
総合評価
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powered by ブクログ図書館本。ネパールカレーのことを書いた本は以前にも読んだことがあったけど、こちらのほうが内容断然充実。移民問題のことも身近に感じられた。名古屋住みの身としては発祥の店にも行かねば。
0投稿日: 2026.01.22
powered by ブクログ日本中に溢れていて、都心だと駅に一つ以上はあるインドカレー店。ふっくらしたナンと甘いバターチキン。ところがインドに行って現地のレストランに行けば、そんなメニューには出会えません。しかも働いているのはなぜかネパール人。なぜそんなことになったのか、長年の疑問がこの本を読んで晴れました。 初期ににインド料理屋を始めたインド人が豪華な宮廷料理であるムグライ料理とタンドールを導入。それを後進の人が完全コピーを続けた。GDPの30%が出稼ぎというネパール人がインドのレストランで働いていて、そこから日本行きを誘われていった。ネパール人の中からビザ取得などのブローカー業を始める人が出てきて、地元から人を呼び寄せた。 簡単に言うとそういうことのようですが、それが多くのコックや経営者へのインタビューから生々しく伝わってきます。終盤、著者がネパールを訪れ、街で多くの日本語をしゃべる人々に遭遇する章では不思議な感動がありました。歴史の経緯でなぜかネパールの山奥の村と日本がつながってしまう。 ネパール人コックとその家族、特に連れてこられた子供達の苦境を聞くにつれ、普段行っているインネパレストランに対する見え方が変わってしまいました。
0投稿日: 2026.01.11
powered by ブクログとてもおもしろかったです。 近所の3軒のインドカレー屋も、うち1軒はガパオライスやカオマンガイなどの東南アジア料理も出すようになった。別の1軒はもつ鍋を提供するようになった。残りのもう1軒もナンのおかわりが焼きたてじゃなくなった。ちょっと前まではハーフサイズナンをお願いすると半量の生地をいちから焼いてくれたのに、今は半分に切られたナンが提供される。 食文化に対するこだわりより、お客の需要が優先なのだ。(P152 あらゆるコストが高くなってる時代に無理なのかもしれないけど、おざなりなインネパでなく、純粋においしいインネパのインドカレーが食べたいと思うのは欲張りなことなのかな?と考えます。
1投稿日: 2026.01.08
powered by ブクログカレーを食べ歩いているが、大きく分けると ・老舗系(独自の味を構築した店、ボンディとかデリーとか) ・インネパ系(ナン+カレー) ・日本人がつくるスパイスカレー にわかれる。 で、インネパ系は胃がもたれるし、ナシゴレンやフォーまであったりして、個性がなく、意味不明に思えて、ほぼ行かなくなった。なんでこんなふうになってしまったのだろう?と疑問を持っていたが、この本が答えをくれました! 。。。 まとめる 初期。インド人が日本で飲食店を出すにあたって、ムガール帝国の王朝料理を選んだ。だからリッチな材料で普段食べないものが多い。 カーストの縛りのないネパール人が働き手として都合が良く、インド料理の店で修行し、インド料理の店を続々と開店させた。ネパール人は料理どうこうより、出稼ぎとして考えているので、同じ料理を踏襲(まね)した。 この背景にはもともとゴルカ兵という傭兵制度がネパールにあり、海外で働く文化がベースにあった。 日本はビザの関係でいきなり帰国させられることもあるから、最近はオーストラリア、カナダ、アメリカに移る人も増えている。 呼び寄せた家族が日本に馴染めない、グレる、せっかく馴染んだのにビザのために帰国になる等々、家族の問題、教育問題も根深い。
1投稿日: 2025.12.29
powered by ブクログとても面白かった。近年急増しているナンカレー屋の秘密について解説されている。似たメニューが並ぶ理由やその背景にあるネパール人の問題等、本書を読んだ上でナンを食べに行くとまた違った印象を感じる
2投稿日: 2025.12.10
powered by ブクログ似たようなメニューやシステムの店が多い理由は、失敗を恐れて安易に前の店の真似をしているから。コンサルは存在しない。 インド料理店で働くためのブローカーは存在する。現在は入管が厳しくなったので新規出店は頭打ち。 同じ頃から増えてた台湾料理の店についての本あるかな。探してみよう。
2投稿日: 2025.12.06
powered by ブクログ面白かった。 とあるYouTubeの動画で、SF作家の池澤春菜先生がご紹介していた本。近所にネパール人の経営するインドカレー屋さんが複数件あることに疑問を持ちつつどちらのカレー屋さんも通っていた私にとって知りたいことがたくさん書いてありました。 なぜ似たようなカレー屋さんがすぐ近くにあるのか。なぜナンとバターチキンカレーとタンドリーチキンの一辺倒なメニューなのか、なぜネパール料理じゃなくインドカレーなのか、家族は、自国は、なぜ、なぜ、なぜ……。 深い問題がたくさんあり、とても考えさせられる本でした!
2投稿日: 2025.12.01
powered by ブクログ東南アジアを専門とするジャーナリストによるインネパカレーの本。インネパカレーが日本中に広まった理由や、ネパールからの出稼ぎ者にまつわる情報を膨大な取材(出版までに三年かかったそうだ)で教えてくれる。 今や当たり前のように近所で見かけるインネパカレー屋さん。でもその裏側は知らないことばかりで、とても興味深かった。
0投稿日: 2025.11.25
powered by ブクログ日本にいっぱいある、ネパール人のカレー屋さん、、その背景には彼らの祖国の事情やら家族の事情やらいろんなことがあったのだ、、とても勉強になった!カレー食べたい!
0投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログすごい面白いテーマ、読ませる内容。日本におけるインドカレー店の歴史に迫った素晴らしい本である。 要はインド人がコックとして連れてきたネパール人が、仲間(仲間と思っているかはさておき)を連れてたくさんやってきて今に至っている。その過程で、日本のビザ制度の問題や、苦境に陥るネパール人の姿も追っている所は素晴らしい。
0投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログとても良い本だった 21世紀になり急増したネパール人によるインドカレー屋についてのルポ グローバリズムや資本主義をあげつらうことは容易くて、社会問題の背景には結局人間がいかに生きるかってことがあり、みんな巻き込まれている と感じた 排斥より包摂だよなぁ
1投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログポットキャスト「知らなくても困らない日本」で老舗食堂めぐりの相川さんが紹介していました。 日本にはネパール人によるインドカレーの店が増えている。どこも判で押したようにメインはバターチキンカレー、ナン、タンドリーを中心にしている。 しかしこれはインドカレーでも、ネパール料理ではない。本書ではこのようなネパール人経営のインド料理天、本物のインド料理でもネパール料理でもない物を出すお店を「インネパ」として、なぜ日本で増えたのかを探ってゆく。 すると日本の法律の変化や、インド人ネパール人の生活や国民性がみえてきた! ●ネパールには産業が育たず、国民の1割が外国で働く。 ●日本で馴染となっているインドカレー店メニューのバターチキン、ナン、タンドリーは、もともとはムグライ(16世紀から19世紀にインド亜大陸の大帝国ムガル帝国のこと)の宮廷料理だった。 ●インド人はカースト制度のため仕事の役割が「カレー担当」「タンドリー担当」「掃除担当」「ホール担当」ときっちり決まっている。それに対してネパール人は何でもやる。そこでネパール人が雇われた。しかしこれは一人のネパール人を低賃金でなんでもやらせる労働体系にも繋がってしまう。 ●日本でレストランを出すネパール人が少なかった頃は日本人の好みを聞いたりもしたが、「日本にくれば稼げる。とにかくバターチキンカレー、ナン、タンドリーという自分たちが食べたことのない料理を作れば良い」という世代は、もともとの学もないこともあって日本でも違うやり方を探るとかはしない。「あの店がバターチキン、ナン、タンドリーでやってるんだからうちもやる」しかなくて撤退する店も多い… ●コックとして来日したネパール人は、成り立っている店でコックとして働き、数年後に全く同じメニューを出す。美味しさとか個性よりも稼ぐこと!集合したお店の真似をすることが堅実!!そこでメニューも元の店のものをコピーしたり(文字通りのコピーです)、店構えをそっくり真似て、お店も前の店の近くに出す。そこで競合してしまったり、個性がなかったり、美味しくなくて潰れることもあるけど、冒険よりも元の店の真似が確実!! ●インネパレストラン増加の原因として、外国人が日本で起業する場合の日本の法律の変化についても書かれています。 ●なんか世間で言われている「タンドリー窯を作ったら、4人までは就労ビザが取れる」は、嘘。(すみません、私も聞いたことありましたが、嘘だったんですね(^_^;) たしかに企業や経営状況を判断するのにタンドリー窯があれば「本気でカレー屋やる気なんだな」と見られて許可が出やすいのかも知れない。ネパール人が「許可が出る可能性が高くなるかも」という希望のためタンドリー窯を設置してるってだけ。 ●ネパール人が増えると、仲介・斡旋者が増える。その人たちのほうが料理を出す人たちよりも稼ぐ。このあたりの話は、貧しく学がなく失敗する人と、そんな人達からお金を取って成功する人の差が如実に出ていて読んでいていたたまれなくなった… 最初にレストラン開業のときに、ネパール人からお金を集めるとか、コックの資格で就労ビザを取っておいて工場に回すとか。 残念ながらカレーやがネパール人の貧困を固定化させてしまっている面がある。 ●日本のインドカレー店、インネパ店の歴史や、日本にレストランを出した元祖のお店の話も出てきました。 そんなお店では、インド料理の素晴らしさを日本に紹介しようとしたけれど、同じメニューで安くて簡単に作ったインネパが増えることによりインド料理の格が下がってしまったと諦めの声も。 ●著者はネパールにも取材に行っている。日本で稼いだお金でカレー御殿を建てた人もいる。しかし外国出稼ぎにより、親子が離れて暮らしたり、若者が村からいなくなり村がどんどん過疎化している。 (これは世界中で、国内労働でもある話だ) ●日本はやっすい労働者としての外国人労働者を望んでいるけれど、日本は「ホスト国」としての制度も自覚も足りないので持ってほしいなあ、という希望が書かれる。 就労ビザで来日した父親に着いてきた子供たちは言葉もわからず、学校でも馴染めず、語学学校は料金も高い。(語学学校がある地域にネパール人が集まる側面もある)そして父親の滞在期間がいつ切れるか安定しない生活。 日本は労働者として外国人を入れるなら制度も整える必要がある!日本がハードルの高い制度だけ決めているので、ネパール人がネパール人を搾取するような日本にとっても悪い方向にしかならない方向になっている! ●そんななかでも、日本に馴染んで、あとから来る同国人たちの世話人になるインド人、ネパール人もいます。 うちの家族は外食するとインドカレー(インネパカレー)の店に行く確率はかなり高いです。家では絶対にできないからです。するとたしかに「…あまり美味しくない…」って店も結構あるんですよね。
