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こんな世の中に誰がした?~ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために~
こんな世の中に誰がした?~ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために~
上野千鶴子/光文社
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総合評価

28件)
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    ケンカの上達法で言い返せなくて「クソ!あのヤロー、あの時こう言い返せばよかった」と上野千鶴子でも思うんだぁ〜と親しみを覚えました。

    0
    投稿日: 2025.11.23
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    千鶴子さんの生講演を8年位前にお聴きしました、このタイトル通り、『未来の人に恨まれない様』に行動されているとのこと。 体現されている現状をヒシヒシと感じました。 介護や新発想フェミニズム、社会保険、原発についてまで。 一方で、インタビューされている方々はいずれも上層部女性陣ばかり。当然のことながら、ワタシの様に就職氷河期世代の正社員下層の者が大半なのです。そう言う『普通の人』にもっと目を向けていただきたく一次情報をお届けします。 千鶴子さんが一般人にも目を向けてくれる日に一縷の望みを掛けて、バトンを受け取り、私・エッセイストやすかが書きました。 Kindle unlimitedで無料 “ママだけ損”の正体―― 丸の内ワーママのチャイルドペナルティ奮闘記 マミートラックの具体的事例 黒歴史を全部盛りで現役ワーキングマザーの憂い日本版を披露 https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B0F843R5LR?ref_=dbs_s_r_srch_l_p1_3&qid=1746832257349&storeType=ebooks Amazonランキング 5/14 時点 - 12位 ジェンダー - 16位 女性学 -16位 稀書目録

    1
    投稿日: 2025.09.30
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    半分ほど読んで、しばらく積読状態だったのを最後まで読んだ。 「ウィークネスフォビア」(弱さ嫌悪)の人を最近身近に感じることがあって、女性の敵は女性、なんてことに絶対したくないので、この人と手を握るにはどうしたらいいかなあーと考えてしまった。 貪るように上野千鶴子さんの本を読んでた時期があったが、あの時、私はこの方によって薄皮が一枚ずつ剥がれて成長していく快感を味わって清々しかったよなーと思う。 今はちょっと違った感覚で上野さんの著作を読んでいる自分は、その時より成長してるから新しい扉を開ける必要がないせいなのか、時代がかなり良くない方にシフトしているからなのか、後者でないことを祈るような気持ち。

    33
    投稿日: 2025.08.26
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    著者の事は好きでは無いが、勉強にはなるのでふと読んでみようかなと。 一部の状況を切り取って、「ほら、会社は社会はこんなに悪いんだ!」と言う論調には相変わらず閉口するが、著者も私も成長したのか、学びになる点も多かったかなと思った。 仕事、結婚、教育、老後をテーマに著者の主張 仕事の項目はモヤモヤしたが、それ以降結婚、夫婦は良かったな。 最後の項目「こんな世の中に誰がした?」は私に刺さったし、著者自身の問題と捉えている事が分かって良かった。そうだよな、こんな世の中なのは我々大人の責任である。無力ではなく、微力だが改善をしてきたと続く。私はどうだろう。娘達により良い世界を作れる努力をしているだろうか。 ■共感 ・結婚:した後も夫婦で真剣に向き合え、人生舐めんなよ ・教育:生きていける力を育むことの大切さ ・老後:在宅ひとり死 ■学 女性就業率は、他の国と比べ高いが、男女の賃金格差はOECB諸国の中で下から3番目 ムスコ物語 ヤマザキマリは早速購入した。

    6
    投稿日: 2025.06.06
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    上野千鶴子さんの本。 本人が内面の生産性の枯渇から逃れるため、50代から意図的に専門分野を介護領域にシフトした、と語っている(P72〜73)通り、読者としても読んで一番面白かったのは「Part4老後」でした。(他のPartは、「仕事」「結婚」「(子どもの)教育」) 介護保険施行後23年が経過する中で、今では「独居の高齢者の在宅看取り」ができるようになった(P174)ということを初めて知りました。 介護保険に守られているのは親世代だけではない、というのは、その通りだと思います。 次の世代にどうバトンを渡すのか、、、そういうことを漠然とであれ考える世代にいつのまにか自分も到達してるんだなーーーーーと、思う。

