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血も涙もある(新潮文庫)
血も涙もある(新潮文庫)
山田詠美/新潮社
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総合評価

45件)
3.4
5
10
21
3
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    山田詠美らしい大人の恋愛小説でした◎ やーでも難しい! この難しいっていうのは、書いてある中身が難しいってことではなく、私の恋愛経験値が乏しいがゆえの「わからない」だな 喜久江(不倫される妻)みたいな成熟した大人の女性でもなく、桃子(不倫する女)みたいに恋の場数が多くて恋とはなんぞやの哲学があるわけでもない私には、なんのこっちゃ、「へぇ〜??」みたいなところも多かった たくさん恋愛してきた人が読んだら分かる分かるってなるのかな そこらへんに自分の信念が固まったら再読してみたい ただ、ひとつはっきり分かるのは太郎(不倫する夫)はろくでもない馬鹿野郎ってこと 書いてあること分かるけど、全然納得できない 幼稚さが魅力ってのはなんか分からないでもないけど惹かれないな 一緒になったら溜まるし爆発するし愛想尽かしちゃうわ

    11
    投稿日: 2025.12.15
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    『いただきますは、ふたりで。 恋と食のある10の風景』 の山田詠美さんのエッセイがパンチがあって良かったので、こちらを手に。 読み始めて気がつく… 読んだことある!! よくやってしまうんです、ワタシ(笑) けれど読書って、読むタイミングで感じかた違うし ということでフツーに読む(笑) 「私の趣味は人の夫を寝盗ることです」 最初の一文からインパクト大だし、嫌いじゃない むしろ好きかも(笑) 不倫がイイではなく、感情をおもむくままに吐きだしてる感じが 不倫してる女も男も、サレ妻も みんな感情をドロドロ出してて、なんか嫌いじゃない 山田詠美さん、やはりパンチがありました(笑)

    29
    投稿日: 2025.09.27
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    山田詠美らしい不倫の小説。 そして、意外にも不倫が真実の愛に成就する小説。 料理、同性愛者など描き方がとても現代的。 ほどよく時代についていき、そのついていき方が上手いのがこの著者のよいところ。 ただ、登場人物が多く、視点がいくつも出てくるのが読みにくいとも思わせる。 結局、和泉桃子の何がそんなに魅力なのかは分からない。 ☆3.5といったところだけれど、つけられないので☆3つ。 解説は的外れ。

    0
    投稿日: 2025.08.08
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    血も涙もある/山田詠美 読了 2025.03.08 短編集『風味絶佳』が好きだったので何冊か山田詠美を買ってみた。やっぱり文章がすごく好きで、読みやすかった。 浮気してる女、浮気されてる妻、バレてないと思ってる夫。みんなそれぞれに信念みたいなものがあって、どこか楽観的で、重たくないけど深みがあるような印象だった。 特別なにか物語性があるわけでもないし、話に内容がない感じがして、読後感はいまいちだった。駆け足で読んだせいかもしれないんだけど…。 ただこの文めっちゃ好き!!ってポイントはかなり多かった。主に前半部分。本が付箋だらけになっている。 タイトルの血も涙もあるの、回収が好きだな。タイトルが先に決まった話なのかな。 『風味絶佳』の夕餉といい、男のために控えめで献身的で「あなた好みの料理を作ってあげることが至高」みたいなイメージの人物像だった。 他に買ってある山田詠美の本も楽しみだ。

    0
    投稿日: 2025.05.17
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    図書館で久しぶりに山田詠美を読んだ。少女の頃は正直すぎるくらい正直な主人公の奔放さが「大人っぽい」「別世界」と見えていたけど、歳を重ね同世代の視点で読むと、欲望をストレートに肯定し正当化する主人公の姿勢が自己中に見えてエゴや嫌悪を感じた。昔感じた主人公の「正直」は「開き直り」だった。

