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サキの忘れ物(新潮文庫)
サキの忘れ物(新潮文庫)
津村記久子/新潮社
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総合評価

65件)
3.6
10
19
27
4
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大阪万博に並んだので「行列」面白かった。「隣のビル」「喫茶店の周波数」じんわり温まる物語。ゲームブック久しぶりだった。

    0
    投稿日: 2025.12.30
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    登場人物の感性に共感 物語の展開がユニークで面白い 特に列に並ぶ話が面白い 短編の様々な可能性が見られた 電車で読むのにちょうど良かった

    0
    投稿日: 2025.12.08
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    〔サキの忘れもの〕一冊のサキが示した他人とのいびつではないつながり方を。 〔王国〕幼子は彼女だけの王国を持つ。 〔ペチュニアフォールを知る二十の名所〕町の名はペチュニアフォールその過去は二十地点を巡ればわかる。 〔喫茶店の周波数〕居合わせた客のおしゃべりたまたまに周波数合い聞こえてくるが。 〔Sさんの再訪〕日記帳読み返したら出てくるはみんなSさん誰が誰やら。 〔行列〕あのあれをタダで見られる行列は十二時間の人間模様。 〔河川敷のガゼル〕河川敷ある日ガゼルが迷い来て。 〔真夜中をさまようゲームブック〕雨の夜行くあてなくしひたすらに町をさまようゲームブックで。 〔隣のビル〕入り口がどこかわからぬ謎のビル魅力を感じ跳び移ってみた。 〔感想〕ここのつのバリエーションに味変す。/三崎亜記さんっぽいテイストも少し感じた。

    0
    投稿日: 2025.12.06
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    津村記久子は社会人が読んで首がもげそうになるほど解像度の高い「何気ないイラつく感じ」を文章にするのがうまい。生きていれば大なり小なり理不尽と思うことはあるわけで、なんで?おかしいのはどっち?と。無神経だったり、厚かましさだったり、絶対、そっちのほうが生きるのが楽だろうなと思いながらも、そっちにはいけない、いきたくない。つまらない美学かもしれないけれど、それが矜持。そういうちょっと偏屈さを感じるけどいたって普通の人の物語が収められている。おすすめはガゼル。お気に入りは隣のビル。

    0
    投稿日: 2025.11.20
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    何度も離脱しそうになった 「これどうすんの?」と「とりあえず最後まで読んでみよう」がせめぎ合って、短篇集なのに読むのに時間がかかった そして感想を言語化するのが難しく、「ふむ」という感じ 「面白かった」「つまらなかった」「感動した」「難しかった」どれも違う どの作品もぼやっとしている部分があって、読者の想像の余白があるし、それが核心に迫らずモヤモヤするかもしれない 表題にもなっているサキの忘れ物が1番良かったかな 真夜中をさまようゲームブックは異色だったし、ペチュニアフォールを知る二十の名所やSさんの再訪も印象的だった

    0
    投稿日: 2025.11.13
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    独特な世界観で語られる、よくある日常とちょっとした非日常。そして非日常の出来事をきっかけに日常が変わる。そんな物語の数々が集まった短編集。息が詰まりそうな人生における転換点は思いがけないところに転がっているものだと思わせてくれる。 どの物語もからりとした雰囲気で淡々と進んでいくが、そんな中でも親しみやすく不思議と惹き込まれた。

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    この作者さんの本は初めて読みました。 多彩で少しだけ日常から逸脱した、でもどこかのんびりした世界観。 お気に入りは「サキの忘れ物」「王国」「行列」「河川敷のガゼル」「隣のビル」 著者の他の本も読んでみたいと思いました。 (過去記録移動)

    6
    投稿日: 2025.08.25
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    大好き津村記久子さん。今回も安定の面白さ、というか普段よりわかりやすく希望が持てる結末のお話が多い印象でした。ちょっとした一歩が主人公の人生を大きく変える……かもしれないというテイスト。 テレビドラマにもしやすいんじゃなかろうか。津村作品は抜群に面白い割に映像化があまりされていないというイメージなので、どこかのどなたか、ぜひ検討をお願いします。「河川敷のガゼル」のラストシーンなんか、とっても画になるんじゃないでしょうか。ガゼル連れてくるのが難しいか。

    1
    投稿日: 2025.08.16
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    面白かった。ゲームブックが収録されているのには驚いたが、懐かしく遊ばせてもらった。表題作がとても良かったが、個人的にはSさんの再訪が面白かった。

    0
    投稿日: 2025.08.05
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    表題作の「サキの忘れ物」が一番好きです。何がきっかけで人生変わるか分かりませんよね。ある人との出会い、あるいは映画やドラマを観て影響を受けて職業を選んだりすることあると思います。 「ペチュニアフォールを知る二十の名所」は不思議な感じ。シニカルというかネガティブなムードな作品。

    8
    投稿日: 2025.07.13
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    日常生活からヒントを得て空想して広がってつくられた感じの不思議な話たちの短編集 どの話も何気なく読み始めたら「え、こんな話なんだ」と思わせてくれる。どこに着地するのか分からない。ので苦手なひとはいるかも。 その中のひとつ「真夜中をさまようゲームブック」 ゲームブック方式になっているお話で 話を読んで、示されたいくつかの行動の番号を選択して進んでいく。 楽しめたけどゲームオーバーの時は「本を閉じる」と書いてあって 2回「本を閉じる」になり、3回目で無事クリアした。結構時間がかかった。

    25
    投稿日: 2025.06.24
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    河川敷であろうと、動物園であろうと、上流の山の自然であろうと、そもそもどこもガゼルにとっては場違いなのだ。どこもかしこも居心地が悪いのだとしたら、それは柵や檻の外を選ぶだろう。 (P.187)

