この本を開くと　 人生の節目に催される冠婚葬祭――冠は成年として認められる成人式を、婚は婚姻の誓約を結ぶ結婚式を、葬は死者の霊を弔う葬式を、祭は先祖の霊を祀る祭事を指します。四つの行事は人生の始まりと終わり、そしてその先も縁を繋いでいきます。 って言葉からもぅ素敵！ってなりました 素敵なお話がたくさんで、文庫本価格で楽しんでいいのかしらって思ったくらい 飛鳥井千砂「もうすぐ十八歳」 寺地はるな「ありふれた特別」 嶋津輝「漂泊の道」 町田そのこ「六年目の弔い」 とくに好き♡ 町田そのこさんにハマってるのもあいまって、町田そのこ「六年目の弔い」は凄い！！ってなって、余韻が今も残っています

「もうすぐ十八歳/飛鳥井千砂」 「ありふれた特別/寺地はるな」 「二人という旅/雪舟えま」 「漂泊の道/嶋津輝」 「祀りの生きもの/高山羽根子」 「六年目の弔い/町田そのこ」 冠婚葬祭をテーマにした6話収録の短編集。 文庫オリジナル＆書下ろしが嬉しい。 著名な作家さん勢揃いで粒ぞろいの作品ばかり。 お気に入りは寺地はるなさん。 まんまとミスリードされ、感情が上へ下へと揺さぶられたが読後感は最高。 嶋津輝さんの作品も味わい深い。 町田そのこさん、やはり一筋縄では行かない。 良い話で終わるかと思いきやラストで突き付けられる真相に愕然。

冠婚葬祭をテーマにしたアンソロジー。幸せなお話が多いかと思いきや、じとっとした暗さを孕んだお話が多い。お気に入りは、死んだ夫の娘が訪ねてくるお話、町田そのこ「六年目の弔い」。

最近になってよく読むようになったアンソロ、昔はわりと苦手やった。 ちゅうのも、どうしても読み進めにくい作家さん（悪口ではない。好みの問題）がいてはったらどうしたらいいのかわからんくなるからやねんけど（素直に読み飛ばせばいいのにそれもやりにくい）、今回は久しぶりに 「全然、ついていけん…」 って作家さんに出会った。ごめん。笑 ついていけん作家さんについては書かん（気ー悪いので）。 今回は冠婚葬祭がテーマということもあって、わりと舞台設定はバラエティに富んでるのね。面白かった。 飛鳥井氏は初読。平日はもっぱら会社の昼休みにお返答を食べつつ読んでいるので、内容のタイムリーさも相まって 「へー」 って思いながら淡々と読んだ。 淡々と読んでいたわりに、著者は意図してないかもしれへんけど、ある意味叙述トリックというか 「えっ、そうなん」 と、思う展開で、予想外に面白かった。 長編…読んでみようかなあ…。登場人物がみんないい人やったのが、すごく読んでて楽しかった。 こういう話、いいよ…（町田氏もそうやと思う）。 とりあえず図書館で蔵書を調べてみよう。初読の作家さんに出会えるのも、アンソロの味やもんね。 寺地氏も初読。なんかすごい話やなーと思った。なんちゅうか…。どこに気持ちを向ければいいのか的な？　あさひちゃんのご両親、健在やったんや…、とは、みんななるよね。 こちらもある意味叙述トリックか？ ここまで二本とも18才の成人をテーマにしていたので、全部このノリかと思ったらそんなこともなく…。 高山氏も初読。 全部一人称で進んでいくのがすごいと思う。 いや、そういう本はあるし、読むし、わかるんやけど、言い方が悪いけど、一歩間違えれば 「だ、だから何…」 と、突っ込んでしまいそうなラインをぎりぎりいく（失礼）のに一人称なのでなんかもう…。 興味がわかんまま淡々と読んだ。悪口ではない。好みの問題。悪口ではない！ 町田氏は面白かったね…。 なんやろう…。葬祭ってなぜか、性的なものがフューチャーされる気がする。イメージ的に。 人が亡くなってるのに性的なイメージが浮き彫りになるって不思議。生は途絶えてるのに。 同じく嶋津氏の話も葬祭と性的なイメージがほんのり漂う（行為がどうとかではなく）んやけど、町田氏もつきつめればそう。 でもなんか違うか。 バラエティ豊かなアンソロジーやったと思う。

