
総合評価
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powered by ブクログうん、よかった。一人で生きることへの底しれない恐怖、生き物の哺乳類の、つまり同属のぬくもりへの憧憬と必要性、若さゆえの根本的な性衝動、などなど丁寧に描き込まれていて無理なく理解出来る。映画で納得できなかったあたりも解消できたし。ただこれだけ書き込みながら、彼女が自分の罪というものを一切考えなかった点は、なかなかすごい。自然の偉大さ残酷さ美しさ厳しさは、罪など蹴散らすものだから。
3投稿日: 2025.02.07
powered by ブクログ映画化になっててCMを観た感じだとミステリーなのかと思いきや、それだけじゃ全然ない! 自然描写が素晴らしく、動物や昆虫の生態や、差別問題、少女の成長記録、恋愛、家族愛、詩的文学、などなど一言では言い表せないいろんな要素が詰まっている。 読み応えがあって素晴らしい小説でした。
9投稿日: 2025.02.05
powered by ブクログこの記事は、もう一つのブクログ「文学・歴史:koishi-2018の本棚」と同じ内容です。 ~ ~ ☆ ~ ☆ ~ ~ 詳細は「あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート」をご覧ください。 → https://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1561.html 2020/11/04 友人のTwitterに紹介されていたので、読んでみよう こんな世界があるのかと、びっくりしました。 濃密な自然の中で孤独に暮らす少女、「カイア」 その描写は独特で、森や湿地の匂いまで感じられそうです。 でも、人間とのトラブルがカイアを 思いがけない窮地へ。 わりと厚い本で、最初淡々と進むのに 読み続けることができず、つい ごっそり飛ばして最後の数ページへ。 青春時代の苦難の後、長い人生を生きたテイトとカイア、幸せだったのかも。 映画化されたらいいな と思っていたら 嬉しいニュースです。 → 映画版 「ザリガニの鳴くところ」 2022年夏公開 2021年5月24日 https://eiga.com/news/20210524/6/ ⇒ 映画「ザリガニの鳴くところ」を見る ~ Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」 https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/5507fae0925a4caadf5595ead0715d9d ディーリア・オーエンズの本 「カラハリ─アフリカ最後の野生に暮らす:マーク オーエンズ&ディーリア オーエンズ (著)」 → https://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1562.html
2投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログ景色の描写がとても綺麗で好き♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪ 健気に生きる主人公に力をもらった 最後の展開にびっくりしました!
1投稿日: 2025.01.21
powered by ブクログミステリというか、カイアの成長記というか、生物や自然を描いた文学というか。すごく濃厚で深い。たくさんの要素が散りばめられた天才的な小説だと思った。星5です。
3投稿日: 2025.01.18
powered by ブクログカイアが感じた恋心や家族との繋がりを、自然の「生物」としてどういったものなのかと紐づけて読み解いていくお話だった。
2投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Audible にて読了 家族に置き去りにされたカイアが、ひとりぼっちで湿地を生きる物語。主人公の感情が言葉や行動、詩として繊細に表現されており、感情移入してしまい読んでいて苦しくなるや泣きたくなる場面が多々あった。 特に印象に残っているのは、釘を踏んでしまった際に、破傷風におびえながら海水の泥に足をつけ続ける場面。死の恐怖を前にしても誰にも頼れず、無知な少女なりの方法でひとりで耐えなければならないことが悲しかった。 テイトと関わって世界が広がったことにより、さらに深い孤独を感じるようになり、心は難しいなと思った。
2投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログ自然の細かい描写が凄く良かった 生物としての「性」とは何なのかを問われているように感じた。カイアが湿地と一体化していて、かつ湿地が一つの生物であるかのようにカイアを包み込む感じも魅力的に感じた 個人的なことだが、まだ本を読み始めた段階なので 読むのに時間がかかった。 ある程度、本を読む行為が増えたらまた読みたい
9投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログnatureとwilderness どちらも手付かずの自然を表す単語。この物語は、舞台が人の住むところじゃない意味でwildernessだと思うし、独りきりになった少女が親しみ、慈しみ、学んでいく対象も、神聖なイメージがあるnatureよりも、人を寄せ付けず、素っ気なく、荒々しいwildernessな気がする。 カモメたちが友だちかあ。孤独は人恋しさと紙一重。親しい人が去っていく境遇ならなおさら。悪いヤツに引っかかってしまうよなあ… この娘は極端な境遇だけど、親や兄弟、周囲に「ああなりたい」って大人がいなければ、失敗したり、後悔したり、諦めたりしながら、人生の歩き方は学んでいくしかないよな。「自分に正直に、風に逆らって生きる」ってそういうこと。 サスペンス仕立てで、特に後半はリーガルサスペンス(ジョン・グリシャム好きだった!)なので、どんどん読めていけるところは秀逸だと思う。数千万部売れた作品だけはあります。ただ、サスペンスなんだから、途中からオチがみえちゃう腰帯は残念かな。
0投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。これもハヤカワの半額セールで。 主人公カイヤが何度も裏切られ孤独を感じながらも、ジャンピンやテイトに支えられ大人になっていく、思ってたよりも壮大な物語だった。これも悪役が胸糞だし、爽快なところはあまりない。途中、少しでも幸せな雰囲気になると「ああまた裏切られる...」と恐ろしい気持ちになる。ただラストは暖かい気持ちになって、本当に良い本。これがベストセラーになる世界は暖かい世界だと思う。
0投稿日: 2024.12.18
powered by ブクログ素晴らしい本との出会いをありがとうございました。自然描写が繊細、細やかでカイアと一緒に湿地や沼地や歩いたりボートに乗っている気分にさせられました。 ミステリー小説としてだけてはなく、差別、偏見、人権問題、自然破壊等の社会問題にも切込み、学ぶべきことが多い小説でした。 また、人間と自然界の比較において後尾や優劣表現等の多くの行動の中で似ているところがあまりのも多く、生物として大きく捉えた視点に興味を寄せられました。 最後の結末は、ショックでしたが、自然界の摂理であり、生き物としての本能なのかもしれません。湿地の少女よ、安らかに眠って下さい。そ
2投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログ主人公の人生にどっぷり浸かって辛くなって、何とか幸せになってほしいって気持ちになる。読者の倫理観が揺らがさせる感覚がすごい。 自然の描写の美しく、翻訳も素晴らしいと思う。
0投稿日: 2024.12.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
途中からはミステリーとして読んでいなかった。湿地で一人生きてきたカイアの一生を辿る本として。 結末は少し驚いたが、嫌な気はしなかった。いけないことなんだけど。 でもあれだね、世の中 個人同士から国同士 大小様々な争いが絶えないのも太古より残り続けてるDNAのどこかがそうさせてるのかね。
1投稿日: 2024.12.10
powered by ブクログaudible30作目 ハン・ガンを除けば2024年に読んだ(聞いた)小説の中で、最も印象的、かな 湿地の描写が、素晴らしい 映像でそれも観たいのでこれからネトフリで映画を観る! 数学を学んだ自分としては、動物学者らしい作品だとも 文化を築いてきたニンゲンの理性も素敵なんだ
