
総合評価
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powered by ブクログシリーズ5作目、最終巻! ああ…魚住くんと久留米はそういう選択をしたんですか…。 二人のやりとりをハッキリとは描かず、第三者目線からの描写で読者に想像させる演出が憎い! 続きが知りたいけど、きっと二人は…他のみんなも幸せにやっていくんだろうな。 最初から最後まで、魚住くんに付きまとう、死と別れの気配。それとどう向き合っていくのか、受け入れていくのか、読者も一緒になって考えてしまう、良作だと思います。これがデビュー作だなんて、榎田ユウリ、恐るべし! すこーしネタバレ。 やはりね、別れだけじゃなくて、出会いもきちんと描いてくれている。死ぬ者がいれば、生まれる者もいるんである。そういう希望のある描き方が好きなんだよなあ。 これはきっと、何年か後に読み返すと思う。Kindleで読んじゃったけど、紙の本で欲しくなるなあ。
0投稿日: 2025.06.09
powered by ブクログ魚住くんシリーズ Ⅴ 魚住に突如現れたPTSDの症状。心療内科にかかり、自分と向き合う魚住は、久留米に頼らず一人で病を克服していく。痛みを誰にも転嫁せず、誰をも恨まず、失なわれたものに拘泥せず、得られたものを数える彼の強さ。 あまりの自然体に、周りの者は愛されずにはおれない。太一との夏の交流がいい。大人目線でなく、同じ親を失った子供目線で接するからこその太一との信頼関係にホッとする。 アメリカ留学後、教授になって凱旋帰国の魚住と予備校生になった太一の再会シーンもジーンと来る。そしてマリの近況も。安岐さんの子じゃなかったのは残念だけど。 失われる命もあれば、新たに生まれる命もあるというラストは、あまりにも希望に溢れて嬉しくなった。魚住がマリちゃんの子につけた名前はなんだったのかなぁ〜。
0投稿日: 2024.08.18
powered by ブクログわたしには年に一度必ず読み返すと決めている本がある。村上春樹のノルウェイの森、マーガレットミッチェルの風と共に去りぬ、ジェインオースティンの高慢と偏見、そして榎田尤利の夏の塩・夏の子供。共通点は何度読んでも心の大切な部分が震わされて、新しい発見があること。読んでいて楽しいこと。ここに重要なことが書いてあると思えること。 魚住くんシリーズは、簡単に言うと居場所のない子供たちが彷徨い、ぶつかり、恋をして、次第に自分の居場所を見つけていく話である。魚住というキャラクターは、BLを読む読者の弱い部分、子供の部分を引き受けて生まれたキャラクターだろう。とびっきりの不幸を背負わされているこのキャラクターが、次第に人間らしく感情を取り戻していくその姿が、わたしたちの弱さを癒してくれる。 泣きたくなるシーンはたくさんあるけれど、やっぱり一番は死んだ少女からの葉書が、魚住が久留米に恋していることを見抜いていたことを知る時かなあ。 そしてこの本には、榎田尤利氏の素晴らしい後書きがついていてそれにも感動した。大洋図書版にはなかったので、このシリーズのファンは一読の価値があります。デビュー作・夏の塩が小説道場への投稿作だったことも書いてある。1995年に抱いていた得体の知れない不安が魚住となって現れたというのは本当に創作の一番素晴らしいところのことが書いてあって震えた。ちなみに元々全5巻の文庫で出ていたものを、わたしは大洋図書版の上下巻でしか読んでなかったんだけど、こうしてまた全5巻の文庫で出版されると、ああこういう構成のお話だったんだなというのがすっと腑に落ちるものがあった。
2投稿日: 2023.10.30
powered by ブクログ全5巻とおして、生と死を考えさせられた 毎回泣けてしまい、また読みたいなと思うシリーズ BLだけど、それを超えて大きくなったら子供達にも読んでほしいと思う 薦めるには少しドキドキしちゃうけど! 愛と人生… 魚住くんが幸せでいてくれたらいいなと心から思った
