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総合評価

155件)
4.0
41
75
26
4
1
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    大正時代の大阪、船場の商家での話。巫女さん、エリマキ、登場人物が魅力的。文体も読みやすく、その時代・場所に馴染みのない私でも抵抗なく、展開もとても気になりするすると読み進められた。エリマキと主人公の深まる仲も良かった。エリマキが情と人間味があり可愛らしく感じる場面も多々。描写はぞっとするシーンもあり、しっかり怖かった。クライマックスシーンもラストもとても好きです。読んで良かった。本当に面白い。

    0
    投稿日: 2025.11.24
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    まず何より文章が上手い。無駄のない、非常に優れた技巧により、頭の中では大正時代の大阪の風景がありありと浮かび、そこに生きる市井の人たちの声が音声付きで再生されるかのよう。 人間と人外の者のバディによる掛け合いも楽しく、儚さと禍々しさを感じさせる物語も素晴らしかった。

    1
    投稿日: 2025.11.02
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    壮一郎は巫女の口寄で亡妻が成仏していない事を知り,不成仏霊を食う顔無エリマキと出会う。商家の因習による呪いを解き,死者達を成仏させようと奮闘する。エリマキは不気味だが最高の相棒。

    13
    投稿日: 2025.10.20
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    大正時代、妻の倭子を喪った壮一郎のもとに訪れた妻の気配。それは生前の彼女と比べると非常に歪なものだった。他でも死んだ者を目撃したという情報を探り、壮一郎は異形の存在エリマキと出会う。しかし霊を喰うというエリマキすら、倭子の霊には恐れをなすのだった。ひっそりとした雰囲気の、恐ろしくも物悲しいホラーです。 充分な時間を共に過ごす前に妻を喪ってしまった壮一郎の悔恨がじわじわと心を蝕むようで、とにかく淋しい。そんな中で現れた倭子の気配が慰めになるのかと思いきや、不気味さが深く突き刺さってきます。あからさまに恐怖を煽ってくるような描写ではないのですが、だからこそ逆にこの何とも言えない歪さが印象的でした。 エリマキの存在がとても魅力的。長い時代を過ごした存在で、死者の霊を喰う(しかもそのシーンが案外グロテスク)という、怪物に近い存在なのだけれど、やたらと人間らしさを感じてしまいます。たしかに彼を「化け物」とは言いたくない気分。一番頼りになる存在でもありますしね。 そして終盤……これは本当にぞっとします。だけど死者はひたすらに悲しく、恐ろしいのはそのもととなった妄執そのもの。死者を捕らえ続ける終わりのない呪いの苦しさが恐怖の本体かも。しかしその中でもやはりエリマキの存在は救いとなりました。読後感も穏やかです。

    11
    投稿日: 2025.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ★3の中。 ほーら、ほら、ホラ? 涼しくなってもホラーです。 最近あんまり読んでなかったんだけど久しぶりに図書館から「予約してる本が来てるからさっさと取りに来んかーい!!」とでも言わんばかりのお叱り(嘘)メールが。 舞台は大正末期の大阪。 昔の方言もてんこ盛りで耳触り、いや目ざわりかな、心地良い。 ボリューム的には中編。 これは「エリマキ」というキャラが秀逸過ぎる。いいね。 話の筋はホラーではほぼ定番の「死んだはずの人が」系。 怖くて、 哀しくて、 愛しくて、 忌まわしくて、 せつない。 詳しい内容が知りたい方は他の人のレビューへどうぞ。 カクノメンドイ。 中盤までは上手く怖がらせてくれた。 でも後半はなぁ。 バトルかな? 鬼太郎バトルかな? そんな気がした。 あ、あとね。難を言えばたまにどっちが言ったのかわからなくなるセリフが多かった。 主人公とエリマキね。 僕とか俺みたいに人称を変えるとか、口調を変えるとか、相手の名前をセリフに混ぜるとか、もっとやりようはあったんじゃないかな。 「をんごく」という言葉の意味もちょっと肩透かしだった。 てっきり「地獄」「煉獄」系で。 「をんごく」→「怨獄」。 みたいな意味かとワクワクして読んだから、勝手に期待値上げすぎたのかも。 ケチばっかつけてるけど、エリマキのキャラはおいしいので、それを思いついた作者の勝ち。 これ、続編って話はないのかな? まだまだ噛んで味の出そうなキャラだけに書いたほうがいい。 エリマキを中心に据えて、いろんな人と出会って、あんなことやこんなことがありましたって話でいけるだろ。 連作短編で。 なんたって彼の歴史の千年以上の枠で書けるから懐が深い。 で、最後はあの巫女と出会う最終話を持ってくる。 帯には「あの、をんごくのエリマキ再び!」。 「エリマキ」の文字だけデカくして血のような赤い色で。 出せば「をんごく」も追加で売れるんじゃないかなー。 これをご覧の角川書店様、編集者様、作者様、並びにご関係者様。 ぜひご一考を。 でもって売れたら饅頭でも送って下さい。 もちろん饅頭の下には現金を敷き詰めてねー(笑) オヌシモワルヨノー  フッフッフッ オダイカンサマニハカナイマセンヨ ウハハハハハハッ!! ムッ! ダレダッ! ミ、ミナノモノッ! クセモノダ!  デアエッ! デアエーッ!! チャーン♪ チャンチャンチャンチャンチャンチャンチャーン♪ ズバッ! キーン! バシッ! ヒカエーイ ヒカエヒカエヒカエオロウ! コノモンドコロガメニハイラヌカ! コチラニオワスハサキノフクショウグン ミトミツクニコウナルゾ ヒカエオロー!! ハッ、ハハーッ なんのレビューだっけ(・・?

    42
    投稿日: 2025.10.11
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    素晴らしかった、、 怖くもあり、グロさもあり、なぜか美しさも感じました。文字や言葉だけで、静かにしっかり恐怖が伝わってきて、すごい。 大正末期の大阪が舞台で、独特な言い回しだけど、すっと読めて世界に入り込んでいた。 文字だけなのに、目の前に情景が浮かんでくるようだった。 『をんごく』の意味も『うしろ』の意味を知った時の恐怖たるや… エリマキの登場シーンも不気味で衝撃的なのに、気づいたらエリマキがなんか可愛いとさえ思えてしまう。これがデビュー作とかすごすぎる…

    12
    投稿日: 2025.10.06
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    辻村深月 "滴るようなホラーの色気がある傑作" 道尾秀介 "文句なしに推すことができた" お亡くなりになりました妻はんの気配が家の中にいたしますさかい、巫女はんに相談に参られました壮一郎はんが言われました言葉がこちら 「何が来ても知りまへんさかいな」(コワッ) 巫女はんの異形のお連れはんも首をかしげはるほどの怪異の正体とはいったい?! 大阪弁の中でも特に上品で格式のある船場言葉で進みます物語は、怖ろしゅうも幽玄で美しゅうおす ところで、この本は横溝正史ミステリ&ホラー大賞を受賞作でおますが、本の最後には落選作についても著名な作家はんの選評がまるまる掲載されておまして、その厳しゅうて愛あるムチにも背筋が凍る思いをいたしました(ゾーッ) Soichiro, who went to consult a shrine maiden because he sensed the presence of his deceased wife inside the house, was told this: "I don’t know what may come." What is the mysterious identity of the uncanny phenomenon that even made the shrine maiden and her strange companion tilt their heads in puzzlement!? The story, told in the elegant and refined Semba dialect of Osaka, unfolds with a terrifying yet ethereal beauty. By the way, this book won the Yokomizo Seishi Mystery & Horror Award, and at the very end of the book, comments by famous authors on the rejected works are published in full. Those strict but loving critiques sent chills down my spine!