0投稿日: 2024.12.07
powered by ブクログ【感想】 少し前だが話題の作品!ずっと本棚に置いていたがついに読めました。 物語の途中は、家族に捨てられながらも周りに助けられながら逞しく暮らしていくカイアの成長を描いた「ポカホンタス」のような物語なのかな?と思って読んでいたが、終盤はしっかりと「ミステリー」だった。 個人的に"湿地"というシチュエーションが、薄暗くどこか陰鬱とした表現に重なっていったような気がした・・・ あとがきに書いていた「貧乏白人(ホワイト・トラッシュ)」の説明がとても参考になったな。 先に時代背景などをうっすら理解して読んだら、また少し違った感想を持てたかも。 なんにせよ、とても面白い作品でした!一気に読み終えました。 【あらすじ】 ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。 6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。 以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。 しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく…… みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。 【引用】 p481 「カイア、確かに今回はひどい経験をしただろう。だが、そのせいでますます人を遠避けるようになってはいけない。 精神的な苦痛を味わったのはわかるが、実用によっては、これはやり直すチャンスでもあるんだ。あの評決は、行ってみれば、お前を受け入れると言う宣言なのかもしれないぞ」 「普通の人は、受け入れてもらう前に無罪かどうかを調べられたりしないわ」 「私は人を憎んだことなんてない。 向こうが私を憎むの。私を見捨てて、嫌がらせをして、襲ってくるの。 私は人と関わらずに生きていく術を身に付けたわ。 あなたがいなくてもいい。母さんがいなくても、誰がいなくなったっていいの!」 p503 ホタル 愛の信号を灯すのと同じ位、彼をおびき寄せるのはたやすかった。 けれど、メスのホタルのように、そこには死への誘いが隠されていた。 最後の仕上げ、まだ終わっていない、あと1歩、それが罠。 下へ下へ、彼が落ちる、その目は私を捉え続ける。もう一つの世界を目にする時まで。 私はその目の中に変化を見た。 問いかけ、答えを見つけ、終わりを知った目。 愛もまた移ろうもの。 いつかそれも、生まれる前の場所へと戻っていく。 p504 テイトは長いこと食卓の椅子に座り、現実と向き合った。 深夜にバスに乗る彼女の姿を想像した。 彼女はボートに乗り換えて強い潮流を捉え、月がないことを利用して準備を整え、闇の中でそっとチェイスに呼びかける。 そして、彼を突き飛ばす。櫓を降りると、泥の中にしゃがみ込む。 ペンダントを取り戻すときには、死んで重くなった彼の頭を持ち上げたのだろう。 それから足跡を隠す。痕跡は決して残さない。 p508 あとがき カイアは幼い頃に、家族に置き去りにされ、それからは、たった1人で、未開の湿地に生きていた。 偏見や好奇の目にさらされるせいで学校にも通えず、語りかける相手はかもめしかいない。 ただ、燃料店を営む黒人夫婦のジャンピンとメイベル、それに村の物静かな少年テイトだけはカイヤの境遇に胸を痛め、手を差し伸べようとする。 しかし別れや拒絶は宿命のように彼女につきまとう。 圧倒的な孤独の中、カイアは唯一近づいてきたチェイスに救いを見出すが、その先にはさらなる悲劇が待っていた。 チェイスを殺したのは誰なのか? 物語は、捜査が行われる1969年と、カイアの成長を追う1952年以降の時代を行きつ戻りつしながら進み、やがて思いがけない結末へと収束していく。 p510 ・貧乏白人(ホワイト・トラッシュ) 南北戦争以前の南部の白人と言えば、大勢の奴隷を使用して、大農園を営む豊かな地主階級を創造しやすいが、当然ながら、白人にも小規模地主や自営農民といった様々な階層があった。 そしてその最下層にいるのが貧乏白人(ホワイト・トラッシュ)と呼ばれる人々だった。 彼らは、名誉と美徳を備えた地主階級とは対照的なイメージで捉えられ、自堕落、暴力的、不衛生などなど、人格的にも劣る存在とみなされた。 この呼称には、そうした負のイメージが、その後も根深く、残り続けたのである。
24投稿日: 2024.12.01
powered by ブクログ動物学者の作者が表現する自然に魅了されながら、主人公の行く末が気になり最後まで読み続けました。 もしかすれば、推理小説を読み慣れた読者なら物足りないと感じるかもしれませんが、幅広い人に愛される作品だと思います。
11投稿日: 2024.11.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
後半はページをめくる手が止まらない。衝撃のラストだった。 確かにカイアの置かれた生育環境はこの上なく厳しい。DV、ネグレクト、貧困による差別と偏見。 1950〜60年代のノースカロライナ。南部という土地柄、歴史的に保守的で、貧困層の白人も多く(物語ではwhite trashと表現されていた)、それ故に人種差別も激しい。人間は自分より下を作って安心したがるいやらしい面がある。 その中で蔑まされながら、一人孤独と貧困に耐えて生きてきた「可哀想な」白人女性に対して、結局読者である私も陪審員同様にバイアスのかかった目で見ていたのかなと、しばらく茫然自失とした。 圧倒的な孤独の中で、人間よりも鳥や虫たちと生きてきた彼女にとって、あの行動は生きるための動物の本能、自然の摂理なのかもしれない。 しかし最後にテイトが発見したあるものに、彼女の人間としての複雑な感情も見られ、、これはテイトもやるせないだろう。 それでも、これで良かったのだとついつい思ってしまう。前半が可哀想すぎて、、ほかに方法はなかったのかと思いつつ、バッドエンドとも思えないこの感情。読者も試される。 辛い環境の中でも、心優しいジャンピン夫婦とテイトがいて良かった。
8投稿日: 2024.11.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自然の美しさと厳しさがとても良く表現されていた。 子供の頃から両親に見放され、周囲からは湿地の少女、ホワイトトラッシュ等の言葉で蔑まされながらも懸命に湿地で生きていく。親しい関係を持つも、自分のもとから離れていってしまう苦しさや切なさがとても良く表現されている。 チェイスを殺した犯人は最後の描写でカイアだと判明するが、これは生物が生きていく中で必要な善も悪もない自然な行為なのかもしれない。 カイアは最後に自分にとってのザリガニの鳴くところであるノースカロライナの湿地でテイトと暮らし、幸せな最期を迎えることができたと思う。
1投稿日: 2024.11.18
powered by ブクログ自然の描写が素晴らしいです。海外の本を読むのは苦手でしたがとても読みやすく、すぐに世界に引き込まれました。これは映画のような物語だなと思ったら、やはり映画化されていて納得です。 一度読んだだけでもかなりのインパクトですが、また最初から読み返したくなりました。
15投稿日: 2024.11.15
powered by ブクログ翻訳が素晴らしい 自然の美しさの描写も、ストーリー展開も、孤独から逃れたい気持ちと自分を守りたい気持ちの葛藤の描写もとてもいい
1投稿日: 2024.11.10
powered by ブクログ読み始めから目が離せず、長編小説にも関わらず夢中で読み進めた。 湿地から匂いや暖かさ、触れた感じまで伝わってくる表現が想像を掻き立てる。 カイアが孤独で貧困な生活を送りながらも人が成長と共に感じる感情を同じように感じていく。期待、失望、悲壮、羞恥、信頼、懐疑、安堵、恋と愛。 人との関わりの中で経験したいくつもの感情が、最終的には多くの生物や植物を受け入れている広大な湿地のような考え方へ変化していく。 善悪を考えることなく生きるために交尾相手を食い殺す自然の摂理は人間には理解し難いが、そういうものだと受け入れることも大切であり、そんな自然を受け入れた上で、言葉を持つ人間はその言葉を何のために使うのかを考えさせられる。
