問題かつ途中から7年前の学校であったいじめ実行犯を訴えるという2つのテーマで展開される。 引きこもりになるかどうかはくじみたいなもの、と言われるように家庭環境や学校など原因は様々にあれど、どうしたらきちんとした大人になれるか、と言った教育論は人それぞれ次第のため、親がどんなに苦心してもその心は伝わらない。同様に子どもの多感な時期の心は大人になってしまった両親には伝わらない。それでもいつかやってくる5080を前に親として何ができるか。今回は引きこもる原因となったいじめ犯と学校に、7年前あったいじめを認めさせる裁判を起こす
3投稿日: 2024.07.22
powered by ブクログ林真理子さんの本は初めてかな? 重いテーマだけど、展開が気になって一気読み。 登場人物みんなが必ずしも「いい人」でなく、それぞれが自分の守りたいものに必死で、それもなかなか変わらないところがある意味小説的でなくリアル。 8050問題とまとめてみても、背景や解決はそれぞれで福祉の課題って本当に難しいなと改めて考えさせられました。
3投稿日: 2024.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
現代の社会問題という事もあり、 気になって読みました。 林真理子先生の念入りな取材に脱帽しました。 あまりにもリアルで、途中はやり場のない気持ちで読み進めるのが苦しかった。 家族の擬かしさや焦りもわかる。 最後に希望があってよかった。
3投稿日: 2024.07.07
powered by ブクログ林真理子の本を久しぶりに読んだが、新潮社内で「チーム8050」を作って執筆しただけあって、取材もしっかりしてあり、一気読み。林真理子の本の中でもよく書けている本ではないだろうか。 序盤は読むのが苦しかったが、希望の持てる最後でよかった。 裁判は私刑(リンチ)ではないとの弁護士の言葉はなるほどと思うのだが、私的には父親同様、被告の困る様子が見たかった。が、これもリアリティーがあるということかもしれない。
14投稿日: 2024.07.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
80代の親が50代の子どもの生活を支えるという、8050問題。その主要因である子どもの引きこもりに直面した家庭を描く。 歯科医の父に専業主婦の母、優等生の姉、本人も中学受験で進学校に進み、側から見たら順風満帆の家庭が、いじめをきっかけに一変する。 子育てに正解はないという当たり前のことを改めて実感させられる。 社会問題を扱いながらもテンポよく小気味よく、というところが作者ならでは。特にラストの姉の衆議院議員立候補には笑った。問題を抱えた家庭へのエールのようだった。
0投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログ面白かった。 他人事じゃない。ここまでじゃないけど自分もいじめられてたし、引きこもり気味だったから。あと、家族に他害する人がいる辛さと、解決できない絶望感分かる。昔、警察署に相談に行った時、消極的な警察署の人が結婚指輪を付けているのを見て何とも言えない気持ちになった。 林真理子、初めて読んだけど他の本も読んでみたい。この本は違うけど、タワマン文学とか上流階級ものとかそういうの好きだから興味ある。
7投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログ500頁だけどとても読みやすく、すんなり読み終わった。なにが誰のなんのトリガーになるかわからない。自分の言動には気をつけようと思った。
0投稿日: 2024.07.01
powered by ブクログ読んでる最中、息継ぎを忘れて、苦しかった クライマックスで嗚咽した 読了後衝撃でしばらく放心していた これは。子供を育てているすべての親が読んだ方がいい気がする、読んでほしい、心から 傲慢な人間も、気が弱く優しい人間も、いじめをしたことがある、いじめられたことがある、どちら側の人間も 自分のやってきたこと全てを肯定できる人間、全てが正しかったと言える人間なんていないのだから 父親、母親、ともに完全には共感できない、厳しすぎるし甘やかしすぎだし、その対応間違えているだろうと思う箇所がいくつもあった だが、揉め事、事件事故の当事者になったとき、冷静でいられる人なんているのだろうか ましてやそれが家族だった場合 辛すぎて、胸が抉られて、ページを捲る手が止まらず、しかしこの希望のあるエンディング 物凄い傑作だと思った あの、息子が、ここまで変われるとは 「8050問題」を引き起こさない家庭に変わりたい、と決心して動いたのは父親であり、紛れもない引きこもっていた本人だ。 学校も社会も、楽しいことばかりではなく、苦しいこと、辛いこと、心が折られること、信じられないような嫌な人間に出くわすこと、がある それでも生きる糧になるのは、自分の場合、母親だった。ずっと味方でいてくれて、愛をくれた、見捨てないでいてくれた母親だった この物語の母親の自己陶酔、自己中心的な言動や行動には辟易としたが。 娘(姉)も結果自分を守ることのできる、自分で行動を起こせる、強い女性で良かった。 いじめっ子、加害者側が完全な悪として描かれる時、 物語では罰せられるのに 日本の現実社会では逃がされる、罪が軽い、その無念さをいつも思う 集中できる時間帯に読んでよかった
