
総合評価
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powered by ブクログ幕末の江戸、歌舞伎役者の中に鬼が紛れ込んだ。鬼探しを依頼されたのは、元女形の魚之助と鳥屋の藤九郎。魚之助は壊疽が原因で舞台を務められない。こういう話を読んだと思って調べたら実在の人物がモデル。(後書きにも書かれている。私が前に読んだのは「狂乱廿四孝」。他にも彼を描いた本はたくさんあるらしい。) 役者の妬み嫉み、良い役が欲しい。全ては芸のため。一方で家柄だけと言われたくない。華やかな舞台の裏の嫌な部分が描かれる。演目が「曽根崎心中」で、少し前に見た「国宝」の映画にも出てきたので、場面が目に浮かぶ。 探偵役が、仕方なく舞台から距離を置いている魚之助と、ほとんど歌舞伎のことを知らない藤九郎という組み合わせも良い。思うようにならない身体に癇癪を起こし、我儘に振る舞う魚之助。鳥以外は不器用な藤九郎。続編があるというので、彼らの活躍が楽しみ。個人的には、蘭方医見習いのメルにもうちょっと活躍してほしい。
0投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログめっちゃ良かった!!! 魚之助の滴るような艶美さと藤九郎の一本芯の通った心根と純朴さ。 鬼探しという謎解き要素を中心にはしてるけど、再生の物語だった。 続編もあるみたいなので絶対読む!
0投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログ役者は芝居に狂う化け物。 何かに魂を捧げる業の描き方が凄いわ… 終わり方も好き。 芝居のことも、そこにかける業も何も知らないからこそ、魚之助は藤九郎がいいんだよ。 面白かった
0投稿日: 2025.04.07
powered by ブクログ蝉谷めぐ実さんの作品を読んだのは、本書が初めてです。 評価は⭐️3としましたが、腹落ちせず、何とも言えないもやもや感を拭う事が出来ません。 鬼探しというストーリー展開、魅力満載の主人公、人と鬼の違い・定義とは❓、ラストで明かされる真相と作品名『化け者心中』の整合性(化け物ではなく、化け者)など、読了後の感想は良かったのですが、どうしても⭐️4とはなりませんでした。 恐らく、時代小説を読み慣れていない事と、そもそも本を読む力、楽しむ力が不足している事が大きな原因だったのでしょう。 蝉谷さんの作家としての力量に間違いはないと感じましたので、続編である『化け者手本』を、少し間を設けてから読んでみようと思います。
12投稿日: 2024.03.16
powered by ブクログ面白かったけれども何故か情景が頭に入りにくく、ゆっくり読ませてもらいました。 妖怪やホラー物、推理物として読んでしまうと少し弱く、人間の心情や関係性を楽しむ物語でした。 個人的にはエピローグが一番好きかもしれません。 魚がなぜ主人公を気に入ったのかのエピソードがあればもっとよかった。多分無かったかな、と。
0投稿日: 2024.02.29
powered by ブクログ気の狂った贔屓に足を切られ舞台に立てなくなった元人気女形魚之助が、ひょんなことから知り合いになった鳥屋の藤九郎と共に、芝居小屋に現れた鬼探しをすることに。 その鬼は本読みの最中に演者の誰かを喰らい、その演者になり替わっているという。 誰よりも人気が出たい。 誰よりも上手くなりたい。 芸のためなら人を陥れることも、殺めることもいとわない。 そんな鬼よりも恐ろしい心玉を持った役者たち。 本当に鬼がいたんだろうか? そんな疑念が浮かびつつ読み進む。 やっぱり鬼はいたんだな。 でも、その鬼は悲しい。 鬼よりも人間のほうが恐ろしいのかもしれない。
0投稿日: 2024.02.24
powered by ブクログ江戸時代を舞台にしたミステリー 芝居小屋、今で言う歌舞伎の世界で起こる事件 なんだか読みづらくて 登場人物名前が覚えづらいのと場面展開に没入出来なかった。 良いと思うのだ、古い時代物をいっぱい読んでいるから新作の時代物が個人的に駄目なんだろう 70年前の本の方が読みやすい、、、、 自分が年取ったのだろう
1投稿日: 2024.02.21