    135
    投稿日: 2025.10.06
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    北沢陶のデビュー作を是非読みたいと思ったので。2023年の横溝正史ミステリ&ホラー大賞「大賞」「読者賞」「カクヨム賞」をトリプル受賞した大作。選考委員がこれまた錚々たる顔ぶれで、当時の選考総評(落選作にも赤裸々に言及していたのがよかった)が読めるのがありがたい。 大阪府出身の作者、それに相応しい大正時代の船場の訛りがやわらかく響いて、格調高い文体のホラーとうまく融合している。「巧い」だけでなく、退魔師エリマキが現れてからは「面白いエンタメ」に変わる。おおそういう話か、とは思わされたが変わらない推進力でまったく飽きずに読み上げてしまった。まさしく今後の活躍に期待大。すっかりお気に入りの作者になってしまった。

    2
    投稿日: 2025.10.04
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    『骨を喰む〜』とは違った世界観だった。怪談ではあるがファンタジー要素がありストーリーがある。古い言葉・方言でじっくり読ますので小説の世界に吸い込まれる。最後はおさまるところにおさまるので読後感はよい。

    2
    投稿日: 2025.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ホラー小説で大正時代の大阪が舞台なのって珍しい気がする。 死んだ妻が怨霊となって現れる。きちんと弔いをしたはずなのに、なぜ。 東京から移り住んだ大阪の実家で怪異を目の当たりにするあたりがとくに面白かった。 前半、リアリズム寄りかな、と思いきや、この世をさまよう死者の魂を何百年と食い続けているエリマキなんてキャラが出てきたのでびっくりした。 怪異の原因である「願ほどき」は、ちょっとインパクトが弱く感じた。歴代のみんながみんな家の繁栄を願ったとは、どうも思えなくて。 文章がいいので読んでいて気持ちよかった。

    1
    投稿日: 2025.09.14
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    第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作も納得! ただただよかった。大正時代の大阪の言葉も景色も物語全体に艶があり、素晴らしかった。今まで読んだホラー小説の中でも10本の指に入る。

    3
    投稿日: 2025.09.01
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    ホラーかと思いきや、感動ストーリーでした。エリマキが、いつの間にやらヒーロー的存在に。主人公が、暗くなく、どちらかというとポジティブなところもいい。

    4
    投稿日: 2025.08.22
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    物語前半はゆっくりしたペースで読み進めていたのだが、中盤頃に世界観が理解できてから一気に読み終えた。 文章が分かりやすく、大阪の会話ということで一部理解できていないところもあったかもしれないが、人物描写も分かりやすく話も面白くて楽しめた。

    1
    投稿日: 2025.08.18
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    ストーリーがわかりやすくてすごく読みやすかった。 簡単に言うと化け物とバディを組んで化け物を倒す物語。

    1
    投稿日: 2025.08.17
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    するすると頭に入ってくる読みやすい文章 主人公の目的が一貫しててわかりやすかった  エリマキは優しい

    1
    投稿日: 2025.08.16
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    「奥さんなほんまに行んでもうたんでっか」 大正時代末期、妻を亡くした主人公は巫女に降霊を依頼するが上手くいかず妻の霊について調べていくうちに… 大正時代の空気感を感じ、“エリマキ”との相棒感も良し! 恐怖というよりは哀しさを感じる、上品なホラー作品だと思った。

    11
    投稿日: 2025.08.05
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    「うしろに」の意味がわかったとき怖かった。 するする読みやすく一気に楽しめ、大正時代の空気を感じた。

    1
    投稿日: 2025.08.03
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    骨を喰む真珠を読んで、デビュー作にも興味を持ちました。 舞台はやはり大正時代の大阪。ホラー作品なので怖いのかな?と構えていたのですが、おどろおどろしい怖さはありません。テンポが良く、先が気になって一気に読めました。頭の中で情景が浮かびやすかったです。 読後感も良い作品でした。

    10
    投稿日: 2025.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いい文章で、本の中に入り込んだような気持ちになる。 最初はホラー要素があり、これからどんどん怖くなるか?と思いきや、終盤にかけて怖さはなくなるので少しだけ残念だった。 映像化してもいいような作品だと思う。絶妙なバランス。 歌がいい味を出していて、ちゃんと解決して終わっていて、モヤモヤ感もなく良い読了感だった。

    2
    投稿日: 2025.07.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    先に「骨を喰む真珠」を読んでいました。 どちらもグイグイ引き込まれましたが、私はこちらの方が好みです。 ホラー感はあまりありません。 怖さもそれほど……という感じ。 哀しくて美しい夫婦愛が切なかったです。 欲を言えば、結婚して睦まじかった頃をもっと見たかったなと思います。 また、何と言っても登場人物が魅力的。 おそらく多くの人が同じ感想を持ったと思いますが、エリマキがお気に入りです。 この一作のみのキャラクターなんて勿体無いと思うくらいです。 主人公とエリマキのバディ、それに巫女を加えたトリオがとても良い。 最後、ヒヤヒヤしましたが、キレイに収まって一安心。読後感も良かったです。 これがデビュー作とは驚きです。 また作者さんの違うお話も読んでみたいと思いました。

    2
    投稿日: 2025.07.29
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    綺麗な作品。 この前、初めてこの作者を知り、探して2作目。 ホラーにしては全く怖くはないけれど、エリマキのキャラクターがよかった。 船場って、息子がいても婿養子で優秀な(いいなりな?)後継を迎えるって言うのを初めて知った。細雪の世界。

    2
    投稿日: 2025.07.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    怖いという感じはあまりなく、面白かった。 "エリマキ"という存在も面白かったし、"エリマキ"の正体も分かったし、"エリマキ"を1人の存在として接していたから壮一郎は最後守られたのかなと感じた。

    5
    投稿日: 2025.06.29
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    最初から雰囲気があってよかった。どうなるのか焦ったが、いいようにおさまってホッとした。方言や時代設定がいいのかも。

    2
    投稿日: 2025.06.26
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    美しくも、儚い幽霊の話。 妖怪好きの私が幽霊と断定しているのだから、この出方は幽霊でしょう。妻を愛する男、巫子、そしてエリマキ様と登場人物がどれも感情豊かで素敵でした。ホラー小説ですが怖さは控えめで、代わりに美しさが多めの一冊です。

    2
    投稿日: 2025.06.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大正末期の大阪で妻を亡くした画家の壮一郎は最愛の人の死を受け入れられず、巫女に口寄せを依頼する。通常の霊ではないと警告されるが… 何者にもなれず彷徨っている霊を喰うエリマキを受け入れ、自宅で起きた妻に関する謎を共に解決するホラーミステリー。 妻・倭子の生前の姿を描こうとしても描けない苦悩や、自分が何者なのかわからず千年彷徨ってる霊だけを喰ってきたエリマキが化け物と言われず壮一郎にだけは受け入れてもらえる場面はホラーな展開を忘れてしまうくらい切なくてブロマンスだった。

    6
    投稿日: 2025.05.27
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    「をんごく」という言葉の意味よりも、物語全体にかかる冷え冷えとした霧雨のような異質さが本作にはあります。 呪詛によって得られた栄華が怪異を呼び込み、怪異によって呪詛が拡大、独り歩きをし始め、仕舞いには時代や空間さえもごちゃごちゃにして巻き込む、憎悪と化す。 味方の怪異的存在さえも怯えて震えるほど、無為に膨張した怨念に取り込まれた愛妻を救う物語です。

    62
    投稿日: 2025.05.24
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    ゾクゾクする怖いものが読みたくて選んだけど、期待はずれだった 怖くもないし、なまりで何言ってるのかよくわからない部分もあり、眠さを堪え無理やり最後まで読んだ。

    2
    投稿日: 2025.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    素敵な作品でした。怖いという感じではなかったけど、綺麗な文章でお話の世界観が丁寧に表現されてますね。これがデビュー作って、かなりすごいのでは……!?「願ほどき」って本当にある儀式なんですね、知らなかった。お話の設定に上手く活かされてる〜〜。エリマキや巫女さんたちのキャラもいいですね。 ただ、kindle版で読んでいたら後半いい感じの所に2箇所誤字があり、「これはもう一波乱あるのか……!?」と思ったら特に何もなく完結して……本当にただの誤字でした。笑 ホラー小説で誤字があったらねえ?期待しちゃうよねえ??

    1
    投稿日: 2025.05.06
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    記念すべき、今年100冊目の読了本です。 時代小説が苦手な私が読みたいと思う作家さんです。時代が現代ではないのが、ホラー感が強くなる感じなんだと思う。主人公が優しいので、怖いだけじゃなく、優しさや、寂しさや切なさなどいろんな感情が混ざる物語だと思う。

    2
    投稿日: 2025.04.29
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    今までにない世界観にぐいぐい引き込まれて、捲る手を止められず最後まで一気に読みました。文章が流れるように読みやすく、素晴らしい作家さんだと思いました。 夫婦の互いに寄せる想いが優しくて切なくて、沁みました。人間でないものと壮一郎が次第に心を通わせて、ともに解決していく様子もとても良かったです。 ミステリーとホラーを含めた壮大なファンタジーで、本当に面白かったです。

    10
    投稿日: 2025.04.28
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    『骨を喰む真珠』の時もそうだったが、だんだんと盛り上がって、読むのが止まらなくなった。 展開も結末もおもしろい!