20241019 寺地さんと町田さんのが面白かった！ 周囲にいる人に支えながら生きていることを自覚できると幸せ増えるだろうな。

冠婚葬祭をテーマにしたアンソロジー ６人の作家による個性豊かな短編集で、個人的には 寺地はるなさんと町田そのこさんが好みだった。 以下、収録作品と簡単なレビュー　 飛鳥井千砂「もうすぐ十八歳」 成年年齢が引き下げられた。 でもどう感じるかなんて自分次第だと思った。 寺地はるな「ありふれた特別」 読者の予想をいい意味で裏切ってくれた。 ずっと何やら面白くてじんわりと温かかった。 雪舟えま「二人という旅」 家読みのシガとクローンのナガノ。 まさかのSFでぶっ飛んでいた笑 嶋津輝「漂泊の道」 葬儀で出会ったうつくしいひと･･･ 感じ方や物の見方が年々研ぎ澄まされ無駄を排除していく様子が人生と重なって趣深い。 高山羽根子「祀（まつ）りの生きもの」 神社のおまつりで手に入れた生きもの 正体が曖昧すぎて最後まで消化出来ず･･･ 町田そのこ「六年目の弔い」 交通事故死した夫の祥月命日を、夫の娘と過ごす 唯一涙腺が刺激された作品だがラストに思わぬ仕掛けが！ただ気付くの遅過ぎやせんか？

寺地さんの作品を、何作か読んでいますが、初めて爆笑しながら読んだ。ほんとに寺地さんのだよね　こんな面もあるんだーと、楽しくなりました。それから、勝手に騙されてしまった。ネタバレしちゃうので、詳しくは書きませんけど。

雪舟えま先生の短編を読みたいがために手に取りました。 「二人という旅」 みんな―――――――――――――――――！！！！！！！！！！！！！シガとナガノの結婚式だよーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！圧倒的天晴。 ありがとう…ありがとうございます……。 やっぱり雪舟先生の恋愛小説が好きだ……。

冠婚葬祭をテーマにしたオムニバス。冠が成人式を、祭が先祖の霊をまつる祭事を指すとは分かってなかった。 飛鳥井千砂、寺地はるな、雪舟えま、嶋津輝、畠山羽根子、町田そのこのうち3人は初読み。飛鳥井千砂と町田そのこの作品が良かった。

寺地はるなさんと町田そのこさんの短編が読みたくて。 お二人の短編は安定の面白さ。特に町田そのこさんのお話は号泣。登場人物の二人と一緒に、ゆっくり時間をかけながらいろんな感情を落とし込んで読み終えた感じ。ラストは切な過ぎる。

読みやすさ、読みにくさ… 好みが分かれそうな。 短編なのになかなか進まず、どうしたものかと。 唯一、雪舟えまさんのストーリーはぶっ飛んでて私は楽しく読んだ。黒スープは大好きな珈琲だと思いたい。

六人の作家による六つの特別な日の物語。 特別な日はそれぞれにさまざまあると思うが、今作は冠婚葬祭縛りなので、ある種特別な特別感がある。とは言っても、どのあたりに特別を感じるかという点で、作家によって独特の視点があり、展開も多様なのが面白い。ついほろりとさせられることも多く、気づくと物語に入り込んでいる。

私は寺地はるなさんのお話がすごく好きでした❤️ 「そう、無理に決まってる。 だから力を貸してよ、わたしたちに」 この言葉が、本当に心にしみました。 素直に人に助けを求められること、本当に大切ですよね。 この間、感動した絵本にも出てきて、うんうん…と一人頷きました。

6人の作家からなる冠婚葬祭の短編集です。 他の作品も読んだことがある作家さんの短編は流石だなと。 普段短編集、それも作家さんが違うと話についていくのに少し戸惑いますがすぐにその世界に入る事が出来ます。 そしてやっぱりその先も読んでみたくなります。 人の弱さ、憎しみ、罪悪感、どうしようもないものを描くのが上手く伝わってきます。 短編集なので時間をかけてゆっくりと読み終えられました。

町田その子さんの作品が頭ひとつ飛び抜けて良かった。ほんとこの方が書く話はなんでこんなに心に残り響くのだろう

冠婚葬祭に際する人々の生活を描いたアンソロジー。個人的にあまり刺さった作品はなかったけど、町田そのこの『六年目の弔い』、飛鳥井千紗『もうすぐ18歳』、寺地はるな『ありふれた特別』はよかったな。子供を産むということをテーマにしているのかな？とも思ったラインナップだった。 p.82 幼さは、他人への興味の浅さと紙一重だ。ちょっとでも自分と違うと「仲良くなれない」と決めつけ、それ以上のことを知ろうとしない。