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いつか憧れたキャラクターは現在使われておりません。
いつか憧れたキャラクターは現在使われておりません。
詠井晴佳、萩森じあ/小学館
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総合評価

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    これは言わば捨て去った過去の自分を取り戻す、あるいは少年が一人の少女の特別になる事をもう一度願うお話。 どうしようも無く苦しくてやり切れなくてでも諦め切れないそんな青春のアディショナルタイムみたいなお話だ。 その切っ掛けが主人公たちが創作した一人のキャラクターが現実に現れるというファンタジーな設定なのだけど、彼女が背中に背負った剣を突き刺す場面には息を呑んだ。 これは想いの物語だ。 けれど主人公の想いはその弱さゆえか捻くれて肝心なことが何時まで経っても伝えられない。 あまつさえ4年前と同じ過ちを、後悔を、繰り返そうとする。 なにをやってるんだ!  自分の想いから逃げちゃだめだ! そう叫びたくなる。 ラストのレモンティーの魔法でようやくほっと息が付けた。 それにしても誰かが自分の想いを努力を見てくれているということはほんとうに幸せなことだなあ。

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    投稿日: 2023.09.16
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    めっちゃ良かったー…。 ふらっと表紙買いで、ふわっと想像してたのとは全然違う方向に行くから、「これ世代の子には刺さるだろうけど私にはどうかなー」と油断してたら刺されましたよねー日本刀で。 まさかの今際の際にこう思って死にたいと思ってた言葉が(そういうシチュエーションではなかったけど)お出しされて、あーすごいこんなニッチなとこから全世代に共感されるような普遍的なテーマに持って行くんだー…半分くらいから最後まで一気読み楽しかったー! …だから小説って最高なんだよな!

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    投稿日: 2023.09.03
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    実にガガガ文庫の新人賞らしい、ラノベと文芸の合いの子を地で行く作品と感じた。 15歳の時に俐乃のために作ったVRキャラ・響來が、19歳になった成央の前に突然現れる。響來の登場が、俐乃と成央を再び結びつけ、2人の心を揺さぶる青春物語。 15歳の頃の青春や葛藤を詰め込んだキャラである響來と向き合うことで、19歳になるに連れて目を背けてしまった、過去の憧れを再び思い出し、葛藤する姿はまさに青春であろう。 響來の存在や文体はやや文芸的で女性らしい印象であり、結構尖った作品だった印象。好みは分かれそうだが、好きな人には凄く刺さりそう。

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    投稿日: 2023.08.20