    1
    投稿日: 2025.04.26
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    ホラーなのにバディ物という、怖いのに爽快感もあり、感動もあり読後感も気持ちいい。 登場人物の個性もしっかりしていて、時代物だけどとっつきにくさも感じられず一気読みしてしまう程面白かったし、読み易かった。 ホラーなのでところどころ、じっとり怖い部分もあったけど、これはホラー苦手な人にもおすすめしたい。

    5
    投稿日: 2025.04.26
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    ホラーってあんまり得意ではなくて読まないんですが、こちらはブク友さんたちがこぞって読まれていて思わず手にしてしまいました! みなさんエリマキエリマキって言ってて なんのこと??と薄目でレビュー見てました笑 一瞬ヨシエリと読んでしまったことは内緒です 字の感じが似てません?笑 やっとエリマキに会えて嬉しい(^^) とても魅力的でした! この作品はホラーではあるんですが、 なんていうジャンルっていうんだ アクション? じゃなくて ヒーローもの? うーん、、、 なんかぬーべーを思い出しました! ジャンルがなんていうのか 語彙がなくて思いつきません(´ー`) エンタメとしても楽しく読めました♪ 時代も話にあっていて 雰囲気が出ていてよかったです( ˊ̱˂˃ˋ̱ ) 最後に私の最近の恐怖体験 普段Yahooメールをよく使うんですが 数日前、朝起きたら受診メールが ゴッソリ消えてました_:(´ཀ`」 ∠): そんなことってあります?? 、、、めちゃくちゃ怖くないですか?? ゴミ箱も空っぽになってて でも下書きや送信済みは残ってました 一体何が起きたのか、、、 怖すぎます_:(´ཀ`」 ∠):

    93
    投稿日: 2025.04.25
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    ホラーは小説も映画も好きじゃないので普段は触れないのだけど、この作品はいろんな人が推してるのを見て興味があった。読んでみたら、すごく面白かった!死者や人ならざる者が出てくるのでぞっとする雰囲気もあるものの、大切な人を失った人の心情が切実に描かれていて、さらにミステリ的な謎もあって、物語に引き込まれた。主人公の古瀬、相棒的な立ち位置になるエリマキ、巫女、3人キャラクターと関係性も魅力的。最後のシーンもとってもよかった!

    8
    投稿日: 2025.04.22
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    ミステリーホラー 夫婦愛はもちろんだけど、エリマキとのコンビも好きだった 家に伝わる因習にはゾッとした

    0
    投稿日: 2025.04.20
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    鬼滅の刃の上弦の鬼やん!とつっこみながら最後の方は読む。 人の執念、侮るなかれ。亡くなった人への想いはもちろん沢山あるけれど、ちゃんとあの世に逝けるように生きてる人が心の中で亡くなったことを受け止めて送り出してあげないとダメなんだ。   なんというのか、今まで読んだことのない新しいジャンルだったけど、面白かったと素直に思う。 さすが、横溝正史ミステリ大賞受賞作。

    15
    投稿日: 2025.04.15
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    この作品に相応しい言葉はただ一言、「最高」。 本当に美しくて無駄がない。 かと言って遊びはあるのだから、ずるい。 メインで物語を動かす二人のキャラクター性のよさ、噛み合わせの良い会話が、美しい文章に彩られてとてもとても読んでいて美しく、心地よく、幸せになる。 陶器のような、冬の澄んだ空気のような美しい文章で綴られる物語は重厚ながら、とても読みやすく、関西弁に不慣れな私でもとてもするりするりと読めました。 この感動を形にするだけの語彙力を、自分が持ち合わせてないことがただただ口惜しい。 タイトルの意味がすとん、とおちてきたとき、本当に心地よかった。なんと素敵な構成だろう。 もともとは短編集で読んだ文章が美しすぎて作者さんのファンになり、衝動的にこちらの本を買ったのですが、本当に手元に置けて良かったです。 本当に好きな文章を書く方なので、今後の著作も追いたい。

    8
    投稿日: 2025.04.14
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    「ぶくとも」と携帯で打って変換したら、2番目の変換候補が「ゆーきさんも」になっていました。 何でっ!?一文字も合っていないのですが!? さて、この本はブクトモの皆様が読まれており、書店で装丁を見かけた瞬間に手に取って購入してしまいました。 皆様のレビューで「エリマキ」が気になって、気になって、夜も眠れませんでしたから。 同じ「マキ」科の動物としては、絶対読まねば!と思っておりました。 まず1ページ目を開いた時。 「あれ?文字数少なくね??」 が正直な感想です。 単行本購入したのに、ページ数はそこそこあったのに、文字数がっ。゚(゚´ω`゚)゚。 一抹の不安が頭を過ります。 皆さんのレビューが巧みであったので、エリマキちゃんとホラー、そして素敵な文章ということくらいしか私の頭には残っておりませんでした。 確かに巧みな文章。はっきり言ってお上手! なのに私は、いつ面白くなるのかなぁ?とそんなことばかり考えて読んでおり、気がつくと物語が終わっておりました。 あれ??? 私またやっちゃった!? こんなに評価の高い本を、ちゃんと楽しむこともできずに終わっちゃったの??? 時々やらかします。゚(゚´ω`゚)゚。 みなさんのように、良い本を心から楽しみたいのに、心から楽しむ前に物語が終わってしまいましたm(_ _)m ホラーというジャンルが私には合わなかったのか?文字数があと1.5倍ならアホな私にも理解出来るチャンスがあったのか? 兎に角、上手に読めずに申し訳ありませんでしたm(_ _)m ただ、皆さまがおっしゃるように、エリマキには途中私の中で何らかの愛情が芽生えました(*´꒳`*) 同じマキ科の動物として、誇りに思います(*´∀`*)

    119
    投稿日: 2025.04.10
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    おもしろいし読みやすいしで、あっという間に読了。序盤、こわさの種類が『まほり』(高田大介)に似ているような気がしたのだけれど、クライマックスは、『ハウルの動く城』のハウルとソフィみたいになっていて、予想の斜め上を行く飛躍がかわいかった。

    5
    投稿日: 2025.03.28
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    2023年第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 大賞 読者賞 カクヨム賞 三冠受賞の ゴージャスなデビュー作 関東大震災で足に怪我をした妻 実家のある大阪まで連れて戻るが命を落とす 愛した妻は成仏できていなかった 大正時代ホラー その時代の掴みにくさが不安感を高めます そして当時の船場言葉がホラー作品に収まらないこの小説におっとりとしながら奇怪な雰囲気を醸し出します 参考文献に谷崎潤一郎の随筆集があり 何を参考にしたんだろうなと 春琴抄あたりが船場言葉らしいですね 春琴抄もある意味ホラーだし 章が変わるごと怪異の流れが変わりまさかの展開 大正ゴシック文学に期待します

    95
    投稿日: 2025.03.24
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    日本らしい、しっとりした人情系ホラー。やや古い時代の大阪弁?が物語全体の雰囲気をとてもよくしている。 モノノ怪が好きな人はきっと好き。

    2
    投稿日: 2025.03.16
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    ミステリーかと思ったらホラーか…と序盤に思ったけど、そんなことどうでも良いくらい良い話だった。 これがデビュー作とは思えない文章で。 軽やかだけどしっとりとした湿度があってなんとも心地よい文章だったなー。 大正時代の大阪の空気感にもすーっと浸れて。 通勤で読んでいたけど、乗り換え中も歩きながら読んでいた笑 最後はしんみりと… 早く次作を読みたいなー。

    2
    投稿日: 2025.03.12
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    面白かった〜実に上手い!! 怖さ、哀しさ、憐れさ…なのに優しい やっぱり日本のホラーは良いですね。 それが大正ものでちょっと昔の大阪弁? 大正ってのが好き! 忘れがちな大正。 だからわからないから余計に不穏な感じ… わたしだけかな? 優しくてちょっと頼りない主人公 亡き妻の霊を降ろしてもらう巫女 成仏できない霊を喰らうエリマキ このエリマキが恐ろしんだけど、可愛げのあるキャラで巫女もなかなか魅力的! とにかく読みやすくわかりやすいストーリー。 主人公の妻への未練はあるけど成仏させてあげたい葛藤と愛が伝わってきました。 これがデビュー作? まぁ楽しみだこと‹‹\(´ω` )/››

    45
    投稿日: 2025.03.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    確かに感想を書いたつもりだったのだが見当たらなかったので思い出しながら書く。核となる民間伝承のおぞましさはひしひしと伝わってきて実によかった。ただ、タイトル「をんごく」の意味が分かると怖い、という触れ込みで読み始めたのだが、作中のルビなどは「おんごく」で統一されており、「を」である理由が提示されなかったのは残念。五十音の最後というところで察しろということだろうか? 他、エリマキと主人公の会話があまりにもキャラクター小説すぎて、読みやすくはあったのだが、時代への没入感は損なっている気もする。BL臭については火のないところだろうといくらでも煙が立てられる話なので捨て置く。

