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日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1
日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1
小林泰三、沙藤一樹、朱川湊人、森山東、あせごのまん/KADOKAWA
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総合評価

9件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1番最初の「玩具修理者」だけおもしろかった。他はよく分からなかった。20〜30年くらい前の作品だからかな? 昔はこういうよく分からない感じの作品が人気だったの? 日本ホラー小説大賞の文庫本、何冊か出ているみたいだけどもう買わないかも。「日本ホラー小説大賞2」はもう買ってしまったので、そちらを読んでから決めようかな。 ■玩具修理者(小林泰三) 30ページ程度。短いけど、おもしろかった。聞いている人が道雄なのかなと予想は出来たが、お姉さんが猫の目になっていたのは予想外!生き返った猫の目は、玉になっていたって言ってたね! 道雄は、玩具修理者に脳も脊髄も分解されてしまう描写があるのだが、細すぎてなんだかリアル。苦手な人はご飯前後に読まないほうがいいかも。 ■D‐ブリッジ・テープ(沙藤一樹) →リアリティのない話だった。未就学児が、猫を食べたり、自分の足や左手を切断したりできるか????大人でも無理だよ。。痛みとか出血とかで死んじゃうよ。。 まず、足を車に轢かれた時点で死んでると思う。。 あとテープを聞いている大人たちもよく分からなかった。なんで最後車が爆発したのか?ネンがやったの?? ■白い部屋で月の歌を(朱川湊人) →悪霊に取り憑かれたリョウの発想にびっくり。まさか幼稚園児皆殺しにしない代わりに、絶対出来ないだろう提案するのは鬼畜の所業。それでも、ジュンは走った。 ジュンは、お世話になった先生より、恋をした女の子のことを覚えていた。先生からしたら不憫。 ジュンは大人の趣味用の人形ってことは、見た目は大人?アレがついた人形ってどういうこと!?イメージできなかった。何も知らないから知能は子どもだと思う。 先生も、ジュンは美しいって形容してたけど、「気持ち悪いでぶのおばさん」(幼稚園児より)、「デブ女」(リョウより)と呼ばれていたので、どういう女性をメージすればいいのか分からなかった。 ⬛︎お見世出し(森山 東) →はじめは、舞妓さん言葉?で読みにくいと思ったが、読んでいるうちに慣れてくる。 あの世からやってきた幸恵が帰らない!と言うのは予想通りだったが。。。ラストはよく分からなかった。 最後は、千松が西田に取り憑いたってこと? 幸恵は、綾乃の体を乗っ取ったの?それとも、幸恵は綾乃のそばにいてアドバイスしてるの? 最後の「左足から」は、誰が誰に言ったんだろう? ⬛︎余は如何にして服部ヒロシとなりしか(あせごのまん) →なんかよく分からなかった!もう実は鍵和田は死んでいるの?サトとママがおかしいの?鍵和田がおかしいの? なんか。。取り留めのない変なエピソードが続いている感じだった。魚の目抜かれたり、人形の肉食べたり、子カラスの足を切ったり。 あとは性的な表現がけっこうあり!

