
総合評価
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powered by ブクログハダガーとは、ユダヤ教徒が過越の祭りで読む祈祷書である。 中世のスペインで作られたこの手書きの本が紛争ただ中のサラエボで発見される。 文書と戦火をくぐり抜け、この本は何百年も生き延び、サラエボまで流 れてきた。 羊皮紙に染み込んだワインと血の染み、ページに挟まった蝶の羽が手がかりだ。 スペインからサラエボまでの空間軸と中世から現代までの時間軸とが折り重なって語られる。広大な世界に引き込まれた。 この極上のミステリーは、私にヨーロッパの西から東まで、15世紀から現代まで、旅をさせてくれた。私のごく狭い世界ではとても得られない体験である。読書の醍醐味であろう。 なぜユダヤ教がこんなに排斥されるのか、ユダヤ教とキリスト教の違いがよくわかった(スマホで検索しただけだけど)。
0投稿日: 2025.09.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初対面の人間と肉体関係を持つその早さ! ただ事ではないなと思ったらやっぱりただ事ではなかった。 現在のパレスチナのことを思うと、没入して読むことは難しい。 時代描写から、日本の外国人嫌悪の空気に重なるものも多く感じられた。 これを単なる歴史ロマンとは読ませない状況に更になりつつあると思う。
0投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログスペイン、ヴェネツィア、ウィーン、サラエボを渡ってきた、伝説の古書『サラエボ・ハガダー』500年の旅を遡っていくミステリー。 1990年代の古書鑑定士が例の古書に付いている、蝶の羽やらワインのシミやら何かの毛を専門家に鑑定依頼していく。 証拠品の鑑定結果が次の章の引きとなって、それが古書に挟まった土地と時代のストーリーが展開されていく構成。 1990年代から1800年代、1600年代、1480年代まで徐々に遡っていくわけだけど、最初はわからなくても、徐々につながりが見えてくる。この名前どこかで見たなー、あの人の知り合いがこっちの話に登場している、みたいな気を抜けば読み飛ばしてしまいそう。 それぞれの時代のストーリーが濃厚で、焚書や紛争、アウシュビッツ、激動の時代を生きていた登場人物たちそれぞれのストーリーが良かった。ユダヤ人迫害の時代だから残酷さがある。 例の証拠が本に付着するところまで進んだら、まだ続きそうなところで話が終わってしまい、また1990年代の話に戻る。厳しい時を生きていた各人のストーリーが濃かっただけに、その人たちの続きがすごく気になるんだけどなー。 最後の方はちょっとほっこりする場面もあったり、裏切りが…裏切りがあったりしたけど、救われる感じもあった。
13投稿日: 2024.11.13
powered by ブクログ「古書の来歴」 古書サラエボ・ハダガーが発見され、古書鑑定家のハンナは本の謎を遡る。 現代の章と本から見つかった蝶の羽、染み等、何故それが在り、本が巡ってきた各時代の章 読み進めると現代も「この本の歴史の一つ」であると感じる瞬間があり何度も心を揺さぶられた。 本好きには読んで欲しい本。 余談:古本を買った時に、今はもうない書店の栞とか前に購入した方のレシートなどが挟まってたりしたことはあったけれど この本の話くらいドラマチックなことは無かったな…
24投稿日: 2024.11.02
powered by ブクログ1つの事実からこんなに想像力が膨らませられるのは、凄いと思う。 宗教、歴史を理解していれば、もっと面白いと感じられたのかもしれない。 フィクションとノンフィクションの混じり合い。 今は亡き国、場所と時代が変わるのが、私には難しかった。 Google mapsを何回も確認。
3投稿日: 2024.10.06
powered by ブクログ縦糸には一冊の古い書物の「歴史」が、横糸には親子の歴史が織り込まれている。時代が遡り、その中で現在進行形の人間関係が展開されるので、感覚としては時空を飛び交っているような感じに。 「来歴」とは、つまり、いつ誰がこの本を所有していたか…なのだが。それについて思い出したことが。 図書館での本の貸し出しが、まだデータ化される前。本の後ろ表紙には必ずポケットがあって、そこに氏名が書かれたカードが入っていた。市や町の図書館だと流石に無いけれど、学校の図書館だと知った名前を見つけることがある。何度かそんな事を繰り返すと、なんとなくその人のことが気になってくる。どんな本を読むのかは、たぶん、「その人」を知ることのできる大きな要素なのかもしれない。 わたしは本棚というものを処分しているので、ここがデジタル本棚になっているのだけれど、人様の本棚を見る機会があったなら、やっぱり興味深いと思う。(行儀悪いという点を除いて) ブクログは、ある意味堂々と人様を覗き見することができるので、罪の意識を持たずに済んでいる、笑。 ちょうど10日ほど前に母を亡くしたので、この本のサブテーマでもある母と娘の関係性が気になった。ちょっと消化不良というか、未完というか、、そのあたりの評価は低い。 イスラム圏の文化や歴史、或いは、ユダヤ教やイスラム教に関する知識が深いと、さらに楽しめるように思う。
6投稿日: 2024.06.07
powered by ブクログユダヤ人が第二次世界大戦時に不当な迫害と攻撃を受けるところまで読んで、こんな悲劇を体験している民族が、今パレスチナで民間人の生活を攻撃しているんだよな…とイヤになってしまいました。ユダヤも被害者だけではないよなって。続きは平和になってから読もうかな。
