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ホワイトバード
ホワイトバード
R.J.パラシオ、エリカ・S・パール、中井はるの/ほるぷ出版
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総合評価

20件)
4.4
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1
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    『ワンダー』『もうひとつのワンダー』『ホワイトバード』どの物語も力強くその世界に惹き込まれていってしまい、一気に読みました。初恋の人と気持ちがやっと通じ合ったその翌日、不意にナチスに連れ去られ、二度と会うことができなくなってしまう。そんな悲劇が日常の一部として許されてしまうのが戦争なのです。戦争を体験した世代がどんどんいなくなり、生の声が語られることが少なくなってしまった現代では、子どもたちは教科書で学ぶだけになりつつあります。そんな子どもたちにぜひ読んでほしい作品です。 個人的には、この三冊を邦訳した中井はるのさんのことが大好きになりました。

    0
    投稿日: 2025.09.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいてつらくなる展開。ユダヤ人迫害の理不尽さを痛感した。そんな中で命の危険をかえりみずに、かくまってくれた人の存在に気づかされた。心に光を持ち続けること、その光で周りを照らすことのできる優しさと親切に大きな力を感じた。

    3
    投稿日: 2025.06.28
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    「ワンダー」で、いじめた事で退学になったジュリアンが、おばあちゃんの体験したドイツに支配されたフランスでの話を聴く。 ユダヤ人への迫害、障がいがある人への差別をテーマにした別の「ワンダー」

    8
    投稿日: 2025.03.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ホロコースト、強制収容所、反ユダヤ主義、、、 本書を読み進めながら アンネの日記を夢中で読み、同じくらいの少女の隠れ家での生活を思い浮かべ、人が人に行ったおぞましい様々なことに衝撃をうけた12歳の自分を思い出しました 舞台は第二次世界大戦中のフランス WONDERのジュリアンの出てる本だ! と内容を知らずに手に取ったけど 偏見や差別、暴力を行使して人が人を排除している中では 助け合うことでさえ難しくなるだと ラフルールさんとヴィヴィアンの間の誤解が解け、真意が伝わりあった瞬間は本筋とは違うのかもだけど、自分の緊張も解けました それから サラがヴィンセントに「ユダヤ人にしてはな」とスケッチブックを投げつけられたとき 「わたしはなにかおかしいところがあるのではないかと、深く、心配になった」と感じたサラ 何者かということに対する攻撃は人としての在り方に深く暗い影を残すのだと思う こんなふうに感じる子どもたちがたくさんいたのかと想像するだけで胸が苦しくなる ホロコースト時代の市民の生活を 個人のしかも少女の目線で追いながら さらに孫に話して聴かせるという本書だからこそ その時代は過去のものだけど 風化させてはいけないと 読み手ももメッセージを強く受け取る 私もまた、受け取りました 多くのサラや、ジュリアン、ヴィヴィアン、ラフルールさんたちの上にわたしの生活も存在する 私もわたしらしく 二度と同じことをくりかえさないように 平和を生きよう

    1
    投稿日: 2025.02.21
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    『ワンダー』、そしてスピンオフの『もうひとつのワンダー』はブクログを始める前に読んだ本なので、レビューは書いてないです。 『ワンダー』は、生まれつき難病により顔に重度の障がいのあるオギーが10歳にして初めて学校へ通うことになり、まわりの同級生たちから様々な反応にさらされながらも、家族の励ましにより困難に立ち向かっていく…というお話。 全世界でベストセラーとなり、ジュリア・ロバーツ主演で『ワンダー 君は太陽』(2017)として映画化もされています。こちらもおすすめ。 『ワンダー』刊行後にアメリカではオギーをいじめた「ジュリアンになるな」運動が起こったそうで、それに対して作者は「いじめた側の救済まで描かなければ『ワンダー』の真の世界観は完結しない」という決意のもと、こちらの『ホワイトバード』を描かれたそうです。 オギーをいじめたことで転校し新しい学校に通い始めたジュリアンは、宿題でおばあちゃんの子どもの頃の話を作文に書こうと思い立つ。おばあちゃんの語る少女時代の戦争の記憶は、ジュリアンの想像をはるかに超えるものだった…。 ジュリアンのおばあちゃん、サラはユダヤ人でした。ナチス・ドイツによる占領下のフランスが舞台です。児童書なので、そこまで悲惨な光景は描かれていませんが、やはり戦争はやりきれませんよね。そんな中、命をかけてサラを救う人たちの心の温かさに胸を打たれます。こちらもすでに映画化されているので、ぜひ観たいです。 *** 「人はまちがいによって、どういう人間か決まるのではなく、そこから学んでなにをするかによって決まるんだよ」(10頁)

    5
    投稿日: 2025.01.13
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    とても良い作品だと友人も薦めてくれた一冊。 ワンダーの続編かと思ったが、そこから第二次世界大戦中のフランスへと舞台は移り、思いもかけない祖母の体験談の話が語られる。 私はこの時代のユダヤ人の受難をテーマにした小説や映画を努めて読んだり見たりしているが、この作品は若い読者向けながら末尾には当時の時代背景や用語についての解説もあり、理解を助けている。 決して悲惨になり過ぎず、愛と勇気、希望に満ちた物語りだった。映画化もされているのでぜひ映画も見てみたい。