    0
    投稿日: 2025.06.18
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    短編集。 津村さんの作品の温度が自分に合っていて、どの作品の中にも入り込んで読んでしまいます そしてサキ短編集買いました

    2
    投稿日: 2025.06.14
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    このところハマっている津村さんの作品。 表題作「サキの忘れ物」は心身ともに居場所が見つからなかった千春がバイト先である喫茶店の常連客が置き忘れた文庫本「サキ短編集」をきっかけに自分と自分の居場所を見つける事になる。 鬱屈とした生活から1人の清々しい女性に代わって行く様子が気持ちの良い読後感。 「隣のビル」は津村さんの得意分野なのだろうか、津村記久子作品を読み始めたきっかけの「十二月の窓辺」という作品も隣のビルとその中で働く人との交わりが描かれたいた。 自分の置かれたビルから隣のビルを眺望しそのビルとその中に生きる人々に思いを馳せ、自分の今と向き合う。 本作では自分のいるビルから隣のビルに飛び移りそこで出会った人との交わりから今の自分を見つめ直しこれからの道を探る勇気を得る。

    3
    投稿日: 2025.06.01
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    自分ではうまく言語化できていなかった「ふわふわ」が「あ、私こう思ってたってことかぁ」としっくり。 子どもの時は漫画やアニメでザ!主人公!キラキラ!な人たちを見ていたけど、今大人になって街ですれ違うひとりひとりが主人公であり得るな、と思うこういう作品に会えて嬉しい。

    1
    投稿日: 2025.05.25
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    "真夜中をさまようゲームブック" が好き!何通りもの結末があって選択肢を変えて色々なパターンを読んでしまった。ページを行き来する感覚も新鮮で面白い。

    0
    投稿日: 2025.05.18
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    個人的には「行列」が面白く感じた。あれを見るために列に並び前後に並んでいる人達との会話が中心で話が進んで行く。結局小川さんは10時間近くいた行列からはずれてしまい帰る事になる。あれを見なくて良かったのだろうか?それぞれの心に問いかける短編である。

    6
    投稿日: 2025.02.11
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    淡々としているのにすごく惹かれて あっというまに読み終わっていました。 カギをなくした人のエピソード と あれを見るためにならんでいる人のエピソードが おもしろかったです。

    0
    投稿日: 2025.01.29
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    津村記久子さんの短編集 表題作『サキの忘れ物』と『隣のビル』が好きでした サキの忘れ物、あらすじを何も読まずに読み始めたのでサキさんっていう女性の忘れ物の話かと思ったら全然違った 海外作家の作品は読んでこなかったので、ちょっと挑戦してみたい 終盤にかけてぐっときて、少し泣きそうになった 1つ1つの作品は短いものの、どの話も少し不思議な世界観が広がっている 行列…一体何に行列してたんだ……? 真夜中をさまようゲームブックだけは飛ばしてしまったので、時間があるときにやってみたいな〜 津村さんの作品は読了後にいやな気持ちが残るものが少なくて良いな

    4
    投稿日: 2025.01.12
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    お初の作家。昨年ヴァージニア・ウルフの灯台へを読んだら巻末の解説が津村記久子さんで、その文体と内容のトーンに好感をもった。この方の作品を読みたいと思い手にした次第。まずは短編集から。冷静で世の中にやや批判的なユニークな視線が素敵。 「サキの忘れ物」 表題作。高校中退の無気力なアルバイトの主人公女子が働く病院併設のカフェ。いつも来る見舞客の女性。ある日その常連客が文庫本を忘れていき、それがきっかけで読書を始めた主人公。わからないをわかりたいと思うことが、世界との接続を作り人生を拓く。 「王国」 幼稚園児が見ている世界。空中には心の友が出現し、膝の傷は王国だ。それを理解できるかどうかは、大人も子どもも関係ない。 「ペチュニアフォールを知る二十の名所」 旅行代理店のスタッフにある観光地の説明を受けている。だんだんその街の不穏な歴史が分かっていく構成。 「喫茶店の周波数」 もうすぐ閉店する喫茶店の常連客のひとりは、周りの人の会話に聞き耳を立てるのが密かな楽しみ。 「Sさんの再訪」 昔の友人から連絡が来たが、誰だったか思い出せない。日記を読み返して記憶をよみがえらそうとしたら…。 「行列」 "あれ"が日本に来て展示が始まった。偉大なそれを見るには、12時間も並ばなくてはならない。12時間の間に、商売が見せる滑稽で黒い世界、そしてそれに乗じる人間の滑稽で浅ましい行為が次々に。 「河川敷のガゼル」 ある街に野生のガゼルが。ガゼルは街のシンボルになるべきか、育成に適した動物園に寄贈されるべきか、それとも。誰がガゼルを本当に愛している? 「真夜中をさまようゲームブック」 何通りにも別れるストーリーを、ゲームブック形式で読んでいくスタイル。何度もページをいったりきたり。終わり方も何通りも。 「隣のビル」 嫌な上司から理不尽に怒られ仕事場から飛びたくなり、隣のビルに飛んでみた。

    22
    投稿日: 2025.01.04
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    津村記久子さん初見。短編集。 恥ずかしながらこれまで存じ上げず、世界観も作風も何もわからないのであくまでこの本だけの感想をと思いましたが うーん…言語化しにくいです… わざと誇張されているわけではないはずなのに、人間社会で拭いきれないグロテスク、狡さ、隠した本音(秘密)、憶測による歪曲、自己中心性、流されやすさ…不意にザラリとしたところに触れて、驚きと嫌な気分が少しずつ少しずつ混ざるような もやもやした感覚が、読んでいる間ずっと傍にいた感じがします。文庫うしろの紹介文やカバー絵が爽やかなだけに「あれ?」と言う気持ちで頁をめくっていました。 そんな作品群のなかで、人との出逢いによって何かに気づき、自分の足で立とうとする「サキの忘れ物」「隣のビル」が好きだったかな。偶然居合わせた人からのひとことで心が軽くなったり、急に腑に落ちたりした自分の経験をなぞっているのかもしれない。 ところでゲームブック形式のもの、ものすごく久しぶりに触れました。そうそう、楽しかったなこういうの。指を挟みながらページを行き来するこれはアナログの醍醐味かもしれません。

