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樹木が地球を守っている
樹木が地球を守っている
ペーター・ヴォールレーベン、岡本朋子/早川書房
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総合評価

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    木が困難に対処する知性をもっていると分かって素晴らしいと思った。木の方が地球に詳しい。自然に対する考え方は改めて読むまでもなかったかな。家具を買うにも、紙を買うにも、これからは炭素のことが頭をよぎるだろうなあ。

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    投稿日: 2024.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前作、『樹木たちの知られざる生活』に対し、わたしはやや傲慢な(というか、過剰に自分たち人間を信じすぎた)評価を下してしまった。レスポンシビリティという、植物と人間たちが、互いに助け合うことができるという考えを信じたかったからだ。だがわたしはこの考えのことも森のこともーー引いては人間がどんなに強欲で誤魔化しをきかせるウンディゴより悪いものになり得ることも、実際知らなすぎたのだ。 本書には人工林、木材のほか、木製品、紙、トイレットペーパーや本、肉食及びそのための飼料がいかに「野生」(真実古代からの天然)の森を苛みつづけているかが記してある。一種、あこがれでもあったドイツの林業の実際、起きている現実の被害を直視せず同じ過ちを繰り返し続ける林業者たちの業が語られる。悲しくなるのは、わたしたちのくにも同様の過ちを侵しつづけ、さらにわたしたち自身が消費と無知というかたちでその片棒を担いでいることに気付かされるからだ。 著者は同時に、木々の生命力の強さを述べ、人間が「ほんとうに何もしなければ」野生の森が帰ってくると述べている。そう、わたしたちがいま進んでできる「木々へのお返し」ーー与え合いとは、著者が述べたように、かれらの生きよう、また実際の有様を知ることにほかならず、また、無頓着に食べているもの使っているものの出どころを意識することだろう。

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    投稿日: 2023.11.03