    4
    投稿日: 2025.06.01
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    ー 男たちがつくった土俵では、深夜残業や休日のゴルフ、転勤は当然のこととしてこなさないと一人前と見なされません。女は、そんな土俵に上ることは難しい。男たちが免れている家事や育児など家庭責任を背負っているからです。男たちが家庭を顧みることなく働き続けることができたのは、家に主婦がいたからこそ。男並みの競争ルールのもとでは、女性はハンディ付きの競争を強いられます。これは女性にとって敗北が運命づけられた競争でした。 この一文!まさに日本社会の現状を見事に表していて、まだまだ変わる気配がない。「女性活躍」という欺瞞を抉り出す内容だ。付け加えるなら、これと接待だろうか。人間関係がビジネスに必要なのは、プロダクトそのものの魅力で勝負が出来ず、経路依存性に頼った旧式の土着、癒着商売をしているからであり、このままでは未来がない。 他人を殴ってはいけない。殺めてもいけない。迷惑行為もダメ。感情を暴力的に表現するなど、他者に損失を与える行為は、徐々に理性的に認知され法律によって禁止されてきた。しかし、生まれながらの不利な格差 ーそれは障害であったり肉体的なものであったりー 近代に至る最近まで見過ごされてきた。女性の肉体的ハンデは、この不利な格差の一つである。しかし、理性的に認知され是正するに随分と時間がかかっている。その主たる要因が「社会がそれで成り立っている」という前例主義、経路依存だ。 で、こういう事は生得的な要因が大きく効率面というか既得権的にも、このままの成り行きや微調整で変わっていくというのは難しいので、道徳や倫理観を基準に〝少し無理をしてでも、変えていくべき事“の類である。 この本を読みながら田嶋陽子が『愛という名の支配』で書いていた女性の国と男性の国の戦争の寓話、その中で語る〝女性の髪が長い理由(傾向的に)“について考えていた。これが今の男女の状態を示唆的に表している気がしたからだ。多分、女性の髪が長いのではなく、男性の髪が戦いや労働に適用するため人工的に短いのであって、原始的には、元々は男女共に長いのだ。その経路依存的な残滓と既に髪型としてファッションに取り入れられ馴染んだ状況は、まるで主婦業を女性のアイデンティティに取り込んだ現代社会像を表象するようだ。 髪型のジェンダー差は、「自然」のように見せかけた制度的表象であり、現代社会の性別役割を可視化する最も身近な文化コードのひとつ。だからフェミニストは大抵髪が短いというしょーもない事をいうつもりはない。大多数は模倣によるので何事にも理由があるわけではないが、起点はある。社会制度も文化コードも、そうなのであろう。 こんな世の中に誰がした?というタイトルに対しては自然発生的にそうなってしまっているというのがアンサーではないか。で、それを「多少無理して変える力」がまだ足りないという事だと思う。

    75
    投稿日: 2025.05.05
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    言葉がきつくて疲れるけど、とても平易で読みやすい文章で書いてくれているので、どんどんページを捲っていけます。 男女雇用機会均等法の歴史、介護保険の歴史はとても分かりやすかった。 男性に合わせたテイラーメイドの法律が男女雇用機会均等法。確かに男性側の働き方も変えることを考えないのか…はあるよねぇ…。結局日本人は働きすぎなんだよね。それに女性も合わせて、かつ、共働きまでしたらどうやって子どもを育てるのか、、。 介護保険は核家族化や少子化に伴って、直接的に子から親じゃなくて世代間の仕送りになってるというのが確かにそうだよなと思った。40代から取られるの嫌だななんて思っていたけれど…。 また、おひとりさまの老後も悪くないと提唱されているのは興味深かった。私も1人にするのは可哀想だと思っていた。別著も読んでみたい。 本を読みながら東大の入学式のスピーチも読んだ。「ジェンダー研究というのは、弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想」と語っておられ意外に感じた。フェミニストって、もっと女性も強くならないとみたいな印象だったから、そういう考え方もあるんだーとずっと身近に感じた。 とはいえ、全体を通して、頑張ってきた人の強いメッセージという感が出ていて混乱した。それこそ、頑張れる恵まれた環境にいる人の言葉だなというか。 例えば、「基本は自分が何をしたいか。そう言うと「わからない」と言う人もいますが、人間を何十年もやってきて、今さら何を言っているんだろうと思います。」や「子どもを自分が生きる理由にするな」、「物わかりがいい女でいたいというのは、葛藤を避けたいということです。「人生をなめんなよ」と思います。他人から見て価値あるわたしでありたいと思うのは、承認を第三者に依存しているからです。自己承認を他人に依存するな、自分の価値くらい自分でつくれよ、と思います。」など。 でもこれらに対してびっくり?混乱?はするものの、自分的には反発はなく結構そうだよな、と腑には落ちた。みんながみんなそうは思わんやろうとはやっぱり思うのだけど。 最終的に思うのはやっぱり、格差の下側の人たちが分断されていることが1番良くないのかなと思う。これが意図的に作られた分断なのかそうでないのかは分からないけれど、対抗勢力としてあまりに弱い。ベルバラ→ナポレオンの読後なので、「革命軍も一枚岩じゃなかったもんなぁ」なんて思ってしまいます。 ジェーンスーも言ってたけど、ロスジェネのオジサンたちとは対立じゃなくて共闘しないといけないんだよね。 もっと学ばねばだなぁ。