44投稿日: 2025.10.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
インドカレー屋を経営しているネパール人は、家族のために必死で、さまざまな問題を抱えていた 仕事の少ない自国の家族に仕送りするため、日本人向けのカレーを作り続ける、そこにオリジナリティなんてなかったなんて 後半では、親と暮らせない子供・日本に馴染めない子供・教育をまともに受けられない子供について書かれ、読んでて辛くなった。最近の移民問題も含め、どんどん大きくなる課題に思えた。 読書筋が足らず、時間がかかったけど面白かった。 キーワードは、ムグライ料理。
0投稿日: 2025.10.20
powered by ブクログ街中でよく見かける「インド料理屋」 どこに行っても店構えやメニュー(ナンとカレーとタンドリーチキン、サラダにオレンジのドレッシング)、なぜかネパールの方が切り盛りしている点など、何かと似通っているので、絶対に何かウラがあると思っているところに本書を見かけたので思わず購入 てっきり、ウラで取りまとめている大きな組織があるとばかり思っていましたが、そんなものはない、といきなり書かれていてびっくりしました どこも似通っているお店の形態に至った経緯には、日本の時代背景とネパールの出稼ぎ文化が関わっているお話、パイオニアはインド人で、元々は日本では高級志向だったこと、それがいつしか大衆化して、ネパール人が関わるようになったことが、その理由と共にわかりやすくまとめられていました 本書では、そのような形態のお店を「インネパ」と呼んでいました。出されてくる料理は純粋な現地の料理ではなく、日本で根付いてきた過程で、かなり日本人の好みに合わせた独自の進化を遂げていることがわかりました。 また、海外の皆さんが日本に滞在し続ける難しさ、ビザの問題、教育の問題、人材ブローカーの闇など、闇の部分もいろいろ書かれていて勉強になりました ネパールの皆さんは我々日本人よりよっぽどアグレッシブでチャレンジャーだなあ、という印象も持ちました 個人的に気になっていたことは全て網羅されていて、それ以上の内容にまで踏み込まれていた内容だったので非常に面白かったです 近所に行きつけの「インネパ」のお店があり、いままでとはちょっと違う目線にはなってしまいますが、ネガティブな意味ではなく、いい意味で改めて伺いたいなぁと思いました
9投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログなぜネパール式のインドカレー屋が日本にたくさんあるのか。この本は、表層的な理由のみならず、ネパールの教育環境や歴史背景など、深い部分までリサーチされていて、さらさらページが進んだ。 身近にあるインドカレー屋も家族経営で、子供たちの談笑の声が聞こえたりするので、背味だけでなく、お店自体の背景も想像したい。
0投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ2024年出版。333ページ。このページ数に至るのに、どうしても網羅的になる面は有る。必ずしも関心の高くない部分は微妙にスキップしなごら読み進めたが、中々に興味深い所も。タイトルに「移民」が含まれるが、そもそも「日本は移民を受け容れない」事に改めて驚き。ビザの更新期間は刻まれ、日本で生まれても国籍は取れない。都合の良い部分だけ一時的に利用して、都合が悪くなったらいつでも滞在出来なくする...。排外主義的な妄言を吐き散らして政党まで出来る、この日本の情けなさを痛感した。
0投稿日: 2025.09.25
powered by ブクログインドカレー屋ってほんとにどこにでもあるし、どの店に行っても安くて量が多くて美味しい!! 特にランチは1000円で食べ放題とか正気の沙汰とは思えないメニューもあって、この値段設定で大丈夫か?と客ながらに思っていたが、やっぱり無理してるわな〜と本を読んで思った。 しかしこんなカレー移民斡旋ビジネスが確立されていたとは驚き。 日本語を教えてもらえないまま、日本で暮らさないといけない子どもたちのことが気になってしまう。
0投稿日: 2025.09.06
powered by ブクログ1980年代神戸のゲイロードや名古屋のキャッスルプラザホテルのアクバルはおしゃれして行く高級料理店でした。 ガラス越しにインド人コックがタンドール窯で焼く巨大ナンにワクワクし、カシューナッツなどが入ったカレーに舌鼓を打ったものです。 いつの間にか近所にもいくつかインド料理店が出来、風の噂にあれはインドではなくネパール人家族でやっていると聞くようになりました。 その移り変わりからネパール人の実情まで丹念な取材で解き明かしてくれました。 おまけに偽造テレフォンカードやクスリの密売で有名だったイラン人がVISAなし渡航の不法残留者として日本にいたことなど本編と関係ない所でも昔からの疑問が解けて非常に参考になりました。
0投稿日: 2025.08.23
powered by ブクログ街で見かける「ネパール人が経営するインドカレー屋さん」がなぜ台頭していて、どこも同じようなメニューが並んでいるのか?という謎に迫るノンフィクション。あの甘口のバターチキンカレーの味や、大きくてふわふわのナンは日本人好みにローカライズされたもので、本場のインドでは見られないのだとか。カレー移民たちの現実と、その背景にある歴史や国事情を学ぶ一助となってくれつつ、無性にカレーが食べたくなる一冊。
1投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログ実に興味深い本だった。 街中にどこにでもある、妙にインド感漂う カレー屋さん。 本当にどこにでも突如としてあるし、 ほぼ働いてる人たち現地の人。 いったいあの人たちはどこからやってきたんやろ? と思ったら、インド人じゃなくて 実はネパール人らしい。 しかも、提供しているカレーは、 本場のインドカレーでもなく、 ネパールのカレーでもなく、 日本人向けに味付けされたカレー笑 あのネパール人たちは出稼ぎでやってきて、 次から次へと増えていったらしい。 まずは単身で日本にやってきて、そのうち家族を 連れてきて、うまくいけば故郷に仕送りをして、 成功すれば母国にカレー御殿が建つらしい。 もちろん経営がうまくいくネパール人ばかり ではなく。 カレー移民の闇も読んでいて理解できた。 読めば読むほど深かったー。 先日コストコで、カレー屋さんに出てくる 謎のドレッシング買ったんだけど、 普通に美味しい。 そういえば、家の近所にもインネパの カレー屋さんあるな…今度行ってみようか。
4投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログよく行くインド・ネパールカレー店が気に入っててこの本を見つけて読む。インドとネパールの違い、陽だけでなく陰の部分など取材されている。
1投稿日: 2025.07.18
powered by ブクログカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」 2024年3月20日 第一刷発行 2025年3月8日第六刷発行 著者 室橋裕和 なぜインドカレー屋をネパール人が経営しているのか。なんでみんな版を押したように同じメニューなのか。時々疑問に思いながらランチしていた。それに答えてくれながら、その裏側まで深掘りしてくれているレポート。在日ネパール人社会の抱える問題や、それを生み出している日本・ネパール双方の事情まで分析してくれているのは面白い。
11投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログ街で見かけるネパール人が経営するインドカレー店(通称インネパ)について取材したノンフィクション本。 「どの店もメニューが一緒なのはなぜ?」「インド人じゃなくてなぜネパール人が経営してる?」などのよくある疑問が全て解消される。 また、ネパール移民の方たちが直面する日本での問題にも切り込んでいて、興味深かった。 インネパは日本のカレー屋より好き。チーズナンとか美味しい。
0投稿日: 2025.06.28
powered by ブクログインネパ料理の愛好家の私にとって、一読すべき本であった。なぜ、美味しさに対して客数が少ないか、あるいは、他の国の料理よりも出店が多いのかといった疑問を根本的に理解するのに役だった。ネパールの国の産業と、日本の構造を理解した上で、インネパの成り立ちを理解すると、現状は非常に腑に落ちるものであろう。兎にも角にも、これからも美味しく食べ続けよう。
31投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログ第55回 新書読書会「連鎖堂」新書限定ビブリオバトル・テーマ「日本の食」で紹介した本です。 2025.5.24
0投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログ最近、どこに行っても見るようになった「インドとネパールの両方の国旗を掲げたインドカレーの店」。どの店もメニューはだいたい一緒で、どこで食べても味はそれほどバラツキがない。 そして、インドカレーと言いつつも実は働いている人はネパール人ばっかり。 日本全国、どの店に入ってもほぼ同じテンプレで拡大するインドカレー店の実態に迫るルポ。 読み進めると、ただ単に「ネパール人が日本に来てインドカレーらしきものを作って売っている」というわけではなく、その奥には複雑ですぐには解決できない、ネパールという国家が孕む問題があることが分かる。そして、好き好んで日本に来たわけではないネパール人たちの苦悩と悲哀も知ることができる。 外国からの送金に頼らざるを得ないネパール経済と、時に法的にグレーな移民労働と安く提供される食事に頼らざるを得ない日本経済。 それぞれがお互いに支え合って、今のインドカレー店の急増につながっている。 ネパール経済の歪さや、不当にネパール人を働かせる仕組みに対して、いち日本人ができることは少ない。しかし、以前何度もネパールに行き、「日本のインドカレー屋で出てくるような料理はネパールにはない」ことも知っている身としては、それでも何かできないのかなぁ、と思わざるを得ない。だって、近所の行きつけのインドカレー屋で働いているネパール人たちは、みんな良い人たちだから。
