
総合評価
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powered by ブクログ何年ぶりの宮本輝作品になるのだろう、と思いながら手に取った。 物語、人物像、生活感、色々な土地の特徴がするりと入ってくる安定感。人と人とのつながりを感じる安心感。人間関係ってこんなに濃いものなのだろうか?とかなりうらやましさも感じながら読みました。 灯台めぐりもできたのは楽しかったです。森鴎外の『渋江抽斎』は読みたいと思いましたが、果たして読めるのでしょうか。
1投稿日: 2025.11.11
powered by ブクログ登場人物全員素朴で、温かい関係性に癒された。作中に出る中華そばのスープで表現される「滋養深さ」が、出汁の様に、物語全体に風味を出していたと思う。読了後、滋養深い出汁を飲んだ後みたく、気持ちが落ち着いていた。
1投稿日: 2025.10.22
powered by ブクログ灯台巡りがしたくなりました。 そこで起きる人間ドラマが、また宮本輝節が効いていてよい。 宮本輝さんの本は、いつも旅がしたくなるんだよなぁ。
1投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ2025/08/17 読了 自分自身が現在住んでいる仲宿商店街を舞台の小説とのことで読んでみた。 3年前になくなった妻に宛てられた30年前のはがきをきっかけに灯台巡りを始める主人公。 その中で今まであまり話すことのなかった子どもたちの気持ちを知ったり、親友の婚外子との出会いが主人公を変えていく。 住んでいる商店街が舞台で情景もイメージしやすく、非常に面白かった。
0投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ表紙の雰囲気が好きな人は、中身も合うと思う。 読後に再び眺めると心あたたまる。 映像化できそうな割にセリフの脳内再生が難しく、演劇を観ているようだった。(現代の話にしては、本作のような語尾で話す人をあまり見たことがない) 主人公が成熟しているし、逐一思考を共有してくれるため、終始安心して読めた。
0投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ20250719読了。 他の宮本輝作品もそうだけど、人生って、世界って悪いもんじゃない と善性を信じられることの幸せが余韻として残る。 表紙の2人は誰だろうね?
1投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログ犬吠埼灯台にいったので気になった本。 久々の宮本輝作品。 主人公が灯台巡りに何かにむけていろいろ準備していくところが心地よい。旅に出る、旅の途上ってその面白さもあるとおもう1人。 まきのの中華そば食べたいなー。 あと転ぶのは気をつけないとね、ほんと。
0投稿日: 2025.05.09
powered by ブクログ大分前に購入した本。そして大分前に読んだので色々うろ覚え… 奥さん、随分と秘密主義だな、という感想。彼女にとっては黒歴史だったということなのだろうか。でもそれだったら反対に葉書なんてもらっても嬉しくなかったかもしれない。 読んでいて、灯台巡りをしてみたくなりました。灯台のある景色というのも風情があって憧れるな。
0投稿日: 2025.04.10
powered by ブクログダメだ、合わない・・ 読了までとても時間かかった・・ 場面の切り替わりも謎だし度々??になった いきなりの脳内蘭子さんも??だった ただ灯台巡りは楽しそうだなと
2投稿日: 2025.03.24
powered by ブクログスリリングで手に汗握るような展開ではないのに一気に最後まで読みたいと思わせてくれる、宮本輝さんの本にはそういったものが多いと思います。本書もその中の一つだと思います。 灯台めぐり、老後の楽しみに良いかもしれないですね。足元には気をつけたいと思います。
0投稿日: 2025.03.04
powered by ブクログ小説の主人公は62歳。 亡くなった奥さんが残した謎を解くために、灯台めぐりをすることになる。年代が近いと、どうしても感情移入するなあ。 ただ主旨とは無関係な描写が多く、ストーリーの進み方がめちゃくちゃ遅い。最近の小説のジェットコースター的な展開に慣れた人には、ちょっともどかしいかも。だが、これが宮本輝の文章特徴なのかもしれない。 主人公が自分の生き方をこんな風に整理して、親友に話すシーンがある。 『威風堂々と生きたい。焦っても怖がっても逃げても、悩みは解決しない。コツコツと一つ一つ、焦らず怯えず難問を解決していく。そういう人間になるために努力をするんだ。』 何気ない言葉であり、誰もが一度は考えることだけど、『活字』として目に入るとインパクトがあるなあ。これには共感しました。
0投稿日: 2025.02.28
powered by ブクログ・中華そばの味は康平の人柄を体現しているような気がします。康平の周りにも、お店にもたくさんいい人が集まりますように。 ・みんな、右肩上がり。