3投稿日: 2024.11.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久々の海外作品。まるで自分も湿地帯にいて主人公カイアを遠くから見ているような、不思議なくらい物語に入り込み読み進める事ができたのであっという間に読み終わった。 内容は小さな村で起きた殺人事件の話であったが、著者が動物学者のようで、自然の中で生きる野生動物たちの生態も含め、暗闇、湿地帯で生息する野生動物の息遣いが聞こえてくるような、細かい自然描写と物語の内容が相まって読み応えがあった。 本編のなかで、「ときにグロテスクとさえ思える野生の本能は野生動物だけがもつものではない。その本能はいまだに私たちの遺伝子に組み込まれていて、状況次第では表に出てくる。私たちもかつての人類と同じ顔があって、いつでもその顔になれる。はるか昔、生き残るために必要だった行動を今でもとれる」というセリフがあり、犯人が誰かなんとなくわかった。 あとがきに、「ザリガニの鳴くところとはどこにあるのか、ふと心の奥に耳を澄ませたくなる」と書かれていた。いろんなところに存在するような…読み終わった後いろいろ思いを巡らせ余韻に浸れた不思議な読後感だった。海外作品が思ったより面白く読みやすい事を知れたので、他の海外作品も読んでいきたいと思った。
17投稿日: 2024.11.03
powered by ブクログ職場の同僚におすすめいただき読んだ本。 「湿地の少女」カイアの物語。 湿地といわれる地形にも、生物にも、当時のノースカロライナの文化的背景にも馴染みがなかったので最初は読み進めるのが大変だった。 想像では補えない部分(地帯や生物の名前、料理名とか...)画像検索を駆使しながら読み進めていくと、そのうちこの湿地の世界に浸かることができた。 湿地の生物の生態から、人間の行動を読み解こうとするカイアには初めは同情の感情しかなかったけど、もうそれはすぐに尊敬の気持ちに変わった。 ミステリ小説かと思ったけれど、そうとも言い切れない、、、説明しにくいけど、これは湿地で一生を過ごしたカイアの人生の話だった。
5投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
〝湿地の少女“ カイアに対する差別や偏見が強く、ひとりぼっちの生活の描写が読んでいて辛かった。多くの人がカイアに偏見を持つ中、助けてくれる人がいたのは救い。 アリバイがあるにも関わらず「犯人はカイアに違いない」という思い込みからカイアは逮捕され裁判になる。そうやって冤罪が起こるのだと思った。最後のどんでん返しはなんとなく予想できた。少し時間を置いてから読み返したい作品。映画も観るつもり。
1投稿日: 2024.10.28
powered by ブクログ湿地の自然の美しさと主人公の人生が見事に描かれていた。最後まで目が離せないストーリーで、一気に読んでしまった。
16投稿日: 2024.10.26
powered by ブクログミステリーだと思って読んだけど、差別偏見の残る1950年代の、未開拓の湿地で一人で生きる少女の物語。当時からしても貧しいあばら家で暮らしてたくましい一方で、自然と生き物の美を感じ知を追い求めながら女性として近くの町の男に声をかけられ揺れ動く、繊細で聡明なカイアの心情と自然の描写が印象に残った。 (こういう、時代背景に忠実にリアルにいそうな一人物の人生を描く系の小説(横道世之介とか)ってあまりピンとこないので個人的な評価は高くない)
2投稿日: 2024.10.24
powered by ブクログ舞台が「湿地」なので、ジメジメもするし切ないんだけど、最後まで引き込まれた。 一人の少女の成長を傍で見守っている気分にもなって、彼女の待遇に気が気じゃない。 最後の最後まで楽しめた作品。
2投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログなんか色々と考えさせられる内容だった。 貧困、人種差別、時代もあったのだろうが外国だと日本では考えられないような事もあったのだろう。 湿地帯がいまいちピンとこなくて、想像するのに苦労したが、少女が作っていた色々なモノが成長と独自の勉強で素晴らしい物になっていったのは感慨深い気持ちになった。 酷い親に育てられて、1人苦労しながら生きてきてしかし、最後にえーっ!ってなり、複雑な心境。 なんか暫く余韻が残って、本の事ばかり考えてしまう自分がいたので、魅力的な本なのは間違いないです。
4投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
総合的にはすっきりしました。読むのに4ヶ月くらいかかりました。 前半のカイアの少女時代については読んでるのが辛くなってしまい、何度も読むのを中断しました。特にカイアとの仲が良好になりつつある父親が母親の手紙をきっかけにまた元に戻ってしまうシーンが辛く、親の都合に振り回されるカイアが見ていられませんでした。 後半の裁判については展開が気になり、一気に読むスピードが上がりました。カイアが無罪とされた後も「結局誰が犯人だろう?」という疑問が残っていました。カイアに感情移入していたこともあり、最後は納得しました。 裁判の無罪とその後の幸せな人生は差別の中で1人孤独に生きてきたカイアへのご褒美と思いたいです。
0投稿日: 2024.10.14
powered by ブクログカイアが一度だけ登校した日の帰りに浜辺で泣くシーン、もうこの情景描写の美しさだけでこの本を読んだ意味があると思った。小説を読んでこんなに映像美を感じたことはないです。最後までとにかくずっと景色がきれいだった。
1投稿日: 2024.10.09
powered by ブクログ戻って来る人がいること待っててくれる人がいることの幸せ。自然に育てられたカイア。読んでいても自然に癒された。絶望的なのに強いカイアに励まされた。テイトの父が考えを改めて裁判に来たときやカイアの肩に手を添えた場面がよかった。ジャンピンも好き。またゆっくり読みたい、
2投稿日: 2024.10.02
powered by ブクログ森で暮らす少女が都会の男と関わり合い、やがて出世や殺人に巻き込まれていく話。 最初は冗長な描写が続くと思っていたが、その描写自体が主人公の将来に深い意味を持つ。最後の最後まで謎を引きずって、感動と納得を読者の心に落としてくれる。 2022年で1番面白い作品だった。
3投稿日: 2024.09.30
powered by ブクログ友人に強く勧められて読んだ。 久しぶりの海外作品だったため、慣れるまではペースが上がらなかった。 けっこう分厚い本だが、読み応え十分で面白かった。
1投稿日: 2024.09.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ハトマメ(鳩に豆鉄砲)なフレーズ 「きみのもとを去ったことは、ただの間違いなんかじゃない。将来も含めて人生最大の過ちだ。ずっと後悔してきたし、これからもするだろう。きみのことを思わない日はない。この先一生、置き去りにしたことを悔やみつづけるはずだ」 「愛なんて実らないことのほうが多いってな。だが、たとえ失敗しても、そのおかげでほかの誰かとつながることができるんだ。結局のところ、大切なのは“つながり”なんだよ」 「ぼくは、これまでもこれからも、きみを忘れたりはしないよ」
0投稿日: 2024.09.28
powered by ブクログ動物学者でもある著者は、 あるインタビューの中で、 「人間の行動は動物に近いものがあり、 本能に突き動かされることが多く、 時に本能のみに従って、 薄っぺらな行動をとることがある。 そして、それは我々が生き延びるための、 自然からのメッセージでもある」 というようなことをおっしゃっています。 生物は生きることに執着するとともに、 運命を受け入れることにも躊躇がありません。 そういった意味では、 主人公はとても野性的であるように思えます。 また、孤独であることに満足しながらも、 やはり誰かと繋がりたいという 気持ちを捨てきれず生きている姿も、 生物としての本能なのでしょう。 本書の中でザリガニの鳴くところとは、 「茂みの奥深く、 生き物たちが自然のままの姿で生きている場所」 とされていますが、 ザリガニの鳴くほんとうの場所は、 主人公の胸の奥底にあったのですね。 人間も自然の一部なのでしょうが、 自分には人間が自然界の中で、 とても異質な存在であるように思えます。 生物の種は、 常に多様化の方向に向かおうとするそうです。 生物種の多様性は 地球上の生命をひとつのものとしたときの、 生命維持対策であり、 環境がどのように変化しようが、 地球上の生命の火を絶やさないための 安全対策なのだそうです。 人間の行いは、 果たしてそのように機能しているでしょうか。 地球にとって、 人間が特別な存在だとは思えないのですが、 まるでそのように振る舞う人間は、 自然界のバグのように思えて仕方ありません。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
2投稿日: 2024.09.24