2投稿日: 2025.05.17
powered by ブクログ「インネパ」知るならまずこの本 取材多数。さらに実際に「インネバ」に赴いて取材、リアルな声が聞けた 何気なく食べていたあのカレー、この本によれば発祥の店で今でも繁盛しているらしい。他店を試すことに若干の怖さも感じつつ、しかしながらその苦労を知ると新しいところにトライしてみたいとも思った
1投稿日: 2025.05.14
powered by ブクログ本書に出会うまで、なんでこんなに金太郎飴みたいに、同じようなカレー屋さんが増えてきたのか分からなかった。 もちろん何度かお店に入って食べた事はあるが、特別に感心もしなかったし、職場のそばにも自宅のそばにもあるがリピーターにはなってない。 そんないわゆる「インネパ」のカレー店の実態を、働いている側と受け入れている日本側から見たルポ。 丁寧に取材しているので、実態や問題点をよく理解できる。 日本の移民政策や外国人の労働問題には全く無知な自分だが、日本の人口減や労働力不足を考えると考えなければいけない問題が本作には隠されている気がする。
22投稿日: 2025.05.14
powered by ブクログ地元でも、元ラーメン店の居抜き店舗とプレハブ小屋のような店舗の2店が営業を続けている。すべてがインド人経営だとは思っていなかったが、多くのネパール人が関わっていることが分かった。それはインドのカースト制度と、ネパールが抱える貧困な産業構造にあった。30年ほど前に都内のインド料理店でめっちゃスパイシーなカレーを食べた記憶がよみがえる。本書を読むと、来日したネパール人の苦労・苦悩や、家族滞在の在留資格で日本に馴染めないカレー屋の子の問題があることに気付かされる。高野秀行のルポを彷彿させる本だった。
1投稿日: 2025.05.02
powered by ブクログスパイスカレー屋でバイトしていた身としてずっと気になっていた、日本人向けの油たっぷりででも年1くらい食べたくなるカレー、の正体、裏側を知った。みんな必死に生活を賭けて日本に来てるんだなと思い、なんとも言えない気持ちになった。
0投稿日: 2025.04.20
powered by ブクログインドカレー店を日本で営んでいるネパール人… その謎に迫った話。 インドカレーが流行ったのは、バブル時代の日本の労働観の影響が大きい。その後、ネパール人の宗教的制約の少なさや、インドでの経済的発展、日本での政策が重なり、ネパール人がインドカレー店を営むようになっていく。 では、ネパール人は幸せなのか? 開業したネパール人についてくる家族や、それを真似て意欲もないのに日本に来るネパール人たちはやはり、教育的にも、経済的にも恵まれない。また、インネパビジネスを斡旋する会社や、社会保険を完備しない会社もあり、彼らの待遇は良くない。さらに、彼らは祖国で待つ家族に仕送りもしなければいけない。 ネパールでも、働き手が出稼ぎに行き、子供と老人しか国に残らない。子供は愛を学ぶことができなくなり、それに飢える。 ではネパール人たちは今後どうなるのか? 日本にいるネパール人は「移民」ではない。彼らはむしろ、ただの在留資格を持った外国人として扱われる。そして、ネパール人たちはカナダやオーストラリアといった、移民として自分たちを扱う国に移動する。この点で筆者は、最後に日本で使われている移民ということばを否定し、私たちはほんのタイトルに騙される。
0投稿日: 2025.04.09
powered by ブクログここ20年で急増したインドカレーの店。実はインド人でなく、ネパール人による経営がほとんどだと言う。この本はそのようなネパール人たちがなぜ日本に来てカレー屋をやっているのか?それもネパール料理ではなく、インドのカレーなのかそしてそのカレー屋のメニューがどこも金太郎飴のように同じなのなぜなのか?と言う疑問に迫った本である。なぜこれだけたくさんのインド料理店があるのに個性的な店が少ないのかという点についてかねてから疑問に思っていたが、この本を読んで氷解した感じである。 ネパール人たちは、金を稼ぎたいからカレー屋をやっているだけであり、そのビジネスモデルを学んで、そのビジネスモデルをもとにビジネスを展開するから、どれも同じような店になっていく。そしてビジネスだから儲かる店、儲からない店が出てきて、異文化間の問題もあり、あるいはブラックな雇用形態で苦しむネパール人のなども多数おり、ネパール人の問題であることがわかる。また一方で、それは日本の社会の問題でもあった。
2投稿日: 2025.04.03
powered by ブクログ『カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」』を読了。 2025年現在、日本中どこでもインドカレー屋があふれていますが、その多くをネパール人が経営しているという事実をご存じでしょうか。著書では、その数が5000軒を超えるとのことで、なぜこれほどまでにネパール人によるインドカレー屋が増えたのかを、歴史的背景やネパールの事情から解き明かしています。 ネパールは自国の産業が乏しく、多くの人が外国へ出稼ぎに行くそう。さらに歴史的にも地理的にもインドが近いことから、まずインドでカレーの技術を学び、その後日本に渡って店を開く――この流れで成功した人をきっかけに、やがて口コミが広まり、ネパール人が次々と日本にやって来ているとのことでした。 しかし、カレー屋が増えすぎたことで競争が激化し、他店と同じような店づくりの繰り返しや、十分に修行をしていないまま開店して評判を落とすケースも出てきて、閉店が相次いでいる現状もあるそうです。 また、この本では外国人労働者が日本で暮らす際の障壁(主に言語や、家族・子どもの教育面など)についても詳細に調べられていて、現代日本と移民との共生を考えるうえで非常に参考になる1冊でした。
0投稿日: 2025.03.21
powered by ブクログどこのお店でも、同じ味、同じメニュー... オレンジ色のドレッシングがかかったサラダ、バターチキンカレー。このインドカレーの提供形式は何処から、どの様に広がっていったのか、疑問でした。 本を読み進めていく中で、今まで通った様々なお店に想いを馳せてしまいました。またあとがきで書かれていたことも、最近覚えがあり思わずハッとしてしまいましたw
0投稿日: 2025.03.20
powered by ブクログ身近な「インネパ」料理屋。 現地ではチャパティだよなと思いつつも、ナンも美味しいし、カレーもどれも変わらず美味しい。 お店で食べてるだけでは分かりえない、ここに至るまでの背景と、今を知る。 産業がないと人は出ていく。国単位か地域単位か。その地域に産業がなくとも、技術があれば国境を飛び越えられる。でも、そのためには教育が重要であって…。 日本で暮らすネパールの子供たちの教育と、心の安定。カレー屋のネパール人家族の人生。やはり出てくる入管。同族間での食い潰し。 読んでて、色んな不条理・不合理を感じるし、日本の移民に対する理不尽な政策、それに翻弄されてきた外国人たちへの罪悪感を感じつつ、安定して変化はなくとも美味しい食事を提供してくれるお店に行きたく思う。 単純な話ではない。 知れて良かった。
0投稿日: 2025.03.06
powered by ブクログ誰もが一度は行ったことのある「インネパ」カレー店。読んでいたらお腹が空いてきて、昼ごはんはカレーを食べに行きました。 失敗できない思いが強いからこそコピペのメニューになってしまうこと、主張が強いインド人に対してネパール人は穏やかであることなど初めて知った。 「カレー屋の子ども」が非行に走ってしまうのは由々しき事態。いつもどこでも、割りを食うのは子どもたち。 読んでいて三浦英之さんの「人の心を蝕んでいくのは、貧しさではなく、むしろ格差」という言葉を思い出した。
0投稿日: 2025.02.27
powered by ブクログ特に東京のリトルインディアと言われる西葛西の近くに住んでるので、身近な話で面白かった!客が全く入っていないインドカレー屋が潰れないのは、ネパール人を日本に派遣するサイドビジネルがあるから、、ネパール人従業員の回転率を上げた方が儲かるという闇。 その中でも異国で生きていくしたたかさを持ち、努力をして日本に永住する人たちもいる。
0投稿日: 2025.02.24
powered by ブクログ「インドカレー屋やけど実はネパールの方が多いらしい」という世間に流れる薄情報しか知らずにこの本を手に取ってしまいました。 貧困問題や国際問題にも直結していて 特に「カレー屋のこども」と呼ばれるこどもたちの 日本での過ごし方をもっと深掘りし、実際に関わりたくなりました。
0投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログ色々謎に思ってたネパール人によるカレー屋について詳細に取材されてて理解できた。 出稼ぎに来た人の多くの出身地で起こってる過疎の問題だったり子ども達の話だったり大変だなーと思う。 そしてナンとカレーが食べたくなった。
2投稿日: 2025.02.14
powered by ブクログAudibleで聴読 日本各地に急増する、ネパール人によるインド料理店の謎に迫る。甘めのバターチキンカレーにこれまた大きな甘いナン、サラダとチャイやラッシーがセットで1,000円といったフォーマットがどうして広まっているのか。この本ではインド料理店を経営するネパール人を「インネパ」と呼び、その実態を追っている。 ・ネパールは国内産業がなく、海外での出稼ぎが主な収入源となっている ・若いうちからインド料理店などで修行し、独立先として地方の居抜き物件を選ぶ ・日本人にとって馴染みやすいカレーや甘めの味付けを保守的に踏襲している ・ネパール人専門の法律相談や物流専門店などが存在している ・日本の入管法の規制緩和や起業に対する縛り、労働ビザ取得の要件などが関係 ・インド人はカーストの縛りでマルチタスクができず、ネパール人はワンオペ可能 ・カレー移民の故郷はネパールのバグルンという田舎で、とくに過疎化が進んでいる 現在では4,000〜5,000店舗もあるインネパだが、その中での生存競争は厳しくなってきている。また日本が円安で稼げなくなってきたということも背景にあり、日本以外の先進国に再移民するネパール人も出てきている。今後はよりネパール料理のオリジナルに回帰した店や、カレー自体のアレンジと日本料理を組み合わせた(カレーうどん等)の亜種も出てくるのかもしれない。
0投稿日: 2025.02.10