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    投稿日: 2025.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小林泰三ほか『日本ホラー小説大賞《短編賞》集成. 1(角川ホラー文庫 ; あ9-15)』(KADOKAWA) 2023.11発行 2025.5.28読了 小林泰三「玩具修理者」  第2回日本ホラー小説大賞《短編賞》受賞作(1995年)。  小林泰三の小説は他にも読んだことがあるが、今回読んで改めて私には合わない作家だと思った。  本作品は喫茶店で談笑する男女のシーンから始まる。女は幼少時代の奇妙な体験について語り出すのだが、女の話にはスプラッター表現がふんだんに盛り込まれており、実にサイコパス的である。死人ですら蘇らせることができる玩具修理者に、弟の道雄と自分の顔を修理してもらったという話だが、実は喫茶店で談笑している男女こそがその姉弟だったというオチである。  「姉さんはいったい何者なんだ?」「道雄こそ何者なの?」というラストのセリフは、哲学的な要素も秘めていて、実際、作中では生物と無生物の境界について論議が交わされるシーンもある。  一個の作品として完成度が高く、日本ホラー小説大賞受賞もうなづけるのだが、女の語りがB級映画を観ているような安っぽさがあり、物語に没入できなかった。 沙藤一樹「D-ブリッジ・テープ」  第4回日本ホラー小説大賞《短編賞》受賞作(1997年)  ゴミ捨場と化した近未来の横浜ベイブリッジで発見された身元不明の少年の遺体と一本のカセットテープ。そのカセットテープを横浜市役所の会議室と思しき場所で役人たちが再生する。そこには少年が横浜ベイブリッジに遺棄されてから死ぬまでの生き様が少年自身の言葉によって吹き込まれていた。  文章のほとんどは少年の台詞で構成されており、一部に役人たちの会話が含まれる。まるで映画の脚本のような文体であり、筆者自身の語りは極力避けられている。  少年と役人が対比的に描かれており、少年が生への執着心や己の存在の認知を求めてカセットテープに音声を吹き込んでいるのに対して、会議の場でカセットテープを紹介した相原氏の目的は横浜ベイブリッジを含む旧臨海区域開発計画に多額の予算をつけるためにすぎない。そのため、カセットテープを聴く役人たちの反応は冷たく、人道的処置の必要性を強調して予算を通そうとする相原氏の見え透いた策略に食傷気味だ。最後に火を放って少年を焼き殺した犯人は、相原氏に間違いなく、なおさら、相原氏の非人間性が強調されている。  少年の言葉遣いが荒っぽいほか、猫を食ったり、脚が腐ったりするシーンが含まれているが、情景が目に浮かぶほどの迫真性があり、後半になるにつれて、少年に感情移入できるようになっている。  ホラーとはややジャンルを異にしているようにも思われるが、読者を物語の世界に引き込む素晴らしい作品だと思う。 朱川湊人「白い部屋で月の歌を」  第10回日本ホラー小説大賞《短編賞》受賞作(2003年)  霊能力者「シシィ姫羅木先生」のもとで除霊のアシスタントをしている主人公「ジュン」は、先生が引き剥がした霊を一時的に体の中に封じ込める「憑坐」を務めていた。ジュンは先生に対して敬語を用いるなど一定の知性を有している様子であるのに、なぜか介助なしでは立ち上がることができず、そればかりかイルカという言葉さえ知らないということが次第に分かる。それなのに、ジュンは先生を満足させるだけのいっぱしの男根を持っているという年齢不詳の得体の知れない人物として描かれている。  結局のところ、ジュンの正体は自分を人間だと勘違いしているディルド付き人形であることが明かされる。物語は読者をジュンの純粋な感情に共感するように誘導しようとするのだが、私は、そのような出自の人形に共感を覚えることができなかった。ジュンが恋心を抱いているキャバ嬢の「恵利香」とて同じではなかろうか。ストーリーはしっかりしているが、私には今ひとつだった。 森山東「お見世出し」  第11回日本ホラー小説大賞《短編賞》受賞作(2004年)  出張で京都にきたサラリーマンが、夜遊び慣れした同期の紹介で「お茶屋」、つまり舞妓遊びができるお店に行く。そこの小梅という舞妓から、自身の2年前のお見世出しの話を聞く。お見世出しとは、京都の花街で修行を積んできた少女が舞妓としてデビューする晴れ舞台のことである。お見世出しの日を夢見て稽古に励む小梅・綾乃は、あるとき自身が30年前に自殺した舞妓見習いの少女・幸恵と瓜二つだと知る。幸恵が着るはずだった黒紋付を着てお見世出しに臨んだ綾乃だったが、怪異が発生して……という話。オチとしては、綾乃はすでに幸恵に体を乗っとられていて、そればかりか小梅の話を聞いていた同僚までもが体を乗っ取られてしまうというもの。  話の構造は枠物語であり、挿入話部分は小梅が語り手となっている。京の芸舞妓が用いる独特の言葉遣いで文章が紡がれており、筆者の力量を感じさせる作品である。 あせごのまん「余は如何にして服部ヒロシとなりしか」  第12回日本ホラー小説大賞《短編賞》受賞作(2005年)  内村鑑三の「余は如何にして基督信徒となりし乎」のパロディ作品かと思って読み進めていたが、共通性は全くなかった。しかし、パロディのような遊び心に富んでいることは間違いなく、シュールな展開にホラー小説にも関わらず笑ってしまった。読者を笑わす文章は、読者を怖がらせる文章と同等以上に書くのが難しいので、筆者のセンスは申し分ないということになるのだろう。  31歳の誕生日直前に彼女に振られた鍵和田は、やけを起こして仕事を辞め、肉感をそそられて女のあとをつけていた。しかし、尾行がばれてしまい、とっさに「中学時代の同級生だった服部ヒロシのお姉さんではないか」と誤魔化したところ、女はそうだと言い、ヒロシが帰ってくるまで、服部家で待たせてもらうことになる。ところが、服部家の家の前の木にはなぜか人糞の入ったビニール袋が吊り下げられており、庭の畑には生ごみが散乱しているなど一通りではない。その後、湯の張っていないハリボテの湯舟にサトと一緒に入ったり、反吐を食ったり、上の毛と下の毛が赤いママが登場したり、人魚の干物を食ったりと脈絡のない展開が続いていく。最終的には、鍵和田は服部家からヒロシと呼ばれるようになり、いくら自分は鍵和田だと言っても相手にされなくなってしまう。  自分が徐々に失われていく恐怖を描いているという論評があるが、むしろそのナンセンスな筆運びこそ評価すべきだろう。 https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I033151014