    0
    投稿日: 2025.05.15
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     不倫に罪悪を感じない人の考えを理解するのは、やっぱり難しいなあと。  見たいものしか見ず、自分の都合のいいように自前のフィルター越しに世界を見ているのはお互い様かもしれないけど。

    0
    投稿日: 2025.05.15
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    自分の知らない世界を見せてくれた作品。太郎と桃子のもつ不倫に対する考え方と自分のもつそれとの違いに困惑した。他者の考えや感情を自分の論理で捉えるのではなく、他者の論理で捉えることができたら受け止めることができるかもしれないと思った。

    0
    投稿日: 2025.05.07
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    読みながら、んーーーと思っていたけど、 解説で「見るもの、見えるもの、見たいものにズレが生じる」とあって、この小説を言い得ている!と膝を打つ。 みんな軽いなーずるいなーなんだかな〜とも思ったけど、滑稽さやずるさを表現している、と思えば表現としても適切な感じする。 解説にかなり補完してもらった。 とはいえ心に釘を打ってくる文言も散りばめられており、やはり大御所感は否めない。敬服。

    0
    投稿日: 2025.05.01
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    久しぶりに読んだ山田詠美さんの小説でした。 冒頭の私の趣味は人の夫を寝取ることにはびっくりして、読み終わることはできるかなと思いましたが、杞憂でした。 倫理が何かは自分で決めるはすごく共感出来ました。不倫自体は私もしないし、されたくもないですが、第三者として苦言を呈するようなこともしたくないなと思いました。

    0
    投稿日: 2025.04.13
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    久々の山田詠美! あれっ、小説を買ったつもりがポンちゃんのエッセイだったかしらん……と思わざるを得ない描写がしょっぱなから。往年の山田詠美ラバーズのみなさまもそう感じたことでしょう。 フィクションにも道徳心を求めるような方には中々素直に文章が入ってこないかもしれませんが、 個人的には世間一般的な目線による善悪の話は出てこないところに、変わらぬ山田詠美をひしひしと感じることが出来て嬉しかったです。

    0
    投稿日: 2025.03.04
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    不倫の話なのに軽快で淡々としている。 lover、wife、husband 三者の視点で語られ、不愉快になったり共感したり様々な感情が入り乱れた。

    10
    投稿日: 2025.02.02
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    最初の一文のインパクト。 ネジの外れた破天荒な人間が出てくる感情移入できない物語かと思いきや、登場人物全員にそれぞれ(彼らの中では)筋の通った倫理観があり、倫理とは何かを考えさせられた。 不倫の話なので、潔癖な人には向かないと評されるかもしれないが、自分が体験できないからこそ物語の中で追体験する価値はあると思う。読後感含めわたしはとても好きな話だった。

    1
    投稿日: 2025.01.16
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    不倫のお話ですがドロドロした描写はなくて、lover、wife、husbandと当事者目線で語られるので淡々と読み進めることができました。自分が当事者だったら喜久江のように受け流すことはできないけど、最後の結末には作品のタイトルが回収された感じで作品として楽しめました。

    15
    投稿日: 2025.01.04
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    ももの魅力が伝わってきて悔しい 2人だけの世界をつくるの、良いですよね。 それぞれの心情が分かったり、分からなかったり、分かりたくなかったり。 久しぶりの読書で読むの時間かかっちゃった。 さあさあもっと読むぞー!

    0
    投稿日: 2024.11.06
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    「人の夫を寝盗ること」が趣味という桃子。 彼女に悪気はない。 そんな桃子の恋の相手は、尊敬する料理研究家の沢口先生の旦那で、売れないイラストレーターの太郎。 そんな3人の視点で話が展開される。 今までの旦那の浮気相手とは違う、自分の身近にいる女。 危険な三角関係ではあるけれど、内2人には悪気がなくて…なんだかね… ちょっと普通では考えにくいかも… 2024.10.14