powered by ブクログ池澤春菜さんが某YouTubeで紹介されていたので読んでみました。 普段新書はほとんど読まないので、何度も同じことを言っていることに違和感を覚えつつも、興味深く読めました。 正直、移民については、増えすぎじゃないか……?とさえ思うほどどちらかと言えば否定的だったのですが、読んでて少しは前向きに捉えられるようになりました。 それどころか、連れてこられる「カレー屋さんの子どもたち」にスポットをあてた章は、同情してしまい何か支援できることないかな、とまで思ったほどです。著者はこの章に出てくる、あるカレー屋さんの子どもの話を聞いてこの本を書くに至ったそうなので、狙い通りですね(笑) とにかく、読んでる最中も読み終わった後もカレーとナンが食べたくなります。もちろんインネパの。というわけで、週末食べに行ってきます。
0投稿日: 2025.01.31
powered by ブクログ何だか「おすすめ」としてよく表示されるので(おそらく埼玉クルド人問題の本を買ったからですかね)、そんなに勧めるなら(笑)…と読んでみた次第。 読んでみたら、これが想像以上のルポルタージュの力作。日本のインド料理店の多くは経営もしくは料理人がネパール人とは聞いていましたが、こんな仕組みになっていたのですね…
1投稿日: 2025.01.23
powered by ブクログ俗に「インネパ」と呼ばれる、近年日本各地で見られる、主にネパール人がコックや経営者として「インドカレー」を出しているレストランについて、その爆発的増加の背景と付随する社会的問題が考察されている。 私自身、なにげなく安くて美味しい気軽に入れるお店として、「インネパ」のレストランに入り、大きなナンとカレー+サラダ(謎のオレンジ色ドレッシングがよくかかっている)+ラッシーのランチセットを頼むことはよくある。 そこに対して深い考えはなかったので、これがインドカレーそのものと思っていて、まして今やそのコックはインド人よりネパール人が多いとは思いもよらなかった。 大元は1980年代以前から、日本でカレーのお店を開いているインド人とみられている。彼らがコックとして、次第に出稼ぎのネパール人を多く雇うようになる。そこで出されているのは、インド人たちが日本人の舌に合うように日々調整していったもの。 そのネパール人が、独立して自分の店を出すようになると、やはり安全策として本来のネパール料理やアレンジを加えたものよりも、インド人たちの日本人に合わせたカレーを模倣して提供するようになる。 次第に、日本人の懐事情にも合うように調味料の質を下げてでも、安価に提供できるランチセットを出すことを志向する店も増えていく。 出稼ぎのネパール人は、母国の未来を案じて日本に来たのであり、家族の生活もかかっている。「模倣」や、ネパール本来の料理とはかけ離れたものを提供することに対するネガティブな考えもあるかもしれません。 私自身も、そのような考えが全くないわけではありません。 しかし、ネパール人が出稼ぎに来ている背景まで想像してみると、彼らの優先順位として、強かに日本で生活していくには止むを得ないことなのだとも思います。
12投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログ2025-10冊目 『#カレー移民の謎 日本を制覇する「#インネパ 」』 (2024年3月発行) /#室橋裕和 著 /#集英社新書 /読了日 20250114 ★★★★★ 【初めて行く国で日本人が、中華料理店コックとして和食をかなぐり捨てて中華料理をくる日もくる日も作り続けて、故郷に仕送りするためにその国の最低賃金以下で一生懸命働き、その国の貧困層からは抜け出せない仕組みのような感じ】 ➖目次
0投稿日: 2025.01.15
powered by ブクログ第1章 ネパール人はなぜ日本でカレー屋を開くのか 第2章 「インネパ」の原型をつくったインド人たち 第3章 インドカレー店が急増したワケ 第4章 日本を制覇するカレー移民 第5章 稼げる店のヒミツ 第6章 カレービジネスのダークサイド 第7章 搾取されるネパール人コック 第8章 カレー屋の妻と子供たち 第9章 カレー移民の里、バグルンを旅する
0投稿日: 2025.01.14
powered by ブクログこれはとても面白いノンフィクション…… 日本人にとって馴染み深い、ネパール人経営のインドカレー屋さん(いわゆる「インネパ」)の、背後にある事情が丁寧に解きほぐされている。 知らないことばっかりだなあ。そして、知るということは素晴らしい。
0投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログバターチキンカレー、ナン、ラッシーと金太郎飴のように同じメニューが並ぶ「インネパ」カレー屋の歴史と闇が良く分かった。 今日の「インネパ」はムガル帝国時代のムグライ料理をベースとした高級料理がルーツだったそう。 外国人が日本で事業を興すためのルール(日本人を2人以上雇用するか500万円出資する)とか知れて勉強にもなった。
1投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログ好きな食べ物を作ってる人たちのことが書いてある 近所なのに全然知らない人たち 読んで食べに行く 余計に美味しく感じると思う
0投稿日: 2024.12.30
powered by ブクログ増殖するインネパカレー屋さん。その内実に迫った作品。儲かるからと希望を持って来日する者、それを仲介する者、裏切る者…、さまざまな人間模様が取材力から浮かび上がる。日本に生まれたことは奇跡なのだ。
0投稿日: 2024.12.04
powered by ブクログ個人的よく行く外食ジャンルランキング の3指入るインドカレー そんなインドカレーに謎があるのかと、書店に並ぶ本作のタイトルに惹かれて購入。 あんまり意識してこなかったけど、確かにネパールの存在は各所にあったなあ。 そんなネパール人とインドカレーの関係性が本書で分かりやすくまとめられていて、非常に面白い一冊でした。 日本式インドカレーの発祥、インド人→ネパール人化の加速、どこの店でも味に大差がないことが多い文化的背景、ネパール人の苦悩etc.. 今、カレー屋に行ったらこれまで感じなかったことが沢山感じられそうな気がするし、近々いこう。 あとこれからはインドカレーではなくインネパと呼びたいと思う。
0投稿日: 2024.12.04
powered by ブクログ自分がインドカレーとナンのセットが好きで、よくお店を見かけるので不思議に思っていたらこの本の存在を知り、読んでみて、自分があまりにも何も知らずにインドカレー(と言われているもの)を食べていたことに本当に驚きました。
0投稿日: 2024.11.22
powered by ブクログネパール人による 〝インド料理店〟のルーツを 明らかにし、ネパールのコックの里まで訪問する、圧倒的な情報量。 日本のコミュニティが海外からの移住者に、多様なキャリアやライフスタイルを提供できていない現実を突きつけられる。 豊かではなくなっていく日本、 これからは海外に出稼ぎ労働者を 送り出す国になっていくかもしれない。いろいろ考えさせられた。
0投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログいつのまにか増えていたインドカレー店は、そのほとんどが ネパール人経営で、同じようなメニューが並んでいる。 何故「インネパ」が急増したのか? その経緯や移民たちの実情などの真実を探るノンフィクション。 ・はじめに 「ナン、おかわりどうですか?」 第一章 ネパール人はなぜ日本でカレー屋を開くのか 第二章 「インネパ」の原型をつくったインド人たち 第三章 インドカレー店が急増したワケ 第四章 日本を制覇するカレー移民 第五章 稼げる店のヒミツ 第六章 カレービジネスのダークサイド 第七章 搾取されるネパール人コック 第八章 カレー屋の妻と子供たち 第九章 カレー移民の里、バグルンを旅する ・おわりに ・あとがき ・参考文献有り。 ネパール人によるインドカレー屋「インネパ」。 彼らはいつ頃から来日し、カレー屋を開いていって、 現在、日本全国津々浦々に増殖していったのか? 言語の異なる、生まれ育った地域の環境とは違う場所に、 遥か遠くからカレー移民として日本を目指す理由とは? 多くの人々からの話の中に見えてくるのは、 ネパールという国の姿、初期のネパール人たちの努力、 この国でいかに成功するか&失敗はしたくない事情、 日本での様々な規制緩和、提供するメニューが似通る理由、 ウラ事情と家族の犠牲、移民第2世代と家族滞在で来日した 2世のセカンド・ジェネレーションにある問題など。 読めば多くの問題がひしめいて、複雑な思いが生まれます。 近所で10年近く通っているのは日本人経営でインド人コックが いる、インド料理店。ドーサやビリヤニなど、ランチでも提供。 従業員にはネパール人がいて、挨拶交わせるフレンドリーな店。 また、インネパなれどネパール料理を提供、ダルバードなどの ネパールメニューで夜は特に賑わっている店もある。 他に、インネパなメニュー中心ではあれど創意工夫と 地域交流で長年経営を続けている店が数軒ある。 経営でも料理でも、そして人間自身でも、努力と情熱は大事。 なのに、国の事情や金の問題等で振り回されて生きる ネパール人の悲哀の深いこと。特に子供の問題は厳しい。 そして、現在の日本の経済状況では、ネパール人が 日本以外の他国に移るのも、さもありなん。 これは日本人だって遠い目で見るだけのことではないと思う。 「インネパ」の里バグルンの訪問記は、 日本国内の僻地の過疎化が重なって見えてしまう。
12投稿日: 2024.11.14
powered by ブクログ副題は「日本を制覇する『インネパ』』「インネパ」とは「ネパール人経営のインドカレー店」のことだという。我が町でもかなり前、まさにこの表紙にあるようなメニューのカレー屋がオープンし、店はネパール人がやっているとのことだった。 「インネパ」カレーの味の誕生と伝達、ネパール事情、日本でのインネパカレー店の事情、ネパール人の出稼ぎ事情などについて、ジャーナリストの室橋裕和氏がリポ。 この日本でよくあるカレーのメニューは、インドのムガール朝の宮廷料理がもとになっているという。日本にカレーが入ってきたのは、明治初年でイギリス人が持ち込んだといわれるが、表紙にあるようなカレーは、新宿の「アショカ」という店が初めだという。1964年の東京オリンピックを機に日本でも食の国際化が進むだろうと、1968年に創業し、いろいろあった末、ムガール朝の宮廷料理を基にしたメニューを作ったというのだ。 そしてネパール人はインドの飲食店に出稼ぎに出て重宝されるという。インド人はカースト意識が強く、料理する人は店の掃除はしないが、ネパール人にはそれがなく、雇えばなんでもするところで重宝されるという。で、修行して味を覚え、親戚知人を呼び、また味を教え、さらに独立し、そして日本へ、という流れがあるのだという。 しかし日本へくるネパール人家庭では働きづめで、子供たちが言葉の問題などで地域になじめず、反グレになってしまう例もあるようだ。特に10代半ばあたりで親に呼ばれると語学習得も幼児にくらべ難しくなるという。 いろいろあるが、ともかく「インネパ」はおいしいので、長く店が続けられるような状況を祈る。 2024.3.20第1刷 図書館