powered by ブクログ売れてる海外ミステリなのに、分厚くてパラパラとめくるととても静謐な文章で、これがどうして売れるのか……?と不思議に思いつつ買ったら、これがぐいぐいとひきこまれた。 家族に置き去りにされ、一人で生きる湿地の少女カイアと、湿地の生物たちの描写が瑞々しく、ほして痛々しく「生きるとは」について描かれてゆく。 これはヒットするよなぁと思う。映画も観てみたい。
3投稿日: 2024.09.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
分厚い本だったがすっかり没入してしまった。 小さい女の子が家族に見捨てられ 湿地の古い小屋で命ギリギリで生きて行くのは あまりにも孤独で想像を絶する。 自然や動物の描写が繊細で美しく 同時に残酷だった。 クズ男を亡き者にするのは 生きて行くために必要なことだったんだと 単なるミステリー以上に納得した。
0投稿日: 2024.09.19
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孤独と絶望に打ちひしがれながら生を求め、愛を求める 読み書きを覚えてから生きるしかできなかった生活に光がさしすこしばかり心豊かになる 詩と出会い、言葉のもつ力強さに惹かれた 母さんが残した少ない残り香を嗅ぎ痕跡を探すように、下線の引かれたその詩に意味を見いだす、こじつけと分かっていても縋りたい 期待したときに裏切られるそれでもまだ失われていない残酷な希望を恨みながら "閉じ込められてしまえば 愛は檻にとらえられた獣となり その身を食らう 愛は自由に漂うもの 思いのままに岸に着けば そこで息を吹き返す" 無名の詩人、アマンダ・ハミルトンの詩を辿りながら 雄をしたたかに喰らう蛍のように、カマキリのように、1人湿地の少女として弱く美しく強かに生きた ザリガニが鳴くところに真実を隠して
1投稿日: 2024.09.11
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美しくも残酷な湿地の生態系を知りつくし、原始的な生存本能の前には人間も同じく残酷であることを理解しながらも、見捨てられ続けた深い悲しみと人間不信にもがき苦しむカイア。 蛍やカマキリの雌が交尾の後に雄を捕食すること、クチバシの赤い点をつつけぬ子には決して餌をあげぬ親鳥、傷ついた親ぎつねが子を見捨てるらしいこと。それらを受け止めながらなお、母に、兄弟に置いて行かれた理由を探し続け、いつか戻ってきてくれるのではないかという淡い期待を捨てきれないカイアに、人間の持つ本質的な「つながり」への渇望、それゆえの孤独を強く感じた。 人種、性別、さらには貧困などによる徹底的な差別が色濃く残る1960年代アメリカの日常の様子に心をいためつつ読み進めた(想像するべくもないけれど)が、無罪を勝ち取り、数々の出版をし、受賞をし、あからさまな差別がなくなったであろう後も外の人とはほぼ交わらず「湿地の少女」であり続けたことを思うと、異端であることを生き切ったカイアには感嘆を禁じえない。 恋愛小説という文脈では、思春期ならではの性の欲望がまるで湿地の動植物を描くように自然に語られ、花開いていくカイアの肉体の成長をとても好ましく感じた。 その一方で、圧倒的な孤独ゆえにテイトやチェイスを人生の拠り所にしてしまうカイアには、恋愛に依存的になってしまう女性像がみてとれ、親との関係性などから男性に依存(あるいは共依存)的になってしまう状況は、時代を問わず普遍的にあるものだということも考えさせられた。 あまりにもテーマが多岐にわたっているため、なんと長いブクログ! 最後にミステリーについて。 ここまで書いたように、ミステリーというよりはカイアという女性の物語に心躍らせながら読み進めていたので、中盤、時代を行きつ戻りつを繰り返すのがややしんどくなり、少しだけ頑張りが必要だった(勢いづいてくる後半の公判シーンが始まるまで)。 個人的にはミステリーとしての結末(犯人探し)以前に、冒頭死体として発見されたチェイスの人物像が、わかってくるにつれてあまりにもクソ野郎(他にいいようが見当たらない)で、犯人が誰であろうともはや殺されたのは致し方なし、、、という気分に。「ミステリーの被害者は、同情がわくような人でないと、犯人探しに熱心になれない」という法則があるのだなと新たに発見した。 長々と書いてしまったけれど、動物学者であるディーリア・オーエンズでなければ書けなかったであろう、なんと読み応えのある、美しく圧倒的な小説だったことか。 読書中に味わった湿地での体験。 至福の時間でした。
0投稿日: 2024.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久しぶりに一気読みした。 飽きずに乗れる本読めると嬉しい。 途中までカイアが白人なのか黒人なのか分からんくて混乱してたけど。 まぁカイアが犯人か、味方全員犯人かのどっちかだと思った。テイトが連れてかれた時はそっちかーと思ったら次ページで明かされた。ちがった。 死ぬタイミングは誰が決められる、の詩はカイアじゃなくてチェイスのことだったのか。 判決のシーンはドキドキしたし、気になるけど知りたくない怖い、と思った。登場人物と同じ気持ちになる。 「今までの偏見を捨てて判断してくれ」が新しい偏見を生むのね。ポジティブアクション。悲しいかな現代社会の皮肉になっててつらい。今回の事件は公平に裁くとしたら懲役何年が妥当なんだろうね。 人ひとり殺して死刑か無期懲役、日本の価値観だと厳しく感じる。情状酌量の余地あり、みたいなそんな判断が下せる時代じゃないんだろうけど。 一読者としてはカイアが自分の力で自分の人生を幸せにできたので良かった嬉しい。
2投稿日: 2024.09.07
powered by ブクログ孤独な少女にそっと寄り添うかのような自然と動物の描写が心に響く。少女も自然の中で溶け込んで生きているが、そんな彼女でも誰かと話したいという思いがずっとあり、孤独を感じている。ミステリーの結末はなんとなく予想できたものだったが、そう導いたものを考えると、胸がつまる。
0投稿日: 2024.09.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いやぁ〜。カイヤ。1人で頑張って生きてきて容疑者にまでされて。って思った私の意見は裁判員たちと同じ気持ちだったのかな。 カイヤを可哀想と同情してしまっていた。 からの最後の衝撃。 カイヤが幸せになるための、生きて行くための選択だったんだと思う。 前半はひたすら心が締め付けられるような時代と差別と。その中で優しいテイトやジャンピンのシーンでうるっときてしまう。 後半からは読む手が止まらない。 生物とか自然とか興味ないけど、読んでいてすごく美しい描写作品だと思った。さすが自然の先生?プロが描いた作品だなと。
2投稿日: 2024.09.05
powered by ブクログ感想 心を蝕む孤独。どれだけ勇気を持っていても。どれだけ知恵をたたえていても。私たちは孤独と永遠に付き合い続けることはできない。
0投稿日: 2024.09.03
powered by ブクログ湿地を始め、自然の描写が良かった。 動物学者である著者だからこそ描けるところだと思う。 世界には、似た境遇の人が居ると思うし、救われて欲しい思いです。 面白くて一気に読みましたが、 個人的には大衆的な恋愛やミステリーの方へ走るのではなく、もっともっと自然観みたいなのを掘り下げた、湿地文学を見たかったです。
1投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログこれはすごく考えさせられる小説。 偏見や差別などなく、子供の頃からカイアに寄り添い、最後まで味方でいてくれた人たちの優しさに、自然と涙が出てきて止まらなかった。 子供の頃からずっと成長を見ていたから、カイアにかなり感情移入してたのかもしれない。 だからこそ最後カイアの真実を知った時はかなり衝撃だった。
8投稿日: 2024.08.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
親に捨てられて湿地に一人住む少女カイア。6歳で生活の糧を全て自分で得て生き抜いていく。誰の助けも借りず、湿地の貝を売り生活を繋ぐ。大好きだった母親がいつか帰る日を待ちながら…。読んでいて胸が締め付けられるような息苦しさ、悲しみを感じつつ少女に感情移入してしまう。学校にも行かないが、兄の友人に読み書きを教わり、湿地の動植物や貝をスケッチ、生態を詳しく観察した記録は出版社の目に留まり少女は生物自然学者としての道を歩き始める。逞しい少女でも孤独からは逃れたい気持ちが強く、恋する異性を求めてしまうのは仕方ない。交尾をする雄を食いちぎる雌のカマキリ。自分に死の危険が迫るとき、人間も動物も生き延びるDNAが動き出す…。最後は幸せに暮らすカイア。その早い死から過去の真実が明らかになる…。 作者は当時69歳の自然科学者。動植物の生態の描写はさすが。これが処女作とは思えない筆致で、このチャレンジは私たちに勇気を与えてくれる。間違いなく記憶に残る一冊となった。
