
非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものは何ですか?
色付きカルテ、よー清水/KADOKAWA
作品詳細ページへ戻る
総合評価
(1件)4.0
| 0 | ||
| 1 | ||
| 0 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
現実と非現実の境界を軽やかに飛び越えながら、「人の心の真実」を描き出す鮮烈な一冊だった。 『非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものは何ですか?』は、異能と犯罪捜査という二つの要素を組み合わせながらも、単なる“能力バトル”に終わらない。そこにあるのは、人間の弱さと、それでも誰かを救おうとする意志だ。 主人公・燐香の不器用ながらも真っすぐな姿勢と、刑事・神楽坂の静かな信念。その二人が出会うことで生まれる化学反応が、この物語の大きな魅力だと感じた。非科学的な力を持ちながら、最も“人間らしい”感情で動く燐香の葛藤には、読んでいて胸を締めつけられるような温かさがあった。 物語のテンポは軽快で、事件の謎が解かれるたびに、見えてくるのは“能力”ではなく“心”の方。 結局のところ、非科学的な犯罪を解決するために必要なのは、論理でも奇跡でもなく――人を信じる力なのだと、静かに教えてくれる。 ラストに残る余韻もまた美しい。まだすべてが語られたわけではないけれど、それが逆に、彼女たちの「これから」を想像させてくれる。 この物語は、現実の中で諦めかけた希望をもう一度信じたくなるような、そんな“優しさのあるサスペンス”だった。
0投稿日: 2025.11.13