14投稿日: 2024.11.10
powered by ブクログ街にインドカレー屋さんが多いですが、実は大半がネパール人経営。インド料理と思って食べているが、実はインドのムグライ料理(北インドの宮廷料理)。どこのカレー屋さんもほぼ同じメニュー、堅実に出身のカレー屋のメニューをコピーしてる。バクルンと言う小さい街出身者が多い。同伴の家族、特に子供は苦労してる。などなど知らなかったカレー屋さんの世界の話がいっぱい。
0投稿日: 2024.11.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
街中で時折見かける典型的なインドカレー屋がずっと好きだった。バターチキンカレーとか、ハニーチーズナンとか、、。 なぜ類似したカレー屋ばかりで特徴も無く、店員はネパール人ばかりなのかずっと気になっていた。 読んでみると、思いの外ダークサイドばかり。なぜ遠路はるばる日本まで来るのか、なぜどこも同じメニューや内装ばかりなのか。インドカレー屋を営む店主の生活は?日本で育つ、その子供たちは…? 産業の育たない貧しい国の出稼ぎ事情。 日本のワークホリデーもなんだか近い話にも聞こえてくるなぁなんて… 色々考えながら読了です。
0投稿日: 2024.11.02
powered by ブクログなんだか新鮮な情報が多かった。 読むきっかけは単純にカレーが好きだから。 近所にもネパールの人が営むカレー屋さんがあり、美味しいしメニューの種類も多いこともあって、店員さんに覚えてもらってるくらいには食べに行っている。 前半パートは日本での広がり、後半パートはインネパビジネスの闇。特に筆者がバグルンに行ってきたレポートの部分は心が痛んだ。 本を読み終えて、学校にいる外国籍の生徒や街にいる外国の人(主に途上国出身)に対するイメージが変わった気がする。 そんな「インネパ」のなかでも脱・日本が進んでいるという話も興味深かった。 “インド”カレー好きな人こそ読んでほしい本です。
1投稿日: 2024.10.20
powered by ブクログあちらこちらで目にする「インドカレー屋」。 たしかにどのお店に行ってもそれほど味の違いはなく、「インド」と冠しているのに店内にはネパールの国旗が。そしてとてもフレンドリーで親切な店員さん。 日本でどうしてここまでインドカレー屋が広まったのか、なぜネパール人が多く働いているのか、そしてその中に潜む「労働搾取」の側面とネパールの過疎化などの諸問題。 「美味しい」と食べていたカレーの裏側まで知ることで、カレー屋を経営したり働いていたりする彼等の暮らしや人生が良くなる事を切に願います。 そして日本での暮らしにくさから、さらに海外へと出稼ぎを続けるネパール人も増えつつあるとのこと。 大好きなインドカレー屋が無くならないようにもう少し頻繁に足を運ぼうかと思う反面、「日本で稼ぐ」ということに由来する問題を加速させている気もしてなかなか複雑な心持ちです。
3投稿日: 2024.10.16
powered by ブクログ気がつくと 我が家の近所に近頃「インド料理」のお店が増えた。そして どこともそんなに流行っているようには見えない。私も友達とだつたり 娘とも一度は行ってみるのだが、どの店も同じようなメニュー、同じような味。一度行けばいいかな。今のところ潰れずに営業している。不思議でしょうがなかった。流行っている様には思えないのに何故増えるのか? この本を読んで謎が解けた! そうかそれでかと。 ただ インド人やネパール人の名前,知名が多く出て来るので 私には読みづらかった。 まあ、それは「カレー移民の謎」と言う本題なので仕方がないが。
0投稿日: 2024.10.06
powered by ブクログ新書なのに1200円+税でレジに持って行った時ちょっと怯んだけれど、とても面白かったので買ってよかったです 昔日本語学校での同僚からやる気のなさそうなインネパ店がある理由は聞いていたのでざっくりと事情はわかっていたか、より深く理解できた。 バターチキンカレーが食べたくなった。
0投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログインドカレー屋にはよく行くが、行く店の殆どにネパール国旗が飾ってあるのには疑問を覚えていたところ。 本書を読んでその理由がよくわかった。 「インネパ」とはよく言ったものだ。 まさか、そこに資本主義の潜在的問題が潜んでいたとは。。。 数年前、ブータンの幸福度を取り上げるメディアを見て抱いた違和感と不安がまた芽生えてくる。 それでも、「インネパ」のカレー店に足を運ぶ。なぜなら安くて美味しいから。 日本人好みに合わせて甘くしているそうだが、自分はもっと辛いほうが好きで、よく行く店では辛くしてもらっている。
12投稿日: 2024.09.07
powered by ブクログ労働者として来日した方、その家族、ネパールに残された親戚等、それぞれの立場の問題点が浮き彫りにされていたと思う。具体的に書かれていても、現実にはもっと様々な問題があるんだろうなと。ネパール人と交流することがある方は、読んで、かなり役立つと思いました。
0投稿日: 2024.09.05
powered by ブクログ「何で日本には、メニューや内装がテンプレ化したようなインドカレー店がたくさんあるの?何でインドカレー店なのにネパール人がやってるの?」がわかる本。 店の開店までや経営的なことだけでなく、カレー店の家族のことなど、移民の抱える問題を広く知ることができた。
0投稿日: 2024.09.04
powered by ブクログ故郷に成長した産業がなく、他国に出稼ぎをしないと稼げない国の事情から日本や韓国に出稼ぎにくるネパール人 日本に連れてこられた子どもたちがいて、言葉もわからない、就職先もないなどの事情からとりあえずカレー屋を始める。 出稼ぎの話よりもカレー屋の子どもたちの話が印象深かった。
0投稿日: 2024.08.26
powered by ブクログ実家のあるド田舎の小さな町にはスタバは無いがインドカレー屋はある。今や全国どこに行ってもインドカレー屋があって、チェーン店ではないのに判で押したように同じフォーマット、大きなナン(またはライス)おかわり自由、チキンカレー、キーマカレーとダル(豆)カレーなど何種類か選べる、こういうお店がある。インドカレーだけど実はインド人じゃなくてネパール人がやってるとか、インドではこういうナンは実は食べないとかの知識はなんとなく耳に入って来る。 エスニック街道の著者、室橋さんによる、丹念な取材、今回は日本にあるお店だけでなく、ネパールの奥地まで足を運んで、こういうお店が増えた背景を解き明かしている。 近所に、わりと長くやってるインネパ店があり、周囲に似たような店ができてはつぶれして、現在はもう1件少し毛色の違う店が安定して営業している。カレーは好きなので、以前は嬉々としてインネパ店に足を運んだが、最近は食傷気味で、初めて訪れる地でランチに入る店を決める時、自然とインネパは除外している。最近は南インド風とか非インネパ店が増えている。しかし、インネパ店も入ってみると微妙に違ってたりして、それはそれで趣きがある。二郎が店によって違うみたいに。 食べていくだけなら自給自足で足りるネパールの田舎暮らし、スマホを持つだとか少し現代風の暮らしをしようとすると現金が要り用になって、海外に出稼ぎせざるを得ない。そうして若者から働き盛りの人がいなくなり、過疎が進行して格差が生まれるという構造的欠陥は、日本も同じだ。 バブル期ならともかく、不況下の日本が出稼ぎ先として選ばれるのはいつまで続くのだろうか。 そんなことを考えながら今日もマトンカレーを激辛にしてナンで食べている。
3投稿日: 2024.08.22
powered by ブクログインネパというネパール人がインドカレーを出すのはなぜかというのを書いた本。 だが、むしろ興味深かったのは一緒に来たり、呼び寄せられたりして来日した子供たちの姿だ。 突然連れてこられて、日本語もわからず、誰とも話せずに友達ができずに不登校になりやすい。 また、出稼ぎにくるくらいなので両親がお金を稼ぐのに必死で子供の教育にかける時間がない。 果てにはネパールから出たくないと故郷から空港までずっと泣いている子もいた。 日本での教育に関しては夜間中学が受け皿になっているそうだが、国としてもそうした移民に対応できる語学力を持った人材を育てていく必要があるんじゃないかと思った。 あと、最後の方に載っていたネパールの写真が美しかったのでいつかネパールに行ってみたい。
0投稿日: 2024.08.11
powered by ブクログ「北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本」に続いての室橋裕和の本です。引き続きレストラン一軒一軒に丁寧に寄り添う取材からいつの間にか大きなテーマに触ってしまっている、という室橋節(?)が冴え渡っています。彼が開く異界の扉は、今回はカレー屋さん。この10年ほどでネパール人が経営するインド料理のお店が急増したことの秘密を探索します。前著の異界は国道354線という結界で都心からは見えていなかった世界ですが、今回の異界はすぐ身近にあり、気づかず利用していたことに軽く動揺を覚えました。そもそもネパール人がインドカレーのお店を開くことに何も違和感がなかった、という自分の内向きな感覚にちょっと恥ずかしさを感じました。実は自宅の駅の近くに10年前にポツンと出来たカレー屋があり、開店時に割引のチラシをもらった時とコロナの際に空いている店を探して入った時の2回しか利用したことが無かったのですが、読了後すぐに行ってみました。確かに壁にはエベレストなのかダウラギリなのか山の写真とネパールの国旗が飾られていたので「インネパ」のお店でした。思い切ってお店の女性と話をしたら彼女は本書にも出てくるポカラの出身でした。バターチキンを食べながら、この味、彼らの故郷の味じゃないんだよな、と思ったらなぜかお腹いっぱいになってナン、お代わりできませんでした。ちなみにランチタイムなのに自分以外はテイクアウトのお客だけでした。また行かなくちゃ。本書がこじ開けた異界の扉は、カレー移民というネパール経済の問題ではなく、それを受け止める日本の移民政策の問題に繋がるのだと思います。戦前、沖縄などからアメリカに渡った日本移民が苦難の道を歩みながら、アメリカ社会でのポジションを獲得していったように、バグルン出身のカレー移民の「セカンド・ジェナレーション」たちが日本社会での居場所を見つけることができるかどうかは、人口減少社会の日本の自分ごとのテーマなのだと思います。近所のお店のバターチキンは辛口にしてもまだ甘かったですが、カレー移民問題は、きっともっと辛くて、そして苦い味なのだと思います。