1投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログ辛くて悲しくて、暗い。それでも一筋の光を見つけようと手を伸ばそうとしてしまう。 情景がかなり細かく描かれていて、本当に湿地と生きる一人の女性(女の子)が目に浮かんだ。だからこそ感情がジェットコースターだし、最後は驚いて、そして腑に落ちた。 ここまで暗い話は読んだことがなかったけれど、感想としてはおもしろいけど辛かった…けどやっぱりおもしろかった! 一気に読んでしまった。色んな要素が詰まって全てに矛盾なく素晴らしい作品でした。
0投稿日: 2024.08.18
powered by ブクログノースカロライナ州の湿地で村の裕福な青年の死体が見つかる。「湿地の少女」ことカイアに容疑がかかるのだが、、、。6歳で置き去りにされた少女と、湿地の大自然や人々との人生ドラマが繰り広げられる。作者が自然科学の専門家であるため、動植物の描写が素晴らしい。ミステリーの要素はやや希薄。北欧ミステリーファンには物足りないだろう。
0投稿日: 2024.08.06
powered by ブクログ映画を観て、原作も読みたくなって、一気に読み切った。この小説を何かのジャンルに分けることは、ナンセンスなのかもしれない。ミステリーといっても、謎解きがゴールではない。湿地で、決して恵まれた境遇ではない環境で育った一人の女性が、自然の中でどんなことを学び、育み、どんな風に生きて死んでいったのかを知ることができて、良かった。謎解きがゴールじゃないと言っても、やっぱり最後の場面で「ほぉー!」となってしまう。だからこれだけ売れたんだとは思う。個人的には、法廷での尋問シーンは、要所で読み手に重要な情報を与えてくれて、よく作られた小説だなぁと感じた。
10投稿日: 2024.07.28
powered by ブクログミステリ要素だけを期待して読んだら謎解きが物足りない(あっと驚く〜とかはない)けれど、一人の女性の人生の物語として読むと満足度高い。 ただ同じ女性としては結局男どもが揃いも揃ってクズだなと思ってしまう...笑
0投稿日: 2024.07.26
powered by ブクログとても情景が浮かぶ綺麗な文だった。 カイアの暮らす自然が奥深い湿地と、人を遠ざけるような場所で静かに育ってきたカイアの境遇が、簡単には触れていけないもののような気がして、そっと見守るようにして読んだ。 孤独な少女が、わずかな人との交流の中で、愛、裏切り、優しさ、憎しみ、怒り、絶望、喜びを知る姿。どうか光の方へ導いてあげたいと思う反面、彼女にとって世界が広がっていくことは、本当に幸せだったのか、なんてふと考えたりした。 最後まで読んだ後に残る余韻は、静寂だった。 すべて自然の中に還っていく。そんな気がした。
10投稿日: 2024.07.25
powered by ブクログ1ヶ月かけてじっくり読んだ。 海外の小説はいつも登場人物がこんがらがってよくわからなくなることが多いのだが、この小説はとても展開が追いやすかった。 さすが(?)翻訳小説部門大賞。 で、後書きにもあったけどサスペンスでもあり、生物学的でもあり、社会派な側面も持った内容で、奥深かった。 著者が学者だからかシーンそれぞれにその深みを感じた。(時に生々しい) そして最後のどんでん返し感。 え、、まじか、、ってなりました。 面白かったです。
8投稿日: 2024.07.20
powered by ブクログミステリーやヒューマンドラマみたいな色んな側面を感じる一冊でした。 ストーリーは当然のこと、動物の行動や自然の営みととても丁寧かつ、わかりやすく書かれていたのが印象に残りました。 物語と同じかそれ以上に動物や自然がいきいきと書かれていて、人間ていうものはその中のたった一つの種でしかない。みたいなことを感じさせる主人公でした
2投稿日: 2024.07.16
powered by ブクログまず作者で動物学者でもあるディーリア・オーエンズの描く動植物の生き生きした姿、自然の描写は素晴らしい。その環境に囲まれて成長する「湿地の少女」の幼少期~やがて死ぬまでを綴った作品だが、過去のパートと不審死事件の捜査をするパートが交互に描かれ、終盤交錯する。そして法廷劇の様相をも呈してくる。しかし判決は個人的には納得がいかないというか、説得力を欠くように思われた。落ちも弱く、散々ひっぱたあげく意外性のない結末に肩すかしをくらった気分。しかしそういった瑕疵を差し引いたとしても小説としての全体の評価は高く、アメリカはニューヨークタイムズ誌のベストセラーリストに73週以上ランクインしたというのもうなずける。映画化もしている。詳細→ https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou34101.html
0投稿日: 2024.07.13
powered by ブクログ著者ディーリア・オーエンズの本業が動物学者であるということに、まず驚かされる。小説家としてのデビュー作で、こんなにも壮大で奥深く完成度の高い作品を生み出してしまった。終盤は、ページを繰る手を止められなくなる。 その一方で、この小説は、動物学者である彼女だからこそ書くことができのだとも強く思う。 青年の不審死を巡るミステリを縦糸として通しながら、家族に捨てられ天涯孤独となった主人公の少女のサバイバルストーリーが骨太に語られる。 崩壊した家族の悲壮、共同体における理由なき差別の醜悪、救いの手を伸べる善意の尊さ、思春期における異性への押さえきれない欲望の純粋さと残酷…人の世における苦しみと希望が多面的に描かれると同時に、湿地の環境に溶け込んで暮らす主人公は、生き物たちと交流する中で、人智を超えた自然の真理を学び取っていく。その見地からすれば、所詮人間の営みやエゴなど、人の意識が生み出した幻想でしかないと思えてくるのだ。 この崇高さ。 格の違いを感じさせてくれる小説。
1投稿日: 2024.07.08
powered by ブクログミステリ色もあるが、少女の人生の物語。 両親と兄姉皆それぞれが家を出ていき、10歳から街はずれの湿地の小屋で一人で暮らす少女の造形と物語世界の湿地の自然の描写がすばらしく、”湿地の少女”が感じる不安・孤独・怖れが伝わってくる。 この静かな作品がアメリカでもベストセラーになったという。都会的な、刺激的な、エンタメ作品が溢れているイメージがあるが、アメリカも捨てたもんではない。
1投稿日: 2024.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前半はなかなか読み進められなかったけど、後半は一気に。家族が次々と去って行ってしまい一人残された少女カイアが自分独りの力で生き抜く姿と彼女を取り巻く自然の描写。小さな町であるが故に排他的で、少女は黒人の夫婦だけに見守られてなんとか生きていく。やがてテイトという青年が関わってくれて、文字を覚えてからは世界が広がり、テイトにも愛を感じるが、進学を機に棄てられたと思ってしまう。傷心のところに現れたチェイスに身をゆだねてしまうが、騙されていることに気づく。チェイスも貝殻のペンダントを肌身離さずしていたなら、カイアを愛してはいたんだろう。ただ、その愛情表現が乱暴であったためにカイアは身も心も傷つけられてしまう。 チェイスが死んで、その犯人捜しの章と、少女カイアが成長していく章が交互に進み、やがて収束し、そしてハッピーなエンディングへ、と思いきや。 フーダニットのミステリー、少女の成長と愛情、貧困と孤独、差別と偏見、そして環境問題も含まれる小説だった。
9投稿日: 2024.07.07
powered by ブクログ分厚い本でしたが、とても面白かったです。細かな自然描写が多い小説は読むことに疲れるため、あまり好きではなかったのですが、本作はそこに住む生物含め、情景が目に浮かぶほど詳細に描かれていて、逆にそれがなければ主人公の心の描写や世界観をここまで深く描くことはできなかっただろう、と思います。少女のときから強く生き抜いてきた彼女の強さと、そしてその静かな生涯にとても感動しました。孤独だけれども、支えてくれる人が少なからずいた彼女はその意味で幸せだったとも思いました。
1投稿日: 2024.07.05
powered by ブクログそっか、やっぱりそうなんか。だよな、「貝殻のペンダント」が出て来ない時点で、それしか無いかぁ。もしや、テイト?はたまたジャンピン?といろいろ選択肢が狭まり…でもカイヤは人生を全う出来て良かった…のか?