    3
    投稿日: 2024.10.14
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    一途でないふしだらな人が本当に好きじゃないので読みながら少し苛立ってしまった。最後はかなりびっくりしたが落ち着くべきところに行き着いたなという感じ。桃子の気質的に今後もふらふら快楽を求めて行っちゃうかもな〜

    0
    投稿日: 2024.07.31
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    料理研究家とその夫、そして弟子である愛人、三人の時点で描かれる。料理研究家が他の男に攫われるのには、やられた。

    0
    投稿日: 2024.06.09
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    パリに向かう機中で読了。 軽妙洒脱な文体をわざと選んだ感じ?それぞれのキャラクターが映像で思い浮かぶ。キタローは瑛太かな。 いわゆる世間というジャンルの立場から見ると、はぁ?ってとこだろう。反対の立場から見ると、これもまた正義ということ。人間は都合の良い生き物だ。 血も涙もある - さびし病。それは、わたしが作った言葉だ。夫婦のどちらかが日常に埋もれて、相手のありがたみを感じなくなる時がある。すると、好き放題したり、二人で分かち合うさまざまな事柄がないがしろにされがちになったりする。そして、その内に、それ自体に麻痺して何も感じなくなる日が来る。そんなふうに気持が仮死状態のまま過ぎる内に、何らかの理由で夫婦関係は断ち切られるかもしれない。たとえば、どちらかの死、とかで。そこで、ようやく残された人は我に返る。その瞬間から発症するのが「さびし病」なのだ。文字通り、寂しい寂しい病気。 - 翌日訪れた日本庭園由志園の牡丹は、聞きしに勝る豪華さだった。広々とした敷地に造り込んだ庭の素晴しさもさることながら、三万輪の牡丹を池に浮かべた「池泉牡丹」は圧巻で、ぼくたちは言葉を失った。

    0
    投稿日: 2024.05.20
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    不倫を扱った小説なので、人間関係における泥臭い部分が見えると期待していましたが、予想以上のものを見れたと思います。三角関係にあるそれぞれの主観が各章で見れるため、面白いですし、何よりユーモアが溢れていると思いました。 桃子の考え方や会話の返しなどが非常に面白く、解像度の高い描写が多く、予想外の所で楽しませて頂きました。

    3
    投稿日: 2024.03.26
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    引っ越しをする中で、ずっと積読のままであった本書を読みましたが、登場人物たちの何とも形容しがたいエゴイスティックな感じが個人的には好みではなかったです。ある意味、不倫してる人ってこういうエッセンシャルで利己的な感覚なんだろうなっていう感じです 本書のテーマはズバリ不倫。料理教室の先生である喜久江とその旦那である太郎、その料理教室に通う桃子の三角関係を描いております。各チャプターで語り手が変わり、それぞれの主観で、この三角関係を捉えるというような構成。 昨今のワイドショーでは、毎年、芸能人の不倫騒動が取り上げられており、世間的にも関心が高い中でのテーマだったのですが、「倫理に反すること」を具体的に捉えすぎてて、あまりそれがピンとこなかった感じはありました。 ラブアフェアをテーマにした作品は割と読む状況や環境によって左右されると思うので、まぁ今回読んだタイミングでは合わなかったって感じです。ただ、山田詠美さんのなめらかで特徴的な表現力はすごいなぁと思いました。

    54
    投稿日: 2024.03.24
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    不倫小説なのにポップな印象。 場面展開は最小限に不倫の当事者達と不倫される妻の3人(+α)の心情描写がメインとなる。これだけでひとつの物語として成り立たせてしまう山田詠美の真骨頂。海外の古典のようなパワープレイ。たっぷりとアイロニーのかかったユーモア。山田節ともいえる。 もともと書店で立ち読みをしていて、手に入れるのが出逢ってから時間がたったのは、立ち読みで満足してしまってたから。 うまく表現出来ないけれど、自分はいずれこの小説をきっと買うから、今じゃなくていいなと思い続けて熟成させといた、 といおうか。