2投稿日: 2024.08.04
powered by ブクログネパールが出稼ぎ国家で、インドとか日本でインドカレー店で働いてどんどん増殖していく「インネパ」のカレー店。インド人の気質、ネパール人の気質の違い。商売の保守性で画一的なお店が増殖していったことを丹念に追う本。
2投稿日: 2024.07.30
powered by ブクログインド料理屋に入ると、店員さんは皆ネパール人。インネパ 何故広まったか、何故メニューは変わらないのか、優しい表情の裏の悲哀、そしてネパール現地。 そういや、杉並区の荻窪に住んでた時、まだ首の座らない長女を、ソファで快く寝かせてくれながらご飯を食べさせてくれたのは、串鳥(閉店)と、杉並公会堂そばのクマルでした。 ファミレスよりも、ファミリーに優しい。 全面に筆者脚で稼いだ生々しさがあり、しゃっちょこばって善悪とかの結論は堕さない。良書。
0投稿日: 2024.07.28
powered by ブクログ子供の頃母に連れられて行ったインド料理店。異国情緒たっぷりの特別な雰囲気。メニューも最近あるお店とは違ってたなぁと思ったら、それはムグライ料理(インドの高級外食料理)でした。現在日本中にあるのはインネパ、ネパール人経営のインド料理店。日本人好みにアレンジされたインド風カレー、巨大でふわっふわの甘いナン。近所にも低価格で美味しいお店があり、お気に入りです。なんと4000〜5000店舗もあるそうです。 「インド料理の歴史」 1、幕末〜明治初頭 鎖国を終わらせ、開港した横浜にイギリス人がカレーを持ち込む 2、明治〜大正時代 ライスカレーが定着 3、昭和 本場インドスタイルのカレーが上陸 4、戦後 1949年、日本初のインド料理専門店開業 5、1980年代〜 インド人によるムグライ料理をベースとする豪華なレストランが人気 6、1990年代 コックのビザ緩和でネパール人シェフが増加 インド人はカースト制度のためワンオペ出来ないが、ネパール人なら可能 7、2000年前半 小泉内閣による規制緩和で、外国人が会社を作りやすくなる(500万以上の出資で可能) インネパが増加していく ※既存店の模倣がビジネスポリシー 現在は、日本に見切りをつけ、他国(カナダが人気)へ移るインネパ経営者が増加中だそうです。円安だし、日本の国力の弱体化が寂しいです。 カレー移民の背景、社会生活や日本での問題点、ネパールの現状等描かれていて、奥深い。とても面白かったです。おすすめの一冊
19投稿日: 2024.07.26
powered by ブクログ文庫本だけど、多角的な視点から日本の『インド料理屋さん』で働くネパール人たち、その家族たちのことについて書いてあり、本当に深い内容だった。 なるほど、どこでも同じメニューがあるのは、成功者に倣えば失敗しないだろうという移民ならではの必死さであったり、 本国から呼び寄せられた息子や娘たちの教育について問題があったり、 はたまた彼らの故郷では出稼ぎによる過疎が進んでいたり… 私たちが安くて満腹できるナンとカレーのランチを作っている彼らはこんなに大変だったのだ。 せめて、次にインド料理ランチに行くときは、少し値段の高いものを注文しようかしら。
0投稿日: 2024.07.14
powered by ブクログうちの近くにもネパール人経営のインド料理屋があるし、ちょっとした町ならどこでも見かけると言ってもいいくらいだ。阿蘇山の草千里のレストランの中にもあったのには驚いた。メニューも似てるし、どうしてここまで多いのか疑問に思っていた。 その疑問に答えてくれるのが本書。 なぜインド人ではなくネパール人かというのが最大の疑問だったのだが、カーストと関係しているとは知らなかった。また、ネパールに観光と農業以外の産業がなく、国を挙げて出稼ぎを奨励しているというのも納得だった。 しかし、家族として来日した子どもたち(特に10代で来日した子ども)が、日本語もネパール語も覚束なくなり、将来に希望が見出せない、ビザが更新されるかはわからないので、将来の計画も立てられないというのは深刻な問題だと思う。 実際に日本社会に馴染めない子どものエピソードは胸に刺さる。子どもにはちゃんと居場所を作ってあげるべきではないか。 ネパール人のインドレストランは安くて(ナンがおかわりできたりして)ボリュームもある。しかし、この頃はより安定して働け(永住権が取りやすい)、子どもの将来にもプラスになる英語圏の国に移住する人も増えているとある。そりゃもっともな話で、日本の排他的な社会や円安も考えたら、英語のできるネパール人なら英語圏の方がいいに決まってると思う。インネパレストランもこれからは減ってしまうかもしれないとも思った。 著者が日本に多く出稼ぎを輩出しているバグルンに行って、実際に家族が日本にいる人たちを取材した第九章が出色。 家畜を飼い、田畑を耕して、ほとんどお金を使わず自給自足をしている、絵本のような昔話のような美しい村。しかし美しいと感じるのは、短期滞在だから。大金を持って帰国し、豪邸を建ててリッチに暮らす人を見ると、若者は外国で働くことを諦められない。国も後押しする。村は年寄りと子どもだけになる。 日本にもかつてあったようなことがここで起きている。 欧米人以外の外国人を歓迎しない日本で、たくましく生きるネパール人の姿にも心撃たれ、インネパレストランに行きたくなった。
0投稿日: 2024.07.14
powered by ブクログ「インネパ」とも呼ばれ、日本で大量に展開されているインド・ネパール料理店。その実態は、出稼ぎ国家であるネパールの「期限付き」移民達によって、日本でビジネスを成功させるという夢を追いながら、提供される「ムグライ料理(16世紀から19世紀にかけて、北インドで栄えたイスラム帝国で形成された、脂ギッシュなカレーと、ベイキングパウダーやバターで形成されるナンを代表とする料理文化の総称)」の店である。慣れない異国での生活の中でカレー屋を経営し、子供を育て、観光と農業しか産業を育てなかった自国の家族を思いながら、日本人好みの「インド料理なるもの」を提供しながら、したたかにたくましく、彼らは日本社会での生活を営んでいるのである。
0投稿日: 2024.07.14
powered by ブクログ街かどで何となく本格的なカレー料理を出す店 を見かけたことがあると思います。 店員もインド人っぽく、カレーをナンで食べさ せるスタイルはきっとインド本国の味をそのま ま日本に持ってきたのだろうと、想像してしま います。 でもその割には店構えは何となく安っぽかった り、「ナン食べ放題」とか出ていて上品さに欠 けるような気もします。 実はこれらの店はほとんどネパール人が営むカ レー屋なのです。 歴史を辿れば、ある一人のネパール人が成功し たことにより、その暖簾分けや模倣が続々と生 まれてきて今に至るとか。 「なぜネパール人が?」 そもそもネパール料理とは全く関連性もないカ レーを日本人好みにアレンジしているのはなぜ なのでしょうか。 いわゆるカレーライスが日本以外の国のどこに も存在していないのと同様に、ネパール人のカ レーは日本だけのものであるらしいです。 この驚きの事実の謎に迫るのが本書です。 ネパールという国の事情も背景にあり、こうし た「カレー移民」が生まれている訳を知ってし まいますと、何となく今まで入りづらかった近 所のカレー店にも足を運んでみようかな、と思 わせる一冊です。
0投稿日: 2024.07.10
powered by ブクログ昔、都会にしかなかったインド料理屋は高級な店でした。今、街を歩くとどこでも見かけるインド料理屋はネパール人が経営していることが多いらしい。国内産業が育たないネパールの国情を反映した出稼ぎで、著者はヒマラヤの奥地の村を訪れると、“私も日本に行ったことがある…”、“今は休暇で日本から帰ってきてるところ、また行く…”と多くの村人から声をかけられたらしい。何故、インド人ではなくネパール人なのかの理由の1つにカースト制があるらしい。インド人ではオンオペが成立しない。 私は高級感のあるインド料理も、あまり辛くないバターチキンカレーとナンがおおきなインネパ料理も、どちらも好きです。南インドのミールスも大好き。
16投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログ最近やたらと増殖したカレー店。メニューや看板など金太郎飴の的に似通っている。その多くはインド人ではなく隣国ネパール人が経営。日本国内に4千店以上があるという。 そんな身近な存在の業態、通称インネパの舞台裏を探るのが本書。 日本のカレーの歴史から始まりムガール帝国の宮廷料理、やがて日本人向けにアレンジされていく歴史。 また店の増加には日本の移民受け入れ政策も大きく影響している。 本書は非常に丹念にインネパの歴史、光と闇そして働くネパール人のリアルな現実を探究していく。 そして移民の多いネパールの山里バグルンにまで取材に行っている。 インネパを経営しはたらく人々の背景に丹念にかつ大きな愛情を持って描かれたノンフィクションの傑作。 筆者の「北関東の異界エスニック国道国道354線」に続き、日本社会だの移民の現状に触れた良作でした。
1投稿日: 2024.06.24