0投稿日: 2025.02.26
powered by ブクログ亡き妻の隠された謎を求めて、残された夫が燈台を巡る旅へ。 謎と言っても男女の絡れとかそうではなく、優しく心温まる物語でした。 主要な登場人物は皆良い人で雄弁で悪い人がいない。 そこは作者のカラーなのかなあ。
0投稿日: 2025.01.15
powered by ブクログ内容があまりはいってこなかった 読み始めてから終わるまでなかなか盛り上がる場面もなく読み終わってしまった
0投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログ三十光年の星たちで久しぶりの宮本作品に触れた 宮本作品への想いが深まりこの作品を手に取った やはり宮本作品は素晴らしい この作品をを読んで、宮本輝という作家の読書量もすごいということがわかった ミステリー、ブームの中華蕎麦の話題 読書量による知識の凄さも感じた作品だ 灯台、いくつか行ったことのある灯台が出てきた また、行きたくなった 森鴎外の渋江抽斎も読んでみたい
0投稿日: 2024.11.19
powered by ブクログいいなあ。牧野康平さん。いい人生だなあ。 主人公の牧野康平は東京の旧板橋宿商店街の中華そば屋の店主であったが、二年前に奥さんの蘭子さんが亡くなったのをきっかけに休業したままになっていた。 ある時、店の二階の自分の蔵書棚の前に寝転がり、長年の積読であった「神の歴史 ユダヤ・キリスト・イスラーム教全史」という本を読んでいるとパラリと一枚の葉書が落ちてきた。それは、二十年以上前に妻に小坂真砂雄という男性から届いた葉書だった。それには 「大学生活最後の夏休みに灯台巡りをしました。見たかった灯台すべて見て満足しています…」という文章とどこかの岬らしいジグザグの線が書かれていて、妻の蘭子は「小坂真砂雄という人なんて全く知らない」と不思議そうに言って、「私はあなたのことは全く知りません」とわざわざ返書を送っていたのに、その葉書は捨てずにわざわざ康平がいつか読みそうな本の間に挟んでおいたのだ。 亡き妻の意図したことはなんだったのか?本当に蘭子は小坂真砂雄のことを知らなかったのか?彼は何者だっのか? 謎の解明に積極的というわけではなかったが、康平はその葉書を見ているうちに、ふと自分も「灯台巡り」がしたくなった。 各地の灯台巡りをするついでに離れて暮らしている息子たちに会う。末っ子で次男の賢索は京都で大学生をしているが、「橋梁工学の道に進みたいから、大学院に行きたい」と言い、その言葉は康平に「店を再開させる」きっかけとなる。 また、長男の雄太は就職して二年目で名古屋在住であったが、康平が会いたいというとテキパキとホテルを予約してくれたり、仕事の接待で使う料理屋を予約してくれたりとすっかり「使える若者」になっていた。康平自身は父親から受け継いだ中華そば屋でしか働いたことがないのに息子が社会に出て一年半の間に揉まれて立派になっていることに感心していると、息子も 「俺は昔、父さんと母さんのことを「カタツムリ」だと思っていたけど、自分が社会に出て、二人がどんなに大変だったか分かったよ」 と言ってくれた。 また、東京で一緒に暮らし、証券会社勤務の長女朱美は、康平が自分の中華そば屋のことを 「親父の代から全く変わらない、シンプルな中華そばしか出さない店」と言ったことに対し、 「お父さんの中華そばはピカソの一本の線と同じ。誰にも真似出来ない」と認めてくれている。 みんな本当にいい子たちなのだ。康平自身は高校時代に級友に言われたことに傷つき、高校を辞めて父の跡を継ぎ、中華そば屋一本できたことにコンプレックスを持っていたが、そんな親に大学まで出させてもらった子供たち三人はみんな両親の生き方をリスペクトしているのだ。 家族だけではなく、康平は他にもいい仲間に恵まれた。同じ商店街で八百屋の息子だったカンちゃんは、東京の大学を出て、大企業に就職した後も康平と親しく付き合ってくれ、「お前は中華そば屋の世界しか知らないから、面白くない。本を読め!」と辛口のアドバイスをくれた。それ以来、康平は本によって深みのある人間になった。 そして、もう一人。それはカンちゃんが急死したあと、突然九州からやってきた、カンちゃんの愛人との隠し子、新之助だった。父親に黙って母親が産み、会ったこともない父親の痕跡を少しでも見たいと遠くから突然やってきた新之助は高校を中退して、未成年なのに妻と二人の子供を伴っていた。悪い仲間と付き合っていたような彼だったが、父親の親友であった康平たちに親切にしてもらったことで、心を入れ替え、大学進学を目指して勉強することを決意し、康平の灯台巡りの運転手を買って出てくれた。旅館ではお風呂で康平の背中を流してくれたり、「小坂真砂雄に会ってみたい」康平の背中を押してくれたり。きっと、新之助は実の父親との親子の時間を持てなかった分、束の間康平と親子のように付き合いたかったんだな…といじらしい。 灯台は各地の岬の先端にあって、そしてリアス式海岸の多い日本では海岸がジグザグで近くまで行ってもそこから灯台までがとても時間がかかりそうだ。ある意味飛行機でニューヨークやパリなど世界の主要都市にひとっ飛びするより大変かも。