0投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログ実際にあったんじゃないか、と思えるような描写力が印象的な作品。実際は殆どがフィクションだが、ハガター自体は本物。 サラエボで見付かったハガターがテーマ。ユダヤ教についてはなんとなくしか知らなかったが、ドイツだけではない、長い迫害の歴史に驚いた。 もう一度歴史を勉強しなおして、話を読んだら、もっとよく理解できそう。
0投稿日: 2024.04.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・あらすじ 1400年代に作られたとされる伝説のユダヤ教の祈祷書「サラエボ・ハガダー」が発見された。 古書鑑定家のハンナはサラエボに赴き古書の修復、科学的調査を行うことになる。 ハガダーに残された痕跡(蝶の羽、ワインの染み、残されたサイン、塩の結晶、猫の毛)からこの古書がどのような人々と運命を共にしたのか。 スペインで作られたこの古書がサラエボに辿り着くまでの過去パートを逆行していくパートと古書修復家のハンナがその謎を科学的に調査していく現代パートが交互に綴られる。 ・感想 サラエボ・ハガダーという古書があることをこの本で知った。 サラエボ•ハガダーとは「14世紀中葉のスペインで作られたハッガッダー。ユダヤ教の過越の日のための物語と祈りの言葉が記されている。中世の細密画が描かれたヘブライ語最後の本」(by wiki) ・アンダルス時代以降のキリスト教が統治する土地(スペイン)で作られたユダヤ教の祈祷書 ・偶像崇拝禁止とされていた中世のユダヤ教時代に作られたのに全ページに細密画が描かれており美術史が書き換わった。 この2点だけでもこの本がどのようにして成立したのか…とても興味が惹かれるものがある。 サラエボ・ハガダーの詳細な来歴は判明していないけど、作者は巧みに判明している事実と妄想を織り交ぜてドラマティックな作品にしててすごい! 実際にサラエボ・ハガダーが現存するためにも、きっと同じようなドラマがあったんだろうな…と思わせる説得力があった。 ドラマティックといっても使命感を持ち命をかけて本を守った英雄たちの話ではない。 ユダヤ教に関しては無知。 民族対立、宗教対立の他に金融業によるユダヤ資本が僻まれ迫害されていた(間違ってるかも)、割礼という風習がある程度しか知らなかったけど、本作を読むにあたっては知識の寡多はあまり問題にはならないかな。 でももちろん教義や歴史の知識があった方がより物語を楽しめるかも。 過去パートは年代が遡っていくんだけどどの年代もとても印象深かった。 ・WWⅡ時代、ナチによる迫害から逃れるユダヤ人少女と焚書から古書を守ろうと奮闘する博物館に勤めるイスラム教徒の男性の話。 少女の過酷で残酷な運命は読んでいてとても辛かったけど、イスラム教徒でありながらユダヤ人を匿い、ユダヤの祈祷書を守る男性の優しさと信念が良かった。 ・1890年代のウィーン。ユダヤ人医師とハガダーの再装丁を依頼された装丁氏と、いつの間にか紛失していたハガダーの銀の留め金の話。 ユダヤ人医師の性癖はNTR属性云々ではなく、宗教的倫理観からのとかなんかそういうのがきっとあるんだよね…?そこら辺ちょっと読み取れなかったw ・1600年代ヴェネチア。ユダヤ教、イスラム教が異端とされ検閲、焚書されていた時代。アル中の異端審問官の司祭とギャンブル中毒のユダヤ教のラビ(先生)の話。 このターンは実際のサラエボ・ハガダーにもサインが残されている司祭「ヴィストリニ」をメインに据えているんだけど、個人的にはこの話が1番切なかったかも…。 名前と過去を奪われ改宗したヴィストリニの苦悩とラストが切なかった。 ・1492年スペインのタラゴナ。レコンキスタ完了の年。スペインでユダヤ教徒追放令が公布された年にスペインを脱出するユダヤ能書家一家の話。 この話は1番宗教的だったかも。「諸行無常 盛者必衰」をモットーとする私にはこの唯一絶対神を信仰する強い心があまり理解できなかったり…。 でも「絶対」を持つ方が人間良くも悪くも強くなれるんだよなーと思う。 ・1480年のセビリア。イスラム教徒の少女とイスラム総督に戦利品として略奪され妃となったキリスト教徒の女性の話。 実際にハガダーに描かれている黒人女性からインスピレーションを受けて書かれていて、成立の過程が判明するくだりが良かった。 現代パートでも陰謀が起こってミステリー仕立てになっている。ローラが出てきてハガダーを発見するという終着点は良かった。 あとオーストラリアのアボリジニの遺跡保護活動をしているハンナのセリフにふと自分たちのことを省みたり。 足元の自国の文化をもっと知って、大事にしていくことも大事だなと。 そしてやっぱり現在の状況を憂えてしまうな…長い間迫害され追放され放浪してきた民族の望みである「自由と祖国」。 人間の歴史は戦争の歴史だから仕方ないのかもだけど。
0投稿日: 2024.03.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まず、ボスニアってどこ?ユダヤ教…、紛争? この時代ってどんなどの辺だ?ってまるで背景が分かりませんでした。 そういった教養ないと読めないかなと不安でしたが、大丈夫でした。でも多分そういったこと詳しい方が面白いのかもしれません。 本に携わってきた人たちのエピソードが過酷でした。 蝶の羽の章が第二次世界大戦のユダヤ人の人の話なので鬱々としてしまいました。 また、本の修復者のハンナのお母さんも酷いというか… 子供育てるの向いてない人でした。
0投稿日: 2023.12.21