    0
    投稿日: 2024.12.11
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    サキの忘れ物、隣のビルが特に良かったです。 私もサキの短編集読んでみたくなりました。 行列のあれは結局なんだったんだろうか、、、笑 どれも一癖?ある不思議な作品でした。

    0
    投稿日: 2024.11.14
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    短編小説。それぞれの主人公たちと周りの人々が関わる中で起きた出来事を淡々と描いている。 主人公たちは大抵やる気に満ち溢れてはないし、どちらかというと冷静に周りの人たちを見て、仕方ないと諦観している人物たちが多かったが、様々な人と関わる中で「やってみたい」と感じたことを実行して小さな幸せと日常をつむいでゆく姿がよかった。 印象深いのは買い物するときに「〜が得」「〜すると儲ける」という話はするけど、「〜が好きだから買う」という話はしないという人。登場する人物が皆、あぁこういう人いるなぁという妙なリアルさがあった。

    0
    投稿日: 2024.11.02
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    津村さんの短編集。 高校中退後カフェで働く、自己肯定感の低い千春が、席にサキの短編集を忘れていった女性客との淡いつながりを機に、一歩歩みを進めていく「サキの忘れ物」。 これは本好きの琴線に触れる作品であることは言を俟たない。 「ペチュニアフォールを知る二十の名所」「喫茶店の周波数」あたりは、なんとなく森絵都さんの『できない相談』を思い出した。 そういえば、本書の帯に森さんがコメントを寄せている。 「行列」も面白い。 人々が期待しながら、何時間も行列になって待っている。 その詳細がリアルに描かれていくのだけれど、何の行列かは、最後まで読者には明かされない。 まあ、カフカなんかと比べれば、不条理感は比較的耐えられるもののような気はするが。 むしろ読書経験によって心がざわつくのは「真夜中をさまようゲームブック」。 短い章段が連なっていて、章末には読者が主人公(「君」)の行動を選択することによって、次に読み進める章段が決まっていく形式の小説。 鍵をなくして、深夜自宅に入れなくなってしまった主人公がやむなく夜の街に出てやりすごそうとするのが物語の発端。 正直、自分ならどれも取りたくない選択肢があったりするし、主人公は筆者の忠告通り、割とすぐに死んでしまったりする。 夜中の街をさまよう主人公と同様に、こちらも作品世界からなかなか抜け出せないのだ。 なるほど、こういう読者の巻き込み方もあるんだなあ、と思いながら、「本を閉じ」た。

    0
    投稿日: 2024.10.20
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    111108さんにおすすめしていただいて。いつも素敵な作品を教えていただきありがとうございます。 どの小説の人物の日常も地味でうだつが上がらないのだけど、その中のほんのわずかな転機や喜びが描かれていて、なんだか読んでいて励まされるような気持ちになった。適度な距離感で幸運を祈ってくれるような1冊。 職場で、自分は便利な駒あるいははけ口にすぎないと感じ、出勤の足が重いなあという時、通勤電車で何度もほのかに気分を上向かせてもらった。 「どこもかしこも居心地が悪いのだとしたら、それは柵や檻の外を選ぶだろう」という文章もすごく好きだった。津村作品はいつも心に響く文章がある。 どの作品も捨て難いけど、「サキの忘れ物」「河川敷のガゼル」「隣のビル」が特に好き。

    32
    投稿日: 2024.10.09
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    ちょっと不思議な短編集。 独特の世界観なんだけど、 入り込んでしまえばあるような気持ちになる。 通勤に読むのにちょうどよかった。

    0
    投稿日: 2024.09.27
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    津村さんの作品を2作ほど読んで、この方は日常のほんの一ミリの感情を、私たちにこうだよね?と示してくれる作品が多い気がする。 確かに、そうかも、と思いながら読む作品が多い。 個人的には「王国」と「ペチュニアフォールを知る二十の名所」が好き。 私も変わった子だったので、「王国」のソノミの行動や考える事が自分と面影を重ねて読んでしまっていた。 「ペチュニアフォールを知る二十の名所」はプチミステリー感があって面白かった。

    1
    投稿日: 2024.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どの物語も、普段の日常的で起こりそうなんだよなあ、と思う。ありふれていそうな事が、津村さんの手にかかると途端に面白くなる不思議。「行列」 も「河川敷のガゼル」も、ガゼルが何なのか、何を見るために行列に並んでいるのか明らかにされないし、読者の想像でしかないけれど、自分が体験したような既視感のある風景が浮かんでくる。 「サキの忘れ物」は素敵な物語だった。仕事って誰もが楽しく働けるわけじゃないし、色々な思いを抱えながらやってるけど、もし一つでもこんな経験があれば、それを糧に働いていけるんだよなあと思う。

    1
    投稿日: 2024.08.17
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    「隣のビル」がだいぶよかった。 言葉にしづらいできごとがあって、どうにもできないと思っていたら、なにかきっかけがあって動き始め、動き始めたことに主人公が気づいて、おそるおそるでもちょっとずつ動かしていく感じ、津村さんの物語でよく見るような気がする。 初めは受動で、なにかに転がされているのかと思ったら、のろのろと能動になってやがて立ち上がって歩いていくような。 なんともひょうひょうとした感じの津村さんの文章、面白い。

    2
    投稿日: 2024.07.29
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    普通ーであってもおかしくない状況が全然普通じゃない世界。どれも静かにながれる川のようだった。好きだったのはずっとガゼルを見ていた少年