    3
    投稿日: 2025.03.08
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    湿り気のあるホラー部分とカラッとしたキャラクターのバランスが良くてすいすいと読み進められた。あの部屋のシーンがすごく怖かった。

    3
    投稿日: 2025.03.08
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    大正時代が舞台とのことで苦手意識から読むのを迷っていましたが、アンソロジーの作者様の作品がとても面白かったため手にとってみました。 読みやすい文章で、展開にも引き込まれあっという間に読み終わってしまいました。 最初は陰鬱な雰囲気のホラーなのかと思っていましたが、人情味のある登場人物たちに愛着が沸き、感動的な場面もあり、読後感がとても良かったです。

    3
    投稿日: 2025.03.08
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    大正時代の大阪が舞台。 早くに妻を亡くしてしまった壮一郎は、心残りもありなかなか立ち直れずにいた。 降霊が出来るという巫女に、妻の霊を降ろしてもらおうとするも、妻は自分が死んだ事に気づいておらず彷徨っているので無理だという。 どうして妻は成仏することが出来なかったのか。 壮一郎の想いは、、。 ⁡ ホラーは苦手なのに、なんか気になってしまって。 怖くないというレビューが多かったので挑戦してみたのだけど、、え、うそ!怖いや〜ん!! 序盤は挫折しそうだった。 でもビビりながら読み進めていくと、2章目くらいからそんなに怖さは感じなくなったかな。 ⁡ 死後の世界は分からないけれど、気持ちや想いは残るものなのかもな。 ホラーなんだけど、恋愛物でもあり、ファンタジーでもあった。 ⁡ 初めは不気味に思えたエリマキの存在がとても良かったな〜。 自分が1番会いたい人の顔に見えるエリマキ。 私はエリマキが誰の顔に見えるんだろう?? ⁡ 物悲しくてちょっとファンタジーな独特の世界観が ちょっと恒川さんっぽい気がして好きでした⟡.·*.

    90
    投稿日: 2025.03.07
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    成仏できなかった霊をあの世へ送る物語ですが、「願ほどき」など聞き慣れない言葉もあり、独特な世界に引き込まれました。成仏させなかったもの、できなかったもの、それをあの世へ送ろうとするもの、それぞれの悲しみが感じられました。

    3
    投稿日: 2025.03.05
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    トントントン トントントン 起きて、、、 トントントン トントントン ねぇ、起きて、、、 ビビって夜中にひとりでおしっこに行けず、隣で寝ている奥様を起こすぐらいの怖いホラーは大好き だけど、こんなホラーもいいね(*´ェ`*) 怖さよりも、愛しさとせつなさと心強さとを感じるホラーも 心強さまで感じたらそれは篠原涼子だわ! ( ゚д゚ )クワッ!! んで、トントントン起きて、ってやっても隣に奥様いませんわ! 。゚(゚´Д`゚)゚。 狭いから違う部屋で寝て、って言われて隣に奥様いませんわ! 。゚(゚´Д`゚)゚。 だから、怖いホラーはお預けやわ! そんなときは、愛しさとせつなさと心強さとを感じる『をんごく』みたいなホラーがグッ!です( ̄ー ̄)bグッ! だから、心強さはいらんわ!

    60
    投稿日: 2025.03.01
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    大正時代の大阪を舞台に、亡くなった妻が何かに囚われて成仏出来ていないと巫女から知らされる夫。壮太郎は呉服屋の息子だが、親からは商売を継ぐ後継者とはみなされていなかった。姉に婿を取って継がせることになっていた。そのため好きな絵の勉強をさせてもらっていた。亡くなった妻は子供の頃近所にいた娘だったが、大きくなって紹介されたら見間違うばかりに綺麗な娘になっていた。それで義兄から見合いの話が来た時には一も二もなく話を進めてもらった。そんな妻だったが…。

    3
    投稿日: 2025.02.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりにとっっっても好きな感じの本に出会えた。ただ恐いだけだと思ってたら色んな感情がページをめくる度に起こる一冊だった。背後が気になるゾクッとした所も、愛しい人を思うせつない気持ちも、謎が溶ける爽快感も一気に楽しめる。特にエリマキの正体がわかった時はその行を何度も読み直しながらゆっくり頭に入れていった。千と千尋の神隠しのハクもだけど、神様や妖は自分が誰だか分からないと力を発揮できないものなのかな。 エリマキに食べられた人達はあの世にもこの世にも居られなくなりただ粉々になって消えていくものだと思っていたから遠く離れた安らかな地に送られることが分かって安心。表紙の女性が三途の川でどちらの岸にも行くことが出来ず項垂れているようで胸が締め付けられる。

    25
    投稿日: 2025.02.18
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    愛妻の突然の死を受け入れられないのでイタコ的なものを頼んだらうまく降霊できず。曰く「奥さんは普通の霊とは違うことになってる」とのことで・・・ なにか賞をがっつりとった話題作だそうで。読んでみて・・・いやなかなかに面白かったです。ホラー・・なんですかね。ミステリっぽさはあんまり感じなかったけど、何故奥さんがうまいこと成仏してないのか?という謎は中心にあったわけでそこの魅せ方もよかった。 なにより大正期の大阪という独特なしゃべりのリズムみたいなものが読んでいてとても心地よい。それでいて薄暗い雰囲気みたいなものが満ち満ちていて。 一冊のボリュームとしてはそんなに多いものでもなかったけど、ちょうどいい満足感でした。

    2
    投稿日: 2025.02.10
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    大正時代の大阪が舞台のホラー。妻の死を受け入れられない主人公が歪な妻の霊の謎を追う。 文章もわかりやすくてストーリーも面白くて、ぐっと引き込まれて一気読みした。

    3
    投稿日: 2025.02.07
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    美しい大阪弁が読めるのがよい。そこにあるホラーなのに、見えないものを頭の中ですんなり形にしてくれる。とても良い作品に会えたら。文字が大きく行間も広いことからあっという間に読める所も大人になるとありがたい。

    2
    投稿日: 2025.01.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終わってすっごくよかったんですが、「じゃあなにがよかったの?」となるとうまく言語化できなくて、「と、とにかく!空気感が!!」となるのが悔しいけど、この本の中に存在する空気感と、その空気感を構成する登場人物達が好きな一冊。 終盤に出てくる「奥さんがあんたを殺しに来るよ」の言葉にやられました。 話の展開からは分かる言葉なんだけど、でも背景を考えるとその言葉の理不尽さが伝わってくるし、でもそうなった奥さん側の経緯は切ないし……、最後ハッピーエンドでよかった。

    1
    投稿日: 2025.01.11
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    面白かった。冒頭の落ち着いた雰囲気から次第に引き込まれ、人外の存在が登場してからは面白さとリアリティの絶妙なバランスを保って最後まで面白く読めた

    3
    投稿日: 2024.12.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白くなかったわけでは無いのですが、私とは合わないというか… 呪文が意味が無さすぎて目が滑ってしまうことがあり、 また形や場所などの物理的な描写や、視覚的な説明が少し分かりにくいような気がしました。 えりまきの変身後の姿や、えりまきが部屋に何をしたのか、部屋のどこに何があるのかとか、少し分かりにくかったように感じてしまいました。私の理解力の問題かもしれません。 話の筋はおもしろかったです。 が、私は魂がこの世の残ることが全て悪いとも思えず(小さい子供を残して亡くなった親がもう少しだけ見守りたい、とかあるんじゃないかな、と)そこも私とは考え方が少し違ったかな。

    3
    投稿日: 2024.12.28
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    デビュー作とは驚きの完成度。 ちょっとくどいとこもあったが 文章が整っていて、 何よりエリマキが魅力的だった。

    1
    投稿日: 2024.11.12
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    大正時代の大阪船場を舞台とした幽霊のお話。 こういうミステリー&ホラーの世界には正直疎いが、十分に面白くて独特の言い回しや想像力をフルに掻き立てられる世界観に没頭出来た。 物語の主軸は、主人公の古瀬壮一郎が亡き妻倭子の彷徨う霊を成仏させようといういうものだが、そこに現れるエリマキこそが本作の要となる存在だった。 また、仲介を務める巫女のはんなりともどこか物憂げな存在感に魅せられる。 後半からは徐々に物語の核心である倭子が成仏出来ずに彷徨う由縁がみえてくるのだが、エリマキと壮一郎の関係性が徐々に変化してくるのも興味深い。 大阪に馴染みがある上に、特段に柔らかく紡がれた言葉や表現の言い回しも耳馴染みよく響いたので、映像化で見てみたい気持ちに駆られた。目次の第一幕から第五幕までの言葉の連なりだけでも、匂い立つ様な色気を感じさせてくれる。 この分野が未経験の方にも、是非オススメしてみたい一冊だった。