    1
    投稿日: 2024.03.18
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    山田詠美氏の作品で読んだことあるものって、ほとんど学生が主人公の話だったから、初めて成人した男女の話を手に取った気がする。 青二才の私にとって、不倫の話って敬遠しちゃう題材。読むかどうか迷ったのだけれど、初めて山田氏の作品に触れて恐らく10年は経ってしまうから、背伸びして買ってみました。 不倫する女 桃子、不倫される妻 喜久江、不倫する男 太郎の三視点で進む本作は、正直言って誰の考えにも共感できないし、したくない、自分はなりたくないし、関わりたくない。こんなに愛せる登場人物がいないからこそ、自分がこの物語の世間様になれるし、楽しめるのかもしれない。 特に桃子の自由人っぷりが本当にムカつくし、才能に溢れている所がたまらなく嫉妬してしまうんだけど、そんな人にも血も涙もあるし、人には人の地獄と乳酸菌なんだなと、落ち着きを取り戻す私。 最後の大どんでん返しに山田詠美にも血も涙もあるのね、と。

    1
    投稿日: 2024.03.02
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    山田詠美さんの作品はたしかもう10年以上前に読んだことがあるような気がする。 内容もほとんど覚えていないけれどこの独特な文章はぼんやりと記憶にある。新しいのにちょっと古い小説を読んでいるようだった。 不倫関係の2人とそれを眺める妻、3者の視点からユーモアを交えつつも淡々と語られる。話は展開して行くが、よくあるストーリーならポイントとなる出来事も淡々と語られて、全体としてはずっと穏やかさを保ったままとくに盛り上がることもなく終わりを向かえる。 3人はそれぞれとても人間らしかった。 それぞれ自分の信念に基づいて生きていた。自分らしく生きていた。でも気づけばキャラクターを背負っていた。すべて含めてそれぞれがとても人間らしかった。

    1
    投稿日: 2024.02.27
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    「私の趣味は人の夫を寝盗ることです」 引き込まれる文頭。 3者の視点で書かれており、文の感じは好きでした。

    2
    投稿日: 2024.02.25
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    そもそも。今から〇十年前、絵のない物語の醍醐味を知るきっかけになったのも、こちらの著者でしたから。 いや~。流石っす‼ポンちゃん‼ あれから、年月が経ち。 これまで読んできた彼女の小説に登場した女性たちが綴っていた想いも、多少なりとも経験した上で、今この本を読んで良かったと思えた一冊でした。

    0
    投稿日: 2024.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    料理研究家の妻とイラストレーターの夫、夫の不倫相手は妻の有能な助手。設定だけ見るとドロドロの三角関係を想像してしまうが、1人の男を取り合う妻と愛人の話では決してない。 桃子は、不倫相手の妻である喜久江を敬愛してやまないし、喜久江も桃子の有能さを認めている。夫とのことを知って心は揺れるが信頼関係は揺るがない。桃子も罪悪感に苛まれる様子はない。 不倫ものでありながら終始軽妙洒脱だし、3人が交互に語る構成は、山田詠美が声色を変えながらしゃべってるように感じるくらい、作者が全面に出ていて、そこも楽しかった。 そして最終的には二人に去られた夫、沢口が実は自分は弱虫なんだと嘆く情けなさ。逆に喜久江には陰ながらずっと彼女を慕っていた男性がいたのだった。 今どきの恋愛小説は、性的マイノリティーとか含めてもはや何でもあり、複雑多様でめまいがしそう。男女の不倫なんて、テーマとしてはありきたりな感があったりもする。でも、この小説は、圧倒的に女性たちが優位であり、勝ち組であるところがとても今っぽいと感じた。

    2
    投稿日: 2024.02.11
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    久々山田詠美を読んで、語りかけるこの文が好きだったな、と懐かしく読了。同じ場面が夫、妻、愛人の視点で展開されて、恋愛の危うさと一筋縄ではいかない男女模様に久々ドキドキさせられました。

