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生と死を分ける翻訳 聖書から機械翻訳まで
生と死を分ける翻訳 聖書から機械翻訳まで
アンナ・アスラニアン、小川浩一/草思社
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総合評価

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    世界のどこか遠くの片隅で起きている事件は、どうしても自分とは縁遠い異国の話として認識される。しかしその一方で、そうした事件は遠く離れた場所へも報道する価値があると考えられており、そのこと自体が、事件を身近な問題としてとらえ得ることを示している。 the US listed sanctions米国は制裁を解除した、が制裁を強化したに化けてしまうといったミスもある。BBC和0ルドサービスは時に翻訳工場と揶揄されるほど翻訳者泣かせの職場で、この種の逸話には事欠かない。

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    投稿日: 2025.09.15
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    冷戦期のロシア語・英語の通訳、エセーの英訳、人質をとった山賊の仲介としての通訳などさまざまな場面における通訳・翻訳のもった役割と結果、そしてかかえた問題などが紹介されている。 なかなか翻訳の現場の話を聞く機会はなく新鮮で非常に面白く読めた。 紹介されているすべてのケースでその後生き残れるかがわかれるわけではないが、冷戦期や山賊のケースなどではまさに生死に直結すら問題で、通訳者の判断が少なからずが影響して命を失った人もいるよう。 さらに問題なのは通訳は正しくおこなっていても内容の問題で交渉に失敗した場合も通訳者が批判を受ける事が多いということ。 こうしてみると通訳の影響力は大きくかなり重大な役割ということがわかるが、本書でも指摘されている通り通訳者の評価は不当に低くなっていて、最近はそれが進んでしまっている。 AIの発達が進んだとはいえコスト削減として通訳者への報酬を減らし通訳の質を落としては本末転倒な結果が見えるし、社会全体で通訳・翻訳の重要性を共通して認識していく必要がある。 そして通訳者・翻訳者の地位が向上し、通訳・翻訳の質が落ちることによる分化や社会の低迷を回避できることを願う。

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    投稿日: 2024.08.03