4投稿日: 2024.06.16
powered by ブクログするする読めました。 父親の覚悟、息子を思う気持ちが伝わってきました。 腕の良い弁護士さんに出会えて良かったね。
1投稿日: 2024.06.02
powered by ブクログ一気に読ませます。ただし、タイトルとは違い、これは小説5020です。面白いんですが、なんとなく世間で話題になっていることをつぎはぎして作ったような感じが透けて見えて、感動とか心揺さぶられる、とかには至りませんでした。
3投稿日: 2024.05.30
powered by ブクログ8050問題というよりはその可能性と向き合い方。読者としては、第三者目線なのでもっとこうすればいいのに、そういうところだろうなと問題を可視化してしまうが、果たしてそこに自分がいた場合どうだろうか。父親、母親、息子、姉、加害者、どの立場にいたとしても回避出来ず、同じような思考で行動したのではと、少しぞっとした。面白いという感想は違うかもしれないが、小説として展開が良く、読んで良かった一冊になった。
5投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログ自分の家族を見直す良い機会となる。自分事として読み進めると主人公の家族に感情移入してしまいあっという間に読了。息子、兄妹、母、父、立場によって考え方、悩み、思い描く未来が異なり様々視点から思いを寄せることができる。違う作品も見たくなりました。
1投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログいじめが原因で中学生の息子がひきこもりになった。 やがては暴力を振るうようになり、ここにきて父親の意識が変わる。 働くこともなく、ひきこもりのまま成人して親の年金で生きていく。 そのまま親が80代、子供は50代になる。 8050の問題を恐れる気持ちはあるが、この話の核はいじめであって8050問題とは違う。
7投稿日: 2024.05.14
powered by ブクログ昨日買って、一気に読みました。 ひきこもりの息子と家族の戦いの物語。 なぜ、息子がひきこもりになったのか、 真相を知ることから、戦うことで自分たちも傷つきながら立ち直っていく。 ここに出てくる高井という弁護士みたいな人はいるのかなとは思ったけれど、歯科医の父親みたいな人やその妻みたいな人はざらにいそう。 読後感は悪くないです。
1投稿日: 2024.05.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
つまらなくはないです。ただ、書店で手に取り読み始め、すぐ購入を決めた時の期待からは大きく外れました。翔太の人物が意図せずに崩壊していると感じます。復讐とは具体的に何をしようとしていたのか、どう考えていたのかもっと話を聞きたかった。書き切らないのは筆者が読者に「引きこもる人の人格ってこんな感じだよね」と、同一認識を持ってくれているという勝手な思い込みを感じます。引きこもる人間を軽視している気すらしてしまいました。 女性達の描写は相変わらずシニカルでコミカルで面白かったです。 これは誤解を招く言い方なので迷いますが、最初から赤川次郎だと思って読むと、なんか納得いって素直に楽しめたと思います。しかし、理事を務める大学のいきなりの不祥事など色々あって一皮剥けたであろう林真理子が書く社会問題と絡めた小説、と思って読むと、残念な読後感となります。
2投稿日: 2024.05.10
powered by ブクログ引きこもりの話だが、「80歳50歳」ではない。 「そして30年後、、」みたいな展開があるかと期待していたら読み終わってしまった。 「親がここまで時間とお金をかけて尽力していれば早めに引きこもりから脱せるよ」みたいなメッセージかな、、、
3投稿日: 2024.05.07
powered by ブクログ読む手が止まらなかった。あっという間の500ページ。とはいっても二日間だが。分かりやすい文章で畳みかけてくれる。考えさせられる。いじめ、引きこもり、結婚、就職、様々な問題がこの小説には含まれている。いわば社会の縮図であり、決して他人事ではない。
5投稿日: 2024.05.06
powered by ブクログ8050問題の話ではないし、ついでに社会派小説でもない。ご都合主義が過ぎるし、ラストは時代劇みたいだけど、ヒューマンドラマとしてはすごくエンタメしてていいです。 何回も言うけど、社会派小説じゃないので1ミリも頭使わずに読めて、やることないGWの読書にオススメです。
3投稿日: 2024.05.01