3投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログ非常に面白い作品でした。登場人物もそれぞれの個性があり、物語に没入するのに時間は殆ど必要ありませんでした。ミステリーという枠では捉えきれない幅の広い物語で、描写も細かくページを捲る手が止まりませんでした。主人公のカイアを幼いころから優しく見守ってきたジャンピンとその妻であるメイベルそして恋人のテイトのような偏見を持たずに困った人に寄り添えるような人物に自分もありたいと思わせてくれる一冊でした。
2投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログ自然や生物が動物学者ならではの視点で表現されていてとても良い!言葉の持つ力、美しさを再確認させられた作品でした。 海外ミステリと思って読み始めたけれど、ミステリは一種の要素で自然学、少女の成長譚、社会派小説などなど色々な側面を持った、一言では言い表せられない素晴らしい小説です。
11投稿日: 2024.07.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
海外文学のこの感じ、すごく懐かしい感じがして一気読み! 「彼女たちのはしゃぎ声はカイアの沈黙を際立たせ、仲のいい姿はカイアの孤独を増幅させた。」 この文章で、自分自身の孤独を感じた瞬間が鮮明によみがえってきた。それまでカイアの孤独について事実としてしか捉えられなかったのが、まるで自分ごとのように孤独を感じて、ページを捲りながら心がヒリヒリと痛んだり、チェイスに怒りを覚えたり、優しくしてくれる人たちの暖かさを心から感じたり。 誰かと一緒にいるために自分を手放すっていうのが、忘れられない。人間関係を築く上である程度自分を犠牲にしている部分はあるように感じて、だけどやっぱり本当の孤独では生きていかれないと思うし、なんだか切ない気持ちになった。 解説の、カイアが自然そのもののシンボルであるというのに物凄く納得。 あと、「心臓があばら骨を叩いていた」っていう表現が好きすぎる
3投稿日: 2024.07.03
powered by ブクログ結末は予想外ではない。 納得と共感は容易い。 他の道は危険すぎたのだから。 保安官がコレクションに魅了されてしまうところ、漁師が自分の記憶を疑ってみるところ、チェイスが生物の学名を聞いて呆気にとられるところ。渡る世間に鬼はなし。単に弱者の選択肢はより限定的だというだけ。 60年代のノースカロライナは遠く感じるが、見えないところで同様の目に遭う人は現代でもそこかしこに居る。 古本市で見かけて題名が読みたい本リストとして記憶にあったため気まぐれに購入。スマホも忘れてあっという間に読んだ。充実した時間だった。
8投稿日: 2024.07.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
めっっちゃいい。厚みのある本で、途中で離脱しかけつつようやく読み終わった。読み終わった瞬間2周目に入りました。アマンダ・ハミルトンの詩はどのあたりから出てきてるんだ! どれだけ寄り添ってくれる人にも本当の姿を全ては見せないカイアの生き方は、湿地に住む生き物そのものだなと思う。 湿地も沼地もこの時代背景も知らないけど、叙情的な描写で想像力が膨らむ。 ちょうど読み終わったらNetflixに映画が上がってた。 こんな奥行きのある長い本を2時間で…どういうふうに映像化されてるのか観るのが楽しみ!
2投稿日: 2024.06.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ミステリーを軸に美しい湿地を生きる1人の女性の成長と自立を描いた素晴らしい作品だった‼︎ 家族全員に置いていかれ、学校にもいかずカイラはどうなってしまうのかと思ったけど、優しい人に読み書きを習い、生物学の知識を深め湿地の生物愛好家として収入を得るという最高の形に落ち着いて良かった。 2人の男性との恋愛を通して自分の孤独と向き合っていく描写も好き。 彼女が本当に村の人気者チェイスを殺したのか?有罪か無罪か?とハラハラした。無罪で嬉しかったけど、でも、カイラがテイトから赤い繊維の帽子をもらったのは最近だよな...殺したのはカイラ?テイト?と思いながら読み進めて、最後に明かされる真実に拍手。目撃証言の不確かさなどとてもバランスが良かった。
2投稿日: 2024.06.25
powered by ブクログこれは名作!! フーダニットのミステリであることはずっと変わらないが、カイアの成長を通して描かれる自然の美と醜。生命の本質的なところを生物学の視点から細かく描写しており引き込まれていく。ザリガニの鳴くところを探して彷徨いたい。 海外作家の作品は、読み始め入ってきにくいと思っている人も多いと思うが、ぜひチャレンジして欲しい。 表紙も、絵画的な美しさに溢れていて好み。
3投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『流れのなかにあっても揺らがないものは、ただ、自然だけなのかもしれなかった。』 読んでいる間、ずっとカイアと一緒に湿地で生活しているような感覚だった。 ラストは「そうかぁ…」と放心状態になってしまった。てっきりテイトかジャンピンがカイアの為に殺人を犯したのかと思ってた… 殺人は確かにいけないことだけれど、カイアにとってはホタルと同じように、生きていく為に必要なことだったのだろうと思う。 カイアは家族に捨てられ、信じては裏切られての繰り返しだったけれど、最後は愛する人と一緒になって幸せだったと思いながら、旅立ってくれていたらと願わずにはいられなかった。
4投稿日: 2024.06.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
海外らしい言い回しや文章に苦手意識があったが、 こちらの本はすらすら読むことができた。 テイトとの別れからチェイスとの出会い~別れで カイアの周りにはロクな男性がいない!とうなだれてしまったがテイトはきちんとカイアに謝罪をし、関係を強いたりせずカイアの生活の後押しをしてくれて行動で愛情や償いを示してくれたのがよかった。 超ハッピーエンドというよりは少しモヤを残して終わる感じが好きでした。 しかしDV夫を恐れて幼い娘を置き去りにして2度と戻ってこない母親ってどうなんだ? 裕福な家なら何がなんでも殴られてるかもしれない愛娘を引き取りに来ないの?とそこだけ気になった。
1投稿日: 2024.06.20
powered by ブクログ物語としては、凄く素敵でした!ミステリーだと思うと物足りないと思いますが、自然の景色が浮かぶ表現で、自然に触れたくなりました! 後はミステリーというより、差別だったり、虐待、貧困、孤独などがテーマの文芸作品に感じましたね。
2投稿日: 2024.06.19
powered by ブクログとても好きな作品で惹き込まれた。 主人公の孤独さが痛いほど伝わり胸が締め付けられる。 私もテイトに救われた。 読後感は良い、と思うラスト。
10投稿日: 2024.06.18
powered by ブクログ帯にある通り、読後の感想を皆で語り合いたくなる話だった。 映画化されたの観てないけど、映像になると怖そうだな。
0投稿日: 2024.06.10
powered by ブクログ2020/06/19 読み終わった 2019年にアメリカで一番売れた本だということなので読んだ。1950年代のアメリカ東海岸中部の、白人貧困層の女の子の人生の物語。 アメリカの白人貧困層のことをホワイトトラッシュと言う。PS4のゲーム「レッドデッドリデンプション2」でもホワイトトラッシュのギャング団が出てきたのを思い出した。この作品の主人公は、たしかに教育も受けられない極度の貧困の女の子ではあるが、その代わり沼地の自然との豊かな関わりなど、(普通の人は義務教育の際に捨てていく)ある種の原始的な本能的知識、または幼さ、をずっと保ち続けている。そういう彼女の姿を見ると、悲壮感があるというよりはむしろ、現代の社会システムの方が不自然に思えてきたりもする。 で、その不自然さの最たるものが、沼地で起こる殺人事件かもしれない。 話は1950年代の女の子の子ども時代パートと、それから15年後くらいの殺人事件パートが交互にチャプターする形で進んでいく。 アメリカ中南部の湿地帯、沼地の暮らしって、ディズニーランドのカリブの海賊の最初のところの感じだろうな~と想像する。カエルの鳴き声とロッキングチェアと暖炉のぱちぱちに思いを馳せながら読んだ。
1投稿日: 2024.06.07
powered by ブクログ貧困、ネグレクト、戦争、DV、人種差別、いじめ、偏見、集団心理、自然破壊、恋愛、孤独、動物愛、植物愛、その全てが内包されている残酷で美しい話だ。 自然も人間も美しさと残酷さを共存させているが、ただし人間には自然にはない醜悪さが存在する。 人間の醜悪さに触れないために主人公は孤独な人生を選ぶが、孤独は孤独で簡単なものではないのだ。 趣旨とはずれるが、作者はおそらく猫好きだ。 ミステリーと孤独を愛する人間と相性の良い動物はやっぱり猫だ。 ちょっとしか登場しない猫の存在が個人的には、お気に入りだ。
1投稿日: 2024.06.01
powered by ブクログ自然と主人公の心情の描写が豊かで主人公に感情移入してしまった。そして、最後の章を読んでもう一度読み返したくなった。ただ、やはり、最後まではドキドキすることが少ない(この類のミステリーに求めることではないと思うが)ので、次のページを早く読みたいっていうような感情は、湧きづらかった。
1投稿日: 2024.06.01
powered by ブクログザリガニの鳴き声が聞こえるほど、自然そのものの懐深い場所 家族に置き去りにされた幼い少女カイアが、その場所を頼りに強く、孤独に、しなやかに生きる姿が描かれている ミステリー、とひと言では言えない大きな物語 この時代のアメリカの、性別、人種、階級、ありとあらゆる差別が、カイアの暮らす湿地と、街とをはっきりと隔てる溝のように横たわっている 溝を越えられるものは何か、事件をめぐる裁判のシーンはとても考えさせられる 物語のラストは、その全てをもってしてカイアが自然と一体になったことを表していると感じて、わたしは震えるほど感動した 自然に善悪はない、生きる知恵があるだけ 人間が、間違った方法で自然に近づき、力づくでそれを意のままにしようとしても、大きな力でしっぺ返しを喰らうということだろう