    41
    投稿日: 2024.11.07
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    ファンタジー的な要素があるので、少し好みではなかったが伏線の回収や結末まで全体的にうまくまとまっている印象。 大正時代の大阪という時代設定も物語に合っている。

    7
    投稿日: 2024.10.29
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    私自身、幽霊の存在に対しては否定的ですがこの本の中に限っては幽霊の存在を作中の根拠をもとに肯定することができました。 作品の舞台やテーマキャラクターの人間性など全てにおいて抜かりなくそれでいて話の流れも素敵であっという間に読み終わってしまいました。 主要な登場人物の裏側や伏線の回収に台詞回し(関西弁の語り口が個人的にはテンポもよく読みやすかったです)どれをとっても一級品です。 今年ももう2ヶ月ほどで暮れますが、間違いなく今年の一冊です

    3
    投稿日: 2024.10.14
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    不思議な話だった 最初は怖い話かと思ったけど後半になるにつれて印象が変わっていった 人の想いを題材に書かれていて、 良くも悪くもつながっていくんだと思いました

    37
    投稿日: 2024.10.13
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    亡くなった妻が、行き場も無くこの世を彷徨っている。 好きなホラー作家にお勧めされているのを見て読んでみました。 表紙に佇む、顔の見えない女性の姿。威圧感すら感じる禍々しさとは反対に、表題紙は爽やかな所にギャップを感じました。何故、表題紙では女性は居なくなり、こんなにも優しい雰囲気なのか…。 その疑問は終盤に描かれる展開で解消されることになりました。ホラー作品で温かい気持ちになる結末ってあまり無いので、読んでいて嬉しい。 展開のテンポも早く、登場するキャラクターの人となりも短い描写で濃厚に描かれています。物凄く分かりやすい。大阪の知識が無い自分でも、スルスルと読み進める事が出来ました。 一つの軸となるストーリーから歪むことはなく、それでいて一つの事象に複数の意味を持たせる手腕に、「うあ〜!文章上手い〜!!分かりやすい〜!面白い〜!」と唸ります。 メインとなる2人のキャラクターも、小説というよりは漫画の様な、ある種とっつき易いコミカルさを感じさせてくれるのもまた嬉しかったです。 ホラー、というよりはミステリ色が強めではありますが、それでも各部分の描写は迫力があり、怖い。タイトルの意味が明かされるシーンには「おぉ…」となりました。とにかく読んでよかった〜! お勧めです!

    2
    投稿日: 2024.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    怖いかな?と思ってドキドキ読んだけど,大丈夫だった!! それより,面白い!! 大正末期、古瀬宗一郎は東京で震災に遭い、負傷した妻、倭子(しずこ)と大阪の平野に帰ってきた。 もともと、歴代続いた呉服屋の長男だが、店は姉と姉の夫でもともと丁稚だった義兄が心斎橋に店を移転して続けていたので、幼い頃住んでいた平野の家を義兄から借り、老いた女中を一人住み込みで雇った。 だが、震災でおった怪我の様子は芳しくなく、倭子は亡くなってしまった。 亡くなった人を降ろして話をすることができる老いた巫女のところに行った。もう一度倭子と話したい! だが、明らかに巫女でない何かが降りてきて,それが,倭子っぽいのだが会話にならず、一方的に倭子が歌を歌っておわってしまった。 巫女は魂が成仏しておらず、よくないという。このままだと、家に何がきてもしらないの、と。 そんなバカなと思っていたが、寝所に入ると倭子の声がして、何かが布団に入ってきた。 倭子と同じ感じで背中に触れるが、死人のソレのように冷たい。やはり、倭子の彷徨う霊なのか? 友に、震災で死んだはずの津山の目撃情報を聞いた。その津山を橋の下で見かけたが、何物かに食われてしまった。 そいつは、エリマキと言い成仏しきれてない魂を食うらしい。巫女に言われて、倭子の魂を食べようとしたら、アレは食べられないと。普通じゃないと。 何やら禍々しいものになっている? とはいえ、倭子を食べられるのは嫌だが、禍々しくなってくのも嫌だ。 そもそもなんでそんなことに?! って話。 変におどろおどろしくない文章なので、怖いよりも先が知りたい欲にかられ、どんどんよみすすめてしまった!

    3
    投稿日: 2024.10.10
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    図書館の順番が来たので読んだ!ハッピー⭐︎ 何よりもまず、文章が上手い!!! 文章の巧拙と小説の面白さは必ずしも一致しない(もちろん、相関はある。あまりに拙い場合は苦痛で読み進められないので。自分だって作文力2点とかなのにこんなこと言ってごめん。)けど、 この小説はちゃんと面白いのに、それ以上にとにかく日本語のリズム、語彙を知り尽くした上でこれ以上ないほど吟味しながら書いたことがよく分かる。人気作家でもこのレベルには到達してない人いると思う。すごい。もちろん、これは人気作家になる要素は文章力だけじゃないってことでもあるけどね。 で、プロットも(終盤がちょっと異能バトルだなと思ったのを除いて)おおむねとても丁寧に練られていて、最後の有名作家たちの批評にも書いてあったけどあるイベントに複数の意味を持たせて自然な転換点にしているのは本当に上手いと思った。 なんていうかな、小説を書くのに必要な鍛錬や準備を一つ一つサボることなくきちんとやって到達する境地、て感じなんだよね。生まれ持った独特の台詞回しというよりは、とにかくたくさん小説を読んで調べて…って努力を重ねて書いた文章。もちろんそれが一番難しいんですけどね。でも、ある意味究極に優等生的な(作家、それもホラー作家として優等生なだけで別に社会人として優等生という話しじゃないけど)著者なのかな、と。 文句なしの⭐︎5! ホラー大賞も納得。巻末で人気作家が全員絶賛してたのがほんとジワジワくる。ていうか小説家って他人を絶賛したりすることあるんだ(オイ) と、ここまで書いて思ったけど、文章の上手さが何より目につく分、一介の読書家よりも作家のほうが絶賛したくなる小説かもしれんね。どんなエンタメにしても、楽しみ側と作る側が目をつけるところって当然違うしね。映画ルックバックとかも、オタクからは絶賛だけどクリエイターからは大絶賛って感じだし。 ちなみに、怖さだけを語るなら⭐︎3くらいかな。でもこの小説の価値は怖さを楽しむことじゃないと思う。ホラー的世界観を使って描きたいものを書くタイプのホラー小説、私が一番好きなやつです。 すっかりファンになってしまったので今後の新刊は買って応援しようかなあ。 久しぶりに読書で興奮しました、ありがとうございました

    11
    投稿日: 2024.10.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    老舗の呉服屋の一家というごく狭い範囲での話だったのに、飽きることがなかった。引き込まれて一気読みしてしまった。大阪弁のやわらかさがとても良くて、するすると読めるのだ。 死んだ妻が家にいることの喜びと恐怖の両方がうまく表現されていて、でも読者からしたら単に怖い何かがそこにいるという感覚だった。自分のことになるとこの客観性を失ってしまうものなんだろうな。 エリマキという存在が登場したとき、意外な方向に話が進むのかと思ったが、このエリマキのキャラクターは好きにならずにはいられなかった。自分がエリマキを見たら、その顔に誰の顔を見るのだろう。 妻がその思いの強さゆえ化け物になるという話かと思ったら、実は一族の願かけに巻き込まれて成仏できないという真相が用意されているのがよかった。商売というものに取り憑かれた一族だったのだ。 どれだけ愛しくとも死人と添うことはできないだろうと思う一方で、死んだ妻と暗い家で暮らすバッドエンドも見てみたい気がした。

    5
    投稿日: 2024.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「をんごく」とは?「エリマキ」とは?「倭子」は…?と、陰鬱で不可思議な雰囲気が続く中、読めば読むほどに引き込まれる作品でした。 幽霊といういるはずのないものへの恐怖と存在を上手く表現された作品と思いました。

    2
    投稿日: 2024.09.28
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    壮一郎とエリマキのバディを感じさせる関係性や妻の倭子への思いに非常に感動させる素敵なミステリ&ホラー作品でした。 大正時代末期の設定と大阪弁が全体を通しても非常に新鮮さを感じさせるまた新しい作品に出会えて良かったです。

    5
    投稿日: 2024.09.23
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    ホラーと分類される小説を初めて読んでみた。 けど、これはホラー、なのか、、、? 良くも悪くもホラー感は薄めで、怪異ファンタジーみたいな作品かなと。 序盤の、幽霊っぽいのが夜中に出てくるシーンだけはちょっとゾクッとしたけど、 途中からはバディものみたいな雰囲気。 純粋なホラーを楽しみたい人には物足りなさそう。 短くて読みやすいし、終わり方も綺麗だし、決してつまらない訳ではなかったんだけど、 「思ってたんと違う!」っていうのが正直なところ。 横溝正史ミステリ&ホラー賞で3冠王になった作品らしいのだが、ミステリ感もホラー感もどちらもあまり感じなかったのと、 文体が一昔前の関西弁?京言葉?で、個人的には馴染みがなくて、終始ちょっと読みづらかった… 個人的にはあまりピンと来なかったが、他の作品も読んでみる!