    0
    投稿日: 2024.07.25
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    風変わりな短編小説だな、というのが第一印象。 気付けばページをめくる手が止まらず、そのひとの他の本をチェック。 不思議。

    0
    投稿日: 2024.07.17
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    装丁がかわいくて手に取ったけど なかなか読み進めれなかった。 世界観が私には理解できないものが多かった。 本のタイトルにもなってるサキの忘れ物のお話が1番よかった

    3
    投稿日: 2024.07.06
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    津村作品の好きなところ。 少ししんどい(けどまだ本人は耐えられているのがミソ)状況に、フッと風穴が開くところ。 名前も知らない隣人(街の人くらいのニュアンス)が、その風穴を開けていくところ。 風穴が開いたその瞬間、私たちの人生に活路が生まれる。行き止まりだと感じていた道に、分岐があることに気付く。 本作も、表題作『サキの忘れ物』ほか、好きだな〜と感じる作品が並ぶ。主人公だけでなく、読者の生活にも風穴を開けてくれる。 さらに、挑戦的な構造の作品がいくつかあり面白い。 読まれる際は、ペンと紙をお忘れなきよう。

    2
    投稿日: 2024.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いろいろな趣きを楽しめる短編集。 表題作は、素敵で温かい気持ちになった。 「行列」はなんとも言えないもぞもぞした感覚に。 世の中そのものが、〝あれ〟の行列に並んでいる人のように お得と思っていたら、あれこれ売りつけられているのかな〜と思ったり。 「Sさんの再訪」はラストのキレが最高! ゲームブックは、何度かバッドエンドになりながらも いろんな経路をじっくり楽しめた。 物語そのものは不思議な感じ。 ちゃんと人と関わろうとすると救われ、 知らんぷりするとバッドエンドになりやすいのかな、と。

    1
    投稿日: 2024.06.16
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    独特な世界観。 味わったことのない感覚。 そんな短編集だった。 表題作の「サキの忘れ物」は好き。 「ペチュニアフォールを知る二重の名所」も楽しめた。 あとは…今ひとつピンとこず。

    0
    投稿日: 2024.06.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『隣のビル』が一番好きです。 最後の一文を、これから自分が仕事で苦しくなった時のお守りにしたいです。

    0
    投稿日: 2024.05.26
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    なんとなく、どこかしらクセ(個性?)のある人たちが主役の短編集。 表題作「サキの忘れ物」、何にも興味がもてない、何をしたらいいか分からない千春が、本を読んでみたいと思うようになったこと、分からないことを分かりたいとするところが、心に刺さった。 1篇ずつ趣の異なるストーリーが展開されるのだけれど、あまりにさらっと読みすぎたなと、解説を読んでちょっと後悔。 さらっと読めてしまうんだけれど、じっくり考えながら味わいながら読むと、もっと違う世界が見えただろうか。

    1
    投稿日: 2024.05.01
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    なんというか、体温の低そうな主人公があまり起伏のないようにみえる時間を過ごしながら、でも確かに変化していくようなお話たち。 さらっと読めて、でもじわっと効いてくる感じがたまりません。

    2
    投稿日: 2024.04.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    サラサラと読める作品ばかりで、全体的には面白かった。 ただ、「行列」は読むだけで疲れてしまって、読んだことを後悔しました。

    0
    投稿日: 2024.04.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    友人二人が激賞していたので借りてみる。『うどん陣営の受難』がとっても良かった事も後押し。 頭の中でさらさらと流れてゆく考えをそのまま文章にしたような文体。だんだんクセになってくる。 『サキの忘れ物』千春18歳の、自分を世界にどう位置づけていいやら分からないどころか、自分自身を捉えられてない心もとなさは「おお…久しぶりかつての私」という感覚だった。何気ない事がターニングポイントだったりする。サキの短編集を読んでみたい。 『王国』網膜のなんかの影?を目で追う為に白目剥いちゃった記憶あるなぁ。怒られたねぇ。 『行列』素晴らしい。現代寓話。うんざりだと思ったらドロップアウトして、別の場所に行くのは有りだと思う。ここでも「おお…略」 『河川敷のガゼル』生きながらえる事だけをより良い事とする怖さ。他の生物が与えられるものなんて限定的なものだし、幸せは自分で決めていくしか無いのに。 『真夜中をさまようルールブック』ルールブック!!?小学校の頃男子同級生が貸してくれたぶりだ!攻略法を覚えてないぞ!すごく行ったり来たりしたけど楽しかったです。 『隣のビル』現実逃避の為の妄想をやっちゃった人のお話。シュミレーションするだけだと思ってた事が現実になる事ってままあるな。 もう完璧に津村記久子ファンになりました。

    2
    投稿日: 2024.04.10
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    「サキ」が大好きなので表題作を一番楽しみにしていた。 でも思ったのと違った…他の話も好きになれなかった。

    2
    投稿日: 2024.03.25
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    ちょっと実験的な作風のつまった短編集。「真夜中をさまようゲームブック」が特にそう。おもしろいね。【2024年2月16日読了】

    0
    投稿日: 2024.03.17
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    津村さんの作品は、同じ境遇にある人たちの心の中の動きがつぶさに描かれていて、え?私の声?とか、同じ立場だったらそう感じちゃうよね〜という共感半端ない。大きな事件が起きるわけでも、大きな嬉しいこと、大きな悲しいことが起きるわけでもない。でも人は生きていくわけで、そのための一歩踏み出すためのエネルギーは自分のなかにちょこんとあるんだなと。