0投稿日: 2023.10.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全5巻。ついに読み終わってしまった。 最終巻である「夏の子供」が1番好きだ。 太一と魚住のふれあいが温かくて微笑ましくて、とっても好き。 あ、あとお祖母さんお手製の肉団子が食べたい。 沢山の出会いと同時に、沢山の死が描かれているシリーズだった。 魚住を通して、いつか迎える大切な人との別れ、自分自身が居なくなったあとのこと、そしてそれは突然訪れるのかもしれないという現実を考えざるを得なかった。 魚住のあまりに不運な生い立ちに胸を痛め、久留米やマリ、サリーム達との出会いを得て取り戻していく魚住の人間らしさに胸が温かくなる。良かったね、と魚住をだきしめたくなる。 このシリーズに、みんなに出会えてよかった。 魚住と久留米の関係にはヤキモキしたりもしたけど、魚住には久留米じゃないとだめだし、久留米には魚住じゃないとだめなんだよな。なんて温かくて素敵な関係。いいなぁ、いいなぁ。どうぞ末永くお幸せに。 表紙のイラストもとても良い。 5冊とも読み終わった後に改めて表紙を観ると心にじんわり沁みる。 はあ、良いシリーズだった。
2投稿日: 2023.10.03
powered by ブクログあ〜読み終わってしまった、、、 でも魚住と周りの人々の人生は川の水のようにゆるやかに流れて続いていくんだなと思える、本当にほんとうに良い終わり方でした。 「そうだよね、人は生まれるんだよね。死ぬ人もいるけど、生まれる人もいるんだ」(p.319) 魚住のこのセリフが全てだった。 最初にこのシリーズを読んでから8年の間に私も大事な人を何人か亡くし、心の病気にもなりました。なぜ今この本を再読しようと思ったのか自分にも説明はつきませんが、何か導かれたように思えます。魚住と周りの人々の言葉に私は何度も救われました。 「全然知らない人が死んでも、べつに悲しくないでしょう?ちょっと知ってる人だと、やっぱりちょっとショックで、大好きな人だと、それはもう……悲しい」 だから、と魚住は続ける。 「すごく悲しいっていうのは、悪いことばかりじゃないのかな、とか」(p.297) 欲を言えば久留米のバックボーンをもっと覗き見たかったな、とか、響子ちゃんやマリ、濱田の日々や魚住と久留米の幸せな日常なんかももっともっと見たかったー!なんて思ってしまいますが、またどこかで彼らに会えることをひっそりと願って、傷とともにゆるやかに嫋やかに私も生きていきたいと思います。 これがデビュー作だなんて本当に…榎田先生に出会える人生で良かったです。そして手に取りやすい文庫にしてくださった関係者の皆様にも心から感謝申し上げます。
0投稿日: 2023.09.17
powered by ブクログシリーズ通して。 スラスラ読めるけど重いっちゃ重い。 マリちゃん、頼れるアネゴで大好き。 物語〜!!って感じでリアリティは薄いんだけどそこを面白く読み進められるから榎田先生すごいなぁ。これでデビュー作だったの天才以外の言葉見つからない。 榎田先生の言葉選びが好きでリストにめっちゃメモした。
0投稿日: 2022.08.07
powered by ブクログ途中から、涙が止まらなくて・・・。突き詰めて考えると哲学的な本だったなぁ。命とか、人間としての愛とかいっぱい考えさせられる内容だった。
0投稿日: 2019.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
去年読んで最終巻手前で止めてたシリーズを夏の塩から読み直し、ようやく最終巻まで読みました。 読めなかったのは飽きたわけじゃなく、もったいなくて。 読みながら薄々感じていたものが確実になって、泣きながら読みました。メッセージの時泣いたのとはまた違う、なんだろう。 普通、BL、というかこうした同性愛ものだと嘘みたいにハッピーエンドだと思うんだけど、途中からBLなのか?と思うくらい二人の関係が自然なものになって、またテーマがもっと重いものが見えた。別にバッドエンドでもない。ハッピーエンドでもない。そうした括りが必要ないほど、自然に流れていく終わり方。 辛い、けど『進んでいる』。 辛い別れが多いほど好きな人が多かったんだ。幸せだったんだ。 死んだ時、誰かが悲しんでくれて、でも引きずらないで、でも時々は思い出してもらって。それでいい。 魚住真澄というキャラクターを通して、『生と死』についてずっともやもやしてたものが少し晴れた気がする。 作者に諭されていたように感じた 大好きな祖母がなくなった時といろいろ重なって、辛いけど励まされた。 『夏の塩』を読み始めた時は予想もしなかったが、本当に読んでよかったと思うシリーズだ。
0投稿日: 2017.09.10
powered by ブクログ喪失を抱えながらもなお生きる。 生きていたら誰もが直面する誰かの死。大切な人であればあるほど辛いその死は私たちの心を抉り他の誰かで埋められるものではない。この物語では、その傷を無理に塞ごうとは誰もしない。むしろその大切な人への感謝の気持ちを持つことを、教えてくれる。私にとってあなたはこんなにも大きな存在だったのだと。 人と関わることを恐れないで、失うことを恐れないで、生きる。優しい気持ちになれる物語だった…。