    12
    投稿日: 2025.03.28
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    女性が今の日本で生きていく上での心構えにはなるかな 女性だからのデメリットもメリットもあるし、そもそも100%の男女平等はないから←体の作り、能力 その上でどううまく世を渡るかだと思う

    1
    投稿日: 2025.03.16
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    舗装されているとは言わないまでも、自分の歩いている道が砂利道であれ、けものみちであれ、ずっと前にここを踏みしめて作ってくれた人たちのおかげでできたものだということに初めて気づかされた。男並みに働くことがカッコいいと、若かりし頃は確かに思っていた。その男の陰で、母や妻や子が人知れず言葉を飲み込んだり涙したりしていたかもしれないことに、今までは思い至らなかった。その人たちのためにも、後に続く女性たちに「ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡」せるよう、この本から得た問題意識を持ち続けていきたい。 星をひとつ減らしたのは、著者の見ている老後の景色はまだまだ恵まれているもので、実態を把握しているとは到底信じられないから。

    1
    投稿日: 2025.01.03
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    「おひとりさまの老後」を以前読んだ。 この本は、かつて世の中の波に揉まれ理不尽な思いをしたすべての女性におすすめ。 自分が仕事をしていた時代のセクハラ、パワハラ、色々なイヤな事を思い出してしまった。 嫁が介護をするのが当たり前の時代を送った。 今問題になっている、「103万円の壁」もその頃の社会情勢がこの本でよく説明されている。 昨日のニュースでの女性検事の受けた性被害と言い、結局は世の中はいつまでたっても男中心のままだと実感する。 著者のような世の中を動かせるほどの力を持った女性がどんどん出てきてほしいが、まずは、教育の現場から変えなければいけない気がする。

    41
    投稿日: 2024.12.17
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    女性にとって生きづらい日本の社会構造がいろんな角度から記されており大変勉強になった。現状の改善のために個人が具体的に何をすれば良いのかは明記されてなかったけど、選挙に参加してより希望がある声明を挙げてる人に投票する、とかになるのかな、、

    1
    投稿日: 2024.11.17
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     弱者と呼ばれる人たちは本人の努力が足りなかっただけなのか?社会的に成功してる人たちは本人の努力だけでその地位についたのか?生まれ育った環境が大きく影響してるんじゃないのか?困ってる人たちを自業自得だって切り捨てていいのか?子ども達に生きやすい世の中を手渡したくない?って内容でした。多分。 中学の時、学年に何人か中学卒業して就職する子がいた。高校行きたくないの?って聞いてみたら、「親に高校なんか行ってどうするんだ。とっとと働いて家に金入れろ。って言われてる。」って言っててビックリしたのを覚えてる。 大多数が高校に行く世の中で少数派の中卒を選ぶ事も、15歳で就職して一人前になる事も、怖くないのかなすごいなって。  どんな家庭に生まれても将来を自由に選択出来たり、いくつになってもやり直せる世の中になるといいな

    11
    投稿日: 2024.09.23
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    著者の事知らないで 読みましたが とてもわかりやすく書かれていて 良かったです。 本当にこんな世の中になってしまって 若い人達が 将来夢も希望もないような 状況は変えたいですね。 でも 少しずつですが 若い女性達が 声をあげて 世の中に 流れを作っていってくれていってる事は 喜ばしいです。 応援していって これからの世の中 日本に生まれて来て良かった。ここで命終わるまで住みたいって 思える日本にしていきたいですね。