そして、近くまで行かないと見えない景色や遠くからでないと見えない景色、苦労して高いところに上らないと見えない景色があることを実感するんだな。 康平は一枚の「灯台」について書かれた謎の小坂真砂雄からの葉書を通して始めた旅で、妻が亡くなるまで胸に秘めたままであったことを知った。夫婦は知らなくていいこともある。だけど、勇気を出して康平が訪ねた蘭子の秘密は知らなくても良かったが知ったことで、改めて亡くなった蘭子をリスペクトすることだった。苦労して近くまで行って初めて本当の美しさが分かる灯台を巡る旅と似ていると思った。 康平の「灯台巡り」。亡き妻の蘭子さんと一緒だったらどんなに良かっただろうと思った。だけど亡くなったからこそ、ずっと心の中でお伴して下さったし、旅の途中で会った息子や娘たちの中にも「蘭子」さんがいて、ずっと優しく康平を照らす道しるべでいてくれたと思う。 いつか、私も灯台巡りをしてみたい。
109投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログ宮本輝は『明日は今日よりもきっと良い日になる』というのが根底にある。前向きな温かさをどの作品にも感じる。
1投稿日: 2024.10.17
powered by ブクログ読了。 灯台からの響き / 宮本輝 はじめての宮本輝さんの作品。 何気ない日常や会話の中に気付きがあり、温かい読後感でとても好みでした。昔に読んだ本の一節がサラッと出てくるの、憧れます。
0投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログまきのの中華そば食べたくなったし、新ちゃんみたいな息子欲しくなった。 主人公の独り言の多さで説明を全方位カバー。 登場人物みんな素敵だなぁ。そして蘭子さんは愛され過ぎでしょ。旦那2年も腑抜けにさせちゃって。 どんな歳になっても初体験はあり得るし、ドキドキもする。過去ではなく未来に続いていくための毎日。出雲に行って灯台見たくなった。まずは近場の房総からかな。
10投稿日: 2024.10.07
powered by ブクログ板橋にある、本屋イトマイで購入。 その時は、旅行に出かけることが多くその移動中に読んでいました。灯台を目指す主人公と自分が重なり、一緒に旅している相棒のようでした。 旅のお供にぴったりの一冊です。 心も温まり、最後のシーンは感慨深いものがありました。
1投稿日: 2024.09.09
powered by ブクログ今回も寸胴出てきた!!今回は中華のスープだった。 それはさておき。ロードムービー風の展開でどの場面もワクワクし、灯台の情景を思い浮かべることができた。読み終わって清々しくなれる作品だった。
9投稿日: 2024.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良かった。とても良かった。 板橋で中華麺屋を営んでいた康平は、妻を亡くして2年、店も閉め、本を読んで焼酎を飲むだけの生活をしている。近所には幼馴染みもいて、気楽に生活しているが、ある日『神の歴史』という本に挑んでいると(実に難解な本でなかなか読めなかった)、30年前に妻に届いた葉書が挟んであった。灯台めぐりをしたと書いてある差出人に覚えはなく、「あなたをまったく知りません」と書いた返信をしたはず。なぜ? 康平の日常にちょっとしたミステリーが入ってくる。 これを機に康平は灯台めぐりを始めるのだが、私だけではないと思うが、62歳の康平に、我が夫を重ね合わせてしまうw 私は生きてるけどねw でもきっと夫もこうなるw 一人旅なんかした事なくて、計画したり予約したり、勇気を出して人に話しかけたり、いろんな事を初めて経験する。今まで仕事だけを実直にやってきて、何もかも妻に任せていたのだろうと、妻蘭子さんを気の毒にも思い笑ってしまった箇所も何箇所もあった。 康平には3人の子供がいて、それぞれ社会人や大学生になっているが、このことがあって初めて向き合う。この3人とのやりとりも本当に良かった。 私には子供はいないけど、夫の事も、どれだけ知っているのだろうと思ってしまう。きっと知らない事の方が多い。 そんな康平が最終的に蘭子さんの秘密に辿り着き、お店を再開できるまでが語られるのだか、最後まで読むと、この『灯台からの響き』という題名が本当に本当によくできていることに感動する。いや、このストーリー自体が本当によくできていると感心した。“灯台”がダブルミーニングになっいるだけでなく、ストーリー全体を照らしているからだ。 あー、ほんとに、夫に読ませたい! きっと読まないだろうけど。 私が先に逝ったあと、「そういえば、俺に読ませたがってたっけ•••」などと夫がこの本を手に取る瞬間を想像したりしてwすっかり宮本輝の世界に浸りきってしまったw
4投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログたしか、随分前にイイと聞いて、そのままになっていた作品。宮本輝自体が初めて? こういう感じの作品を書く人だったのか。 好きかもしれないなと。 年齢を重ねても、新しいことをしたり、若い人を受け入れたり、こういうふうな高齢者になりたいなぁ。
