
総合評価
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powered by ブクログブックオフで目が合ったので購入。読んでみた。 作家の中村うさぎさんと脳科学者の池谷裕二さんの対談。対談なので読みやすくて分かりやすい。寝る前に少しずつ読み進めて、昨夜読み終わりました。 どの章も興味深くて面白かったが、特に統合失調症と夢の話と自閉スペクトラム症についての話が印象に残りました。自閉スペクトラムについては自分とは無関係だろと思いながら読んでいたけど、結構当てはまる部分があって、あれ?今の何となく感じている生きづらさの一因はこれなのか?と思いました。自閉スペクトラム症についてもっと勉強したくなりました。 色々気付きを得れたいい読書体験でした。とても分かりやすく書かれているので、気軽に読んでみてほしい本。オススメです。 以下付箋貼った所(ネタバレ含みます) P26 脳はストーリーテラー。説明したがり。だからでしょうか。人間はみんなストーリーが大好きなのです。どんな荒唐無稽な物語や屁理屈であれ、ないよりあった方が良いのです。 P37 共感はとても原始的な行動原理なのです。例えばネズミは集団で暮らすことが多いのですが、仮に集団の中の1匹が、猫に気づいてフリーズした時、周りのネズミが何をすべきかと言う点が肝心なのです。「君は何をしてるのさ」と無視して、普段通りに動き回っていたら、集団もろとも猫に襲われてしまうかもしれません。状況がよくわからなくても、とりあえず周りのネズミも真似してフリーズしておいた方が良い。そうすれば猫はネズミの集団に気づかず通り過ぎる確率が高まります。共感は原始的な生存戦略なのです。 P51 知り合いの精神科医に「なんで統合失調症の人は外から自分の考えが聞こえるの?」と尋ねたら、「自己モニタリング機能が壊れているせいだ」と言うのです。今私は、自分がしゃべっている言葉と、池谷先生の声は別人の言葉とだと認識していますよね。統合失調症の人は自己モニタリング機能が壊れているせいで、自分の考えが他人の言葉として聞こえてくるのだそうです。 ええ、それこそが、ある意味で夢を見ている状態ということでもあります。夢は全て自分の脳が生み出しているものです。なのに夢の中では自分以外の登場人物がペラペラと喋っているシーンを見ませんか? そう言われてみればその通りだ。夢の中で誰かと話してる状態は、統合失調症の人の幻聴と似ているのか。 P58 家族愛に暖かい側面があるのは事実ですが、本質的には「家族の絆」は伝統とされる価値観が生み出した幻影です。あるいは民法で言う「家族法」などの社会的圧力によって立ち上がった虚構です。 認知症の方が配偶者を忘れてしまう事は、実のところ、それほど不思議なことではありません。一方、認知症がだいぶ進んでも、服の着方やトイレへの行き方といったプリミティブな記憶は忘れません。歩き方たってなかなか忘れません。つまり記憶には階層性があります。 家族の認知は、歩いたり呼吸したり排泄することに比べれば、人間にとって優先順位が低いのです。 P66 しかも、感謝などの高度な感情は早期に脳から消えますが、嫌悪や怒りなどの悪い感情は比較的保存されますので、介護者に辛く当たってきます。症状が進行するとせっかく苦労して介護してあげてもお礼も言ってもらえない。 P71 例えば、街を行く車の交通マナーを調べると、高級車ほどマナーが悪いことが知られています。サイズの大きな高級車に乗ると、気分まで大きくなって、社会に対して不誠実になるのです。車だけでなく、一般に地位や年収も同じで、社会レベルが高くなると、道徳観が低下して横柄に振る舞う傾向がほぼ普遍的に認められています。 P89 ゲノム・ライティングによって生まれた人たちは、不妊問題からも解放され、たくさん子孫を残せる可能性があります。となると、年月が経つにつれて、普通の人との人口比が逆転するかもしれません。そうしたら、差別する側の人間に化けるでしょうか。「遺伝子ネイティブは頭脳も容姿も粗悪だ。彼らと同じ空気を吸いたくない」とかね。あるいはさらに進化していって、ひがみのような、いかにも人っぽい醜悪な心が遺伝的に消され、理想人に近づいていく可能性もありますね。だって人を新たに1からデザインするのであれば、差別する心をわざわざインストールする必要はありませんから。 P116 だから、宗教やスピリチュアルが絶対なくならないのだと思う。世界って不条理ですよね。何も悪いことをしていないのに、いきなり病気にかかったり、一生懸命努力しているのに仕事で失敗しちゃう。辻褄が合わなかったり、不条理なことが起きたときに人間は「仕方ないよ。」では済ませられません。風水で不条理を説明したり、おかしなことの理由付けを宗教に求めるわけです。こじつけなり人のせいにするなりして、人生に物語が見えないと安心できず困っちゃう。 P140 だったら、3.4歳のうちは、例えば自己制御力、つまり自ら熟慮する力や、自ら我慢する力を養ってほしいと私は思っています。我慢する力は大事ですよ。マシュマロテストを聞いた事はありますか? P181 これは、とてもセンシティブな話題で、慎重に考える必要がありますが、確かにある特定の月生まれの子に自閉スペクトラム症が多い事は、統計的に確認されています。