    9
    投稿日: 2024.09.12
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    赤いスカートなびかせて、女は叫ぶ というところだろうか、この表紙。 来年で結婚40年の私は、妻とはとことん話し合い、、といえばかっこいいが、 喧嘩、口論、言い合いをしてきた。少しは女性、母親の立場を理解していたつもり だった。 しかし上野さんのこの本を読んで、頭をぶん殴られた気がした。 男女雇用機会均等法が悪法とは思いもしなかった。 1988年、男女が同じ立場で新入社員として入社してきたときは、 時代が変わった、と喜んでいた。 この法律が、今まで女性が勝ち取ってきた女の権利を奪うものとは知らなかった。 NHK朝ドラ「虎に翼」の寅子は別格だろうが、それでも思い整理に苦しむ場面が あった。生理休暇があったかどうかはわからないが、伏せっていた。 雇用機会均等法は「同じ条件なら同じ雇用をしてやるよ」という、女性性の否定から 入っていた。 しらなんだ。 現に今、男と同等に活躍している女性は、いろんな意味で女を捨ててる。 総合職と一般職に分断させられてる。 なんてこった。 上野さんは東大で教えながら、偏差値エリート男子を冷静に見ている。 何でも優秀な自分は女性にもてないはずがない、と、振られる自分が信じられない。 その思い込みがストーカーに変質し、女子学生が学校に来れなくなるという。 思い込み男子が初めて現実に触れるのは就活時、採用されないのだ、そういう男は。 そこで自分を知ればいいが、なまじ成績だけで官僚になった連中は挫折を知らず、 勘違いしたまま権力を握る。いや、握らせた覚えはないが、そう思い込む。 そして世間知らずな法律を作り、こちらも無知な世襲議員がそれを議決する。 悲劇だ。 子どもを一人産み、残業と飲み会(これをしないと出世しない)で協力しない 出来ない夫に呆れ、二人目を諦める女性。 社会が少子化を生んでいる。 それに気づかねば。 世の中を変えねば。 序章 1 仕事 2 結婚 3 教育 4 老後 終章 これからのフェミニズム

    3
    投稿日: 2024.09.07
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    上野先生の情報整理力、コメント力にまきとられて、思わずノンストップで読み終えてしまった。 改めて女性の「働く」をめぐる社会動向や政策について把握できたのが個人的にはありがたかった。 久しぶりに読んだ「上野節」。 「『論争』は聴衆に向かって行うもの」と言い切られるだけあって、挑発的な独特な言い回しを差し引いても、読んでる側に突きつけられるものが多々あった。 どんなに理想を追っても、頑張っても自分1人の世代では「ちょっとはマシ」が関の山なのかな、と最後に思いつつ、「100のノイズのなかから数個の意味あるメッセージ」を見出す心持ちはなくさないでいたい。

    7
    投稿日: 2024.08.21
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    漢字表記や言葉遣いが分かりやすく、幅広い世代に読みやすくなっていて親切だという第一印象。中身も、フェミニズムのイメージがアップデートされていない(なんかいつも怒っている、うるさいなと感じている)人たちこそ読んでほしい一冊になった。いま、数ある問題(その多くは格差だけど)を放置し続ければ将来は二流国どころか最貧国になっているんじゃないかと思った。高齢貧困女性問題についても、メディアでは普通の、役職なし女性の、収入やライフスタイルなどフォーカスしていない部分にもそろそろ俎上に乗せてもよいのではないか。みながみな、管理職になれるわけではない、そうじゃない生き方もあることを知ることも必要と感じる。弱者と呼ぶのは少し抵抗があるが椅子取りゲームの椅子に座れない、努力しても報われないこともある(だからこそ、弱者が弱者のままでいて良い社会が必要)。

    0
    投稿日: 2024.08.12
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    介護保険、年金保険、医療保険は日本の宝だと思って、ちゃんと守りたいと思った。 女性の犠牲によって成り立つ社会は許されるべきではないと思った。 自分はすごく恵まれているのだと思った。また読みたい。

    0
    投稿日: 2024.08.06
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    介護保険の価値が良く理解できて良かった。娘たちの世代がより良くなることを信じます。 絶対値的にはイケてなくて常に謙虚でありたいと思い出させてくれます。

    0
    投稿日: 2024.07.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    社会は急には変わらない。あとから来た人たちに、こんな世の中を手渡すことになってごめんなさいと言わずにすむように。 考えさせられます。

    0
    投稿日: 2024.07.15
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    著者が本書で提唱するフェミニズムの在り方は、「弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想」(p204、東大でのスピーチ)。 男性を一様に敵視しているわけではなく、さまざまな条件下で生きざるをえない人々に、強者でなければ生き残れないと強いる空気に対して憎んでいる。と受け止めました。 昔は今以上に、「女性であること」自体が、社会的制約にがんじがらめに縛られていたために、女性の地位向上を、というスローガンを掲げてきたけれども、 「性差関係なく活躍できること。居場所があること」が本質である以上、男女の立場は両輪で尊重すべき課題なんですよね。 フェミニズムが課題とする意識には、「男のくせに(できないのか)(稼げないのか)」、「(男なのにできない自分は)情けない。強者にならなくては」も含まれるんじゃないかと。 日本もじわじわ、超スローペースで変容しているとは思うけれど、やっぱり欧州に比べて、まだまだ下地は、従来の「男性社会(ここでいう「男性」は「強者」です)」とは思う。 個人的に感じるのは、著者が闘ってきた「男性社会」の根幹には、 甲斐性とか忠義とか、そういう方向の人情や美学と絡みがちな面もあって、そこには人の心を動かすパワーもあるんですよね。だから乱暴に切り捨てることはできない。 それが反作用としての「男は我慢すべき」の遠因でもあると思う。