    1
    投稿日: 2024.03.05
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    いやぁ、またまた津村ワールド 楽しめた まったくつながらない短編9つ。 たやすくない日常にところどころやってくる、人からの小さな毒を払いつつ、聞こえなかったふりをしたり、流しながら、本当に小さなあたたかさを見つけたり、出会ったりの物語。どうも見つからないのもある(笑) 表題の「サキの忘れ物」が一番よかった。 「喫茶店の周波数」はタイトルが秀逸。ちょっと ”むらさきのスカートの女”の世界も思い出させる。 「とにかくうちに帰ります」の懐かしの人を連想させる登場人物もちょろっと出てきて、にやにやしてしまった。 「河川敷のガゼル」の少年も良かったなあ。まるで、理想的な親みたいだった。 他にも「行列」とか「ペチュニアフォールを知る二十の名所」などなど。 たやすくない日常に潜む人の毒 毒があるんだけど、なんともいえない、津村さんのユーモアで毒をあぶり出しながら、淡々とユーモアで包む。本当に不思議な作家さん。 一つ一つ読み終わりながら、表紙を眺めるのもまた、楽しい。 ブク友さんのレビューを読んで、解説を読みたくなり文庫の解説を後から読んだ。 良かった。これから読む人には文庫で最後解説までをおすすめします!やっばり津村さんはすごいなあ。

    28
    投稿日: 2024.02.27
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    楽しそうな装丁に惹かれて手に取り、本が出てくる話らしいと見てレジまで行きました。 表題作の「サキの忘れ物」は大学での人間関係に挫折したらしい女性が、バイト先の喫茶店で忘れ物の本と出会い変わっていく暖かなストーリー。 短編すべてこのコンセプトかと思ったら、他は気持ちザワつくものが多い。古い街の街歩きガイドみたいな話と思ったら、どんどん不穏な歴史が掘り出されるペチュニアフォールの話が良かった。 装丁に各短編が散りばめられているのもイイ!

    21
    投稿日: 2024.02.26
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    表題のサキの忘れ物という物語が一番心に残った。お客さんの忘れていった一冊の本に感化されて人生が動いていくという印象的なお話だった。私もそういう本にであってみたいと思った。

    8
    投稿日: 2024.02.11
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    可愛らしい装丁、本の題名に惹かれ買った本。 私が想像していたものと150度くらい違う内容でした。 内容的に普段は好んでは読まないジャンルの本でしたが、 短編集だったので私にとっては尚更良かったのか、ちょっとシュールな感じが何だか癖になりそうです。 さらっと読み進むことが出来ない内容でした。本って奥深いんだなって思わせてくれた作品。 個人的に行列と最終話が特に気に入りました。

    12
    投稿日: 2024.02.10
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    ● ペチュニアフォールを知る二十の名所 おもしろい形式。まるで寂れた町を探検するゲームのシナリオを読んでいるような気分になる。行ってみると昔からの住人がいて、新たな情報が得られそう。最後の誘い文句もいい、この後きっと行ったんじゃないか。 ● Sさんの再訪 タイトルが良い。 ●真夜中をさまようゲームブック ゲームブックを初めて体験した。こんなにワクワクする文章もなかなかない。自分の知らない事象が存在していて、分岐の中でそれを感じながらも関われないもどかしさがある。

    3
    投稿日: 2024.01.21
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    昨年末の朝日新聞書評欄『読書編集長が選ぶ「今年の3点」』の内の1冊。 他の2冊は「水を縫う」と「いつの空にも星が出ていた」で、これらはお気に入りの作者さんなので「読みたい」に入れてあったが、この本はノーマーク。 なんと書いてあったか忘れたのだが、読みたくなるようなコメントがあったはずで、「読みたい」に追加していた。 不思議な趣、変わった佇まいの本。設定も多彩で少しつかみどころがないのだが、しかし何故か惹かれるところが多々あり。 病院の喫茶店で働く千春、幼稚園でデリラを探すソノミ、喫茶店で隣の人たちの会話に耳をそばだてる私(38歳男性)、学生時代多くのSさんたちに囲まれていた田口さん、あれを見るために12時間の行列に並んでいた小川さん、河川敷のガゼル、いつも隣のビルをのぞき見している会社員…。 9つの短い話のほとんどが、『どこもかしこも居心地が悪いのだとしたら、それは柵や檻の外を選ぶだろう』てな感じで、そこまで描かれてきた話をひらりと飛び越える落ちのつけ方をして、痛快と言うかとても感じるところがある(そのおかしみや味わいをうまく言い表すことが出来ないのがちょっともどかしい)。 7つ目の話の中で、主人公がガゼルの警備員に雇われた経緯について『ガゼルが好きですか?と尋ねられ、好きですと答えた後に、ものすごく好きですか?と重ねて問われ、ものすごくというわけではありませんと正直に答え、思えばあの時、ものすごく、と答えていたら採用されなかったかもしれないと、そんな気がする』という描写があるのだが、全編に流れているこんな感じの微妙な加減も好きだなあ。 「読み終わった」に入れたが、実は読了できていない。 8つ目のお話(真夜中をさまようゲームブック)、どれだけやっても、私の考え方の嗜好で辿っていくと、簡単に『本を閉じること』になってしまうんだな、これが。 悔しいので、筆者が言う通り紙とえんぴつを用意して全通りやってみようと思ったのだが、時間が取れずに、取り敢えず「読み終わった」に入れた…。(いつかやります)

    53
    投稿日: 2024.01.20
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    18歳の千春が1冊の文庫本と出会い人生が変わり始める本題の短編を含む9短編。 仕事に関する描写は著者ならではの視点が独特で引き込まれる。 こういうことよくあるし、こんな人もいると共感できる。 人の会話をラジオを聴いているようとの感覚が印象的。

    6
    投稿日: 2024.01.07
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    昨年からゆっくり読み進めた。 なんてことないけどたやすくないことを、ここまでリアルに書けるのすごいな。境界線の曖昧さを飛び越えたときのような清々しさ、ちょっと寂しさを感じた。 つめたいけど優しい不思議な短編集だった。