もしかしたら、風邪などが流行りやすい時期に妊娠していた母親から生まれた子供が、自閉スペクトラム症になる割合が多いのかもしれません。実際、妊娠3ヶ月以内にウィルス感染すると、生まれてきた子供が自閉スペクトラム症になる危険性は3倍にも高まります。炎症で増えるIL 17と言う生体物質が胎児の脳に作用することが原因だとも言われています。 P190 トキソプラズマはネズミにも人にも寄生しますが、本当の意味での宿主は猫です。人間の場合は筋肉か脳に感染していることが多く、ときには統合失調症の原因になるらしいと言われています。 P229 脳を持つ生き物は、脳をメンテナンスするだけで大忙しです。燃費が悪い脳のエネルギーを維持するために、動物たちはあちこち歩き回って食べ続けなければいけません。脳を持つ生き物は、バクテリアや植物から見るととても哀れな生き物です。 P276 私は、自閉スペクトラム症の人を「デジタル思考」だと捉えています。自閉スペクトラム症でない人は、社会的な価値基準、親や友人、恋人や異性の影響によって自分をよく変えることができて、またそうすることがさほど苦ではない。いわばアナログ思考なのです。一方、自閉スペクトラム症の人の場合、「自分はこうしたい」と言うこだわりや興味が限局していて融通が利きません。 「お前はこうしろ」と介入されると、自分の中で出来上がっているデジタルな回路にノイズが入ってしまうのか。確かに私はそうかもしれない。 P318 10代の頃を思い返してみると、周りの人に気を遣おうとしたときに、どこまで気を遣っていいのかが私はわかりませんでした。気を遣うってつまり相手の裏を読もうとするわけですよね。友達と普通に会話していても「本当は家に帰りたいのに、無理して私の話を聞いてくれているんじゃないか」なんて考え始めるとどうしていいかわからなくて立ち往生しちゃいます。キョドったらなおさら変なやつ扱いされるから動揺はできるだけ心の中に押しとどめたりして。でもそれはみんな同じだと私は思っていたんですよ。 それこそが自閉スペクトラム症に見られる症状の1つですね。「どこまで気を遣えば」と考えること自体がデジタル思考です。「本当は家に帰りたいのに」と言う箇所も、自閉スペクトラム症ではない人でも、そう思わないわけでは無いですが、それを解釈した上で「そんなものでしょう」と折り合いをつけられるのです。本質を求める自閉スペクトラム症の人は混乱して、とりあえずこれまでに学習した表層的なテクニックで、社会的に点数の高い態度を取ろうとします。 P330 依存症とADHD特性は、強い関連があると言われています。報酬系が亢進すると脳内にドーパミンが放出されやすい事は、ADHDの人の特徴だと証明されています。テレビゲームやインターネットにはまる依存症の方や、スピード狂の方々はADHD特性が強い傾向があります。 P335 「偏見や差別の根源になるかもしれないので社会的に不都合だ」と言って、特定の見方を一方的に破棄すると、それはまた別の差別を生み出します。どんな物事にも複数の要因が多義的に絡まっているもので、シンプルには割り切れません。自閉スペクトラム症の遺伝因子と環境因子も同じことです。 P351 世の中には何の躊躇もなく他人を「異常者」呼ばわりする人々がいる。自分は正常と信じて疑わないのか、テレビやネットで「私には理解しがたい。ゆえにこれは異常者である」と言う決めつけを他者に対して平気でする人々だ。そういう人たちを見るたびに「この人たち、なんで自分が理解できないだけで、相手を異常と決めつけられるんだろう?なんで自分は正常だとこんなにも確信しているんだろう?」と感心する。だって、理解できない自分が想像力に欠けてるだけかもしれないじゃん!また、そのような「理解できない=異常」と言う偏見と排斥がどれだけの差別を生んでいるかに思いを巡らせ、心の底から厭世的な気分になるのであった。
26投稿日: 2025.12.20
powered by ブクログ脳研究者の池谷先生と漫画家・コラムニストの中村うさぎさんとの対談本。 どちらも初めて知りましたが、対話のテンポがよく、専門分野の話も一般にもわかりやすく噛み砕かれていて、取っ付きやすく読めました。 読みながら自分を振り返るきっかけにもなる本。
1投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログマシュマロテストで、出世率や肥満率、テストの成績まで予想できてしまうという…。自制心、コントロールする力は、とても大切だと思った。
2投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログ久しぶりにYouTubeで中村うさぎさんを拝見し、本読みたい!と思い、手に取った一冊です。 脳研究者 池谷さんと、 中村うさぎさんが対談する形式で進みます。 印象的だったのは、 --------------------------------------------------- 物理学は「世界がどう成立しているか」を説明しようと努力していますが、一方で「世界がなぜこんな設計なのか」は説明できていないのです。 --------------------------------------------------- だから飛行機もなぜ安全に空を飛べるのかは未だによくわかっていないし、麻酔薬もなぜ効くのか原理がよくわかってないと言う。 本書に出てくるものは過剰過ぎて日常生活に支障をきたすと病と診断されるのかもしれませんが、普段の私でも「違和感」「異常」を感じることはあって。 「わかっている」ことの曖昧さや甘さも再確認しました。 中村さんの話し方がやっぱり好きだと思った一冊です。