1投稿日: 2024.08.16
powered by ブクログ久しぶりに、宮本輝さんの文庫を購入。妻を亡くした料理人の灯台巡りに、訳あって若者が参入。老いて行く主人公を、若者が生きる欲求で引っ張って、前を向いて生きなければならないことを痛感する内容。
1投稿日: 2024.08.16
powered by ブクログ日本人に昔からある心の温かさが詰まった話だった。同じ商店街の幼なじみの、遠慮ない物言いなんだけど優しさ。生活にいっぱいいっぱいだった頃には出来なかった、子供達との触れ合い。ずっと底の方にある思いやりに感動した。
5投稿日: 2024.07.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
令和6年5月 宮本さんの本だから、手に取る。 灯台を旅するって本。 だけどねー、イマイチ入り込めなかったな〰️。 だけど、この本に出てくる森鴎外の本はちょっと気になるなー。 主人公が何回も読んだんだって。
2投稿日: 2024.05.12
powered by ブクログいいお話しでした 何年かしたらまた読みたいと思わせ 宮本さんの他作品も読みたくなる あと引き小説です
2投稿日: 2024.03.20
powered by ブクログ亡くなった妻宛に届いた謎の葉書をきっかけに主人公の冒険がはじまる。謎の葉書をもとに旅してる過程で、妻の過去や新しい自分を発見していく物語。この本を読んだ中でとても印象に残ったのは「永遠のなかの一瞬なのではなく、一瞬のなかに永遠がある」という一文。どういう意味か今はわからないけど、きっと人生のヒントになることだろうなと思った。この文の意味が完全にわかるようになるのはいつかわからないけど、自分自身成長して、意味を理解できる時がくれば良いなと、楽しみに過ごしていこうと思った。 話の展開がすごいゆっくりで結末もスッキリ解決!って感じではなかったかな。でも、登場人物がみんな人情深くていいなーって思った。これは繰り返し読む本になりそう。
4投稿日: 2024.03.18
powered by ブクログ町のラーメン屋の主人が、亡き妻に送られてきた知らぬ名前からのハガキの謎について、探し妻への思いをより深める話。 派手さは全くないが、出てくる人物が皆等身大であったかい。 流石、宮本輝! ほっこりしました。
2投稿日: 2024.03.03
powered by ブクログ読後 宮本輝さんはやはりいいと思った。いつも人の中に忘れていることを考えさせられる。 相変わらず一気に読んだ。作品中に出てくる 灯台をネットで検索しながら読んだ。行けるところは行きたいなとも。 しかしながら、主人公の読んだ本には手がつけられないなと思った(笑)
7投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログ久々の宮本輝作品。いつものことながら読み始めると、話の展開と人との繋がりが広がりどんどんと惹きつけられました。 なぜ「神の歴史」に挟んだのかは明かされず。
2投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログ妻を亡くして気力を失った中年男性が、ある日、本の隙間から、妻が隠した一冊の葉書を見つける。その謎解き、即ち妻の過去を知り、妻がそっと残していたメッセージを究明するために、灯台巡りの旅に出る。その過程で、3人の子どもや親友達との対話を重ね、生きる希望を取り戻して行く。最後のシーンは圧巻である。 毎年12月は、公私ともに忙しくなる。だからこそ、今年を振り返る時間を意図的に作りたい。ところが、振り返る度に、ネガティブな自分は、今年出来なかったことを思い出したり、目に見える他人の実績と比較して、卑屈な気持ちになる。 この本は、気持ちが萎えて落ち込んだ時、自信を取り戻したい時にオススメの一冊である。この小説には、誰であっても立派な人生を生きており、深い意義があるんだと、灯台の温かい光のようなメッセージが込められている。 風が吹きすさぶ寒い海辺に、ポツンと立つ孤高の灯台。それは、万人を分け隔てなく平等に照らす神様のような存在。灯台巡りに少し興味を持った。昔は「灯台守」という職業もあったらしく、その仕事や生活環境についても調べてみたくなった。 また、ラーメン職人としてのこだわり、阿吽の呼吸で成り立つ調理人の仕草や動線など、作者の緻密な取材記録を垣間見ることができた。
24投稿日: 2023.12.14
powered by ブクログ宮本作品、二冊目の読了。非常に読みやすい。登場人物も少なく混乱することがなく自分には合っていた。色んな引用がが出てきてよき言葉に出会えるのも良い。 年を重ねるごとに思う色んな感情をうまく表現しておりしみじみした。 解説の藤岡陽子さんもよかった。
2投稿日: 2023.12.04