    14
    投稿日: 2024.09.14
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    はじめての著者さんでした。ホラーは好んで読まないのですが、好評そして美しい、あまり怖くないと聞いて読んでみました。とても面白かったです!!もちろんゾクゾクする部分もありますが、読後感がいい作品です。夜でも読めました。

    8
    投稿日: 2024.09.12
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    誰も正解を知らない死後の世界。葬儀の風習を破ったがために、この世に留まる幽霊達が出てくる。怖くはなく、こんなこともあるかもなと思いながら読んだ

    63
    投稿日: 2024.09.11
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    横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作。 ホラーと言っても、最近よく見られる擬音語を多用して恐怖心を煽るという感じではなく、どちらかと言えば静かなホラーでした。 上方ことばでの会話にとても綺麗な文章で、ホラーが苦手な方でもきっと満足できる作品だと思います。 妻を亡くした壮一郎は巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、何か尋常ではないと…。そこで、キーパーソンとなるエリマキが登場。壮一郎とエリマキのやりとりで、段々と良い相棒になってくるようで、人物描写も秀逸で、他の作品も読んでみたいなと思いました。

    7
    投稿日: 2024.09.06
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    第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 <大賞><読者賞><カクヨム賞>史上初のトリプル受賞作!…という事でかなり期待して読んだ。しかしうーん、この年は不作だったのかもしれないと思った。その場合、必然的に票は一作に集中するので。選考委員の綾辻氏が言うようにこの作品は文章の美的さだけではなく核心となるアイディアの構成・演出も良い。よいと思うのだが、ホラー作品として考えたときに純粋に怖くなかった。その点が悔やまれる。そして道尾氏の言うように全編を通じて何か一つ強力なマクガフィンが存在していればリーダビリティがさらに高まったかもしれない。読んでいるときに集中力が途切れがちだったので、読者をグイグイと引っ張る力、みたいな力が作者にあったらもっといいのになと思った。しかし読後感は良く、短いのにうまくまとまっているという意味では悪くない読書であった。詳細→ https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou34501.html

    1
    投稿日: 2024.09.06
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    ホラー作品だけれど切なさや人の情があり、とてもよかった。をんごくはいいところなのだろうか、私もいつか辿り着くのだろうか。 エリマキの千年は空虚だったかもしれないが、これからの永遠はきっと幾らか光があるだろう。いつかエリマキ自身もをんごくに行けるといいなと思う。

    3
    投稿日: 2024.09.04
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    期待してたのとは違って、怖くない。もっとおどろおどろした恐ろしめのホラーを勝手にイメージしてた。 しかしながら、良かったんですな。 登場人物が美しい関西弁で話してて、そこから受ける全体の印象がひたすら美しい。 ホラーというより、大人向け恋愛小説感大、そしてバディもの?(笑) ちょっと他にない読後感でした。 読了して本を閉じ、しばらくの間、その余韻に浸ってしまいました。 関西弁と演技の上手い役者さん使ってもらって映像化して欲しいなあ。

    3
    投稿日: 2024.08.31
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    ホラーは苦手です たけど皆さんのレビューがすごく良くて、手に取った一冊 やっぱり読み始めは怖かった ホントに怖くて、読むのをやめようかと思った でも読み進めていくと ん? いつの間にか主人公・古瀬壮一郎のことが好きになり、すごく人間味に溢れているから見捨てられなくて(読むのをやめられないってこと)、エリマキのことも見捨てられなくて… 最後まで読んだ エリマキとは千年もの間、霊を食べて腹を満たしているという、顔のない怪異 顔がないと言うか、見るものによって違って見える 大切な人が亡くなったら、たとえ霊であっても愛しい人に会いたい… そんな切ない気持ちがひしひしと伝わってくる しかし、自分が死んだことに気付いていない死者の霊は、生死の間で立ち往生する半端な存在で、それはまた哀しい… この作品はそんな人間の内面、愛情や悲しみを丁寧に描いていて、胸にぐっと迫ってくる内容だった また、壮一郎とエリマキのバディは最高で、エンタメ的な楽しみも♪ 普段なら手に取らない本だけど、面白かったです 

    78
    投稿日: 2024.08.30
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    大正時代。関東大震災での怪我が元で新婚の妻を亡くした主人公。 妻に会いたくて巫女の元へ行くが、「普通と違う。気をつけろ」と言われ会えずに帰る羽目に。 程なくエリマキという成仏できない霊を喰う者に出会い、普通でない妻の霊の真相を探る。 初めは怪談かと思って読んでいたので、それはもう鳥肌が立つようなシーンもあって怖かったのだけど、段々と様子が違って、ホラーではなくなっていった。 人情?友情?ヒューマンドラマのような感じにも思えた。 とにかく読むのをやめられず、どんどん読んで寝不足に。怖いのに。笑 最近この手のホラーミステリを読んでいなかったからなのか、この話がとてもよく出来ているからなのか(たぶん後者だと思うけど)、新鮮だったし、読了感も良く、良い意味で忘れられない話になった。

    32
    投稿日: 2024.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    期待しすぎたかな。 舞台が、京都でなく大阪の船場という設定に興味を惹かれた。 巻末の選評にひっぱられないように こんなに選評が掲載されている本初めて見た。 文章の間、間にあるシミの仕掛けに最初ゾワッとした。 目の錯覚なのか、なにやら得体の知れないものに感じた。

    4
    投稿日: 2024.08.27
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    これで初めての作品なのが凄い貫禄っぷりとキャラのポップを感じた 化け物でありながら情のあるエリマキのキャラがとても良い ホラーもしっとり系だし、ことの顛末がとても面白かった

    3
    投稿日: 2024.08.18
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    思いのほか怖くは無い。 どちらかと言えば、哀しみ、切なさ、可笑しみ、のような要素の方が多かった。 ホラーであり、推理小説のような謎解き要素もあり、冒険譚でもあり、友情の話でもあり、成長の物語でもある。 それらが全ての要素がバランスよく一つの小説としてまとまっていることに感嘆した。

    3
    投稿日: 2024.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    方言なのか時代的なものなのか言い回しが独特。でも、リズムが良くて読みやすかった。 おんごくなはは…を調べて聞いてみた。 なんとも不思議なメロディ。 これを静かに歌いながら死者が現れるのは実に効果的。 タマヤタカ…も調べてみたら、死霊に遭遇したときに唱える呪い歌とわかり、著者の調べ尽くしている感が伺えた。 板戸が勝手に閉まって開かないとか、外したはずの扇の要が元に戻っているとかは、納得の怖さ。個人的には、本人の声が歪んだ声になる(「そ、そう、い、いいいいちろ、さ」とか)の方が怖かった。 ホラーなのに、思いの外、思いやりにあふれた終わり方だった。

    10
    投稿日: 2024.08.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルと表紙からおどろおどろしい、湿っぽいホラーを想像していましたが、良い意味で期待を裏切られました。着物姿で髪が乱れた女の後ろ姿なんて、入水自殺かと思っちゃうよね。 昔の時代設定は好みでない、方言盛り沢山は苦手、な自分でもストレスなく、むしろ引き込まれてどんどん読み進めてしまいました。これ、誰が読んでも面白いんじゃないかなあ。 展開が早くて無駄がない。もう少し余白があれば情緒があって良かった気がする。けれど、最後の奥さんとの別れは切なくてキュッとしたし(ご都合展開で奥さんの霊が正気を取り戻して涙とか、犠牲になって助けてくれる等ではなく、あくまでもう「あちら側」の存在として描かれるのが哀しいけどそうだよな、という気持ちになった)何より大阪弁がいいです。コテコテなのに会話が違和感なく胸に入ってきます。 第二の主人公エリマキ、急に能力者が出てきたぞと身構えたが、彼(?)の登場によって話の先が見えてくる。赤い絨毯のような、鱗のような、頭に浮かぶデザインがカッコいい。二人の関係性の変化が楽しいです。 主人公は凡庸だが(失礼)、エリマキ、倭子、巫女といった脇役が素敵よね。 作者さんの次作が出たら是非読みたいです。