    0
    投稿日: 2024.02.10
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    久しぶりに山田詠美を読んだ。 この、3人とも憎めない不倫を描けるのは彼女だけかもしれない。 男と女は鍵と鍵穴の関係と言ってたけど、 その表現が好きだなと思った。

    0
    投稿日: 2024.02.09
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    日々時間に追われているからこそ、日々とは違う物語を欲する。そんな時にうってつけなのが、毒あり笑いあり、そして愛ありの、類い稀な人生への審美眼溢れる山田詠美さんの小説だ。出社の行き帰りで3分の2くらい、寝る前にちょこちょこ読んで読了。 著名な料理研究家(50歳)の助手をしている女性(35歳)の不倫相手は、その料理研究家の夫(40歳)。この3人のそれぞれの視点から、不倫の始まり〜終わりまでが描かれている。あらすじだけだとその辺のゴシップと変わりないんだけれども、これが詠美さんの手にかかると、恋愛の単純さと複雑さ、夫婦のどうしようもなさ、みたいなものがズシリと重くのしかかる。あちらこちらに珠玉の名文が光を放ちながら。3人とも、愛おしかった。

    0
    投稿日: 2024.01.31
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    不倫というドロリとした三角関係のはずなのに、軽快で、なんておもしろい人たちなの。 平和な不倫関係ではあるけれど、それが事を余計にややこしくさせていて、だから更におもしろい。

    26
    投稿日: 2024.01.20
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    不倫の三角形を形作る、愛人・妻・夫それぞれの視点からの日記風な文章で構成される小説。不倫もののドロドロや、どうなるんだろう?というハラハラ感で引っ張るお話ではなく、なんだか哲学的でエッセイっぽい淡々とした雰囲気の物語。

    0
    投稿日: 2024.01.07
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    のっけから仕舞いまで詠美節が炸裂しまくりで、読んでいて大変楽しい小説である。この前に、私が手にした彼女の作品はネグレクトを扱った「つみびと」だったが、それとこれとでは雰囲気が全く異なり、改めてその振り幅の大きさには感心させられるばかりだ。私にとって、軽妙洒脱な文章を書ける人は羨望の的でしかないが、なかでも山田詠美の、ヘビー過ぎず、かと言ってライト過ぎもしない、程良いバランスで成り立つ筆致への憧れは強い 高い人気を誇る料理研究家・喜久江、彼女の夫でイラストレーターの太郎、喜久江の助手且つ太郎の愛人・桃子。章ごとに、この三者が入れ替わり、それぞれの視点を一人称で語っていく構成が良い。フィクションにおける不倫ものの場合、兎角浮気をされる側の影が薄くなりがちだが、本作ではその立場にあたる喜久江の気持ちなどをちゃんと記述しているのが特長だ 料理は言うに及ばず、全てを卒なくこなす喜久江は傍から見れば完璧な妻に近いが、生活を共にする太郎からしてみれば、あまりにパーフェクトな故に却って窮屈さを感じた可能性も考えられる。彼が浮気を繰り返したのも、単に尻が軽い以前に、実はそこに根本の理由があったように思う。そんな太郎には桃子が謂わば砂漠のなかのオアシス的な存在なのだろうが、結局のところは都合のいい相手に他ならない タイトルに反して、この話には血や涙の流れる修羅場はない。喜久江も桃子も当然ながら心の葛藤はあるものの、それを表に出して事を荒だてる真似はしないのだ。不倫が明るみになった後、ふたりは仕事をするうえで公私混同を避けた実に冷静な対応を取る。その彼女らに較べると、太郎はいかにも甘やかされた子供みたいで、いずれは桃子も愛想が尽きて彼のそばを離れていく気がする 倫ならぬ恋を描いた小説を評するのに「愉快」という言葉が適切かはわからないが、読み終えて本を閉じるのが惜しいほどに面白い一作だった