powered by ブクログ足を失ったため、失意の中で、舞台から遠ざかった女形。それでも、女の装いと振る舞いを続ける。 男と女との間で揺れる女形が、芝居小屋に潜んだ鬼を探る中で、芝居に対する血のにじむ努力、才能に対する葛藤が露わになる。 男と女、人と鬼、善と悪、嘘と真の境界が揺れ動く。見る角度で境界が変わる。本当は、境界など無いのかもしれない。 現実世界でも、二元論ではなく、多様な見方を意識していたい。
0投稿日: 2024.02.18
powered by ブクログテーマよし、筆致よし、タイトルも装丁も文句なし、ストーリーには意外性もあって、現代のジェンダー問題にも通じるところがあるし、ミステリだけでなく怪奇小説・ファンタジー小説としても読める。これがデビュー作というのは確かに凄く、著者の力量の高さがうかがえる。 それなのに私ときたら、この練りに練られた文章に乗り切れず、会話文や地の文で主語が何なのかが時々分からなくなる有様で、話の流れについていけなくなることが多々あった。 自身の読解力の無さを棚に上げて書くのは気が引けるが、時間をかけた読書が要請される作品であることは重々承知しつつも、読みごたえが十二分にありすぎて、時代小説や芝居といった分野にさほど詳しくない読者にとっては敷居が高く、普通に読み進めるのにも結構苦労するのではないかと思った。 一般の読者に広く受け入れられるには、もう少しリーダビリティがないと難しいんじゃないかなあ。大きなお世話かもしれないけど。
1投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文政の江戸、芝居の前読みに集まった役者の中で、一人が鬼に喰い殺された。元女形の魚之助と鳥屋の藤九郎が鬼探しをする。 ねっとりした闇のような気配が常にまとわりつく雰囲気、順繰りに見える本性の中では寅弥のターンが一番好き。 芸の足しになんて、思いもしなかった寅弥と、おもしれえ、から始まる芝居の鬼たちの対比。 順番に、おそらく番付の上から順に明かされていく展開に、どうなるんだろうと思っていたら、鬼の正体がぽろりと出てきて驚いた。 まさか、鬼が比喩でないとは思わなかった。 ファンタジーとは思わないけど、不思議と虚と実の間を行き来する舞台での話だからか受け入れられる。
0投稿日: 2023.12.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
歌舞伎が好きなのでどっぷりハマった。 読んだら最中、どろ〜んとしたイメージに包まれてた。 今の歌舞伎とは違うだろうけど、名前なんかがちょこちょこ今の役者さんと被ってる。中村勘三郎はそのまま出すんだーと思った。 江戸時代の歌舞伎、ドラマや漫画でちょこちょこ見るけど、芸のためにいろんなしがらみがあって、女形なんか体売るなんてあたりまえなんだろうなぁ。魚之助がとっても魅力がある反面、藤九郎がイマイチハマれなかった。 鬼探しだったけど、まぁ本当の鬼はいなくて人間が犯人なんだろうなぁと思ってたら、最後に本当の鬼が出てきて逆にびっくりした。
0投稿日: 2023.11.15
powered by ブクログこの装丁の絵を見て心が動かない事があろうか!! しかも読了後またわかりみが凄い。 まだ私がこの文体に慣れてないから読むのに時間が掛かった。 ストーリー自体はミステリーを期待してたからその落差があったけど、ただエピローグの「二項対立と二律背反のゆらぎの纏め方」綺麗で素晴らしかった。
3投稿日: 2023.10.24
powered by ブクログ心とは、唯一、人が持ちうるものなのかもしれない。 最初は読みにくいと感じるかもしれないが、次第に慣れる。作者の知識が豊富なのを感じる。
0投稿日: 2023.10.01
powered by ブクログよかった...!また好きな作家さんが増えた(^^)キャラ作りがとても上手で魚之助と藤九郎の関係性が好きです。今後2人はどうなっていくのやら... 犯人はこの人?いやこっち?と変わっていくのが分かりやすくてよかった。有名な曽根崎心中のお話も物語にかなり関わってきて読んでいて楽しかったです。
0投稿日: 2023.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
生きている人のほうが怖い。 役をいきるとは、その場面になんとしてでも演れるということ。 自分にはやれんなぁと思ったことを思い出した。 文体が途中でなれなくて、読むのが辛かった。 後書に擬音語、擬態語が多いと書かれてて、なるほどと思った。 好みの話だが。
2投稿日: 2023.08.28