    2
    投稿日: 2024.01.03
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    #サキの忘れ物 #津村紀久子 #読書記録 ブハラからタシュケント行きの鉄道の中で読了。いや、爽やかな明るい本読みたいな、と思ってたんだけどね。全然違った。すっかり不思議な物語たち。不思議な世界に連れ込まれました。 表題作『サキの忘れ物』は、普通の日常物語。でいながら妙に社会派感を覚える。高校中退で、自分というものがなく、ぼーっと生きている(自堕落ではなく、そう生きるしかない切ない、苦しい感じ)主人公が、本と(そしてその持ち主と)出会って、真っ直ぐ前を見られるようになるお話。 『王国』は、幼稚園児童の話。おぉ。こんなに子供目線になれるのすごい。 『ペチュニアフォール…』『行列』『河川敷のガゼル』『真夜中をさまようゲームブック』は不思議感が溢れている。異世界を淡々と描かれると、なんか不気味で不穏。 『喫茶店の周波数』『Sさんの再訪』は割と普通の物語。だが、なるほど、『サキ…』も含めて、なんか、人の気持ちに入り込みすぎたり、自分の気持ちを自分に暴露しすぎていたり、な、生きにくい感じが息が詰まる。のが、なんか不気味で面白いのか? 『隣のビル』は再び普通でかつちょっと明るい未来が見える(普通の日常が描かれるサキ、喫茶店、Sさん全て、未来は明るくはあるな。が) 旅先で読む本じゃない。。

    1
    投稿日: 2024.01.03
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    久しぶりに津村さんの作品を読みました。 帯は、 ------------------------- 1冊の 文庫本が、 18歳の千春を 変えてゆく。 いつまでも残響が胸に残った。(森絵都) 津村さんの新作は希望のひとつなのだった。(益田ミリ) ------------------------- 9話の短編集です。 文字が並んでいるだけなのに、 著者によって雰囲気が違うんですよね。 (当たり前ですね。苦笑) 心が疲れていたり、 ざわざわしているときに津村さんの作品を読むと、 落ち着くというか、冷静になれるというか。 1作品目の「サキの忘れ物」、 最後の「隣のビル」が個人的には好きで、 それにサンドイッチのように挟まる形で、 「ベチュニアフォールを知る二十の名所」、 「真夜中をさまようゲームブック」は 少し怖くて好きでした。 「喫茶店の周波数」は お気に入りの喫茶店で訪れる人たちの会話を盗み聞きする場面がある(聞こえてきちゃうのかもですが)んですが、 その気持ち、なんかわかる…とじわじわしてました。笑 「Sさんの再訪」は昔の友人を思い出せず、 当時の日記を読み返して確認するものの、 登場人物はイニシャルで書かれていて、 たくさんSさんが登場するんですが、 それもくすりと笑えます。 「行列」もなんですが、 よくわからない、 ちょっと不思議な世界観のなかに、 日常生活のなかでちょっと感じる (だからすぐ忘れたりなかったことにしちゃう) モヤモヤとかとても嫌な気持ちとか、 ちくっとするようなことを描いていて、 だけどふっと軽くなったり落ち着くような結末だったり。 普段はあまり解説をしっかり読むことはないのですが、 本作の解説は読みやすくて良かったです。

    8
    投稿日: 2023.12.16
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    9編から成る短編集。表題の「サキの忘れ物」は、1札の本が千春にもたらした変化が素敵だなと思った。「喫茶店の周波数」は、聞き耳立ててるつもりはなくてもついつい話の先が気になってしまうの分かるなあ、そうか周波数が合っちゃったのか、と共感。真夜中をさまようゲームブック」はゲーム感覚で読めて面白かった。

    1
    投稿日: 2023.12.14
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    様々な語り口の短編小説。「サキの忘れ物」では読書の素晴らしさを感じたし、「王国」も新しい世界の切り取り方を知れて良かった。

    1
    投稿日: 2023.11.04
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    表題作「サキの忘れ物」がめちゃくちゃ良かった。少しでも本が好き、好きだった時間を持つ人の心に沁みるんじゃないかなあ。続く「王国」も好き。じっと白目を剥いてる幼稚園児を想像すると面白い。 津村記久子はエッセイとお仕事小説(いわゆる「お仕事小説」じゃないのだがそう呼びたい)しか読んだことがなかったので、新鮮な短編集だった。人間観察から生まれる毒とユーモア、こんなのも書かれるんだ。嫌味がないよね。 この人の書く人物って、地味だけど(失礼)確かな感触があって安心するんだよな。地に足ついてるっていうか。それって凄いことなんだろう。

    2
    投稿日: 2023.10.25
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    解説も含め一つの作品だった。自らの読解力では落とし込み、腹落ちしなかった部分も、都甲幸治さんの解説で納得行った。たしかに「境界線を越える」がキーワードだった。繋がりのない短編集だと思っていたが、すごく納得。 わたしもサキの短編集読んでみたくなった。