    0
    投稿日: 2024.07.04
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    今の自分が弱者でないのは、自分が努力した結果だと思ってはならない。 その環境を作ってくれたのは誰? 東大のスピーチは、最も伝えるべき人に伝えるべきメッセージだったと思う。 爽快な語り口、思わず笑ってしまう悪態じみたユーモア、読んでて爽快でした。

    3
    投稿日: 2024.06.23
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    興味深く読了。 これを読むとまだまだ女性に権利は過渡期なんだぁと実感。 あの昭和の会社の朝のお茶だし(湯呑みを誰のかすべて覚えて営業から帰ってくれば仕事中でも夏なら麦茶、冬ならお茶をさっと出していて先輩OLがそれを疑問に思わず継承していっていたあの頃)が当然とされてた時代よりは、男女同権となりそんな風習がなくなったことは小さいことだけど、誠に喜ばしい。 今の時代でほんと良かった。 介護保険や介護施設がない頃はすべて嫁が(この呼称もアウト)世話してたんなんてね。 年金や老後にも言及。勉強になったわ。

    1
    投稿日: 2024.06.07
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    上野さんの事を嫌いな人は、著書や言論に触れたことがない人、もしくは、言論に挙げられている既得権益を得てきた「真っ黒けのオジサン」たちだと思う。話を聞いていると、とても当たり前の事を述べられている。超氷河期、女性、理系総合職でありシングルマザーの自分には大きな味方としか言いようがない。こんな世の中に誰がした?と言われないように、小さなバトンでもいいので、先人たちから受け継いできたものを次の世代に渡したいと思う一冊だった。

    2
    投稿日: 2024.05.12
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    女性参政権が、多くの先輩たちの努力の賜物と理解していたが、最近のもので言えば、当たり前に存在する介護保険までもが過去の女性たちの強い意志がなければ成立しなかったなんて。己の無知と、おそらく過去に知ったかもしれないのに忘れてしまう記憶力の無さが情けない。 誰かの疑問とその不可思議を解決しようとする強い意志がなければ、法律ひとつ権利ひとつ作ったり守ったりできないことを何故気が付かなかったんだろう。 学校で教わったんだっけ。 いやいや自分で気付けよってことか。 自分で動けなくても理解し応援したい。 世の中は勝手に回ってるんじゃなくて、誰かが回してるんだよね。

    1
    投稿日: 2024.03.21
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    男性が読むべき本。 文中に高圧的な表現もあり、気分を害することもあるかもしれませんが、それが著者の表現方法とすれば受け入れられます。 「女らしさ」より「自分らしさ」。 性差を超えたダイバーシティの一言です。

    3
    投稿日: 2024.03.14
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    気持ちいいほどズバッと切り込みを入れてくれる上野先生。久しぶりに上野先生の本を読んだけれど面白かったです。らしさ満載であとからの世代に「こんな世の中に誰がした」と責められたら顔向けできない社会ではなく、努力し闘いましょう、と締められています。

    3
    投稿日: 2024.03.01
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    ますます上野先生、お元気ですね。フェミニストの立場から女性の仕事、結婚、教育、老後についての論考。私の両親の世代は大企業の社宅に住み、専業主婦、いずれは持ち家を持って定年でそれなりの退職金を得て期待したほどではないけどそれほど困難を伴わない老後を楽しんだ、が普通でした。今は共働きが当然になっていて女性のライフスタイルも変化があって当然ですが、確かにデフォルトで期待されている家事・ケア労働など、むしろ状況は悪化しているのかも知れません。参考になりました。

    5
    投稿日: 2024.02.09
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    #こんな世の中に誰がした? #上野千鶴子 24/1/24出版 https://amzn.to/3S9qXkX ●なぜ気になったか 上野さん、一回り少し上の年齢なのと、考えに興味がわくので注目している方。そんな方が「あなたには社会を変える力がある」と発信している。その考えを知りたい ●読了感想 本当にこの世代の総合職系女性は理不尽な扱いを受け苦労していた。だいぶ状況改善しているが、国際的な場で女性が前面に出ていることが少ないのでまだまだ改善しないといけないと思う #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き

    8
    投稿日: 2024.01.25