1投稿日: 2024.05.31
powered by ブクログラストで胸を衝かれて、しばらく息ができなかった。 真実を知る者は、後にも先にも彼女だけ。 そんな、もはや動かしようのない事実に激しく動揺し、どうしていいか分からなくなったのは、きっとわたしだけではないはず。 どこまでも美しく、怖ろしい秘密の物語。この読後感を、どうぞ覚悟して味わって。
2投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前半は少し退屈だったけど、父親との関わりや、思春期の恋愛が進むうちにどんどん夢中になった。 カイアに幸せになって欲しいと思って読み進めた。 無罪放免になった時は号泣したが、詩が見つかった途端一気に裏切られた気分になり涙が引っ込んだ。 後書きで、カイア=自然とは不可侵であり誰も奥底まで知り得ないのだと書いてあり納得して恐ろしくなった。
1投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログ前半の少女時代の物語がほんとに好き。 絵本のエッツの『わたしとあそんで』を思い出す。 みなしごの少女のいじらしさに胸がいっぱいになった。 少女時代だけでも読む価値がある。 早い段階で破滅を予感させて、読み手に緊張感をもたせる構成もよかった。 自然の描写が素晴らしく、作者の経歴を知って納得。自然に魅せられる人ってもう詩人だよね。
3投稿日: 2024.05.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ノースカロライナの湿地で村の青年の死体が見つかり、人々は真っ先に「失地の少女」カイアに目を向ける。 カイアは6歳で家族に見捨てられ、湿地で1人慎ましく生きていた。彼女の送ってきた日々と事件の様子とが交互に綴られていく。 とにかく文量が多い。しかし、それでいて読んでいて飽きさせない。 カイアは殺人の容疑で逮捕され、その裁判のシーンや判決を待つカイアの心情に胸がギュッとなった。 カイアは無罪だったものの、真犯人は……? その疑問に答えた最終章。読み終えてから「やっぱり……」となった。 ミステリーに分類されているが、純文学とも言えそうな描写の数々。自然の美しさ、人間の醜さが見事に溶け合い珠玉の一冊となっている。
5投稿日: 2024.05.19
powered by ブクログタイトルが気になり手に取った作品。 カイアの幼少期(冒頭)から読んでいて辛くなった。自然と共に生きるカイアを見て、読んでいるこちらも、自然について学ぶ事ができた作品。 「ザリガニの鳴くところ」はどこにあるのか… つい考えてしまいました。
3投稿日: 2024.05.19
powered by ブクログ広大な湿地帯に住まう生物達の習性を詳細に書き、そこに主人公の行動原理をリンクさせる表現が面白い。 湿地帯で貧困や差別に耐えながら、孤独に育った少女の世界の捉え方、恋や愛の捉え方は独特ながらとても筋の通った物でした。 自然描写が多いことから、話の展開がゆっくりに感じてしまったり、主人公の感情に入り込みづらい部分があったのが個人的には残念でした。海外小説の心理描写に慣れていないのかもしれない... ただ、ラストは王道ミステリーといいますか、最後まで読んでてよかったと思える内容です!
15投稿日: 2024.05.19
powered by ブクログ自然の描写に圧倒される 作中の詩が深みを増してる 夕暮れは食わせ者 から始まる詩が1番好きだった
1投稿日: 2024.05.16
powered by ブクログ2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位。ノースカロライナ州の湿地で、若い男性の死体が発見される。事件か事故か? 疑いの目は、「湿地の少女」と呼ばれるカイアへ向けられる。 彼女は6歳で家族に見捨てられ、たった一人で湿地の小屋で生き抜いてきたのだ。学校にも通わない彼女に読み書きを教えてくれた少年テイト。何かと面倒を見てくれるジャンピンとメイベル夫妻の存在に救われる。 そんな中、成長した彼女に近づくプレイボールのチェイスだが、前述のように死体で発見され、殺人容疑でカイアは逮捕される。1960年代いまだ人種差別が残る田舎の町。さらに白人間でも、貧乏白人(White Trash)と呼ばれる人々に対する偏見がある中で、彼女の裁判が開かれる。 ミステリに分類したが、謎解きの面白さといったものは、あまり強くない。謎解きよりも情景がよく書き込まれてる。後半にたびたび差し込まれるアマンダ・ハミルトンの詩とともに、この本の魅力と言えるだろう。実はこの詩人は〇〇なのだが。
66投稿日: 2024.05.14
powered by ブクログ湿地帯に静かに佇んでいる小屋があり、そこに貧しい一家が住んでいたのだが、父親の暴力から逃れるようにして、母親を筆頭に6歳ほどの少女を残して兄妹も家を捨て去った。 小屋に一人取り残されたカイアと呼ばれていた少女は、自分の本名すら知らなかった。 少女は優しかった母親から教わった僅かな家事の知識を頼りに、孤独な環境で必死に生きて行く。 そんな孤独な少女に、湿地の自然だけはとても優しく接してくれた。 貝や魚の恵みを与えてくれ、そこに生息する鳥たちの美しい羽根は少女の孤独感を慰めてくれていた。 少女の移動手段は小さなボートであり、当初は湿地帯で迷ったりもしたが、徐々に地形も覚え、操船も身につけて行く。 海で得たムール貝と干物にした魚は、優しくカイアに接してくれたジャンピンとメイベルの黒人夫妻が買ってくれ、ボートの燃料代を賄った。 尚且つメイブル夫人は、衣服などをカイアの自尊心を傷つけることのないようにして与えてくれた。 そんな夫妻にカイアは絶対の信頼をおき、実の父母として慕っていた。 そしてもう一人、ボートで迷ったカイアを救った歳上のテイトは、それを機にカイアに文字を教え、そして多くの書物をプレゼントしてカイアに知識を与え続ける。 その知識を基に、カイアは湿地帯の植物や生物の並々ならない膨大な知識と生物絵画の術を身につけて行く。 カイアが23歳の1969年、沼地にチェイスという青年の死体が横たわっていた。 その青年と、カイアはいっ時付き合っていて、青年は結婚話さえ持ち出していたことがあった。 がしかしチェイスは遊び人で、カイアは結果的に遊び相手に過ぎなかったのだ。 その彼を殺害した犯人がカイアではとの疑いが掛けられてしまう。 地元の人たちはカイアを教養のない野人の如く考えていて、責任感のない野次馬のような感覚でカイアを見ていた。 そしてカイアは逮捕される。 文句なしの圧巻の一冊だった。
1投稿日: 2024.05.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ずっと頭の中に行ったこともない湿地の光景が浮かびながら読み終えた。 やるせない。でも、愛を知って幸せを知って大好きな地で静かに亡くなっていったカイア。大きな秘密を抱えたままに。 ずっと自然が教えてくれた本能や摂理、それがカイアにとっての教科書で自分を守る全てだったのだから納得なのだけど、やっぱりやるせない。 とても揺さぶられた作品だったけど、翻訳ならではの英語的な文章(?)に少し読みにくさを感じてしまったので星3。
2投稿日: 2024.05.10
powered by ブクログ過去と現在が交錯され進む物語。ミステリー要素を含みつつ、雄大な自然とそこで一人ぼっちで生きていく女性カイア。貧困と差別、様々な要素が含まれており、湿地に住む動物たちの描写も素晴らしかった。
32投稿日: 2024.05.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自然の精緻、カイアの孤独の描写がとても美しかった。 ただ「景色が美しい」などという陳腐なものではなく、複雑に絡み合った生態系、生存政略をめぐらせた生物の残酷な美しさまで描き出している。 野生動物の生態、人間の生態…全く異なるように見えて、全く違いはないのだろう。 良くも悪くも、カイアは人間社会から切り離され、自然と生き、自然の一部となっていた。 だから自分が生きるために他者を殺すことに罪悪感も後悔も存在していない…ということに読後に気付かされた。 独房におけるカイアの心境が描かれてもいるにも関わらず、人間社会の枠組みから人間としてカイアを見つめるからこそ、彼女の善性を信じるからこそ、我々はカイアの無実を信じてしまう。 自然には善も悪も存在しない。生き残るための戦略だけが存在しているというのに。 結局、彼女を正しく理解し、全てを受け入れていたのは干潟の自然だけだったのだろう。 「差別をなくそう」という意識は概ね正しいが、その意識が正解を導くとは限らないのだと思い知らされる。 とても面白かった。
1投稿日: 2024.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
鳥肌立った、ベタだがおもろい カイア、よくぞやり切った笑 そしてカマキリやホタルの雌を見て、自然から学んで、自分の身を守ることを選んだのがアツい テイトか…?と思わせてくるのシャバいな、お父さんが亡くなったのは残念だけど ジョディ、良かったよ戻って来てくれて 展開は遅いというか、深いというか、描写が良い意味で細かすぎて読み応えたっぷり、幼少期のカイアの描写がしっかりしすぎてる これをどう映画化したのだろうか 64歳で死ぬのもリアルで良いね、まぁ成長期は不健康だったし湿地育ちにしては長生きかも テイト…偉いぞ アマンダハミルトンが自分だった、ったのも驚いた 他の詩人も混ぜてたから気付かなかった、いやーーよくできてる
2投稿日: 2024.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ようやく読み終わった、、、圧巻。 カイアの壮絶な人生。湿地の少女と呼ばれて嫌な呼び方と思っていたけど最終的には、お墓に彫られる程に。湿地の専門家になるカイアは本当にすごい。 チェイスには腹立って仕方なかったけど、当然の報い。しかしラストには驚かされた。ちょっと鳥肌です。おもしろかった!おすすめ!!