    2
    投稿日: 2024.08.02
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    久方ぶりにホラー大賞作品を手にとりました! 全選考委員が激賞したのが理解できました! 呪いか幽霊か化け物か…それ以上に物語とエリマキと巫女さんのキャラに引き込まれる! 2作目も期待大ですね。 ぜひ〜

    21
    投稿日: 2024.07.29
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    こちらは大正時代の大阪・舟場を舞台にした異形×ホラー、そして異形×人間のバディもの 私は映像でも文芸でも普段は自ら進んでホラーものに手を出すことはあまりないのだけれど、こちらの作品は何となく気になって図書館で借りて読んだら怖さもあるけど何よりも面白さが勝ってぐいぐいと引き込まれてあっという間に読んでしまった…ホラー好きはもちろん、バディものだったり異形が好きな人はとても楽しめると思う。 気になってる書籍は図書館で借りてから買うか決めるのだけど、これは買おうと思っています

    3
    投稿日: 2024.07.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    北沢陶さん、はじめまして(・ω・)ノ*。.・°* 本書がデビュー作ですよね^^; 参りましたm(*_ _)m 発売以来、第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作というのを抜きにして気になっていた一冊、図書館で予約待ちをすること約4ヶ月半... 本書はいつもお世話になってるツタバに無かったんです(´;ω;`) そしたら、待つしかないですよね… いや、買えよってね^^; ながかったぁ~...ヾ( ̄▽ ̄;)ノ でも、前回ツタバに行った7/16(地雷グリコを読んだ日)には入荷してたんです! でも、その日は家で「海蝶」を読み始めていたこと、又、本書の順番待ちが残りわずかになっていたこともあり手にするのを我慢して帰って来たんですよね^^; 待ちに待った本書、期待を裏切ることはありませんでした。 そりゃそうです、今回の第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の選考委員6名をご存知ですか? 綾辻行人、有栖川有栖、黒川博行、辻村深月、道尾秀介、米澤穂信(五十音順・敬称略)の超豪華な布陣。 個人的にも好きな作家先生6人が大賞に選んだんです! 加えて、一般から選ばれたモニター審査員が選んだ読者賞、さらに、Web小説サイト「カクヨム」ユーザーから最も支持されカクヨム賞、合わせて史上初の三賞受賞作。 こりゃホンモノです♪ 連日、酷暑が続く夏の夜。 背筋がヒヤッとする感覚を体験したい方には是非ともオススメします(*-ω-)ウンウン 確かに、ジャンルで言えばホラーミステリーでしょう。 でも、読み終えた読者は本書が単なるホラーミステリー作品ではないと感じたはず。 (σ(・ω・`)だけじゃないですよね^^;) 私にはどう表現したらいいのか... ʅ( ๑・᷄֊・᷅๑)ʃ でも、どハマりした「よろず建物因縁帳 魍魎桜」(内藤了著)と同じ匂いがするんですよね。 それは個々のキャラクター設定もさることながら、やはり人物描写の旨さなんでしょう。 大正時代の大阪を舞台にしたホラーミステリー小説であり、その独特な世界観と緻密なストーリーテリングに魅了されました。 この作品は、単なるホラーやミステリーの枠を超え、深い人間ドラマと情緒豊かな描写が織り交ぜられており、グイグイ引き込まれていきます。 まず、主人公の古瀬壮一郎のキャラクターが非常に魅力的です。 彼は関東大震災で妻の倭子を失い、その悲しみから立ち直れずにいます。 この設定だけでも読者の心を掴むのに十分ですが、物語が進むにつれて彼の内面の葛藤や成長が丁寧に描かれており、共感を呼びます。 壮一郎が妻の霊を降ろしてもらうために巫女を訪ねるシーンでは、彼の絶望と希望が交錯する様子がリアルに伝わってきます。 また、エリマキというキャラクターの存在が物語に独特のスパイスを加えています。 エリマキは長寿を誇るあやかしであり、壮一郎に茶々を入れながらも協力して倭子の霊の謎を解明しようとします。 この二人の関係性は、単なる協力者という枠を超え、ブロマンス的な要素も感じられます。 エリマキのユーモアと壮一郎の真剣さが絶妙に絡み合い、物語に軽妙さと深みを与えています。 物語の舞台である大正時代の大阪も、非常に魅力的に描かれています。 北沢陶の筆致は、当時の風情や文化を生き生きと再現しており、読者はまるでその時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。 特に、船場の暗部に迫るシーンでは、その描写力が際立っており、壮一郎の前に現れるおぞましくも美しい光景が鮮明に浮かび上がります。 『をんごく』は、ホラーでありながらも情緒豊かな描写が特徴であり、単なる恐怖を超えた深い感動を与えてくれます。 壮一郎が愛する妻との離別を受け入れる過程は、普遍的なテーマであり、多くの読者にとって共感を呼ぶことでしょう。 彼の成長とともに、読者もまた自分自身の内面を見つめ直す機会を得ることができます。 さらに、物語のクライマックスでは、壮一郎とエリマキが協力して倭子の霊の謎を解明する過程が描かれます。 このシーンは、緊張感と感動が絶妙に交錯しており、読者を最後まで引きつけて離しません。 壮一郎が愛する人との離別を受け入れることの難しさに直面し、それを乗り越える姿は、読者に深い感動を与えます。 総じて、『をんごく』は、ホラーやミステリーの枠を超えた、深い人間ドラマと情緒豊かな描写が魅力の作品です。 北沢陶の緻密なストーリーテリングと独特の世界観に引き込まれ、最後まで一気に読み進めることができました。 この作品は、単なるエンターテインメントとしてだけでなく、読者に深い感動と考えさせられる要素を提供してくれます。 ぜひ、多くの人に読んでいただきたい一冊です。 あらすじ 『をんごく』は、北沢陶による大正時代の大阪を舞台にしたホラーミステリー小説です。この作品は第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞で大賞、読者賞、カクヨム賞の三冠を受賞しました。 物語は、画家の古瀬壮一郎が主人公です。彼は関東大震災で妻の倭子を失い、その悲しみから立ち直れずにいます。壮一郎は、妻の霊を降ろしてもらうために巫女を訪ねますが、巫女は「奥さんの霊は普通の霊とは違う」と警告します。 その後、壮一郎の周囲で奇怪な出来事が起こり始めます。家の中で白粉の匂いがし、倭子が大切にしていた白鼈甲の簪が現れるなど、妻の霊がまだこの世に留まっていることを示唆する現象が続きます。 ある日、壮一郎は友人の霊が赤い襟巻きをつけた謎の人物「エリマキ」に喰われる光景を目撃します。エリマキは長寿を誇るあやかしで、壮一郎に茶々を入れながらも協力して倭子の霊の謎を解明しようとします。 壮一郎とエリマキは、倭子の霊が成仏できない理由を探るために協力します。エリマキは倭子を喰らうために、壮一郎は愛する妻への未練から、二人は奇妙なバディ関係を築きます。 物語のクライマックスでは、壮一郎とエリマキが船場の暗部に迫り、壮一郎の前に現れるおぞましくも美しい光景が描かれます。壮一郎は愛する人との離別と、それを受け入れることの難しさに直面し、物語は深く普遍的なテーマを奏でます。 この作品は、ホラーでありながらも情緒豊かな描写と、大正時代の大阪の風情を巧みに描いており、読者を引き込む魅力があります。エリマキと壮一郎の関係性も、ブロマンス的な要素があり、読者に新鮮な印象を与えます。 本の概要 第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作! 嫁さんは、死んでもまだこの世にうろついているんだよ―― 大正時代末期、大阪船場。画家の壮一郎は、妻・倭子の死を受け入れられずにいた。 未練から巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、「奥さんは普通の霊とは違う」と警告を受ける。 巫女の懸念は現実となり、壮一郎のもとに倭子が現われるが、その声や気配は歪なものであった。 倭子の霊について探る壮一郎は、顔のない存在「エリマキ」と出会う。 エリマキは死を自覚していない霊を喰って生きていると言い、 倭子の霊を狙うが、大勢の“何か”に阻まれてしまう。 壮一郎とエリマキは怪現象の謎を追ううち、忌まわしい事実に直面する――。 家に、死んだはずの妻がいる。 この世に留めるのは、未練か、呪いか。 選考委員満場一致、大絶賛! 第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作! 著者について ●北沢 陶:大阪府出身。イギリス・ニューカッスル大学大学院英文学・英語研究科修士課程修了。 2023年、「をんごく」で第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈大賞〉〈読者賞〉〈カクヨム賞〉をトリプル受賞し、デビュー。