powered by ブクログ【概略】 インドを想起させるような雰囲気だけれども、よくよく観察するとネパール人が経営しているカレー店。どこに行っても同じようなメニューや店のレイアウト、一時期から乱立するこういったカレー店、そこに関わる光と影の「なぜ?」を、本書が解決してくれる。 2024年06月21日 読了 【書評】 「これは、なんですか?」「はい、ナンです」は、現在、日本全国で最も使われているダジャレなんじゃない?もう「布団が吹っ飛んだ」の位置にいると思う。それぐらいナンカレー(この言い方、通じるかな?)を扱うお店、多いと思う。個人的には CoCo 壱番屋さんにお邪魔する頻度の方が高いけれど、定期的に食べたくなる。駅と顧問先の間に一軒あってね。たまに立ち寄ってた。その顧問先とは契約を切ってしまったから今はご縁がなくなったなぁ。 まずね、筆者の「なぜだろう?」という疑問の着眼点、この感覚が素晴らしいと思った。多くの人にとっては「いや、別にどうでもよくね?美味しいかどうかじゃない?」みたいに重きを置かれない、見過ごされるような事象について立ち止まって「なぜだろう?」って思うこと、まずこの第一歩があるかどうか?これってどの分野でもめちゃくちゃ大事なことじゃない?つい最近読んだ「疑う思考」という本にも通じるものがあるよね。当たり前と思っているとこに「なぜ?」というスパイスを入れて新しい発想や逆転の発想を生み出すというね。どうやったこういった感覚を育てることができるのだろう。 2つ、本書からもらったお土産が。一つは「インネパ」(ネパール人が経営するインドカレー店並びにそこで提供されるカレーのジャンル)のルーツを探る冒険の中で紹介された東京や名古屋の老舗について。これはもう・・・一度は訪れないと!と思ってしまった。今まで自分が味わってきたインネパのカレーと何が違うのか?日本人の好みにどのように合わせたのか?または合わせなかったのか?という点、自らの味覚で体験したくなったよ。そういう意味では本書は紹介されたお店から感謝状をもらってもいいくらいじゃないかな(笑)※本書がそういったお店に忖度してるとか、そんな意味じゃないよ。誤解しないでね。 そしてもう一つが、これからナンカレーを楽しむ時に、笑顔で働く皆さんの背景や笑顔の後ろ側に想いを馳せてしまうこと。ただひたすら純粋に、目の前に提供される食べ物に集中するのではなく、「このお店の方達はどうなのだろう?故郷に残されたご家族など、いらっしゃるのだろうか?」といったことを考えてしまいそう。それは決して哀れみとか同情とか憐憫とかそういったことではなく、ただただ純粋にストーリーに対しての好奇心ね。自分が一段上にいるから憐れむといったことじゃないよ。だってこういった裏側の感情や状況って、誰にだってあるじゃない?当然、自分にも。「あぁ、喜餅は高座の上であんな笑顔を見せてるけど、実は・・・」って思わせてしまうことも、あるかもしれないじゃない?おそらくは噺家としてはダメなのじゃないかなと思う。でも、パブリックスピーカー、とりわけトーストマスターズのコンテストスピーチとしては、アリだとは思うけど。(あぁ・・・ここでの反発、自身の影を外側に晒すべきではないという噺家としてのプライドがコンテストスピーチへのブレーキになってるのかもなぁ) 許認可の仕事をしているけれど、苦手レベルで「やりたくないなぁ」と思ってる入管への申請、本書を読んでやっぱりそう思った。政府の意向か方針かがね、入管手続きの壁の厚さに影響してて、それを把握するのが本当に大変なのよね。どの申請手続きも、地域(たとえば東京管区と中部管区とかね)によって手続きへの解釈違いとか、あるにはある。愛知県内にしたって、たとえば名古屋市よりも北や西側の市町村における農地転用は手続き窓口が複数あったりとかね。そういった「違い」が、時期や場所や人種によって(もちろん法律の範囲内だけど)難化易化するのだよね。もちろんそれがありがたい局面もある。特別上陸許可とか特別在留許可といった伝家の宝刀を抜いてもらうことで日本に滞在できることが可能になる方達もいるから。最近(2024年6月)あたりは、靖国神社へのイタズラの影響で中国の中にある旅行会社が持つビザ発給権を停止したりとかね。全方位に情報アンテナを張っておかないといけない。大変なのだよね。自分は英語の法律書類の翻訳といったレベルでのお手伝いでいいかなと感じてしまってる。ちょっと脱線しちゃったな、ここの話題。
1投稿日: 2024.06.24
powered by ブクログインド、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ料理を食べ歩いてますけど、この本で、日頃感じていた疑問が解けました。
1投稿日: 2024.06.17
powered by ブクログいろいろ参考になりました。カレー屋さんが増えている理由がわかりました。ネパール人の逞しさ。国情の厳しさが、どんどん海外に向かわせるのか。ただこれからは、富イコールしあわせには、ならない気がする。エベレストの頂きを眺めながらの自給自足はそれはそれでかなりの幸福度だと思うけど。
1投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログ大好きなカレーランチ フランチャイズでもなさそうなのにどうしておんなじような店がたくさんあるのか謎だった その理由が良く分かりました 日本のカレー店の歴史 お店が増えた理由 ネパールという国 外国人コミュニティに詳しい著者が、足で稼いだ情報をもとに書くとこんなに面白い本になるんですね ネパールの山岳地帯に日本の農村と同じ問題が起きていることにびっくり 白井聡さんの『武器としての資本論』を眺めた直後だったので、「資本は増えることが目的なので豊かさは副次的」というのはこういうことかと腑に落ちる ネパールも日本も豊かに人が暮らせる社会になるといいな
2投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキン、マンゴーラッシー、そしてオレンジ色のドレッシングがかかったサラダ。判で押したように同じメニューを同じ価格帯でランチ提供。一説では日本に4000店舗あるというネパール人がやってるインドカレー屋(俗称インネパ)がなぜこんなにも増えたのかを取材したノンフィクション。言われてみれば自分がよく行くインドカレー屋もこのメニューだし、街中で見る他のインドカレー屋もそっくりだ。前半はその歴史を追っていくミステリーとして楽しめる。歴史の出発点や日本にまだいるレジェンドを訪ねていく過程は読み応え抜群。しかし、後半はブローカーや搾取といった言葉が並んで負の側面を掘り下げていくことに。次からインドカレー屋に行ったときは少し複雑な気持ちになりそう。無知なまま美味しいカレーをただ食ってれば幸せだったのか、やはり現実は知っておくべきなのか。そんなことを考えてしまった。こういう日常的な疑問から意外な地点に着地する跳躍力のある本はやっぱり読んでいて面白い。
2投稿日: 2024.06.03
powered by ブクログでかいナンやタンドリーチキンにバターチキンカレーって、何処料理なのか前から気になっていたのだ。出稼ぎネパール人の失敗できない、何としても稼ぐ、という必死さがインドの宮廷料理をファミレス化・ファストフード化させたのだね。スッキリ。 池袋勤務時代、中国人に騙されたり搾取されたりする中国人(主に内モンゴル出身)をよく見たけど、ネパール人同士でもあるんだな…と居た堪れない気分になった。 そしてカレー屋の子供問題については、行政がきっちり状況を把握して制度を整えてほしい。子供が学校などで行き場を失ってしまうのは子供自身のせいじゃないし、このままでは子供だけでなく日本の社会にも悪影響が出てしまう。
1投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大体どんな街にもあるインネパ系のカレー屋さんにまつわるあれこれの謎に迫るノンフィクション。もともと大学に入るために上京してきてからインドカレーにめちゃくちゃはまって(当時は故郷にはインドカレー店は存在しなかった)、そこからエスニックに傾倒していった過去があったので面白く読めた。 同じようなメニューのお店が日本中に量産されていく仕組み、それを支え利益をすするブローカーや紹介屋の商売はなるほどたくましいと唸らされたが、それに伴うコックたちの借金漬けブラック労働、故郷ネパールの田舎の過疎化、居場所のない子供たちの危機的状況などはあまりに悲惨でカレー店のネパール店員を見る目が変わってしまう。あののんびりした彼らがそんな覚悟と不安の中戦っているなんて、なんにも知らなかった。考えてみれば、故郷と何もかも違う異国の地で身一つで商売に乗り出しているのだから、相当なハングリー精神を持っているのは当たり前のことなのだが。 最近はもっぱら南インド系のさらさらしたカレーばかり食べに行っていたけど、この本を読んでいると久々にこってりしたカレーとチーズナンが食べたくて仕方なくなってしまった。今日のお昼はインネパ系のお店にする。
2投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これが書けるのはこの人ならでは。EISJから入った私からは見えなかった風景がたくさんあった。バルクン、行ってみたいリストに入れよう。
1投稿日: 2024.05.20
powered by ブクログ何でインドカリーのお店のランチはどこも似たようなメニューで、ゴマドレッシングのサラダなのだろうと思っていたが、その疑問に真正面から答えてくれる。
1投稿日: 2024.05.18
powered by ブクログ近所によく行くカレー屋さんがあった。最近、経営者が変わったみたいで、急激に味が悪くなった。その背景を探るヒントを知りたくて手に取った。思っていた以上に深い闇がそこにはあった。
0投稿日: 2024.05.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
稚内、中標津、奄美大島、石垣島などを旅したとき、日本の隅々まで店舗を構えているインドカレー屋さんに驚いた。大都市や地方の県庁所在地なら理解できるが、なんでわざわざ日本に来てこの場所に?と首を傾げた記憶がある。本屋でこの本を発見したとき、その記憶が蘇り、気がついたらレジに向かっていた。 まず「インネパ」と呼ばれているように、経営がネパール人が多いことに驚いた。それすら知らなかった。インネパの縦の歴史、横の広がり、光とダークサイドについて入念な取材に基づいて書かれていて、めちゃくちゃ面白かった。 同じようなメニューの店ばかりがコピペのように増えている理由、「今、〇〇の入管は技能ビザの審査、緩いらしいよ」とか情報交換していること、ネパールには日本で成功したカレー屋の経営者が建てたカレー御殿やホテルが並んでいること、新宿中村屋での出来事などなど、面白い話ばかり。楽しく読めました。 なぜここにインドカレー屋が!?の疑問が解消するだけでなく、来日したネパール人家族が抱える問題にまでアプローチしていて、最終的にはネパールのバグルンに足を運んで取材を重ねている姿勢に脱帽です。 とりあえず近々、新宿「アショカ」六本木「モティ」で老舗の味わいを楽しんできます。 ———紹介(公式より)——— 【どこにでもある「インドカレー店」からみる移民社会】 いまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。 そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか? どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか? 「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか……その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。 おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。 【目次】 はじめに 「ナン、おかわりどうですか?」 第一章 ネパール人はなぜ日本でカレー屋を開くのか 第二章 「インネパ」の原型をつくったインド人たち 第三章 インドカレー店が急増したワケ 第四章 日本を制覇するカレー移民 第五章 稼げる店のヒミツ 第六章 カレービジネスのダークサイド 第七章 搾取されるネパール人コック 第八章 カレー屋の妻と子供たち 第九章 カレー移民の里、バグルンを旅する おわりに カレー移民はどこへ行くのか