    15
    投稿日: 2025.01.04
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    もうひとつのワンダーからのスピンオフ 映画になると聞いて読んでみた おばあちゃんの話こんなに深かったのかと苦しくなりながらも読みすすめた。 恐ろしい時代の人間の強さとあたたかさを感じる1冊だった。映画見たら泣くな。

    5
    投稿日: 2024.12.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    迷ったけど映画公開前に原作を。図書館の児童書の棚にあったが、大人でも読むべきだと思った。 きっと当時たくさんのサラとジュリアンがいたはず。過ちを繰り返していることは残念で仕方ないが、少なからず学び続けることは辞めないでおきたい。

    0
    投稿日: 2024.11.23
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    孫の宿題のために、おばあちゃんサラは、覚悟を決め戦争の体験を話し始める。 当初、フランスに住むユダヤ人のサラの家族は楽観的に考えていた。1943年、唐突に学校に現れたナチスは子ども達を連行する。かろうじて逃げられたサラはクラスメートのジュリアン一家に匿われることになる。ジュリアンはポリオで身体が不自由であり松葉杖無しでは歩けない。一年以上納屋で暮らすサラを家族同様に扱ってくれる一家。 戦争終結のニュースが流れるが、ジュリアンは死んでしまう。 戦後父と再会したサラは、もう一人の両親達と交流を続ける。 孫息子に話す物語。恋心を含め、サラと同化し涙無しには読めない。 #ワンダー

    5
    投稿日: 2024.10.23
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    「ワンダー」のスピンオフ、「もうひとつのワンダー」のジュリアン編をグラフィックノベルにしたものの、ノベライズとのこと。 ジュリアン編を長くちゃんとした物語に仕立て直した、という感じか。 ユダヤ人(戦争になる前はそのことも意識すらしてなかったかも)のサラは、ある日ナチスがトラックで学校に乗りつけた日から、すべてが変わる。 大好きなパパとママには会えず、隣の席のポリオの後遺症で松葉杖を手離せないジュリアンに匿われる生活が始まる。 「ジュリアン編」で話の大筋はわかってはいたが、サラの過酷な生活がつらい。 同時に、ポミエ一家が冒している危険性が怖い。 サラとジュリアンの恋の後の展開が辛かった。

    1
    投稿日: 2024.09.10
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    『ワンダー』ではいじめっ子として登場するジュリアンは、パリに住むおばあちゃん、サラにだけは自分が悪かったことを伝えていた。 意を決しておばあちゃんが語ってくれたのは、フランスで自慢の両親と過ごした幸せな少女時代と、その後に起こったユダヤ人としての壮絶な迫害だった。 絶望の中にも、助けてくれた人たちがいた。中でも学校で無視し続けてきた足に障害のある男の子とその家族がサラをかくまってくれた。 話を聞くジュリアンの胸に湧き起こる決意と変化が誇らしい。

    1
    投稿日: 2024.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とどまることなく一気読みしました。R・J・パラシオのベストセラー『ワンダー』のスピンオフ作品ですが、『ワンダー』と同等にすばらしい物語でした。 主人公は本編でいじめっこだったジュリアン。彼が学校の宿題でおばあちゃんの幼いころのことを作文に書こうと思い、おばあちゃんから話を聞いているという背景があるため、語り口調で読みやすく、まさにジュリアンになったかのように話に聞き入りました。壮絶な体験で涙が止まりませんでした。 いまなお終わることのない戦争は続いています。本当にこれでいいのか、考える必要があるのではないかとこの物語を通して感じました。

    0
    投稿日: 2024.06.15
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    いじめをして転校したジュリアンは、自分がしたことで傷ついた子がいたことをおばあちゃんに正直に話をした。 転校先の学校の宿題でおばあちゃんのことを書きたいと思い、昔の話を聞くことになる。 1940年代、おばあちゃんが子どものころのこと。 第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって行われた、ユダヤ人の大虐殺があったこと。 その頃のおばあちゃんを助けたのは、小さい頃にポリオに罹り脚が不自由だったひとりの少年・ジュリアンとその両親だった。 彼らの助けがなければ、おばあちゃんの命はなかったかも…。 両親とも会えずに寂しくて辛くて、外に出ることもできなかった少女に寄り添い、手を貸し励ましてくれたこと。 見つかれば自分たちの命の保障さえなかったはずなのに…。 戦争の残酷さにことばもなく、正義とは何かを強く考え、そして人の温かさを感じた。