    136
    投稿日: 2024.07.26
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    個人的・夏のホラー特集。このホラ上位作。霊媒師とか、成仏させる役の異形のものとか、造形が優れていて惹き込まれる。

    2
    投稿日: 2024.07.24
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    皆さんのレビューを読んで、気になっていた本。 ミステリー&ホラーというジャンルで括りきれないような、不思議な読後感。 降霊させることができる四天王寺の巫女、霊を食べてしまうエリマキなど登場人物が個性的。そして、エリマキと壮一郎の関係性が次第に変化していくにつれ、物語に引き込まれる感覚があった。 この物語で「願ほどき」というものを恥ずかしながら初めて知った。(お礼参りは知ってたけど) お願いしたら、やりっぱなしだった私。これって失礼極まりないことだったのでは? ちょっと不安にかられてきた…

    50
    投稿日: 2024.07.19
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    カバーとタイトルが綺麗。 さっぱりした読み味で、最近流行りのモキュメンタリー系ではない王道ホラー。 襟巻のキャラが良くて、登場してから物語もどんどん面白くなる。 ただあんまり怖くはなかったかも、もうちょい怖くなったら良かったかも。 選評も面白くて、プロの作家がどう感じたか読めるのが嬉しい。

    57
    投稿日: 2024.07.18
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    第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞で三冠を取ったということで気になっていた本。舞台は大正時代末期の大阪で、船場言葉や独特の風習など雰囲気はすごく良い。でもホラーではない。妻を亡くした主人公壮一郎と、ちゃんと死の国へ行かなかった、行けなかった死者の魂を喰う正体不明のエリマキとのバディもの、人間ドラマでした。続編も出来そうな終わり方だったし、エリマキというキャラクターが魅力的。

    6
    投稿日: 2024.07.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    亡くなった妻が現れる。いくら会いたくても少し恐ろしい。願掛けに願ほどき、そういう風習があるのは知らなかったけれど、それをしなかったために生きるでもなく死ぬでもない亡者となるとは!巫女と彼女の知り合いエリマキとともに出会う怪異。この世のものではないエリマキがどんどん魅力的になって気に入っています。

    2
    投稿日: 2024.07.08
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    生霊となってしまった妻の謎を追う怪談なのだが、途中からは生霊を遠国へ送るエリマキとのバディ物に変わっていく。終盤のバトルはさながら呪術廻戦。

    2
    投稿日: 2024.06.16
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    思っていた感じと違った。 オドオドしくて、1人でトイレに行けなくなるような話かと思ったら 友情と愛情とかの深い話しやった。 自分が何者かわからないまま生きていくのは辛いよな。 私ももしかして?と 自問自答したら 私は大丈夫だったようだ。

    5
    投稿日: 2024.06.12
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    おんごく︰遠いところ、死者の住む場所。 大正時代、大地震の怪我で亡くなった壮一郎の妻・倭子。 しばらくして家に倭子の霊が現れるも、女中が腕に大火傷を負わされ亡くなる。 降霊術師の巫女、死者を喰らうエリマキ、2人の力を借りて倭子を成仏させようとする。 壮一郎とエリマキの関係性が最初は悪かったものの徐々にお互い信頼するようになり、2人で戦いにいくシーンは胸熱。 エリマキ自身も自分の真の正体が分かってよかったものの、2人との別れにつながるのは寂しい。 実際にある願ほどき。 壮一郎が倭子とエリマキの絵を描けたことにほっとする。

    20
    投稿日: 2024.06.10
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    タイトルや表紙から、もっとジットリした嫌~な怖さかが続く話かなと思ってた。でも、主人公が関わった縁を大切にする人だからか、優しさや柔らかさも感じるお話だった。 ラストがめちゃくちゃ良かった。じんわり涙が出てきた。 審査員の方々みたいに具体的にここが良いとか書けないけど、これがデビュー作って事を疑うくらいに面白いし、読みやすいし、「結局ここどうなった?」的なひっかかりもないし、次の作品も楽しみです。

    3
    投稿日: 2024.06.07
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    画家の壮一郎は、早くに亡くなった妻の死を受け入れられずにいた。 巫女に降霊を頼むも普通の霊とは違うから気をつけよと警告を受ける。 懸念は現実となり妻が現れるが、それは直視できないほどの気配を纏ったもので…。 大正時代の船場を舞台に描いているので、文体やセリフから引き込まれてしまう。 顔のないエリマキの行動に恐怖を感じるが、そのエリマキが側にいるからの安心感をもたらしてくれるというのも不思議なことで…次第に壮一郎が頼りにするのもわからなくはないなどと思った。 死を自覚していない霊を喰って腹を満たすというエリマキの設定に驚いたのは言うまでもないが…。 最後には不気味さを感じなくなっているのが不思議だ。

    61
    投稿日: 2024.06.04
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    ホラーは苦手だけど、さわやかな読後感。こんなホラー小説なら次も読みたい。食べた亡霊ことごとく安らかなる遠国へ送り込む「エリマキ」。おどろおどろしいのに、かわいくて親近感すら覚えた。文章が温かいから?

    5
    投稿日: 2024.05.29
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     人が亡くなった際、「想い」は残るんでしょうか? 霊として、形や気配となって現れるんでしょうか?   その存在の真偽は別にして、人は得体の知れないものを恐れるが故、"ホラー"が市民権を得て、恐怖のシンボルとなっているのかもしれません。  読み始めて直ぐ、不穏な雰囲気がまとわりつきます。早くに妻を失った男は、なかなか未練を断ち切れず、巫女に降霊を頼むも「普通の霊と違う」「気をつけろ」と警告を受けることに‥。  ここからホラー調に加え、ミステリー要素が加わって展開していきます。注目すべき対象・謎が次々出てきて、糸がつながる感覚で先が気になります。  グロ、異様さ系のホラーというより、大正風情のある幻想作品の印象です。情景や大阪商人の台詞など、粋や温かさも伝わります。何よりも、とても読みやすい整った筆致が素晴らしく、魅力的でした。  また、顔のない「エリマキ」が重要な役割を果たしているようです。様々な"人の執着"を解き放つ仲介者でしょうか? 別れは辛く哀しいのですが、本書は、その受け入れる難しさを扱った「愛おしい人間ドラマ」とも思えました。  デビュー作にして、横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>受賞。ブクログの皆さんの評価も高く、噂に違わず、素晴らしい作品でした。

    85
    投稿日: 2024.05.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館より。 久しぶりにリアル本読了。 面白かった! 方言?言い回しが不馴れで読みにくかったケド(笑) ドキドキ読了。  怖さもあり、ミステリもあり。 ドロドロテイストが薄くて読みやすかったです(いい意味です) 違う作品も読んでみたい。

    7
    投稿日: 2024.05.26
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    ただただ怖いというのではない、切ないホラー。 大阪船場ことばの柔らかい響きとエリマキのなんともいえないかわいらしさ?で独特の雰囲気をつくりあげてる感じ。 結末もわかりやすくてよかった。 呪いは簡単に捻じ曲がる。 愛ほど歪んだ呪いはないよという某マンガの登場人物のセリフを思い出しながら読んだ。

    5
    投稿日: 2024.05.17
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     この作品もよかったなぁ~!この作品全体の雰囲気が結構好きです。手がけた作家さんは北沢陶さんで、なんと!この作品がデビュー作だと…。また、これからが楽しみな作家さんができました。 時は大正時代、関東大震災で負傷した妻の倭子とともに、家業の呉服屋を継いでいた義兄を頼って大阪に上阪した画家の古瀬壮一郎が主人公。上阪したものの、倭子の病状は悪化し遂に亡くなってしまう。巫女に倭子の降霊を依頼するも、「奥さんは普通の霊とは違う」と…。その後、この世に居続ける霊を喰らい続けている“エリマキ”と出会うことになる。そんな“エリマキ”でさえ、倭子の霊にこれまで感じたことのないものを抱く…。  ホラーといえばホラーだけれど、ドロドロした怖さは全く感じません。読書でこんな感覚を覚えるのは、初めてかもしれません。儚くてしっとりしたものを感じました。死を目前にして、願うことは人それぞれであっていいはず…今はそれが当然だけれど、これも時代背景とか家業の後継のことを考えると、許されなかったんですかね…。壮一郎と倭子の夫婦愛があって、悪しきものを断ち切れたのは、“エリマキ”と巫女がいたから…。あと、なんとなく感じたのは、壮一郎と“エリマキ”の間の友情にも似た感情です。ラストが、ホントよかったです。

    66
    投稿日: 2024.05.16