0投稿日: 2016.06.09
powered by ブクログ魚住くんシリーズ(全5巻) 『夏の塩』 『プラスチックと二つのキス』 『メッセージ』 『過敏症』 『夏の子供』 辛い過去を背負って生きてきた魚住真澄。 久留米やマリ、サリーム、濱田さん、さちのちゃん。様々な人との出会いと別れによって自分の過去と真剣に向き合い、泣いて、笑って、恋をして。 彼が成長していく姿にはとても感動した…。 死はいつでも自分の身の回りにある。 もしも、自分の大好きな人が明日突然いなくなってしまったらどうなるんだろう。 今まで考えたようで考えていなかった人の生と死の関わりについて、この本を通して彼らと共に考えさせてもらえた。 榎田尤利(ユウリ)先生に魚住真澄というキャラクターを生み出してもらえて良かった。 優しくて、そして誰よりも強い。 「強い子供」な彼に出会えて本当に良かった。 魚住くんシリーズはこの5巻で完結しているけれど、彼らの人生はこれからも続いて、沢山の出会いや別れを繰り返していくのだろう。 私も、いつか自分の好きな人たちと別れるときが来たとしても、その人と出会えたことを大切にしていきたい。
2投稿日: 2016.02.23
powered by ブクログ魚住くんシリーズ完結編。 響子さんが就職して、そこでの仕事に悩み悲しむ「リムレスの空」 PTSDに苦しむ魚住、苦しむ魚住を救えなくて悩む久留米を描いた「 アイ ワナビー ア フィッシュ」 どんな濁流でも進んで行きたいと考えるようになった魚住くん。 魚住くんは強い、どんどん成長する。 太一くんを祖父母の家で預かり一緒に過ごした夏を描いた「夏の子ども」 魚住くんの強さは、強い子どもだからなんど感じた。 生き物の命にも違いがある、ラットより金魚よりあなたの方が大事だと伝えたい。 あなたが無事ならそれでいいと。 命を奪った悲しみがすでに罰なのだと、子どもに伝えられたらいいなあ。
2投稿日: 2016.02.09
powered by ブクログ魚住は信じられないくらいに不幸に囲まれた生い立ちであったかも知れないけど、程よい距離感で接して理解してくれる友人関係があったことは僥倖だと思う。決して孤独なんかではなかったはず。こんな人間関係の中で再生できた事が嬉しくてたまらない。魚住以外に登場した脇の人物たちの人生、辛いことがあってもすべて輝いて見えた。いろいろ足掻いて進んで行く姿が素晴らしかった。
1投稿日: 2015.09.06
powered by ブクログハードカバー版を既読。泣いた。泣いたったら泣いた。しかも本編であれだけぐずぐずと泣いたというのに、あとがきに更なるとどめを刺された。不安をかたちにしたキャラクターが読者のなかにもいるのだと感じるようになった、という著者の発言に特別と普遍の両方を感じて、それはまるで祝福だと感じられたのだ。覚えている限りの記憶では、わたしは昔から夏が好きではない。けれど嫌いにならないのは、数々の小説で描かれる夏の情景に惹かれるから。開放的でありながらさみしさもはらむ夏という季節は、太陽に背を向ける意地っ張りの背も確実に押す。
1投稿日: 2015.07.11
powered by ブクログ1巻から1日1巻ペースで完読です。 いろいろありましたが、二人は自分たちのペースで愛を育んでいますね。 二人ともいい男になってます(満足) マリちゃんにはビックリだったけど、あの子らしいし。 出来ればサリームと馨ちゃんのお話をもっと発展させて欲しかったかも…
0投稿日: 2015.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
魚住くんシリーズ最終巻。 最後まで一気に読みました。 暗に、アメリカに行っても魚住と久留米の関係が続いてることが描かれているけど、正直物足りなかったというか、モヤモヤしたというか・・・もっと二人がいちゃこらしてるところも読んでみたかったな!という感じw 次巻が出るのを楽しみにしていた日々が終わったのかと思うと、ちょっとさみしい><
0投稿日: 2015.06.30
powered by ブクログシリーズ通して身近な人との別れが綴られて来たけど、表題作と最終話はその中にあった出会いの素晴らしさを強く意識できて、読んでよかったなぁと思った。 読んでる間、視界がにじむことにじむこと。 マリちゃんは本当にどこまでもかっこいいな。
1投稿日: 2015.06.27