    59
    投稿日: 2024.06.09
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    アメリカに暮らすジュリアンのおばあちゃんはパリのマダム。お化粧に2時間かけるくらいのおしゃれな女性。 そのおばあちゃんの戦時下のお話。 ユダヤ人だったため、ナチスに追われることになった時、助けてくれたのは、3年間1度も話したことのない、隣の席に座っていた足の不自由な男の子、ジュリアンだった。 ジュリアン家族が、命の危険をかえりみず、かくまって助けてくれた状況は、正しいことをする勇気と優しさが描かれていて、つらい部分もあるが、読んでいて悲しい気持ちには不思議とならなかった。 ジュリアンとの淡い恋も、切なくて美しい。 自分さえ良ければ、逃げられれば、長いものにまかれておけ、考えるのはめんどくさい関係ないや、とすごすことはとても危険だと、このお話には関係ないが、ジュリアン一家の行いを見て、はっとした。

    1
    投稿日: 2024.05.07
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    「ワンダー」でいじめっ子だったジュリアンが登場。でも、この本はワンダーの続編ではありませんでした。ホロコーストがテーマです。主人公はジュリアンの祖母。ジュリアンが転校先で出た宿題をするために祖母に戦争の話を聞きます。祖母はフランス在住のユダヤ人で、ナチスの侵攻が遅い地域だったため、逆に逃げ遅れ、ある日突然ナチス狩りが始まります。これはホロコーストの時代にあったであろう、逃げるユダヤ人と匿ってくれた市井の人々のお話。 ジュリアンの祖母を匿ってくれた家族、特に主人公に寄り添った同級生や、終戦も近いころ匿った家族に起こったことを乗り越えて親切を普通に続ける姿を読むと、涙が止まりませんでした。視聴覚を超えるような超常的な表現に戸惑うこともありますが、おおむね読みやすく、高学年から。ルビも高学年以上のものにはだいたいあるようです。『親切をするには、いつでも勇気が必要。けれど、親切をするために、自分のすべて、自由や命まで犠牲になるかもしれないときに、親切は奇跡になる。親切こそすべて。闇のなかの光。それは人間性の本質。希望なの』

    3
    投稿日: 2024.02.26
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    この体裁から児童書、女の子目線でソフトかつ幻想的に描かれてますけど、内容はキツいです。フランスのホロコースト、他の作品(ポストカード)でも読みましたが全く酷いとしか言いようがありません。 ・過去から学ばないものは同じ過ちを繰り返す ・起きてしまったことは取り返しがつかないけれど、二度と起きないようにすることはできる こんな言葉が染み渡りました。

    0
    投稿日: 2024.02.20
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    フランスでもユダヤ人迫害があったことを知りました。ドイツやポーランドの出来事と思い込んでいたのでヨーロッパに広く影響していた事を知らずにいました。障がい者差別、いじめと沢山のことを考えさせられました。

    0
    投稿日: 2024.02.14
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    「ワンダー」がとても良い話だったので、そのスピンオフ作品はぜひ読みたい!と思い読んでみた。 いじめをして退学になったジュリアン。 他の学校に転校して、その学校での宿題のためにおばあちゃんに話を聞く。 ジュリアンのおばあちゃんの、戦争の時の体験談。 おばあちゃんが中学生くらいの時の話。 ナチスから逃れるために恐ろしい体験をした。 それをジュリアンに話して聞かせてくれた。 アンネの日記のような話で、とても過酷。 同じクラスの隣の席に座っていた男の子が、命を助けてくれた。 その男の子の両親が、ずっとサラを(おばあちゃんの名前)かくまってくれたので生き延びることができた。 でも戦争なので、とても長い間、納屋の屋根裏で藁の中に隠れて過ごしていた。 辛い体験。 かくれる方も、それを助けてあげている家族も命懸け。 命を助けてくれた男の子の名前はジュリアンという。 ハッキリ書かれていないが、身籠ったのは、そのジュリアンの子供なのか? だから、ヴィヴィアンが喜んだ? 子供の名前を「ジュリアン」と名付けだから喜んだ? 不明だったが、 恩人の名前を子供に名付け、その名前は孫にも。 由来を理解して、孫ジュリアンは、その名前に誇りを持って生きていけると思う。 温かいラスト。

    15
    投稿日: 2024.01.14
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    中学。ヒトラーによるユダヤ人の迫害を受けたおばあちゃんの体験を、語りと体験と分けながら、物語のように孫に伝えていく。かなり読みやすい文章だが、ボリュームがある。著者の作品ワンダーのいじめっ子のジュリアンとも繋がっているところがにくい。巻末にはホロコーストやアンネの日記など、関連する情報を物語と照らし合わせて紹介している。

    2
    投稿日: 2024.01.06
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    16歳の子どもがYouTubeでアウシュビッツの動画をみた、教科書で読むのと映像で観るのは全然違う、まじでやばいことが起きてたんだねと話してくれた。ちょうど同じ時期に読んでいたのがこの本。なんという奇妙な偶然だろう。映画化されるということなので、声をかけて一緒に観に行くのもいいなと思った。 人間の弱さ、残忍さ、愚かさに打ちのめされると同時に、押さえつけられても確かにそこにあるあたたかさや愛に希望を持ちたくなる作品だった。

    2
    投稿日: 2023.12.14