    0
    投稿日: 2023.12.23
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    久しぶりに小説を一気読み。 高校生の時から山田詠美大好き。 そして40を超えたからこそ読み応えがあったこの小説。登場人物の3人ともに、わかるよその気持ち、となった。 若い頃はモモのような女性に憧れたけど、今は喜久江のような女性に惹かれる。そしてそんな2人に心底愛されている太郎はうだつが上がらなくて、小心者で、自分は何者でもないのに喜久江からもモモからも愛されることをなんの疑いもなく享受している図々しい男!でも言い表せないオスとしての魅力があるんだろう、詠美先生の作品の中の登場人物だから。 これを映画化したらだれが太郎を演じてくれるのかなー、と頭をよぎった。 大泉洋がもう少しだらしない体になったようなイメージ。笑 最近自己啓発本と実務書ばかり読んできたけど、こういう洒落たやりとりが楽しめる詠美先生の他の作品も読みたいと思った。

    1
    投稿日: 2023.11.30
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    まずタイトルに惹かれた。『血も涙もある』どういうことだろう?加えて意味深なカバー。よく見ると不気味なのだがそれよりもあらすじが気になり手に取った。そして、主人公が同世代の35歳の女性。これは読みたい! 山田詠美さんってどんな作風だっけ?というほど私にとってご無沙汰の作家さん。 登場人物は、料理研究家の沢口喜久江、夫の太郎、その不倫相手で沢口の助手を務める和泉桃子。章ごとに語り手が変わる。喜久江を尊敬し、太郎と不倫関係にあることとそれとは別次元の話であると考える桃子、夫の不倫を知りながら受け入れる喜久江、不倫をしながら妻を愛していると語る太郎。思考や言葉遣いが独特だが、ある種現代風で、読みやすい。誰かに共感できるわけではないが、こんな人もいるんだな、という、他人の心を覗きたくなるような心理に駆られてページをめくる手が止まらない。 平松洋子さんによる解説、「本作における料理」についての考察も秀逸なので最後まで読んでほしい。

    0
    投稿日: 2023.11.05
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    独特の言葉遣いのモノローグに最初は嫌気がさし、久しぶりに山田詠美の作品を読んだけどこんな感じだったっけ?という印象。 慣れてしまえば読み進められた。 桃子のモノローグ部分はイライラもしたけど共感するところも少しあって、喜久江のモノローグ部分は仕事も家庭も完璧な料理研究家、という自分が作り上げたイメージとは裏腹の心情に共感と哀しみを感じ、太郎のモノローグ部分は腹立つことばかりだった。 結末というより、過程を楽しむ作品なのかも。

    0
    投稿日: 2023.11.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「私のことだま漂流記」を読んで、 これまで読んだことのなかった山田詠美作品を読みたくなった。 個人的には表紙が好き。タイトルも。 料理と恋愛(不倫?)という、似てないようで似ているところがある。上手いなぁ。 不倫に興味はないし、否定派だけど、 3人とも応援したくなる。 みんなそれぞれの本音があるよね。当人にしかわからない。幸せになってほしいと思いながら読む。 月が綺麗ですね。なんて、ベタだけど、好き。 似合ってる。 他の作品も読みたくなった。

    0
    投稿日: 2023.10.04
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    「私の趣味は人の夫を寝とることです。」の一言から始まる本作。 少し皮肉めいて、でも、仕方ないと言わんばかりの開き直り方でそう語る主人公の一人がとても魅力的に思えた。 私は器用ではないので浮気はしたことがないが、自分の気持ちに素直に行動できるのが羨ましいと思った。 同時に、「寝取られる側」にもプライドや意志があることも印象的だった。 浮気されても最後に帰ってくれればいいという覚悟。 そうやって我慢するのは癪だなと思うから、私の恋愛は長続きしないんだなと悟った。けど癪には変わりなくてもやもやした。