powered by ブクログ愛する妻が亡くなって、その妻が残した謎を追う展開で話しが進む。その謎は、自分的には全然たいした事に思わなかったけど、宮本さんのうまい文章と、それでいてテンポよく進む展開、そして所々に出てくる心に残る言葉に惹きつけられた。 「いまを生きる人間にとっては過去の歴史は手に負えない。史実など根拠がないのだ。過去にそれを記した人の意のままだ。自分に都合のいい改竄や捏造はやりたい放題だったかもしれない。」 この文章がすごく心に残った。
9投稿日: 2023.12.01
powered by ブクログ妻の会社の上司の方からいただいた小説で、初めて宮本輝さんの作品を読んだが、素晴らしい内容で一気に読了した。 これまでミステリーが、特に東野圭吾さんが好きな私にとっては手にすることのないジャンルの作品だった。 しかしながら、主人公の康平にとにかく共感するところが多く、いくつかの場面を手帳に残したほど。 妻を大事にしつつ二人で元気に長く過ごしていきたいと、あらためて感じさせてくれた貴重な作品に出会えたことを、妻の上司に感謝。
0投稿日: 2023.11.06
powered by ブクログ静かでゆっくりとした話の展開が、悲しみの重さをじんわりと感じさせる作品だなぁと。本に挟まれていた葉書の秘密を追いかける、ミステリーの要素もあり面白かったです。今まで灯台というものの存在を意識したことはなかったけれど、そんな旅もいいなぁ。と思わせてくれた。
0投稿日: 2023.10.24
powered by ブクログ主人公目線で淡々と物語が進みますが、読みやすかったです。 人生を見つめ直す物語でした。 行ったことのある灯台が出てきたので、その時の光景を思い浮かべながら読みました。 旅ものを読むと旅に出たくなります。
0投稿日: 2023.10.19
powered by ブクログこの本を読み始めて灯台に興味を持ったら、ひょんなことで、本当にひょんな偶然が重なってある灯台に登ることができた。 圧巻の美しい景色を見ることができた。思い出の作品になった。
0投稿日: 2023.10.12
powered by ブクログ幸せは気づくもの。 何でもない日常、それとなく過ぎてゆく日々。そこに確かに存在する自分。現在の自分に至る人類の永きにわたる生の継承。それは宇宙の歴史におけるほんの僅かな一瞬。その永遠と瞬間の交わりの中に在ることを尊いと思える心の持ち様。それこそが幸せの本質ではないかと思います。 変わらぬ事こそが変わっている証。取り巻く環境の変化に添っているからこその変わらぬ様。灯台から多くの響きをいただきました。そして「まきの」の中華そばからも。 主人公康平と彼を取り巻く人々との何気ない会話は名言の宝庫。その会話に散りばめられた一つひとつのセンテンスが心に響きます。中でも康平と新之助のやり取りは何とも言えない不思議な魅力があります。龍飛岬での赤いボタンを巡る掛け合いなど思わず二度読みしました。そして人生を示唆するかの如く登場する『蟹江抽斎』、『夜明け前』、『神の歴史』の3書。 涙なしの心地良い感動に浸る、滋味あふれる物語でした。
1投稿日: 2023.09.30
powered by ブクログ久しぶりの宮本輝。すごい事件が起こるわけでもなく、びっくりのどんでん返しがあるわけでもない。だけど、どんどん宮本輝ワールドに引き込まれていく。とてもリアルなようで、こんな会話を親子でする?て考えたら、リアルではない。でも、会話のひとつひとつが登場人物の一人ひとりが、現実味を帯びて迫ってくる。この物語の主人公は、妻を亡くした夫か?亡くなった妻か?
2投稿日: 2023.09.25
powered by ブクログやっぱり宮本輝さんの旅物はとても良い。 そして、どの作品にも言えるが、登場人物も素敵すぎず、悪すぎず。 主人公が、だいたい上品なおじ様なのも良い。 とても良い時間を過ごすことができた。
16投稿日: 2023.09.24
powered by ブクログ橋爪功さんとかでスペシャルドラマにしたら面白いかも。 灯台にそれほど興味や魅力を感じることがなかったからか映像が上手く浮かばなかった これはミステリーと違いほんわりと謎が解けて着地していくところは好きです(但し蘭子が抱えていたものは一人の人間として大きいものです)
1投稿日: 2023.09.23
powered by ブクログ謝られている彼はぽかんとしていた。使っていた他人の筆記用具をうっかり胸ポケットに入れてトイレに行くことなんか、よくあることなのに、そんなに謝らなくてもいいよと笑って言った。 だが、ぼくは冷や汗が背中に噴き出しているのを感じた。宿痾(しゅくあ)という言葉が浮かんでいた。 「これが俺の宿痾だ。俺という人間に巣くっている、ちょっとやそっとでは治らない病気だ。蘭子ちゃんが言いたかったのは、このことだったんだ」 とぼくは思い知ったのだ。 確かに、そうかもしれない。 しかし、私には、そこまで・・・・・・・・
0投稿日: 2023.09.19
powered by ブクログ身近な人が亡くなった時、その人の歴史を少し覗いて近くに感じたいという点に共感。 取り巻くキャラクタも素敵だし、初めての一人旅の心情なんかも良い。
3投稿日: 2023.09.07