    2
    投稿日: 2023.10.21
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    「とにかく、この軽い小さい本ことだけでも、自分でわかるようになりたいと思った。」 当たり前だけど、読書をする行為は、読書から何かを得る前に必要なこと。そして、本を手に取る事のハードルの高さは、人によって違う。そのハードルを超えた時に、はじめて知ることに、感じることに出会う。 「行為」と「得る事」の間に隙間がなくて、同時に満たされているように、身体の動きのように、本と接する人がいる。そういう姿は、心を打つほどに美しい。 「見守っている、とデリラは漂っていった。見守っている。あなたがわたしの存在を信じている限り、わたしは現れる。」 子どもの頃、頭の中に物語があって、一人の時によくその世界に入り込んでいた。中学ぐらいまで続いていて、むちゃくちゃな物語だったけど楽しんでいた。逃げ場だったのだろうか…。 「はいはい、パワースポットをお探しとのことですね。」 そういえばパワースポットと言われる場所には歴史が絡んでいる事がほとんど。そして、観光する人は、歴史の一面しか見ていないことがほとんど。視点を変えたらとても怖いものが見えてしまうのかも。 「隣の席の人の会話はラジオみたいだ、と思う。」 喫茶店に行った時、どこに座ろかと必ず迷う。それは人との距離と、見える景色がいつも判断基準になるのだけど、距離の方はなかなか難しい。ここしかないと座った場所で、隣りの人のげんなりする話の渦に巻き込まれてしまう事がある。 「日記には、五人のSさんに加えて、もう一人のSさんのことが書かれている。私の夫である、阪上のことだ。」 振り返って、嫌だったことの確認が、今の選択につながってしまうのは怖い。 人の本質は変わらない。 人は日々更新されていく。 相手をどちらの視点で見るのかで、諦めと希望の比重が変わる。 「あれはすばらしかったですよ。本当にすばらしかったですけれども、もっと苦労せずに見られて、同じぐらい良いものもありますよ」 行列は基本的に嫌いだ。待つとか並ぶとかはほとんどしない。そうしないと出会えないものもあるけど、そうしない事で出会えるものもある。でもみんながそう思うべきとは思っていないし、自分も、例外的に、積極的に並ぶ事を選ぶ時もある。ところで「あれ」ってなんだろう…。 「どこもかしこも居心地が悪いのだとしたら、それは柵や檻の外を選ぶだろう。」 我々は囲われる事に安心や安全を見つけてしまう。外側に目を向けてもなかなか動けない。 「真夜中をさまようゲームブック」 なんとなくゲームは昔から苦手。理系だから得意なのでは、とよくわからない理由で規定される事が過去に何度もあった。数学が専門だったけど数値計算だって苦手。 「まだ自分にこんな運があるんなら、もうあいつに傷付けられないところへ行こう、と私は決めた。」 人生の選択はちょっとした運に縋る事なのかもしれない。いや、その運に祈りを託す事なのかな。 読んで良かった本。 いろいろな事を思い出した。 そういうところをついてくる物語達だった。

    7
    投稿日: 2023.10.16
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    内容に毒々しいものはないのだが、なぜかその中にもユーモアが溢れている。癖のない文体になぜか注目してしまう。

    8
    投稿日: 2023.10.14
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     短編小説にはいきなりテーマを提示し、それを放り出して終わるという類のものがある。それが短編の魅力であり、読者側のお約束でもある。それに違和感を覚える人はついていけないかもしれないが、枠内に入ってしまえば自由に楽しむことができる。  この小説集は短編のそういう性格を巧みに利用している。こまかな設定の説明は最低限にして、いきなり本質を見せつけている。表題作の「サキの忘れ物」は学校をやめ、居場所をなくしつつあった主人公が、バイト先の客が残した文庫本をきっかけに自分を取り戻していくといった内容で、それがサキという短編作家の小説であるというのがポイントになっている。小説によって自分を変えていく人物を、小説の主人公として読者として読むという画中画もしくは劇中劇のような不思議な感覚になる。  「行列」という作品では有名なものを行列してでもみるという人間の心理をそのまま作品にしている。途中で起きる困惑や欺瞞、あるいは物質欲がもたらす悲喜劇などうまく書き込まれている。  「真夜中をさまようゲームブック」は読者自身のサバイバルゲームのような体をもっているが、小説の展開がどのように構想されるのか、その途中の段階を見せてくれる。  この作品集の評価は割れると思う。私などは実験的な書き方を楽しめた。星新一のようでもあり、筒井康隆のようでもあり、そのどれでもない独特の手触りのある作風だと感じた。

    2
    投稿日: 2023.10.12
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    津村記久子さんはいつも仕事、職業、職場を舞台として女性を書く作家というイメージ。正社員であれ、派遣社員であれ、パートやアルバイトであれ、そこで生まれる微妙な違和感や居心地の悪さを、そして多くはそこから救われる瞬間を描いているように見える。 違和感なのでひどく辛い世界ではない、しかしそのどん底に落ちていくのは辛い、そこから誰かの助けの手や、ちょっとした気づきで、ちょっと救われる。 そういう意味では表題作の「サキの忘れ物」は違和感以上の不幸の中に主人公は落ち込んでいるし、そこから抜け出す流れもちょっといつもの津村記久子さんの作風とは異なる気がするが、作品としてはやはり一番読後感が良い。

    3
    投稿日: 2023.10.04
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    共通テストの過去問に「サキの忘れ物」が使われていて、その問題で満点を取れたのが嬉しかったので買った サキの忘れ物は高校を中退して病院のカフェで働いている主人公が忘れ物の小説をきっかけに本を読み始める話だった 空気の湿度とか温度とかにおいが伝わってくるみたいで読んでいてここちよかった その他にもすりきずを毎日観察する園児の話とか観覧無料の展覧会を12時間待って見に行こうとするお話とかが収録されていた 感情がすっきりはっきりしていなくて頭と心の中で混ざって変化していく過程が伝わってくるようだった 雰囲気がとてもよかった

    2
    投稿日: 2023.10.01
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    表題作の「サキの忘れ物」 「一冊の文庫本が、18歳の千春を変えてゆく」 という帯を見て羨ましいな、と思い手に取った。 若い頃から本を読んできた人からしたら、18歳は遅いのかもしれないけれど、私はもっと遅くから本を読む習慣ができたので、18歳でも人生を変える出会いがあるなんて羨ましい。 千春のバイト先の菊田さんの様に、普段本の話なんかしないだけで、本が好きな人って身近にいるのかもしれない。 「喫茶店の周波数」は好きな話。『静かにしてれという要求の代わりに、席が隣り合う人には、面白い話をして欲しいと、思う。』と主人公が思うシーンがあるが、勝手な意見なのに妙に納得してしまう。 「行列」は何だかずっとイライラする。この主人公は喫茶店の彼か?と想像しながら案の定何の行列かは最後まで分からない。 「真夜中をさまようゲームブック」は楽しく挑んだが、やっぱり途中死んでしまったりしたので、やり直して、やっと終わった。他の結末もあるのだろうから、今度違う選択肢で進めてみたい。 基本的には作者らしい?不思議な話が多かった。