    0
    投稿日: 2023.09.26
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    大の山田詠美好きとしては最高の作品。というかエイミー語録として最高。 山田詠美の言い回し、比喩といった言葉の使い方が堪能出来る。もちろん内容もエイミーらしく爽やかでねちっこい。 今の時代、社会の倫理観に反することをすれば第三者からも責められてしまうけれど、男女の関係は男女の数だけ正解があるんだから、知らないやつは黙ってな、というエールだと受け取った。

    1
    投稿日: 2023.09.25
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    憧れの料理研究家、喜久江のもとで助手として働く桃子は、喜久江への尊敬の念はそのままに、喜久江の10歳年下の夫、太郎といわゆる不倫関係になる。 夫婦であり師弟であり、恋人である桃子、喜久江、太郎のそれぞれの言い分に、さもありなんと納得してしまう。愛し方、愛のかたちは人それぞれ。的外れな外野の声は聞かなくていい。自分だけのセオリーや倫理があればいいのだ。

    0
    投稿日: 2023.09.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私の趣味は人の夫を寝盗ることです。などと、世界の真ん中で叫んでみたいものだ。〜 の一節から始まり、不倫について、恋人、妻、夫、恋人、妻、夫、そして取り巻く人達の視点で章が分かれている。 恋人は自由を謳歌しており、夫は恵まれた環境に窮屈さを感じて女を求める、妻はそれを見て見ぬふりしながら最後は妻の元に帰ってくるしかないのよと過ごす。 恋人はいい加減だし、夫も妻を舐めてるし、妻が1番現実的で苦を背負っている。 妻しか共感できなくて、他はなんていい加減な人達だろうと。2人は遊びに過ぎず、恋人はふらふらと色んな男を食っていくだろうし、夫は本当に愛しているというかいて当たり前な存在が妻なんだよと都合のいいことを言っている。 「不倫の三角関係がおっきいスキャンダルに発展するのは、少なくともそのうち二人が成功したビッグネームだった時だけなのよ!」p213 という台詞でスカッとした笑 でもやっぱり、二人の考え方が軽薄すぎて嫌い!

    1
    投稿日: 2023.09.23
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    普段小説を読む時は情景が映像として頭の中に想像できるけど、本書は文章のスピード感が早過ぎて、、、言葉そのものとしてスッと入ってきました。恋人、妻、夫の3人から話をそれぞれ聞いているような錯覚に陥るくらい。 山田詠美さんは人生において“たいせつなもの”を教えてくれる。さすが、山田詠美さんな一冊でした!

    11
    投稿日: 2023.09.22
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    読み始めは、これあんまり好きじゃないかも…と思ってたが、さすが山田詠美先生という感じ。あんまり書くとネタバレになるから言わないけど、非常によかった…

    1
    投稿日: 2023.09.18
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    久しぶりに読んだ山田詠美氏の作品。 言葉の表現の端々から、独特な響きが溢れて来る。 やはり私は作者の作品が好きだと思った。

    3
    投稿日: 2023.09.14
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    不倫の真っ只中にいる3人の男女の視点切り替え方式が、なんだか法廷に立ったような感じで色々と自分なりの論理や言い分を遠回しにこちらに投げかけてくるようなものを感じて面白かった。 ドロドロしていて、辛い。 同じ女としては、奥さんである料理研究家の先生がどうか報われて欲しいと1ページ1ページずつ捲っていた。悲劇ではない不倫、だとしても、夫である男性はなんとも罪深いとも思える。桃子にしたって。立派な共犯関係であるのだから。 そしてきっと桃子ちゃんはこれからも人の男を何食わぬ顔して掻っ攫って食い尽くすと思うな。誰と居ても。知らんけど。

    6
    投稿日: 2023.09.10
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    起きていることが1つですが、それぞれの目を通すと全く違うものに見えている、ということがあるのだなと思いました。

    0
    投稿日: 2023.09.07