6投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログ自閉スペクトラム症について正確に自分を説明できる人が、専門家も含めて話をしているのが画期的。程度はあるけど自分にもある部分あるね
0投稿日: 2024.10.28
powered by ブクログ一気読み終える。最後は高機能自閉スペクトラム症の診断が降りる。誰もが何かの症状を持っているという証かも。
0投稿日: 2024.07.12
powered by ブクログ非常に面白い作品だった。中村さんが池谷さんというAIに脳科学や科学について聞いているような体裁。知らない話がどんどん出てきて非常に興味深かった。最後の章で自閉スペクトラム症についての話が展開され、それも他の本には無い視点で語っていたため新鮮だった。
1投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログ自分は対話形式で、浮きつ沈みつしながら知識が流れていくのを獲得するのは苦手だとわかった…。このままだとあんまり読書を楽しめなさそうなので、断念です。
0投稿日: 2024.03.23
powered by ブクログ「脳はこんなに悩ましい」に続き、中村うさぎさんと池谷裕二先生の対談。アルツハイマーなど認知症になると、旦那の顔を忘れるのも、恨みつらみを忘れないのも生きるため。ヒトのみが、子どもに対する愛情を異性にも向けるが、それは脳のバグ。自閉スペクトラム症は、遺伝的要因が高いが、環境要因もある。確率の問題ではあるが、妊婦は風邪を引くと自閉スペクトラム症の確率が高まるから、風邪をひかないようにするに越したことはない。生まれ月で、特定の病気にかかる率が高いとか。 最後に、二人が自ら、自閉スペクトラム症の疑いがあるから、と精神科医の診察を受け、高機能自閉スペクトラム症だと診断される。 自閉スペクトラム症も、生活に支障がなければ、障害ではない。 自閉スペクトラム症の人は、自分が「ワシ人間」であると認知していないヒトも多い。が、「ワシ人間」が自分の中にいると認識して、外に出る時は、「シマウマ人間」の被り物を被って出れば良いと知れば生きやすくなる。
0投稿日: 2023.10.22
powered by ブクログ非常に興味深かった!! 対話相手が中村うさぎってとこも含めていい!! 特に興味深かったことをメモメモφ(..) オキシトシンは関係性のコントラストを強める。 眼に写ったものの1%も処理できていない。(そもそも最初に脳に送られた時点で約30%) 「直感」「第六感」「勘」を作ってるのは大脳基底核かも(記憶や経験等の瞬間的な連合)。 もはや人間の脳では、AIは理解できない。(演算処理のできる圧倒的量の差)人間はdate minning=抽出がどうしても必要だから。
5投稿日: 2023.09.25
powered by ブクログ対談本は、複数の人の考えが融合するのを、本を読むことで得られるのがよい。脳の専門家と、様々な経験をする著者との話。人間の生き方は、色々だけど、脳から見ると、こんな見方がある。そして、性格は違う。このグルグル回るのがいい。
0投稿日: 2023.09.18
powered by ブクログ「脳はこんなに悩ましい」から7年、この間に中村うさぎさんは難病で生死の境を彷徨われました。この対談を読んで、ご不自由な生活はされているものの、思考のキレは些かも損なわれていないと分かってまず安心しました。 脳に関する研究の進捗は物凄くて、目からウロコが落ちまくりですが、やはり、たくさんのことが分かれば分かるほど、「ここから分からない、ということが分かった」がますます増えているのですねぇ…。それでも、認知症や発達障害(この呼称何とかなんないの?)へのアプローチや支援の手掛かりが増えているのは確かなのですね。
4投稿日: 2023.09.17
powered by ブクログ著者2人が自閉スペクトラム症ということなら、僕もきっとそのスペクトラムの端の方に位置するのではないか。仕事以外であいさつができない。雑談が苦手。相手に話を合わすことができない。帰りが誰かといっしょになるのが嫌で、逃げるようにすっと出ていくこともある。いつでも本を読んでいるのは1人でいたいからというのもある。いま、妻の実家に帰省中だが、義父母との会話もぎこちない。もっともこちらは30年近くになるわけで、双方ともに慣れてしまったが。義父は認知症が徐々に進んでおり、同じ質問を繰り返す。覚えられないし、思い出すことも難しいようだ。孫が小さかった頃のことを最近のことと混同してしまっていることもある。うさぎさんが「おわりに」で書いているが、何が異常で何が正常なのか。それぞれ違うわけで、自分が理解できないからといって異常扱いするのはやめにしてほしい。池谷先生の実験室でネズミの脳が身体の外で2年間生き続けるという話。ヒトの脳での実験はもちろんなされてはいないだろうが、やろうと思えばすぐできそうである。安部公房の「第四間氷期」で読んだことが現実になる日も近いのか。
0投稿日: 2023.08.14