    2
    投稿日: 2023.09.29
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    感想 誰かが残していった。歯車の隙間に挟まった。ちょっとした出来事だったけどそれがきっかけになる。きっかけを見落とさないように。

    2
    投稿日: 2023.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最近ひそかに気になっていた津村記久子さんの短編集。 むむ、この人、うまい・・・!好きな作家さんのひとりになりそうな予感。 収録作品は9作。全て、全然違うんだけど、全部おもしろくて(ガハハと笑うという意味ではなく、お話として、という意味)、全部「うまいな・・・」と思ってしまうものばかりだった。 「サキの忘れ物」 病院併設のカフェという失礼ながらあまりパッとしないところでバイトをしている主人公の淡々とした日々が、お客さんが忘れた本がきっかけで動き出す。「サキ」というのはその本の著者。ドラマチックに描かれていないのに、「え、すごい」というところに着地する。淡々とそこに向かっていく、その「淡々」がよかった。 「王国」 こういう、小さい子を主人公とした小さい子目線のその子独特の世界を生き生きと描ける人を心底尊敬する。似たようなものを読んだことがあるような、なかったような気になりながらも、とにかく尊敬する。素晴らしい王国だった。 「ペチュニアフォールを知る二十の名所」 これまた、おもしろかった。こういう形式のお話はあまり読んだ記憶がない。「ペチュニアフォール」という街への旅行をお客に勧めているであろう旅行代理店担当者(と思われる人)の語りだけで進んでいく。ふんふん、と大人しく聞いているとどんどんと「ペチュニアフォール」の怪しい黒歴史が紐解かれていく。架空の街の架空の歴史、大いに楽しませてもらった。私はすっかり「お客」だった。 「喫茶店の周波数」 これは、なんでかすごくおもしろかった。(←さっきからそればっかり)お気に入りの紅茶専門店兼喫茶店が閉店するということで、閉店二日前になんとか入店する主人公。この主人公は、喫茶店の周りの人の話をラジオのように楽しむ癖があり・・・。あんな客がいたな、あんな会話をしていたな、と思い出したり、今隣にいる客の話にじっと耳を傾けたり。ある時は、全く意味を待たないというか生産性のないことばかり言う隣のテーブルの若者にげっそりきて、「私はこの国の将来を憂い、無性に国籍を変えたくなった。」とあり、思わずブハっと笑ってしまった。他にも、まだ注文を迷っているという時点なのに、忙しくしている店員を呼びつける隣のテーブルの女性客がその店員に何を注文しようか「まよってる」というようなことを正直に言うと、「まよっ?」と驚愕する主人公。これにも思わずクスっと笑ってしまった。作者の津村さんの笑いのセンスの良さも感じられる。お話自体はただそれだけなんだけど、無性に、おもしろかった。 「Sさんの再訪」 これまた、あっさりスッパリした終わり方に「そこー?そこかぁ。そうきたかぁ。」と感心してしまった。いや、うまいな、津村さん。(←全然説明できていない) 「行列」 これも津村さんの力量がよくわかり、「う~ん」とうならされたお話だった。東京五輪以来初めてお披露目されるらしいあれを見るために長蛇の列に並ぶという話。あれがなんだかわからないからか、自分が知らない未来の話か、SFのようにも感じられ、自分でもちょっと不思議な感覚だった。私だったら言語化を諦めてしまいそうな状況を文字に落として説明して、このあれを見るための長蛇の列がどんなものかをすごくうまく読者に伝えてくれる。動きの少ない行列なのにやけに臨場感があった。そして行列のほぼ前後だけという狭い空間での人間模様がまた興味深かった。ちょっと嫌気がさすほど人間味にあふれていて、行列に並ぶ疲労感が味わえた。 「河川敷のガゼル」 河川敷に突如ガゼルが現れた。そんな驚きの出来事に町も人も浮足立つが、なんだかずっとグダグダしている。ガゼルをそのままにグダグダしている。ガゼルというあまりあり得るとは言い難い生物の出現の割には、地味に低いところを進んでいくようなお話で、ある意味新鮮なお話だった。余談だけれど、ガゼルをはっきり認識しようとググってその顔を知った翌日、PCを立ち上げたら、ログイン画面にガゼルが現れてびっくりした。ランダムに色んな画像が表示される仕組みとはいえ、とりあえず、「お!ガゼル!」とびっくりした。 「真夜中をさまようゲームブック」 これはゲームブック形式の小説だった。ゲームブック形式のお話なんて初めて読んだ。始めの注意書きを無視してメモを取らずに読んだから、何度もゲームオーバーしてどこからやり直したらいいのかと、ウロウロしてしまった。やっとクリアしたけど、気になるので、(当然)全部読んでみたら、もっといいクリアがあった。悔しい。ゲームだった、本当に。 「隣のビル」 上司が嫌なやつで、それでなんか仕事に戻りたくなくて、いつも眺めていた隣のビルに衝動的に飛び移る女性の話。と書くと変な話に思えるけれど、変な話なんだけど、なんかとても良い。未来が明るそうな終わり方で、そうだよ、そんな仕事続けるくらいなら、隣のビルに飛び移ってしまって、吹っ切れて良かったんだよ。と、ちょっと胸があつくなった。変なお話が「変」だけで終わらない。なんかすごい、津村さん。 全部の短編に何かひとこと感想を言いたくなる本でした。とても良かったので、津村記久子さん、これからも注目していきたいです。

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    投稿日: 2023.09.11