1投稿日: 2024.05.14
powered by ブクログ最近読んだ新書のなかでダントツに面白かった。 読後に改めて自分の住む街を見晴らしてみると、たしかにある、インドネパール系のカレー屋さん。飛び抜けて美味しいカレーお店もあれば、どこかで食べた味と同じだなと感じることもあり、その違和感というか類似性の謎が解けた一冊でした。 この本のすごいところは、インドネパール系のカレー屋さんのルーツから、そこで働く人が日本にやってきた背景や社会情勢、それからカレー移民第二世代の現在の生活までも綿密に書き込んでいて、カレーのように味わい深い、と同時に課題がたくさん煮込まれた書籍になっていること。まさか現地にまで取材に行くとは。タイに暮らしていた経験がある作者さんらしく、グローバルなフットワークの軽さには驚きました。超濃密。 おいしいなぁと思って食べていたカレーが、移民とその市民を迎え入れる日本の問題点も炙り出していて、読後に後をひく“辛さ”。それでいて、読む対象を選ばないバターチキンカレーみたいな親しみやすい文体で、読んで良かったと思えました。 多分、読んでいるほうからして、かなり身近に感じることができる異文化理解のサポート本だと思う。あと単純に、明日はカレーにしよう、と思ってお腹が空いてくるので、ダイエット中の方はご注意を!笑
5投稿日: 2024.05.02
powered by ブクログバターチキンカレーにバカでかいナン、オレンジ色のドレッシングがかかったサラダとラッシーで、ランチで1000円切るくらいの価格帯のカレー店。メニューも似てれば、看板や内装も似ている。あれっ?あそこにあったカレー屋が移転してきたのかな、と思ったら、もとのお店もちゃんとある。二号店? にしては店の名前が違う。 こんな現象があちこちで起きている。その謎に迫った本。 似たようなカレー店が増えたのは2000年頃からで、規制緩和でビザがとりやすくなり、ネパール人が出稼ぎ先として日本を目指しはじめた。ネパールの平均月収は1万円。失業率も高く国内にいても仕事はない。キツくても儲かる海外に行こうとする若者が多い。そんなときに渡りに船だったのが、日本でカレー店を営むネパール人たち。日本にある上記のような形態のカレー店のほとんどがネパール人が経営、運営している。理由としてはネパール料理とか言っても日本人に馴染みがないから。カレー店なら日本人にもすぐわかかる。あとは、料理経験のない人でも簡単に作れる(とネパール人は思っている)から。 バブル期に起こったエスニック料理ブームで老舗のカレー店で修行したネパール人たちが、この頃は独立して自分の店を持っていた。そして、そのネパール人たちが、今度は自分の家族や親戚を日本に呼びはじめた。そしてチェーン展開など店舗拡大に伴い人手が足りなくなると、もっとネパールから人を呼び、そのうちブローカー業を商いにするネパール人も出てくる。あとはネズミ算式。あっという間に似たようなカレー店が日本に増えた。なぜ似たような店ばかりなのかというと、失敗したくないから、の一語に尽きるらしい。もはや大手牛丼屋やハンバーガーチェーン並の価格で日本人好みカレーがランチで食えるのだから、それはそれでいいのかもしれない。本格的なカレー店は良い迷惑だろうが、カレー好きな人からすればもはや別物だろうから、そんな影響は受けていないんじゃないかと自分は思う。 インド人ではなくなぜネパール人なのかというと、インド人はカースト制の中で生活してきているので、調理や接客、掃除までするワンオペカレー店では働かないから、ということらしい。料理なら料理しかやらない。掃除は使用人がするもの、という感覚。そもそも日本にくるインド人は教育レベルが違うらしい。ネパール人は国が貧しいので教育に力を入れていない。だから出稼ぎでくるネパール人はキツくても、ブローカーに金をピンハネされても、ネパールにいるよりは良いと、カレー店で働き続けるらしい。 それでも働けるだけ良かったが、入管も、なんだかネパール人たちが、コックの経験も資格もないのに、証書を偽造して店を開いているらしいぞ、と気づきはじめ、近年は入国も在留資格の更新も厳しくしなったらしい。 煽りを受けるのは大人よりこどものほうで、経済的理由で日本語がわからないのに公立校に入ったり、いつ滞在資格が無くなるかもわからないしで不安だらけ。というか不安しかない。 日本のコミュニティに根付こうと努力しているお店はどこも繁盛しているらしい。入国した動機は抜きにして、そういう人たちの家族が日本で暮らしやすいようにする義務は、日本にあるんじゃないかと思う。 個人的な希望として、第2弾で「なぜ横浜中華街に同じような立て看板の食べ放題の店が増えたのか」を取材して欲しい。この著者ならいい記事をかけると思う。
2投稿日: 2024.04.30
powered by ブクログ私のようなアジア・エスニック料理好きからすると実に興味深い本だった。思いがけず土地勘のある名古屋のインネパが深掘りされ、行ったことのある店がバンバン出てくるのでニヤけながら読んだ。 友人や家族とインネパあるあるを言い合ったりして楽しむことはあったが、「それはなぜ?」を本書はとことん追求しており疑問を解決しまくる。執念の取材力だ。 ネパール人の国民性、世界情勢の変遷からインネパが生まれた理由を知ることができ、教育の問題、ネパールの空洞化といった新たな社会問題まで提起されている。 非常に面白いが、読んでると腹が減ってくるのが問題。笑
3投稿日: 2024.04.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
<目次> 第1章 ネパール人はなぜ日本でカレー屋を開くのか 第2章 「インネパ」の原型をつくったインド人たち 第3章 インドカレー店が急増したワケ 第4章 日本を制覇するカレー移民 第5章 稼げる店のヒミツ 第6章 カレービジネスのダークサイド 第7章 搾取されるネパール人コック 第8章 カレー屋の妻と子どもたち 第9章 カレー移民の里、バグルンを旅する <内容> 『エスニック街道国道354号線』の著者の、アジア系の日本移民を描く第2弾(なのか?)。確かに、ここ数年(もうちょっと前から)日本のあちこちにカレー屋が増えた。勤務先にも1軒。自宅近くの1軒はすぐ潰れた。また知り合いのインド料理店のオーナー(日本人)が、増えたのはブローカーが斡旋するからだと喝破していた。自分はそのブローカーは日本人だと思っていたが、この本を読むと、ネパール人らしい。 カレー=インドなのだが、こうした雨後の筍のような店は、ほとんどネパール人の経営なので、著者は「インネパ」と呼ぶ。どんどん奥を極めていくと、哀しい現実が次々と浮かび上がる。ただ前著よりは、上滑りな感も…。
1投稿日: 2024.04.22
powered by ブクログhttps://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKZO80137000Z10C24A4MY5000
1投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログ学生時代(今から20数年前)にインド料理店でバイトをし、その後海外に出て30台半ばで帰国した私にはずっとなんとなく抱えていた違和感があった。いつの間にか、インド料理屋はみんなネパールの人がやってるし、メニュー構成が同じ。標準的にはおいしいけど、以前のような発見や意外性が消えておもしろくない。新宿三越脇の地下にあった店も、三越裏の2階にあった店も、消えてしまった。インド料理店のランチタイムといえばビュッフェだったのに、セットメニューだけの店ばかり。安いのはありがたいけど、つまらない…。 その違和感にズバリ答えてくれる本だった。一気に読んだ。 私がかつてハマっていたインド料理はムグライ料理で、つまりインドの人々にとっての外食の味だったこと。三越裏の2階にあった店には確かに「宮廷料理」と書いてあって、ディナータイムは学生がおいそれと入れる料金帯ではなかった。バイト先もこの類だった、ということを認識できた。そこはオーナーがパキスタン人(別に中古車輸出業もやっていたらしい)で、同僚のホール担当君と、広い厨房を1人で回していたコックはインド人だった。ホール担当君は独身だったが、コックさんは国に家族を残して来ている出稼ぎ者だった。ラッシーやチャイの作り方を教わったし、初めてビリヤニという料理を食べたのもバイト先でだった。店のメニューにないその料理は、「お祭りとかお祝い事の時の特別な料理」だと言っていた。今日はインドでは大きなお祭りかなにかなの?と聞いたら、「君がバイトで来る日だからだよ」と言われてものすごく嬉しかった。初めて食べたビリヤニの感動は忘れられない。最近はずいぶんいろんなところで食べられるようになったけど、今でもあの時のビリヤニが一番おいしかったと断言できる。 その後ネパール人コックの流入があって、出稼ぎ大国のネパールからどんどん人がやってきて、独立して増え…。なるほどなるほど、となんどもぶんぶんうなずいた。以前岡山で入ったインド料理店は典型的なインネパで、グリーンカレーやパッタイも出すという「エスニックひとくくり」みたいなタイプ(最近じわっとタイ料理やベトナム料理を出すインネパ店、これまた増えてきていると感じる)だったのだが、これがまあびっくりするほどおいしくなかったのだ。マズいというか味がない。マトンカレーかなにかを食べたと思うのだが、とにかくおいしくなくて驚いた。インネパってまあ標準的なものを出すというイメージだったから。 でも、後半の章を読んで納得した。 筆者は冷静に、客観的に起きていることを観察しているが、その視線には彼らへの純粋な興味と温かさがある。陽があれば闇もある。どこからの移民でも2世は苦労するものだけれど、今まさにその問題にぶつかっているのが大量のネパール人2世なのだと初めて知った。 最近はダルバートが静かにブームだし、スリランカカレーという新勢力もいる。インドで修行した日本人が作る、パレットのように色鮮やかで美しいミールスを出す店や、インドの各地方料理に特化した店も増えてきた。私にとっては嬉しい変化だが、インネパど真ん中のコック、経営者にとっては厳しい流れなのかもしれない。でも、より本流へと移行していくのは当たり前のことのようにも思う。どんどん細分化され、本格化していく。 インネパはやがて、ごくごく一部を除いて淘汰されていくのだろう。それが自然な流れのように思う。少なくとも今のような、どこの駅にも必ず一軒はインネパがある、ような状況はなくなっていく。 その時、適切な教育を受けられなかった2世はどこへ行くのだろう。
6投稿日: 2024.03.25