powered by ブクログ旅に持参した文庫本を思いのほか早く読み終え、旅の途中で店頭で適当に選び購入、旅のお供として読み始めた。宮本輝は学生時代に大好きで読んでいたが本当に久しぶり。最近の作品はまったく読んでいなかったが、思った以上におもしろかった。また、最近の宮本輝作品も読んでいこうかと思ったりした。
2投稿日: 2023.09.03
powered by ブクログ妻に導かれるように生きた軌跡をたどり、彼女の知らなかった一面を知る。妻とこれからも共に生きていくことを心に決めた主人公の再生の物語。
1投稿日: 2023.09.01
powered by ブクログ著者の小説は、何かをきっかけに主人公が旅に出る、そういう作品が多々あるが、本書もまさにそのパターン。 妻を亡くし2年の間中華そばの店を閉店し無気力に過ごしていた牧野康平が、「神の歴史」という本の間に挟まれていた葉書を見つける。その葉書は妻宛てのものだった。 康平はそこに描かれている灯台に魅了され、一念発起し、灯台探しの旅に出る。 差出人に心当たりがないという謎の葉書と、妻が語っていた過去に何か関係があるのではと、康平は差出人を探す。 ミステリー調に話が進む、主人公の再生の物語。 主人公の周りの人びとがそれぞれに良い役割をしている。康平の子どもたち朱美に賢作に雄太、それに親友のトシや亡くなったカンちゃんの息子新之助。 宮本ワールド全開の定番と言っていい作品。 康平の中華そばを作る過程が丁寧に描かれていて、つい食べたくなってしまうのは、小説家の企みか。
8投稿日: 2023.08.31
powered by ブクログはじめての宮本輝作品。 葉書の送り主のこと、そして過去の出雲時代のことを隠し通して亡くなった妻。 読み終えると、そんなに墓場まで持っていくことか?と思うんだけど、大袈裟な秘密すぎないところがいいのかな。 葉書の謎がなかったとしても、中華そば屋「まきの」と店主の牧野康平、そして康平の周りの人間たちの味わい深い物語として、十分楽しめた。
1投稿日: 2023.08.30
powered by ブクログいやぁ本当に人のいいラーメン屋の親父さんが出てくるんです。その親父さんが、奥さんの死からラーメンから遠ざかる中で、謎かけにも似た、本に挟まった一枚の葉書に出会って物語が始まります。 自然な流れで、灯台に惹かれ、実際に、その現地に向かい、追い求めていくうちに、それは後々、灯台ゆえの深い意味を持っていることを実感して、奥さんについて知らなかった過去を知ることになります。 より一層、奥さんへの思いを強めて、前向きに変わっていくラーメン屋の親父さんが実に印象的です。 その一つ一つが、優しく、人間臭い作品です。本を読んだ後、まだどこか灯台を観に行かないのかな、と思える不思議なロス感がありました。 そして、本筋とズレてるかも知れないけど、こんなことを思いました。 幾つになっても、大事な人の事ならば、記憶の中では、あらゆる世代のその人の姿が見え続けて、今の年、見た目なんて関係なく、その人に“恋する”事があるんだなと。 人と人との理由なき、結びつきと、実はそれでも深い意味を持って、人を変えていく不思議さを秘めた作品です。
1投稿日: 2023.08.25
powered by ブクログ2023、夏フェアでみて気になった作品。 感情移入できず、内容の発展もあまりないため、読むのを止めてしまった。 宮本さんの作品は初めて読んだが、文章自体は読みやすかった。
0投稿日: 2023.08.23
powered by ブクログ亡き妻が残した謎をあることをきっかけに解いていくことになった主人公の初老のお父さん。おじいさん? 探偵物ものではないけれど、いろんな人との繋がりから、謎解きに向かうことになる。現実的で淡々と進んでいく様が好ましい。最後まで知りたい気持ちが募るストーリー。 亡き妻への思いが無気力気味だった主人公を突き動かしていく。そしてそれを手伝う友人知人たち。なんかいいなあ。 そして、宮本輝好きだ。
5投稿日: 2023.08.16
powered by ブクログいい作品を読んだなぁという感じ。 何気ない事に密度をもたせるのが著者は上手いですね。 読むときっと自分の人生の密度が上がるんじゃないかな。 平凡に見える中にも、ありがちな物事の中にも色んな気持ちが込めればある。 読んで損はないと思います。
3投稿日: 2023.08.11
powered by ブクログ久しぶりの宮本輝 二十年ぐらい前に職場の同僚に錦繍を薦められて読んで良かったと思えて、その後数冊・・・ 今回は丸善の平積から手を取り裏表紙のあらすじ読みで即購入!!! 私にとっての灯台との思い出は・・・ 去年行った男鹿半島の入道崎灯台 雨が降りそうで風が強い中家族三人で登ったぐらいの思い出しかありません。 一方、中華そば屋の思い出は、昔ながらの中華そば屋、本当に美味しいと思えるそば屋がここ数年で何件も無くなった・・・ いずれの、無くなってしまった中華そば屋は老夫婦が経営しており、体力の限界で店を閉めてしまったのだと思う・・・ いつまでも有ると思っていたものが無くなるのって寂しいですよね・・・ 本作の主人公の康平は中華そば屋を営む62歳! 2年前に妻が急死して以来、店は休業!? 多忙な毎日を夫婦で一所懸命に働いて来た康平の唯一の趣味の読書中、本に挟まっていた見覚えのある謎の手紙に導かれて康平は人生初の一人旅で灯台巡りをする事に!!!? 家族と友人、そして友人の縁で巡り会う若者達との出逢いが康平の心の何処かを溶かしていく。