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    投稿日: 2025.05.28
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    角川のホラー小説大賞短編賞を受賞した5作品をまとめて掲載してあります。『玩具修理者』や『お見世出し』など既に鬼籍に入られた方の作品もあり、まとめて読むには良い本でした。でもホラーって正直幅が広すぎる上に読んでも意味が理解出来ない作品もあり(私の理解力がついていけないだけなのでしょうが)、「???」となることも多かったです。

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    投稿日: 2024.11.24
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    小林泰三『玩具修理者』 いや〜いいホラー。ゾクッとはしないが、読んでいてドキドキしてどんどん読んじゃう。話の運びから設定まで良い作品でした。 沙藤一樹『Dーブリッジテープ』 ぁぁぁぁあああ!!!いやぁぁぁぁああ!!って描写が多い。イチイチムカつく金持ちズとあんまりにも可哀想な子供達。足と車のドアの部分とかバスの中で思いっきり顔を顰めてしまいました。二人とも私が覚えててやるからな!!!いやほんとに!!! 朱川湊人『白い部屋で月の歌を』 ホラー、というよりかは幽霊の出てくる小説というイメージ。ただ最後の終わり方とか、主人公の設定とかがすごい!!!良い作品でした。 森山東『お見世出し』 これが一番好き!!!ホラーなんだけど、雅というか、静かな異質さが良い!!!終わり方も秀逸。 あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシと なりしか』 怖いというか気持ち悪い! 知らんおっさんに首筋舐められてるみたいな嫌さ。 よく分からん世界がよく分からんルールで進むこの感じ…嫌ですねえ…

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    投稿日: 2024.08.31
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    日本ホラー小説大賞の短編賞受賞作品のアンソロジー。 小林泰三「玩具修理者」朱川湊人「白い部屋で月の歌を」は既読だったんですが、まったく内容を忘れていました。ここまでさっぱり忘れられるものかと思うくらい忘れてて己の記憶力のなさに悲しくなりました…が、初読のような気持ちで楽しめたのでそれはそれでよしとします。 一番最後の「余は如何にして服部ヒロシとなりしか」が意味わからな過ぎて、あーこれ多分意味わからんまま終わるんだろうなぁと思って読んでたら本当に意味わからんまま終わった…。 玉石混交という感じのアンソロでした。

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    投稿日: 2024.05.25
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    1994年~2011年の間に設けられていた、日本ホラー小説大賞・短編賞を受賞した作品を集めたアンソロジー。(自分にとっての)新しい作家に出会えることを期待して、手に取ってみた。 収録されているのは、以下の5作品。 ・小林泰三『玩具修理者』(1995年・第2回) ・沙藤一樹『D-ブリッジ・テープ』(1997年・第4回) ・朱川湊人『白い部屋で月の歌を』(2003年・第10回) ・森山東『お見世出し』(2004年・第11回) ・あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』(2005年・第12回) 『玩具修理者』のみ既読で他4作は初見だったが、一番面白かったのはやはり『玩具修理者』。テキストから滲み出るグロさ、おどろおどろしさ、それだけに終始しないストーリーテリングと衝撃的な展開。間違いなく他よりも頭一つ二つ抜けていた。 『D-ブリッジ~』、『余は如何に~』は生理的嫌悪感に奔り過ぎて物語としての面白さがイマイチで、『白い部屋で~』は設定・展開的に十分に良作となる要素があったように感じたが、うまく魅せることが出来ておらず消化不良な読後感。『お見世出し』は作品としての完成度が高い優等生的作品だが、ちょっと優等生が過ぎたか、インパクトに欠けていた。 「やっぱり小林泰三は面白いな!」という結果に落ち着いてしまい、素敵な出会いは得られなかったが、めげずに次は集成2に当たろう。

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    投稿日: 2024.05.17
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    表紙のインパクトにつられて読みました。 有名な「玩具修理者」が読めたのが嬉しかった。 純粋にホラーっぽく怖かったのは「お見世出し」かなあ。 「余は如何にして〜」は、生理的に嫌な感じ。

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    投稿日: 2024.02.16
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    小林泰三『玩具修理者』 沙藤一樹『Dーブリッジテープ』 朱川湊人『白い部屋で月の歌を』 森山東『お見世出し』 あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』

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    投稿日: 2024.01.21
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    小林泰三の玩具修理者が突出して出来がいいと思う。ゾクゾクする恐怖でストーリーテリングも素晴らしい。他はスプラッターホラー要素が強くて、恐いというか生理的嫌悪感で恐怖感を煽るような所が気になる。

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    投稿日: 2024.01.13