3投稿日: 2024.05.07
powered by ブクログ購入済み 2024.05.30.読了 文庫化を待ってすぐに手に入れたが、 良さがまったくわからない。 終始退屈な内容だった。 退屈を我慢して我慢してやっとたどり着いた結末もある程度予測がついたし、証拠の一つとなった赤い毛糸のなぞには触れられていない。 とにかくつまらなくて、早く読み終わりたい一心でページをめくった。
0投稿日: 2024.05.06
powered by ブクログその舞台となるのは、ノースカロライナの湿地帯。 多くの生物達が生息しており、豊かな自然の中。 人が生きてゆくのは厳しい。 主人公カイアが7歳の時母親が家を出て行く。 兄姉達も次々家を出る。 残された父も酒に溺れ、カイアの面倒は見ないのに、10歳の時、出て行ってしまう。 「湿地の少女」と呼ばれ差別されながらも、一人強く生きて行く。 学校に行かないカイアの唯一の友人テイトに読み書きを習うけれど…… 読み続けるのも嫌になるほど過酷な人生の連続。 しかし、後半からのミステリー部分、やめられなくなる。 最後の最後は圧巻! 読み終えてから、何日も何日もつい考えてしまった。
39投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログ読み終わったあと、ちょっと言葉が出てこない壮絶にやるせない物語 まっとうに人生を終えるべきでない人物がきっちりと無惨な死を迎えている点のみに救いがある
7投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
オーディブルにて。 オーディブルではかなり評価が高かったから読んで見たけど、純文学9.5割、ミステリー0.5割って感じ。 確かに綺麗な情景を表す文章だったけど、私には合わなかったかなー。
2投稿日: 2024.05.01
powered by ブクログ貧しい主人公の生い立ちや環境が感情移入しやすく、頁を捲る手が止められないくらい続きが気にって一気読みした。また、過去と現在の章立てになっていて、読者を上手く惹きつけるように考えられてるなと感じた。とにかく面白かったー。
2投稿日: 2024.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんというか、主人公の女の子の人生に吸い込まれる感覚を味わった。 この女の子ほど、「生」と向き合うことがあるだろうか。 結末は、女の子が自分の住む場所をどれだけ詳細にいたることまで熟知していたかを示すものだと思う。 殺人事件など法を犯すことはもちろん許されないが、彼女の人間らしさはとても美しく感じる。
2投稿日: 2024.04.28
powered by ブクログ本当の孤独に出会った一冊。湿地帯に生息する動植物の描写が緻密で、情景が目にまざまざと浮かびました。作者がアメリカの有名な動物学者と知り納得。69歳で執筆した初めての小説が驚愕の2200万部ベストセラー。美しく素晴らしい翻訳。原文と読み比べしたいけど、長編小説なので難しいかなぁ。 湿地帯で発見された青年の死体。村の人々から疑われたのは湿地の少女。物語は現在と少女の成長を交互に描いていきます。幼くして家族からも捨てられたカイアは、湿地帯で逞しく成長していきます。学校に通う事もなく、兄の友人から字を習いました。彼との淡い初恋。裏切り、愛と差別。辛い描写が多いですが、優しさと救いもありました。そして物語最後の詩。そこでは、自然界に残る本能と真実が残酷に表現されていました。カイアがどうなるのか気になって、読み進める手が止まりませんでした。 2022年に映画化されているので、そちらも観たいなぁ〜。
19投稿日: 2024.04.26
powered by ブクログ分厚い本なので読み切れるかと思ったが、読み始めたら止まらなくなった。 主人公の少女がとっても魅力的。 風景を想像しながら読むのは、本ならではの楽しさ。
3投稿日: 2024.04.22
powered by ブクログ鳴くをsingとしていたり最後の詩であったり主人公のメタファーであると思わせられる。自然とは何か思い知らされる。とても良い。
0投稿日: 2024.04.22
powered by ブクログ本のグループでもかなり話題になってたこの作品。気になりつつ、文庫待ちして、やっと読みました。いやあ〜〜すごい!圧倒的な作品でした。素晴らしい! 著者が69歳で初めて書いた小説だというから驚きです。でも、豊かに流れるような自然描写を読んでいて、動物学者だというのが納得です。 映画化されてるのは知ってたけど、読んでから観る方がいいと思って控えていて・・・読みながら、もうすぐにでも映像が観たい!と密かに興奮しています。ちなみに、翻訳物でありながら、登場人物表を、ほとんど見ないでスイスイ読めました。これはちょっと珍しい。それだけ、キャラクターが際立っていていたのかも。 いろいろな意味で辛いお話だけど、どうしようもなく最悪な状況でも、やっぱり人は人に頼ったり、助けてもらったりしないと生きていけない。 そして『人生は長い』のだ。 信じられないような裏切りも、差別も偏見も暴力も、はたまた、知らなかった見えていなかった、優しさや、愛情や友情や、そういった全てのことが、時を経ていくことによって、形や色が変わっていく。 どうしても、カイアの目線・気持ちで読み進めてしまう。しかし、テイト、ジャンピン、メイベル、サラ、そういった人たちの心に、さりげない言葉に泣けてしまう。カイアが大人になってからのジョディとのシーンは特に泣けてしまいました。ああ〜〜〜人生というのは、後になって気づくことが、なんて多いことだろう。 印象に残ったところ少し… ーーーーー 湿地は、彼女の母親になった。 これは人生の教訓よ。私たちはぬかるみにはまったわ。でもそんなときに女の私たちはどうした?楽しんで、笑ったでしょう。これそが姉妹や女の仲間がするべきことなの。泥のなかでも、いえ、泥のなかでこそ、そばにいて団結するのよ。 本物の男とは、恥ずかしがらずに涙を見せ、詩を心で味わい、オペラを魂で感じ、必要なときには女性を護る行動ができる者のことを言うのだと。 死ぬこと自体はさほど気にならなかった。この影のような人生がおわるからといって、何を恐れる必要があるだろう。ただ、他人によって自分の死が決定され、日程が組まれ、殺されるというのはあまりにも理解し難い状況で、想像するだけで息が止まりそうになるのだった。 心を 軽く見てはならない 頭では想像もつかぬことを 人はできてしまうのだ たとえ自分の異質な振る舞いのせいでいまがあるのだとしても、それは、生き物としての本能に従った結果でもあった。 ーーーーー ああ〜映画、早く観たいなあ!
11投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログ湿地で1人生きるカイアの人生が自然とともに綴られており、かなり読み応えがあった。 途中の詩のところは飛ばして読んでたけど、最後の詩は2度見した。 全体的に暗い雰囲気ではあるけれど、洒落感のある文章で惹きつけられる話だった。
4投稿日: 2024.04.18