20投稿日: 2023.08.04
powered by ブクログ人間を、人生を侮ることなどできない。侮ってはならない。そんな言葉が読了した時に浮かんだ。 描かれるは、華厳の世界観。 人は、人を侮りやすく、遠目で見て、理解した気になっているが、人間の実態はそんなもんじゃない。 そして、侮りがちな沢山の他人からの少しずつの影響が、自分を形作る。 人間と、人生の粛厳さを感じ、涙が出る。 身体の奥底、丹田から振動を感じるような、深い深い静かな感動を覚える。生きる勇気が与えられ、慶びに打ちのめされた。慈悲の瞑想で感じる慶びと同質の感動があたえられた。ありがたい。感謝。 ハイローズの歌が聞こえてくる。 ああーこの旅は気楽な帰り道 のたれ死んだところで、本当の故郷 ああ〜そうなのか、そういうことなのか
14投稿日: 2023.07.30
powered by ブクログナツイチで購入した宮本輝さんの作品です。 派手さは無いものの大切にしたい言葉に溢れて心温まる1冊です。 出てくる人々みんな立派過ぎて現実が悲しくなる程学び多い1冊でした。
0投稿日: 2023.07.27
powered by ブクログ威風堂々と生きたいな。焦ったって、怖がったって、逃げたって、悩みが解決するわけじゃないんだからな。こつこつと、ひとつひとつ、焦らず怯えず、難問を解決していく。俺はそういう人間になるために、いまから努力するよ(p.336より)
3投稿日: 2023.07.25
powered by ブクログ久しぶりに宮本輝を読んだ。19歳〜23歳くらいまでにどハマりし、その後も断続的に読んでいたが、ここ10年くらいは全く読まなくなってしまっていた。なんとなく、宮本輝の描く世界が幸せ過ぎるというか優し過ぎるように感じて、1人いじけて読まずにいたのです。 だが、夏になると宮本輝を読みたくなる、というような文章を見つけて、久々に読んでみようと新刊を手にした。久々に読む宮本輝の小説はやっぱり宮本輝だった。時間とお金に多少の余裕のある主人公。読書においしいお料理。そして謎を追う。そして毎回素敵な文章がある。 今回のグッときた文章。 威風堂々と生きたいな。焦ったって、怖がったって、逃げだって、悩みが解決するわけじゃないんだからな。こつこつと、ひとつひとつ、焦らず怯えず、難問を解決していく。俺はそういう人間になるために、いまから努力するよ。 なんと素敵な文章だろう。こういうことを主人公や登場人物に語らせる宮本輝、やっぱり好きなんだなぁと思う。 そして、森鴎外の渋江抽斎!全く知らなかったし、読み終えられる自信はないのだけれど、読んでみたいと思いました。
5投稿日: 2023.07.24
powered by ブクログ妻・蘭子を亡くし、営んでいた中華蕎麦屋を休業し、2年間引きこもって暮らしていた康平。 ある日、昔、小坂真砂雄から蘭子に来た葉書が、『神の歴史』に挟まれているのを見つける。 何のために? はがきには灯台の絵が… 蘭子からの康平へのメッセージだったのか… 灯台巡りを始める康平… 灯台を眺めながらこれまでの人生を振り返る。 次男・賢策のために、もう一度『まきの』を再開することに。 どうしても引っかかる小坂からの葉書。 蘭子が出雲に住んでいたことを初めて知り、秘密があるのではと調べていくと… 蘭子の真砂雄を守る決意は堅かったんだな、自分が出雲に住んでいたことまでなかったことにしていたなんて… 灯台。これまであまり気にも留めなかった。 その意味、歴史を知ると、何か巡ってみたくなる。 灯台守がいなくなったように。 灯台もGPS の発展で必要がなくなるなんて。 『お前と話してるとおもしろくなくて、腹がたってくるだ』 『とにかく本を読め』 『雑学を詰め込め』 寛治に言われ、本を読み始めた康平。 確かにそうだ、本を読むことで知らなかった世界が見えてくる、知らず知らずのうちに。 おもしろいのだろうか、自分は… 島崎藤村の『夜明け前』を読んでみようかと思わせられる。 康平の人生は変わったんだろう、寛治に言われたことで。 『本を読む』、あらためて『本を読む』ことを続けようと思わせられた、何でもいいんだ。とにかく本を読もう。
8投稿日: 2023.07.14
powered by ブクログ話そのものは特に大きな起伏もなく進んでいくが、随所のエピソードや登場人物のやりとりに人生の妙味を感じて何度も涙腺が緩んだ。中華めんのスープのようにじんわりと沁み渡る一冊だった。
1投稿日: 2023.07.12
powered by ブクログ読み終わった後、前向きになれる。 爽やかな読後感。 旅に出たくなった、そして、美味い中華そばを食べたくなった。
2投稿日: 2023.07.11
powered by ブクログ中華そば屋を営む牧野康平 62歳。妻を急病で失い長い間休業中。 ところがある日、康平が自分の本の間の中に挟んであった古い葉書を見つける。 この一枚の葉書の謎を解くために人生初の一人旅に出るという物語。 宮本さんの作品は「錦繍」を読んでから2冊目です。 テレビドラマや本などでも長年連れ添った夫婦にどちらかが 他界してしまい、その人の軌跡を追いながら旅に出るという内容は よくありがちですが、これが宮本さんだったらどのようは作品に なっていくのかというのがとても興味深かったです。 康平は先祖代々からの中華そば屋を営み、いかにも昭和時代な頑固親父 とまではいかないにしても、仕事に真面目で朝から晩まで働きづくしで、 決まった作業を淡々とこなしていき、ある程度歳を重ねてから夫婦揃って 旅にでも出ようかと思っていた年代。そんな矢先に妻に先立たれてしまうと 夫というのはこんなに寂しい思いをしてうろたえてしまうのだろうかと ちょっと可哀想に思えてしまいました。 けれど商店街に接しているため、近所の人達や長年の友達が身近に いたお陰で一時期よりは明るさを取り戻したのが何よりでした。 そんな時に自分が知らない妻の謎の手紙を見つけたとなると どんな人であっても謎のままにはしていられないというのが 人間の性です。 この葉書に描かれていた灯台を探すことからはじまり、 人生初の一人旅で灯台巡りをすることによって、 意外にも康平は行動的な人だというのが発見でした。 一つを初めてからどんどんと次の発想と行動に結びついていき、 それと共に心も体もまるで軽くなっていくように 解き放たれていてこんな第二の人生の歩き方も良いなと 思わされました。 灯台を巡りつつ、そこで思い浮かぶ趣味の読書からの 数々の作品の名言なども飛び出していて、 この数の多さにも吃驚させられました。 妻の謎から友達の過去のことまで繋がっていき、 いくつかの点が伏線となり、真実はラストまでしっかりと 読まないと分からないというものでしたが、 一つだけ気になったのは、何故本の間に挟んでおいて あったのか。ということが解説の中でもありました。 その本が何故「神の歴史」だったのか。 ただ妻がそこに置いただけなのか、 それとも深い訳があったのか? ミステリー小説ではないのでそこまでは掘り下げられて いませんでしたが、あと一つ気になったのは、 康平の中華そば屋がいつオープンしたのかが 私には気になって仕方がなかったです。 康平の言った 「威風堂々と生きたいな。 焦ったって、怖がったって、逃げたって、 悩みが解決するわけじゃないんだから。 こつこつ、ひとつひとつ、汗ラブ怯えず、難問を解決していく、 俺はそうゆう人間になるために、今から努力するよ」 という言葉がとても印象的で、モヤモヤとしていた感情が 徐々に新しい人生を歩き始めようとして 未来を見据えている様子が分かり、私自身にとっても勇気を貰える 言葉でもありました。 康平の妻の蘭子はもしかしたら、康平とは反対の性格で、 この作品に出てくるように明るくて優しく、いつも灯台のように 遠くから灯をともして人生の道案内をしてくれたのかなとも思えました。 一人旅をしている康平にはいつも側に妻の事が浮かんでいるので、 こんな風にいつまでも想ってくれるというのは良いものだと思いました。 人生の折り返し地点を迎えている世代になっているので、 このような物語を読むと自分の人生と比較して読むことが 多くなり、それによって様々な場面で一喜一憂してしまいます。 これからの人生に役立てられることがあったり、反省することが あったりと心の奥底まで沁みわたって読むことが出来ました。 悲哀がありながらもこれからの人生に少しでも希望を持ちながら 歳を重ねたいと思いました。
1投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログ本に挟まった亡き妻宛の葉書。その葉書に誘われて康平は灯台めぐりを始める。 宮本輝の真骨頂とも言えるストーリー展開と主人公を中心にした真っ当な人たち、そして細やかな心情の表現。やはりすごい。 幼馴染の本質を知らず、みくびっていたことを悟るシーンがよい。それに、中華そば屋再開に向け2年ぶりに中華そばを皆んなに振る舞うシーンには涙が出そうになった。 また一つ好きな宮本輝の作品が加わった。
7投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログやっぱり宮本輝が好き。読むことでリフレッシュできるというか本来の自分に戻るようリセットできる感覚。旅先で読むのがおすすめです。
0投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログテルニスト(というそうな)ではないけれど、いつどれを読んでも、前向きになれて清々しい読後感をいただける宮本輝先生の本!…って十分テルニストかw 失意で2年間店を閉めたままでいる中華そば屋の亭主が、書棚の本の中に亡き妻が挟んだ1枚のハガキを元に、灯台巡りの旅に出て…。 持ち物や各地の麺類や宿のさりげない描写が楽しく、一緒に旅をしているようだよ。そして成人した子供たちや商店街の仲間、途中から出てくるある若い夫婦ら、キャラクターちちもそれぞれに心があたたかい。店を再開しようと作られるラーメンや炊き込みご飯がおいしそうで! モデルになったお店はあるのかな。行ってみたいなー。
2投稿日: 2023.06.25
